スリルミー観劇記録

 

タイトルの通りのざっくりまとめ。自分が後から読みたいがために書いたのであまり読みやすい文ではないです。すごくネタバレです。もっとはやくまとめたかったんだけど刀ステに諸々のキャパシティもっていかれて随分遅くなってしまった。配信までには間に合わせたかった。

スケジュールの関係で一日に三回転しました。しましたね。疲れたね。なのでその前提で読んでください。

順番は新納田代→成河福士→松岡山崎(敬称略)

 

前提としてCDは全部きいててチェコ版を現地でみてます。世にも珍しい親スリルがチェコミーの人です。チェコミー現地で観て日本帰ってきたらまさかのライブ配信された話は一生したい。

 

 

まず作品全体を通して。

みたことなかったからちょくちょくなるほどと思ったシーンが多かった。特に彼が連れてこられるところとか護送車のシーンとか。彼の夢を語るシーンが一番新鮮だったかも。護送車での彼の反応をみてるの楽しかったです。そもそもが私視点の話だから、劇場でみても私の方が印象深く残るようにはできているんだけどCDだけ聞いていると余計に彼という人がみえないんですね。演技の部分でそれが少しずつ補完されていく感覚に楽しくなりました。

タイプライターの欠けた文字が物証になるくだりにはなるほどな~と思いました。タイプライターところで彼が言っていた「それがどうした? 高級品だ」が巡って眼鏡のときの「高級品なんか持ってるからそんなことになるんだ!」で欺瞞になっているの脚本が綺麗で好きです。

あと、盗品のカバンが上からドン!って降ってくるところで頭が一瞬だけキャッツシアターに飛ぶんだけど誰か伝わりませんか。

 

【にろまり】

一番もともと抱いていたスリルミーという話のイメージに近かったなという印象を受けたペア。ロマンスというか。彼を欲して、彼を求めて彼を自分のものにしたかったというのを真っ直ぐに感じた。……んだけど、他のペアと比べたときにここだいぶ異質だなって思い返しました。全然違うじゃん。究極の愛って言葉がこんなにもしっくりくることある?

彼の感情とか彼って言う人間が一番よく見えたのはここ。彼ってこんな人だったんだ!?という衝撃をうけました!情緒が安定しなくて孤独で。「どうせ弟の誕生日だ!!」の取り乱し方が痛々しく……。「街の人がみてる前で逮捕された!!!!!」も子供みたいでかわいそうに……と思った。

その痛々しさにどうにかして触れようとしている田代私。ロマンティックファイアでつーっと一筋涙を流していたのが印象的でした。炎に見惚れて思わず流れた涙なのか、彼が戻ってきたというのを実感しての涙なのか。最後に、「『俺』のこと見直したか?」というシーンでは私の纏う空気がざらっと変わってぞくぞくしました。彼の前では彼に都合よくみえるように自分を演じていたんだなというのがよくわかった場面でした。彼が自分から離れて行かないように、というよりは、好きな人に好かれるためにいいところを見せようとしている感じの方が近い。

彼も私も感情豊かでお互いに触れてはいるんだけど触れている場所がずれているような印象の二人。歪だけれどなんとか寄り添っていたバランスが崩れていく感覚が面白かったです。彼と私がしっかりお互いの方を向いていたので、直後そんぷくをみたときあまりの違いにひっくりかえるのでした。

 

 

【そんぷく】

同じ脚本、同じセリフ、同じ演出の同じミュージカルみたはずなのに全く別の話だった!!という不思議体験をしました。もともとペアによって全然違う作品だよとは聞いていたけど、こんなにも違うものなんだという驚きがすごく大きかったです。面白い体験をしたな。

成河私が喋り出した時に一番初めに感じたのが、人間味がある、共感しやすいという印象でした。田代私よりもわたしたちとの壁を感じないというか、いるよね、こんな感じの人といった印象。彼が犯罪計画を話しているときの取り乱し方もああ、そうだよね、そういう反応になるよねみたいな……。全体的に子分感の強い私だなと思った。最後に彼を裏切ったのはずっとずっと鬱屈としていたものが溢れたというか、自分の方が上だと示すためだったんだなと思いました。ずっと彼に抑え込まれていて、それを受け入れていたんだけどやっぱりどこかと不満な部分があって。最後に一矢報いて自分の優位性を示そうとした成河私といった印象。福士彼がダントツで横暴かつ私の話を全然きいていない彼だったので余計にそう感じたんだと思います。『僕と組んで』のあとのキスもしてやっているというか、私に頼る形になるのが不本意というか、そんなマイナスの感情を必死に抑え込んでいるから無感情そうにみえるような気がして、もし彼が私のことをもう少し顧みていたなら結末は変わったんだろうかと思いました。

それから『僕の眼鏡/大人しくしろ』が最高でした。もともと一番好きな曲だったことに加えて、感情に合わせてオクターブを行き来するドキドキ感。素晴らしかった……。あの一曲だけでどっと疲れたような気になりました。『戻れない道』をうたっているのが53歳の私なのかもしれないと意識しはじめたのは成河さんの私をみたときからでした。

あとこのペア、ピアノからガンガン音を外して歌うし喋るしでそういった緊張感が作品の恐ろしさに上乗せされて観終わったあと一番疲れた。

 

 

【まつやま】

若さ、青くささとそれによる愚かさを一番感じたペア。なにかひとつでも条件が違ったらこうはならなかっただろうに、気が付いたら転がり落ちていた可哀そうな二人のように感じました。他のペアに比べてセリフとセリフの間が詰まっていたので、「転がり落ちた感」を余計に感じたのだと思います。

CDを聞いていた時に、作品全体で『戻れない道』をうたっている時の私の感情が一番理解が及ばないと思っていたけど、松岡私の『戻れない道』は少しわかりました。彼に対する執着と、本当はこんな風になるはずじゃなかったという後悔が両方滲んでいて、歌詞が切実に迫ってくるような感じがしました。間違ってしまったという印象が強いふたり。

あとみんないってるけど松岡私執着のデカさとそれの発露の仕方が気持ち悪い(褒めている)。山崎彼は私を狂わせる美貌を湛えていてとてもいいなと思いました。あの彼と幼馴染だったら遠くに行こうとしたら欲しくなっちゃうよねみたいな。執着の暴走と奔流。幼馴染感一番あったのもここだった。小さいころ一緒にいたのがみえやすい。実年齢のせいかな。山崎彼も私を見てないことは見てないんだけど、福士彼ほどではない。そこにいることはわかっているけれど本気で向き合う気もさらさらないみたいな。というか、しっかり私をみていた新納彼が例外なんだろうな……。あれを最初にみたから他のペアの彼が冷たく見えるけど……。

 

まさかこんなにも三者三様だと思っていなくて本当にびっくり。面白い演目ですね……。全ペアあと一回ずつくらいは見たかった……。

あと今思うとチェコミーは完全にギャグですね。あれ凄い面白かったし今見たら感想全然変わりそうだからまた配信してくんないかな。

 

スリル三回転翌日M!と刀ステをマチソワしてさらに次の日あんステMLを想定外のマチソワしたため頭の中がえらいことになった。なってる。流石に詰めすぎた。

皆様も遠征パズルは計画的に。