五彩の神楽2022感想まとめ

壱劇屋さんの五カ月連続上演、五彩の神楽の感想を纏めていくための記事です。

東京で五彩再演があるってきまったときに大阪で既に五彩を観ているフォロワーさんたちが口々に「四ヶ月観た後の五ヶ月目がやばい」という話をするので五ヶ月通ってみようと思います。

そして観劇当時の新鮮な感想を失いたくないのでここに記録していこうかと思い……なにせ五ヶ月もある。最後に一気に読み返したいから同じ記事にどんどん文章足していくスタイルでいきます!

どんな観劇体験になるのかいまから楽しみ~~~!!!

 

 

8月 憫笑姫

※上演台本は一旦読まずに自分の感想を書いてるので的外れなこと言ってるかもしれませんがご容赦ください

 

情報解禁のときに牧田さんがいらして嬉しくて嬉しくて大騒ぎしました。まっきーさん、そのうち壱劇屋さんに出演してくださらないかしらと思っていたのでほんとに嬉しかった~!!! 観たいと思っていた劇団さんに好きな役者さんが出演してくださる幸せ。

 

今回、結構話がつらくて全体を通して結構ずっと泣いてた。

故郷で穏やかに暮らしていた少女が突然城に連れてこられて剣を持たされて、初めは戦場に立つのにも怯えて当然人を斬ることなんてできなかったのに、だんだん進んで進軍するようになり人斬りも躊躇わなくなっていく様子がみていて苦しかった。あとなによりもそんな少女たちが「消費されている」のだという事実が一番しんどかったのかもしれない。

最初、国王がミラを連れてきたのはジャンヌ・ダルク的存在を作るためだと思った。軍の士気や戦力向上の為に、少女が率いる隊をつくって戦場の象徴・偶像として扱おうとしているのだと思ってた。あくまで国益のために生贄にしようとしてるのかな……と思ってたんだけど、もっと酷かった。単純に自分たちが楽しむために少女達を戦場に送り出して勝って帰ってこられたら戯れに褒美を与えて、貴族たちはその様子を娯楽として消費する。最悪だよ……。娯楽のための人形と考えるなら、彼女たちを「偶像」だと感じたのはひとつ正解なのかもしれない。エラとミラだけじゃなくて女官三人もどこかの田舎から何も知らないまま連れてこられた平民の子なのかな……。彼女たち三人だけのシーンでもアクションモブの人たちのなかに鼻つまんでた人いたし……。

次第に戦場に出る覚悟もついて、ただのお飾りで終わらない為に強くなっていく少女たちは美しかったしかっこよかったけど、その選択肢を取らなくてはならない状況は決して認められて良いものではないよ……。はじめ人を斬れずに首を左右に振っていたミラが、はじめてエラのために人を刺した瞬間のエラや女官三人の顔が忘れられない。その時は信じがたいものを見る目をしていた彼女たちもまた力をつけて躊躇いなく戦場を駆けるようになっていくのが、なかなかの地獄の連鎖のようにみえた。彼女たちの部隊が強くなることは結局貴族たちの娯楽性を高めているだけなんじゃないかとか思ってしまって……。彼女達が強さを得て戦場で通用するようになって以降、興醒めしたような反応を見せる貴族達への嫌悪が酷い。彼女たちが活躍をはじめたから、側近を使ってミラの顔に酷い傷を負わせたところも許しがたい。結局惨めにボロボロになって帰ってくるところを嘲笑いたかっただけなんだろう。

 

完全に「寄せ集め」だった女官たちとの関係が出来上がっていく様子とか、あと姉妹の不健全な関係が不健全なりに戦のなかで再び組みあがっていく様子とかは、言葉がないのに凄く胸に響いてきた。戦が終わった後の報告の場にエラを連れて行かないところとか。隊全体から一番末の子として守られているんだなというのを感じたし、エラを守っていたことが最後の反乱の切欠になるのも面白い。エラが、ミラが顔を斬られた後に初めて王の間に立ち入って、そこで自分たちがどういう扱いを受けていたのか知って、王を殴ってみせる流れがよかった。

最後のクーデターのパートでようやく少し辛さが軽減されたように思う。ミラが一時的にPTSDに陥っているシーンは結局彼女たちが望んで剣を握っているわけではないことを再認識させられて物凄く苦しさがぶり返したけど、ミラの周りにはエラも女官たちも騎士団長もいたし、彼女たちを利用していた人間に一矢報いていたのに胸が熱くなった。そのミラが「英雄」になって新しい「王」になっている姿にはやはりどうしても複雑な気持ちにならざるを得ないのだけど。なんだろう、まっすぐなハッピーエンドではないよね。結局彼女たちは前王を殺して新しく王座に就いた統治者だし、民衆からの過度の英雄視にも危ういものを感じた。

 

とまあストーリーは全体的にかなりしんどさを感じるものではあったんだけど、それ以上に圧倒的マンパワーの熱量、殺陣、演出で殴られるので観劇後の感情としては最高に楽しかったし、超元気が出たになるから本当に不思議。ストーリー以上に公演事体の持つ熱量に圧倒されるんだろうな。絶対に壱劇屋さん観てる時からしか得られないアドレナリンがある。

殺陣が今回ももう見応え抜群で、主演の西分さんは最初の方のただ振り回しているだけの殺陣からどんどん覚醒していく様が見事だったし、最後に王に引導を渡す場面のスライディング殺陣なんかテンションぶちあがってしまった。そうそう、これこれこれ!!!ってなった。

女官三人の殺陣の個性の出し方も素晴らしい。ビアンカの女性らしさあるちょっとセクシーな殺陣、プッコの男勝りで力強い殺陣、アメリアの少女らしさ、怯えが残っているからこそ迫力のある殺陣と全部違うからあれだけ殺陣が詰め込まれているのに観ていて全く飽きない。凄い。ちなみに推しはビアンカお姉さまです。お顔もお衣装の雰囲気も表情のお芝居も全部好き。チェキ買った。

あと今回はなんといってもたけむさん。もうね、一騎当千の騎士団長で超かっこよかった。登場するたびにヒーローが来た!!!って感じでテンションがあがる。それから戦闘用の殺陣と少女たちに稽古をつけるときの殺陣の使い分けもよかった。西分さんもTwitterでおっしゃっていたけど、これまでみたたけむさんのなかで一番のびのび殺陣をされているように思えた。ミラとのあいだに言葉で表現しがたい絆が育まれている様子が好きだった。

 

まっきーさん演じる国王は、狭量だな……と思うところが多々。勝手につれてきて勝手に戦場に放りだした少女が強くなりすぎたなと思ったら顔に傷をつけさせるし、殴られたら速攻斬り捨てにかかるし。終始この野郎……と思っていた。というかあの騎士団長が苦戦するくらい強いんだったらテメーで戦場に出ろやという気持ち。それなのにガワがまっきーさんなので全く嫌いになりきれずかっこいい……という感情が湧いてしまうのが悔しい。だってガワがまっきーさんなんだもん。悔しい……。序盤の無表情で何を考えてるのかわからない王の姿から終盤になるにつれて徐々に狂気が滲んでくるのがおそろしかった。

それであの……側近の熊倉さんなんですけどあの……優勝…………。そもそもビジュアル好きすぎて出てきた瞬間頭抱えてた(もちろん心の中でね)。そんでさ、殺陣が、強すぎるよ~~~。速いよ~~~。VSたけむさんのとことか目が追い付かないくらい無双してて最高だった。熊倉さんの殺陣シーンが来るたびに爆沸きしてた。

あと一か所絶対笑うとこじゃないのに超笑いそうになったとこがあって。覆面をした謎の男がミラの顔を切り捨てるところなんですけど。謎の男。謎の男……いや絶対熊倉さんじゃん。もうね、一太刀目でわかった。わかりやすすぎる。展開的に従者だろうなとか、体型が熊倉さんだなとか、そういうのじゃなくてもう殺陣がどうみても熊倉さんなんだもん。覆面なんの意味もなくてめちゃめちゃウケてしまった。笑うところではない。

結局熊倉さんのチェキも買っちゃった。幸せ。

 

あとお衣装も壱劇屋さんの見どころの一つ。今回も素敵だった。ミラの最初の村娘衣装から戦装束への切り替わりも美しかったし、女官三人のお衣装も三人それぞれに魅力があって素晴らしい。国王と側近のふたりの布の厚さも好きだし、なんといっても各人の衣装が戦闘時に翻った時のシルエットが美しい。

殺陣といいお衣装といい、言葉がないぶん視覚的に楽しめて、観劇後は浴びたな……という気持ちになります。壱劇屋さん。

 

最近チケット持ってた公演がじゃんじゃん中止になっちゃったこととか、あと仕事が忙しすぎることとかで気が滅入っていたから沢山パワーを貰えた公演だった。壱劇屋さん観るとほんとに元気になれる。

 

9月 賊義賊

五彩二作品目!!!

不殺の少女義賊の物語。全編通してしんど……ってなってた前作とは打って変わって楽しい痛快時代劇。ほんとに楽しかった。まっすぐわかりやすくてひたすらに楽しくて、こういうお芝居い~よな~って思った。いい意味で作品の少年漫画っぽさと壱劇屋さん及び客演さんの人間離れした殺陣やマンパワーの演出、ワードレスなところが凄くマッチしてた。

主役のコウちゃんのお衣装をふくめたシルエットの二次元感がとってもよい。とてもとてもかわいい。なおかつ演じる小玉百夏さんのアクションが素敵! 軽やかな動き、それにあわせてひらひら舞う衣装、くるくる変わる表情。得物がクナイなのもいいな。まさに爛漫な主人公で最高だった。小さいからだを目いっぱいつかってバリバリ動いてくれるのでみていて楽しくて仕方ないです。あの小さいからだで細長いクロとかおっきい頭領とかをなぎ倒していくのがす~っごくいい……。頭領の今人さんとの体格差とかもほんと漫画みたいでよかった。

 

役だと同心と瓦版屋の二人が特に好きだった。いい味を出している。同心とか、もう出てきた瞬間に好き。造形がいい。かっこい~って思ってたらばかでか十手に振り回されてたりカラクリ十手で飛んでっちゃったりめちゃめちゃコメディ担当で面白かった。そして展開がアツい……。コウを信じてくれるところ、ぐっときて泣きそうになったよ……。最初のほうからコウの変装見破っていたりして、視野が広いというか、ちゃんと見えている人だったんだよね。タイトル回収でブチあがっちゃった。「賊」「義」「賊」!!! そういうことね!!! サイコ~~~~じゃん。

瓦版屋の浦ちゃんさん。柿の新人さんなことは存じ上げていたけど舞台でみるのは今回が初でした。いい表情をする……。出てくるたびに面白いことしてるから出てくるたびに喜んでた。セットの上のとこに頭ぶつけるやつ天丼してたけど結局毎回笑ってた。キャラクターとしてもとてもおいしいですね瓦版屋。コウちゃんに手振ってはしゃいでるのかわいかった。

 

あと演出も好きだったところがたくさんある。血を赤い紙吹雪で表現するやつ、あの技法自体は初見ではないんだけど、それにしたってタイミングがうますぎない??? 早いうえとんでもない手数がある殺陣のなかでピッタリのタイミングでバッと赤いのが舞うからあれが血飛沫だとわかっていても美しいと思わずにはいられなかった。あれを全編通してやる技術の巧みさが凄い。職人技。

師匠との過去回想が同じシーンを繰り返しながら少しづつ長くなっていってだんだん情報が明らかになっていくのも面白かった。あ~ あ~~!! あ~~~……(涙) みたいな……(日本語下手?)。こうなのかな、こうなんだろうな……みたいなののピースがはまっていく感覚というか。最後師匠の首を落とされるところほんとにつらい。前回に引き続きたけむさんは師匠ポジだったわけだけどあの役回りのたけむさんの魅力が凄いのはなんなのだろうね……。作品を支える頼もしさというか安心感というか心強さというか。最後にコウとクロの戦闘を助けに入っていた幻影の師匠のシーンでそれを一番感じた。あの演出とっても好きでこのあたりから涙がぼろぼろでてきた。

クロの最期が一番ないた。あのシーンがあることで作品がきれいに纏まるなって思います。ただ大団円で終わるのではなくて、クロがこれまでしてきたことの報いを受けてコウに看取られるでもなく人知れず命を落として終わるのがいい……。師匠が迎えに来てぽかって殴って連れていくのもすごく好きだった。師匠が助けに入ってくれるシーンとかクロの最期とか、セリフがある劇でやったらちょっとくどかったりクサすぎたりしてしまうと思う。ワードレスだからすんなり入ってくるなって思った。

アクションコメディ活劇のつもりですっかり油断していったら最後にボロボロ泣いてハンカチを持ってこなかったの後悔することになった。いいものをみたな……。

 

という余韻を吹き飛ばすタイ義賊。

壱劇屋さんの劇団正装らしい全身タイツを着用して賊義賊の一部をやってくれる恒例企画。毎公演やってるのは知ってたんだけどタイツ回にあたったのは今回が初。死ぬほど笑った。客演も全員参加でオールキャストのタイ義賊でした。主演女優が全身タイツで登場してあんだけボルテージあがる会場もわけがわからんしというか全部わけがわからん。浦ちゃんさんはのっけからいて笑った。なんなら劇団員さんより出てくるの早かったしスマホ構えてんのも笑った。柿食う客って全身タイツOKなんだ……と思うなどした。

たまたまこれまで観たすべての壱劇屋さん公演がタイツ回にあたってしまっている友人が「あれで作品自体がどれだけしんどくても明るくなって帰れる」的なことを言っていて「つまり宝塚のレビューとかパレードってコト!?」って言ってしまった。多分違う。

公演の記憶を取り戻そうとすると一回カラフルタイツ集団が挟まるのなに???

 

はい。

ぶんちゃんさんが「今月は不殺の主人公だったけど来月はめっちゃ殺します!!!」と言っていたので(?)心踏音も楽しみだね。毎月楽しみがあっていいな。

 

10月 心踏音

五彩の感想は観劇したその月中に書いちゃいたいのに気付いたらもう11月も半ばに差し掛かってた。時の流れが早すぎてどうにかなりそう。せめて次の神楽を観る前に書くぞ、と思い。
10月後半も11月前半もなんか知らんうちにいろんなチケットが増殖してなんやかんや忙しかったね……。


というわけで、3神楽目。心踏音。しんとうおん。心を踏む音と書いて、しんとうおん。観客の心も容赦なくメキメキメキ……という感じで……。とっても、とても、しんどかった……。これまでの2作がかなりすっきりというか、後味の良い感じで終わっているので五彩の神楽全体でそんな雰囲気かと思っていたのに3作品目にして重ためのブローがきた。大阪組や先に観劇していたフォロワーさんたちからしんどいしんどいというのは聞いててある程度覚悟はしていったのになんかもう外でこんなに泣くことあるか?ってくらい泣いた。  

 

壱劇屋さんをみると、毎回こんなことができるんだ、演劇にこんな力があるんだって驚きと感動をもらえるし、今回は一段とそれを感じた。最初に涙が出てきたのはタップダンスのシーンだった。盲人とのコミュニケーション手段として利用されるタップダンスの表現がすごく好きだった。ダンスって、そもそも感情を身体で表現しはじめたものだから、それを言葉がない舞台の上で感情を伝えるための「音」とし使ってあったのがほんとうにすきだった。
盲人の視界を表す照明も凄かった。「わけのわからないままいつの間にかフミが死んでいた」盲人とおなじ感情を観客に共有させる手法が巧みで凄い。下手にいたからフミの後ろにだれかがいたのはわかったんだけどほんとうに急に倒れるので観客も今何が起きたの!?ってなるし、そのあとの展開も惹きこまれる。言葉がなくても叙述トリックって成り立つし観客はそれを受け取ることができるんだなあと驚きました。
たけむさんとトクナガヒデカツさん、見間違うことは絶対にないんだけど、なんとなく体格とか雰囲気が似ているなと思ってみていたから、入れ替わるところはああ、あ~~~~……ああ………ってなりました(語彙)。
逆再生の演出はもういっそ変態的だよね……。岳人の後ろから笑人が出てきて、え、って思った瞬間からの逆再生。凄まじい。し、役者さんの負担がとんでもない。頭こんがらがりそう。あれマチソワ日とかあったんですよね。皆さん凄すぎる。
ここ最近、私は不自由の中で沢山の表現ができる、それが目の前で繰り広げらる「舞台」というコンテンツを愛しているんだって感じることが多いからたくさんの表現や可能性をみせてくれる壱劇屋さんが大好きだなと思う。

 

もちろんストーリーでもマスクがベチョベチョになるくらい泣いた。最後の方とか狡いと思う本当に……。1回目の、客席視点では岳人と盲人の戦いに見えている場面、盲人の弱いところを容赦なく突いていて、えっ……!?って思ってたんだけど、あそこは笑人は盲人とずっと一緒だったから盲人との戦い方を心得てたんだよね。だからこそうまく攪乱して戦えた皮肉。しんっっっっどい。岳人が笑人に鈴を託すシーンもなんて酷いことをするんだって涙が止まらなかったし、「盲人のために」鈴を引き受ける笑人にも泣いた。最期はどうかどうか盲人は真実に気付かないで、自分は復讐を果たしたのだと思ったままそのまま逝ってほしいと必死に祈りながらみていた。ほんとにつらかった。
これまでの3演目とも結局たけむさんに泣かされているなーって思ってる。いまのところ生存率が0%のたけむさん。今後どうなるんだろうか。
あと結構みなさんの感想を見ていても言及されていた「盲人視点では戦っている相手は岳人に見えているのか鈴人にみえているのか」は私もかなり疑問に思ったところ。板の上の事象をそのまま受け取るなら(そして戯曲を読む限りでも)盲人は岳人が復讐対象だと思って追っている、って解釈が合っているっぽいんだけどストーリー上鈴人を復習対象だと思っているって解釈した方がしっくりくる。この辺は前説で「戯曲は売ってるけど皆さんが受け取ったものが全て」といったニュアンスのことを言っていただけているので、私の好きなように受け取らせていただくのだけど。
こういったことの公言があるのは結構嬉しいポイントだなと思います。

 

頭が痛くなるほど泣いて、カーテンコールの間中もずっと泣いていたのに、アフターイベントでその涙が全て引っ込みましたね。またかい。前回の反省を生かしてタイツ回じゃないとこに行ったんだけどタイツ回とほぼ同じ結果に終わりました。今回のアフイベ、ハロウィン大会(予算1名500円)。余韻、死。なんか半分くらいタイツだったし。皆さんだいぶ面白かったんだけど個人的には日置さんが一番ツボで、紙皿で作ったカオナシのカオめくったら下にまだカオがあったからしぬかとおもった。愉快すぎる。


でもアフイベの後のご挨拶で盲人役の吉田さんが「最後の笑人の行動はお客さんからすればもっと他に道がなかったのかと思ってしまうかもしれないけれど、盲人からすればあれで正解なんです(鳴り終わらない鈴の音が苦しくて復讐をもうやめたいと思っているから)」といったようなことを仰っていてそれでまた泣きました。情緒がめちゃめちゃ。


この芝居をあの小さい箱でかぶりつきになって観れるのってすっごく贅沢だし最高の観劇体験ができていると思う。次ももうすぐだけどとっても楽しみです。

 

11月 戰御史

気付いたらもう五彩の神楽の五分の四までみてる!!!! 時の流れ!!!!! あと一作品しか残ってないんですか? イヤ~~~~十彩の神楽くらいやってよ~~~(無茶を言うな)。
四神楽目の戰御史。今回は初日に行きました。
これまでの3作品とはだいぶテイストが違うなと感じた。これまでの作品もたしかにジャンルはバラバラだったんだけど、今回はジャンルだけじゃなくて作品の雰囲気というか、なんていうんだろ。掲載誌変わった?みたいな。観劇後わ~~!!!すっげ!!ってなる演劇と、スルメタイプの演劇に分けるとしたら、これまで観た壱劇屋さんは全部前者だったけど今回は後者。墨絵が落ちてくるシーンも、ここです!!はい!!!ってところじゃなくって、あ、ここなんだ!?って思った。はっきり物語があって結構わかりやすい作品ばっかりだったのに今回は概念的な話になったから今までで一番難しかった気がする。ホラーテイストだった。公式ツイートの「世にも奇妙な殺陣芝居」って言葉がまさにその通り。壱劇屋さん好きな友人たち曰くかなり大熊作品節が効いているそう。なるほど? そもそもが初演の主演二人にがっつり標準を合わせたお話だったらしい。
おそらく大枠は捉えられているんだけど後半になるにつれやばいわからん!と思って会場出てすぐ脚本買いました。もう一度咀嚼したくて仕方がないのにスケジュールも残高もおしまいすぎる。今月と先月劇場に行き過ぎた。
以下は正解を読まずに自分の解釈ベースで感想書いてるので外れたこと言ってるかも。私が思った戰御史の話と感想が混ざってるから読みやすくはないです。
大外しはしてないと思うけどな~。

おかむさんとこばーんさんが最初に向かい合ったときにえ、そっくりじゃん!!!ってなった。からすぐあ~こばーんさんが別人格なんだな~ってすぐわかった。衣装も綺麗にお揃いだったし。この赤と青のおそろいも技巧が光っているなって思う。青照明あたってるときとかブル転してるときとかこばーんさんの着物が紫にみえてどっちだ……?ってなる瞬間が時々あった。でもおかこばのお二人、カテコでみたらふたりとも全然似てなくてあれ???って思いました。板の上の力かなあ……。

ろうそく男こと「もう一人の自分」と対峙して、彼の持つ武器を介してこれまで失っていた自分の記憶を追体験していく。屋敷のなかに転がる武器は「ろうそく男の戦利品」かな。ろうそく男の人格で手にかけた相手の武器を、ろうそく男のままこの屋敷に運んでいるから表助はそれを知らない。表助がこの屋敷に来たのは、雨で露頭に迷ったとき身体のどこかでここを覚えていたから、とか。
突然襲いかかってきたろうそく男に対抗すべく現れた剣に触れて、過去に身体が戻る。ここ序盤だったからまだ良くわかってないまま観てて、未だに引っかかってるポイントのひとつ。この時点では表助は表助のまま顔無しの剣の記憶に触れていたんだよね……。持ち主の記憶を辿らせるかどうかってろうそく男が任意に操れるのかな。
とにかくこの屋敷にある武器に触れると「なにか」が起きることはわかった。でも襲いかかってくるろうそく男に対抗するためには触れなくてはならない。

そんなこんなで入る野武士編。はじめ、ザックリ相関図だけみたときは完全に「武器」の記憶が自我をもって現れるのだとばかり思っていたんだけどそうでなくて表助がその武器の持ち主の記憶のなかに入り込んでしまうのね。なるほど。世にも奇妙な物語だわ。
ここの演出面白かった。表助が顔をべたべたと触っているあたりであ~顔が変わってるんだってのはわかる。そこから役者が入れ替わる。台詞がある芝居ならいきなり役者ごと入れ替えてもいいと思うんだけどこれを言葉なしで伝えようとするとこういう構成になるんだな……。そして言葉がなくても何が起きてるか全然わかるんだよな……。表現って凄い(毎度言ってる)。
冒頭で飛ばした「記憶がなくなっている」シーンをこうして追走して補完する構成が面白いなと思った。表助が倒れて人格が入れ替わるときにうしろからろうそく男が出てくるのは、そうくるだろうなって予想がついていてもアガった。

続いて何かが起きるってわかっていてもうっかり触れてしまったたけむさん演じる「剣」の記憶。さっきのシーンだ!ってなった。一回目にみたときに顔無しがすぐに表助を庇ったシーンの印象がかなり変わったのが面白い変化だった。一回目は普通に顔無しが隊長を庇ったんだって思ったけど、今回は「自分」だものね。ところでたけむさん、今回のお話だと出番控えめだけど今のところ五彩で死亡率100%。どうなる荒人神。
野武士編と同じように現れたろうそく男が最後には顔無しすらも手にかけてしまうんだけどそれを後助がみているところまで観客にみせるから、表助の狂行を知った上でまだ一緒にいる後助は一枚岩ではないってわかる。まあ、後助に関しては一目みたときからこいつは腹に一物あるな!って思ってたんですけど。私は詳しいんだ。

再び現代パートを挟んで、今度の武器は銃剣!この銃剣って一個前に表助撃った銃剣だよね……?記憶がはっきりしとらんけどたぶんそう。表助を撃ったのは銃剣ちゃんだったのかな。
銃剣ちゃん、かわいい~~~最高~~~~めろめろ~~~~~
こんなんみんな好きでしょ。お衣装も最高にかわいい。和テイストにスチパン風のゴーグル、網タイツ。衣装の造形が細かいのよね。スカートっぽくなってるところの四段フリルは二段目と四段目にだけよく見ると柄がはいってたりして作り込みが素晴らしかった。前瞬間可愛くって最高だったね。そんなオタクが全員好きな衣装きてオタクが全員好きな得物でバンバン戦っていく女頭領もとい表助。この頃だともう記憶の中で自分の軍の兵士と戦うのに一切躊躇がなくなってきている。これが「記憶」だってわかってるからか繰り返す記憶のなかで麻痺してしまったのか。
この回から後助が意図的にろうそく男を出してるってわかる。表助を昏倒させれば強い人格が出てくるから不利になるたびうまいこと使ってたんだな……。最後に撃ってた銃は弾はいってないやつだよね?じゃないと死んじゃうもんな……あの音がもう一度スイッチするトリガーなのかな。ウウン。

銃剣ちゃんがろうそく男に殺されたところで、再びろうそく男対表助のシーン。ここでこれまでと違って後助が完全に起きてくるんだけど、ここの演出もえぐかった。表助の主観視点と後助の客観視点が入れ替わり続けるところ。客席に対して目隠しをして、その後ろにかくれて現れたり消えたりする手法自体はヒーローショーとかでよく見るやり方ではあるんだけどあんな滑らかにやる!?!?凄すぎる……。完璧なタイミングで客席の視界から消えるこばーんさんも、相手が消えたり現れたりするのに殺陣とマイムを違和感なく交互に続けられるおかむさんも凄い。すげ~~~~って思っている間にろうそく男が勝って主人格の入れ替わりが起きて、再び冒頭へ。

ろうそく男と表助が入れ替わった後冒頭のカウントダウンを繰り返すのは、実際に同じことを繰り返しているわけではなくて今度は表助の記憶をろうそく男が追体験しているだけかなって思った。実際には屋敷から出ていなくて、ただ主人格を乗っ取った上で表助の記憶をなぞっている。で、記憶の中の屋敷にたどり着いたときに出てくるのは表助。本体にあたる身体は屋敷のなかにいる。その身体の中でさらに二人が対峙している、入れ子構造的な。

今度は表助が人格を取り戻そうと、屋敷のなかにあった短剣をろうそく男に。この時点で二人は記憶を完璧に共有し得てるのかな。それとも仕組みだけを理解した表助が人格を取り戻すためにろうそく男に短剣を渡したのかな。

狂人編。満を持してのひなちゃんさん。オタク全員殺す!!!!みたいなビジュしててウケた。腹筋きれいすぎ。そんであの手の殺陣似合いすぎ。動きがめちゃめちゃ俊敏で獣じみていてかっこよかった。こばーんさんとのろうそく男対ろうそく男のところの迫力も凄かった……。いくら中身が自分とはいえ、記憶の中で一度ろうそく男が倒している狂人だから結局は勝てないんだな~。

狂人編から再びろうそく男と表助の戦いへ。屋敷中の武器を二人揃ってひたすら持ち替えて、勢ぞろいで戦うオールスター戦。見応えありすぎ。実際戦っているのはろうそく男と表助だけれど人をどんどん移し替えて戦うから観てる側としては楽しくて仕方がない。ここは凄いものを観ているぞ……と思ってひたすら圧倒されてた。

ここからさらに斬りかかってきた後助の刀を握ったところで後助編に。今書いてて気付いたけどこの時点では後助は「ろうそく男が手にかけた人」ではないから「この屋敷の中で他人の武器に触れる」が記憶の追体験の条件だったりするのかしら。

後助の記憶を追体験することで後助の企てを知る表助。後助がなんで表助を殺そうとしていたのかはよくわからん。ろうそく男人格が手に負えなくなってきたからとか?とにかく部下に囲まれて、後助が人格を入れ替えるのに使ってた弾なしの銃を自分で自分に撃ち込んでろうそく男と入れ替わろうとする。でもろうそく男は入れ替わってくれないから、自決して無理やりろうそく男を前に出そうとした表助。この自決は、つまり主人格を完全に明け渡すということだと思ったんだけど、この後普通に表助も現れたのであれ?ってなった。でもその方がエモいし面白いからそんなに深く考え込みはしなかった。

後助との最終決戦。後助の発砲にあわせてトンデモスピードで入れ替わっていくろうそく男と表助。このあたりが一番混乱してたけど、目の前で凄いことが起きているので一旦考えるのやめ!!!やめ!!!!殺陣を浴びるわよ!!!!!楽しい!!!!!!!!!ってなってました。細かいことを考える余裕なんてなかった。目の前で濁流のような勢いで起きている殺陣を楽しむので精一杯だった。
ここの後助の芝居がさいこ~~~~に好きで……。撃っても撃っても自分が知ってる「表助」が出てこないからどんどん顔が焦っていくのがとても良かったです……。うまいこと表助を制御しているつもりだったときの悪い笑い方も好きだしここの表情が崩れていくところも超良かった。後助だいすきです(友人にでしょうねと言われた)。

今思い出しながら書いていると、後助を倒したあとで表助が消えてたようみえたからやっぱり表助は人格としてはほぼいなくなっていたのかな……ん~……もっかいみたい。

エピローグ。再度冒頭の記憶の繰り返しがおきるけどもう後助はそこにはいない。ここのろうそく男は意識的にあの屋敷に足を向けて表助に会いに行っているように思えた。最後に表助とろうそく男が対峙しておしまい。

順を追って思い起こしていくと表助が自決した以降からちょっとパニックになっていたっぽい。最後に表助とろうそく男が音に合わせて目まぐるしく入れ替わっているところは「後助を殺す」ってろうそく男の意思に塗られているから、表助が出てきているだけで表助の自我自体はないってことなのかな~戯曲読み込んだ上でもっかいみたいよやっぱり。

ココまで書いたから戯曲読んだ。なるほどね。麻酔銃ね。なるほど。全体的には~んとなったものの戯曲を読んでも全部がわかるようにはできてないんですね。余白があって楽しい。

壱劇屋さんといえば殺陣だけれど今回特に殺陣の見応えがあった。総力戦だった。こばーんさんの身体能力やばっておもった。どこだか忘れたけど両サイドから迫ってくる台に、上に飛んで乗っかるところは息を呑んだ。というか皆さんすごすぎる。オールスター戦も最後のどんどん入れ替わっていく殺陣もほんとに凄かった。なんかめっちゃ長くなったな。来月はいよいよたけむさん主演の荒人神。四作みた後の五作品目、どうなるんだろ……ドキドキ……。

 

12月 荒人神

本ブログ冒頭

>東京で五彩再演があるってきまったときに大阪で既に五彩を観ているフォロワーさんたちが口々に「四ヶ月観た後の五ヶ月目がやばい」という話をするので

 

そらそうなる

 

はい。

私もとうとう五彩"済”の人間になりましたよ!!!

五彩の神楽、四ヶ月観た後の五ヶ月目がやばい!!!!!!

 

これ感想書ける?難しくない???「凄い」で頭の中いっぱいだよ。

二ヶ月目の感想で憫笑姫とか賊義賊の団長や師匠のような誰かを教えて助けてくれる役回りのたけむさんが好きだなっていってたし、心踏音観た後に毎回たけむさんに泣かされてるっていってたなというのを思い出しました。それを踏まえて今回の演出さあ……。

えーーーーん😭

これまでの物語を「竹村晋太郎」という役者を媒介にしてもう一度巡るのか。使っている武器がこれまでのものと同じだから余計に重なる。元が背負っていた武器がモロそれだったから使うんだろうなとは思っていたけど、まさかその武器を使っていた物語に近い世界に行くとまでは思ってなかった。これまでの神楽から何かがずれた世界。これ、最初の憫笑姫の世界のときには初手で気が付けなくて。心踏音までは各主人公の性別が反転しているので最初に登場した手を繋いだ二人が兄妹ではなくてカップルにみえたんだよね。考えてみればシーンはそのままなんだけれどそれがすぐに憫笑姫の世界だとは結びつかなかった。でも却って荒、元、白の三人に注目できたからよかったのかも。荒が元と白を下がらせてから人を斬りはじめるところとか。元は(自分が気絶していたのもあるけれど)荒が盲目の少女を斬るまで荒が人を手に掛けるところをみていないんだな……。憫笑姫の世界のところ、元たちに合流した後、白は血がついている荒の剣をみるけれど元が荒の方をみる前に荒は剣についた血を拭うんですね……。徹底している。やり過ぎじゃないかとおもうけれど、荒にとって元はそうまでしても醜さから遠ざけたい存在だったし、だからこそ荒が悪感情に呑まれてしまった後もめげずに立ち向かえるんだな~……。

賊義賊はもうモロだったのですぐにわかって、あ、じゃあさっきのはそういうことか……ってなった。それぞれの神楽から少しずれた世界で荒は人の醜悪さを目の当たりにしていって最後にはとうとう悪感情に呑まれてしまう。これまでたけむさんの役が助けてきた世界や人が、ほんのちょっと違えば助からなかったというのをひたすら目の当たりにし続ける。とんだ演出だ……。心踏音の世界で絶望して悪感情に取り込まれてしまった盲目の少女を手にかけるシーンが本編と重なって辛かった。悪感情に飲み込まれてしまったあと、元に必死に手を伸ばしてるのもオエ~てなった。

あとさ~、掛け軸からみんなが出てくる演出のところはさ……声出るかと思ったよ。

アベンジャーズ・アッセンブルじゃん。

思わずコウと盲人の顔をまじまじとみてしまった。本物だった。ここからぼろぼろ涙でてきて止まらなくなっちゃって。だってこんなのずりいじゃん……。

ところで私はサプライズキャストに親を殺されたことがあるのでシークレットのキャスティングに色々と思うところがあるんだけど終演後確認したらアフイベにいる日があったからまあ、ヨシ……初演は初日に主人公座談会的なイベントをやってそっから全通した赤星さんのファンの方とかいらしたと聞いたのでそういうことはできたら初日に……と思わなくもないけれど。

や~でもほんとうに叫びだしそうになった。びっっっっくりした。あんなに劇場で叫びそうになることあるんですね……。たけむさんがこれまで助けてきた人たちが、こうして助けに来てくれるんだな~……。このシーン、思い出しては未だに泣きそうになる。数日前にみた芝居を思い出してまた泣けるのって幸せだなって思います。

でもここに現れた彼らはあくまで「絵の中から飛び出してきた主人公たち」だから本人ではないんだな~って盲人をみて思った。見えている人の動きをしていたから。長槍も笑人が使っていたものだってわかって触れていたようにみえた。

あとはもうみながらアドレナリンドバドバでてたよ~。アツい。とにかく。主人公たちの殺陣を見るたび、アイコニックなSEを聞くたび、4ヶ月ぶんの記憶がフラッシュバックしてきてすごかった。総力戦だ。あとたけむさんの殺陣も大放出だった。長槍がヌンチャクみたいになっちゃったのはずるって思った。たけむさんに扱えない武器はないんか? ろうそく男でてきたところとかもブチ上がりました。劇団員さんだし、アクションモブにこばーんさんいなかったし、でてくるだろこれは!って構えててもブチ上がる。「どうみても後ろにろうそく男がいる布」が上手から現れたときワ、ワァーってなったしろうそく男が後ろからでてきたときはもっとワーーーーーーー!!!!!ってなった。楽しいね。倒されたら絵の中に戻る演出はオタクが好きなやつじゃんね……。

あとは荒人神を通して改めて心踏音が好きだなって思った。前説の噺屋が心踏音の説明するところですらややうるっときた限界人間だからフミちゃん出てきた瞬間に大泣きしてしまった。だってあんなのさあ……最後のところ憫笑姫、賊義賊、戰御使は正しく「アフターエピソード」なんだけど心踏音はさ……心踏音だけは……あの世界ではできなかったことをやっていたから。これもひとつの「なにかが少し違った世界」の話なのかなって思う。これ書きながら思い出し泣きしてます。今。限界……。心踏音本編でもあり得ないくらいに泣いたけど今回も結婚式のシーンに入った瞬間嗚咽漏らさないように必死になった。はあ……。瓦版屋が二人のウェディングフォトを撮ったりしてたのもよかったな~。

掛け軸が降りた瞬間の光景の美しさも鮮烈。板の上の「絵」としてとても美しくて完成されていて好きだった。きっと荒が描かれるのだろう、荒の絵が収まるんだろうってみんな思ってたところにダンって落ちてくる元の絵。でもこれ以上なくしっくりくるというか、納得というか、ああ、そうだよねそこは元だよねって思った。大津夕陽くんも全編通して思わず応援したくなってしまうような演技で目が離せなかった……。ところで元くんって初演だと田中亨ちゃんだったんですね!? 友人に教えてもらった。絶対いいじゃん。入ります、観劇三昧。

この掛け軸降りるシーンの前に各主人公が掛け軸の前でポーズをとるところ、みんな元の方みてるのに戰御使の二人だけ二人でわちゃわちゃしててコラ!てなった。最後の大団円のところでも表助とろうそく男はず~っと二人で武器入れ替えて闘ってたから君たちはなんなの。あそこだけ連載誌違うんだよな……。ろうそく男は2回目みたときになんかゆるキャラみたいになってたから面白くなってしまった。ろうそくもったまま踊ってるの面白すぎる。ずっと笑ってるしゆるキャラなのかもしれない。

あとTDみたいなお姉さまたち(TDではない)も三者三様に美しくて素敵~~~。にわめぐさんの腹筋えぐくてびっくりした。霞は所作が綺麗であれはめろめろになってしまうわ……元ちゃんも誘惑されていて可愛かったです。死人を操るゴシックガールなんて全人類好きじゃん。あのかわいいビジュアルから出る雄叫びとともにアクションモブの皆さんが一斉に立ち上がるシーンは圧巻。あわさんも「そこにいる」存在感が素晴らしくて超かっこよかった。

白が想像していたよりもだいぶかわいいというかぶりっこな感じでこれまでの4作から受けた印象とは結構違ったのだけど、殺陣の芯というか軸がしっかりとしていて動きが綺麗だな~て思いました。

なんか、ワードレス殺陣舞台が刺さるところが結構ミュージカルが刺さるところと似ているような気がしている。感情の揺さぶられ方が似ているというかなんというか。ストプレが刺さるときとはまた違うんだよな~。歌声でダイレクトに感情をぶつけられるのと視覚情報でダイレクトに感情をぶつけられるのが同じように私に刺さるのかもしれない。

とにかく凄いものをみた。ほんとうに。

あと2回目に入ったとき、カテコが宴会芸の域に達していたのでウケた。

 

 

 

信じて五ヶ月ついてきてよかったな~っておもいます。五ヶ月通うのって思ってたより大変で、特に10月と11月とか予定が大パツりしててスケジュールがいい感じに死んでいたのでだいぶ無理矢理行ったのだけど、ひとつも取り零さなくてよかった。本当に。絶対に全部行けってけしかけてくれた大阪で五彩済だった友人たちや一緒に五ヶ月全部観た友人に感謝です。あと、やっぱり一作品目の憫笑姫を観たあとの衝撃が大きかったからこそここまで通い続けられたのはある、、、。憫笑姫についてはまっきーさんがいなくても多分行ってる気はするけど、でも観劇動機の大きな部分はまっきーさんだったので作品に出会うきっかけをくれたまっきーさんにも感謝!

壱劇屋さん、私が演劇にもとめているものをそのままくれるので観劇後に凄く元気が出る。私が劇場に行く理由は夢醒め*1の冒頭の夢の配達人のセリフがそのままで。

「人生を生きるには夢が必要だ。 苦しい時、かなしい時はここへいらっしゃい。 寂しい時、嬉しい時もぜひ。」

私は「人生は素晴らしい、生きるに値する」*2ってそんなに心からは思えないけれど、でも素晴らしい演目に出会えたときはこんなにいいものが観られるなら人生は捨てたものじゃないなって思う。まさにそんな演目で、特に心踏音を観終わった後に体に残った衝撃はそうそう忘れられない。あと何回こんな観劇体験ができるだろう。

あと、客席まで「演劇が好きで好きで堪らない」っていうのが伝わってくるところも、好きだって思います。

 

本当に五ヶ月駆け抜けられてよかったし、一公演もかけなくてよかった。来月からもう五彩の神楽がないなんて寂しい……。

五ヶ月間ありがとうございました!お疲れ様でした。

*1:ミュージカル『夢から醒めた夢』 来年10、11月再演決定!!!!! 突然別畑の話ですみません……私の金言なんです

*2:劇団四季が作品選定基準にしているメッセージ