パラデュールを目指した

 

👇Aチーム観劇後

👇Bチーム観劇後

 

はい。

シンプルに負け試合。

というわけで壱劇屋さん東京支部最新作パラデュールをみてきた。

感想記事というか日記です。

 

今回の会場のすみだパークシアター倉はスカイツリー付近の浅草方面にある、行ったことのない未知の劇場だった。この劇場は全ての最寄駅からほんのり遠い。銀劇に行くときは品川から歩く女なので歩行距離については別にいいのだけど、問題は私が最悪の方向音痴なことだ。さすがに道を覚えている品川銀劇間とは違って初見の劇場だと大迷いする。

1回目の観劇のとき押上から行ったら案の定大迷いして開演ギリギリになり半泣きだった。帰りはもっと迷った。なんでだよ。※観劇後で正常な思考能力が失われているからです

作中のキャラクターは皆パラデュールを目指し、私は必死にすみだパークシアター倉を目指した。作品の追体験だ。

 

今回公演期間が別現場と重なっていたこともありスケジュール組みが難しく、もともとBチームしかみられない予定だった。んだけどどう考えても絶対に両方みたほうがいいタイプのWキャストだし、なにより先に入った友人たちからの評判がよすぎたので無理矢理休日に仕事をいれて別日の時間休をぶん取りAチームに駆け込むことができた。大大大正解行為だ。

思った通り天才のWキャストで両方入って正解だったし、作品の掘り下げ的にも2回観られてよかったし、あと、なにより当初の予定通りBチーム一回のみ観劇だと確実に作品のまともな記憶が飛んでいたので本当にAを捩じ込んでよかった。

 

前提の話をします。

壱劇屋さん、大好き劇団なので一演目一回は基本みるようにしている。森田晋平さん、お顔とお声大好き俳優さん。キャスト発表で声出た。大好きと大好きの共演嬉しい。大喜び。

でもあんな好き要素全部盛りめろめろセットみたいな役とは思わん。

 

そもそもビジュアルの時点で大好きだったんだけど作品終盤普通にずるすぎてずる~~~!!!!て声出るかと思った。

役の立ち位置的にもしかしたら殺陣ないのかな~とまで思ってたりもしたんです……。武力介入は~てなんかいもいってたし……でも殺陣しないとかある……??壱劇屋さんで…………???

ない(日本刀)

敬語インテリメガネスーツ日本刀。大盛りハンバーグオムカツカレー。

ふつうにAチームの淡海くんガストンさんにもめろっていたのでジャケット脱いで日本刀構えたときた、助けて~~~~~~ってなったしBチームのときはあたりまえに助からなかった。マジでこれいきなり森田さんで浴びてたら作品の感想が全部飛ぶところだった。チケット増やして本当によかった。Bガストンさん日本刀振り回す姿ももちろん蹴りを放った後の軌跡?蹴り筋?みたいなのもすごく綺麗で最高でした。今回Aを28ソワレBを29ソワレに観ていて、間の29マチネに脳内クラッシュ演劇「DRAMAtical Murder」フラッシュバックを挟んでいるのでもうめちゃめちゃだった。こっちは一回脳内クラッシュされてるんだ。めちゃめちゃです(知らんがな)。

Aガストンさんはひたすらに神経質な感じがして素敵だったしBガストンさんはちょっとおちゃめなところもありそうで素敵だった。

それはそうと考察の悪魔ってなに?とはずっと思っている。考察の悪魔って、なに?

パートナーのジョスは飛び道具的な動きができるからこっちはこっちで別の意味でずるい。軽薄なチャラ男の土屋ジョスとおおきいいぬの日置ジョス両方可愛かった。

 

作品も当たり前に最高で面白くて定期的に最高エンタメを提供してくれる壱劇屋さん、信頼だな……となった。壱劇屋さんの芝居を観にいけば最高エンタメがみられるっていう信頼。

ほんとうに毎度、王道少年漫画のようなアツくて血が沸騰するような展開を板の上に起こすのがうますぎて唸る。150分とは思えないボリュームの展開、あれだけ個性的な大量のキャラクターを全員魅力的に描きながら全部に見せ場を作って捌き切る手腕、胸を打つセリフ、マンパワーで魅せる殺陣、全部全部最高。開幕前の板付芝居からして最高だった。私は開演前板付芝居が大好き!2回みるとより胸に迫る開幕シーン。

あとWキャストが本当に面白かったです。全部の陣営のパワーバランスが見事に塗り替わるのが楽しくて仕方なかった。そのなかで柱のように一本筋を通すぶんちゃんさんフィルがいるのが尚いい。

個人的に一番印象が違ったのは四賢人。

全員を焦がしてあそこまでさせてしまう説得力にあふれるAフェチリタ。光が強すぎるんだけど、あの光を追わざるを得ない、追ってしまう、そんなAフェチリタがすごく好きだった。あとどういう形であれ背中を追わせる役のたけむさんが好きすぎる。そんなフェチリタなので他の三人も泥臭く大暴れしながら必死にフェチリタを追っている感じがよかった。Aセグメトとヨネネス、好きだな……。御本人たちいわく動物園の方のセグメトとヨネネス。戦闘の指揮権を渡すのところでハイタッチしてたの超好きだった。

Bの四賢人はフェチリタ含めてAよりも理性的にみえたので、もうちょっとどうにかならんかったのか、と思わなくもないのだけどだからこそそれぞれあの道に至ったのかなと思った。ノワールもこばーんさんのノワールに比べると諦観ややるせなさが強く出ていたように思った。こちらは皆を焦がす程強い光という印象は受けず、隣でやさしく光るあかりのような感じだった。消して強い光ではないけれどそこにないといけないというような。だから「失われてはいけないものが消えた」って感じがした。

あとAB共通してヨネネス様のお口が悪いところキャラ造形として好きになる。

セグメトへの「あなたのように人間を捨てていない」も見事な伏線だったなあ。応援でセグメト様が駆けつけたときテンションブチ上がってしまったもの。互いの動向を把握していたからこその立ち回りと連携。15年のアドバンテージ。虚構のアカデミーまで作ってすっかり時間が止まってしまっているノワールに対する15年のアドバンテージ。好きだな。

 

ブランちゃんはBチームをみてより解像度があがった。Bブランちゃんくるくる変わる表情のお芝居や声色の使い分けがとってもうまく、少女であり母である境の演技がすごくよかった。Aブランちゃんのお人形のような前半の演技からパラデュール到着後にどんどん崩れていく不安定さもよかったな……。前半の彼女はまさに着せ替え人形で、記憶には「歩く」と「ノワール」だけがあって、ノワールの「ありがとう」だけは本当だから、といって剣を手に取るのも、フィルにフェチリタの言葉を託して「おかえり」と言って事切れるのもよかった……。

 

オールフィメールのAセグメト軍、あんなん好きにならんほうが無理や。最高の上司のセグメト様、苦労人あすぴ、猫耳娘スクープ。かわいい。造形が天才。将軍やってるセグメト様がかっこよすぎるし、親友で相棒でお互いを尊敬してお互いに寄り添い合っているAあすぴとスクープが大好き。

Bセグメト軍はなんか……なんか、ここにも発生していましたね……狂いの核が……。主にあすぴ周りに……。なんなんだろうあの、Aアスピよりもやっぱり神経質というか、上司がAに比べてめっちゃ怖いので(Bセグメト将軍様はマジでこわい)より苦労人気質が高まるのに加えてスクープとの関係が兄妹のようにみえるからか……。ガストンさんについてはもうめろめろになるのわかってたから腹くくってたけどあすぴにもだいぶめちゃめちゃになったよ。構えてない相手が一番めちゃめちゃになりやすい。

あすぴ好きです。軍属で指揮官の立ち位置なのに優しすぎるところが。スクープ自身がいくら自分の心が弱いことを織り込み済みでもそれを捨て置けないところとか、セグメト様に成り代わって戦闘被害を抑えようとしてるけど余裕がどんどんなくなって口調が崩れていくところとか、パラデュールまで軍を導いた後お酒におぼれて「気持ち悪い……」と潰れてしまうところとか、一見「弱さ」にみえる部分があすぴの美徳で好きだなと思います。夢に出てきたセグメト様の「自分の地位の仕事をしろ」で再び賢人たちに向かっていくのもいい。スクープにサプライズを仕掛け返すあたりは彼女/彼がセグメト軍たる所以なんだなとおもいました。

ところでセグメト様に成り変わるところシーンとして大好きなのはもちろんBのときたけむさん淡海くんの芝居の模倣うますぎて最高になった。

 

コトス⇔ノワールのおかむさん⇔こばーんさんトゥルリバはさ~そーゆーことするんだ!!!ふーん!!!!!という気持ちでいっぱいです。劇団員内の意図的な入れ替わり配役からしか出ない味がある。

 

みなさん本当に本当にそれぞれ魅力的で特に刺さったのがAはセグメト様とヨネネス様、Bはガストンさんとあすぴだったな。

 

千穐楽おめでとうございます。観られてほんとうによかった。

超楽しかったしピカルーンもどっちかというとみたいキャストが片方のチームに寄ってるけどこれみて絶対両方みよ!!!!と思いました。初演再演時はまだ地方在住だったので実は初見のピカルーン。楽しみ。

そして無事に日記を書き終わったので今から人生初のミュージカル刀剣乱舞に行ってきます。どうしてこんなに生き急いでいるのか。