LDH微塵も知らなくてもETERNALⅡは楽しいし最高

舞台ETERNALⅡ千秋楽おめでとうございます! このご時世に一公演も欠けず完走できたのほんとうにめでたい~!!
最近とにかく手持ちの公演が中止になってばっかりだった。行こうと思った公演がチケット取った次の日に中止になったり、4月からずっっっと楽しみにしてたキャッツが中止になっちゃって、代わりに人間になりたがった猫のチケット取ったら、それもまた中止になっちゃったり。そんな私のあまりの落ち込みようをみかねたRAMPAGEさん好きな友人がETERNALⅡに誘ってくれた。

優しい。

観劇した回が丁度人猫が流れた日だったので、キャッツと人猫がだめになってしまった日に有明四季劇場の真横でやってる公演に行くことになったの面白い縁だな~なんて思いました。発着音のCOLとハクナマタタ聞けて嬉しかった。
RAMPAGEさんのメンバーは天使についての配信で拝見していたRIKUさんしか存じ上げず、他のプリンだと福澤侑さんを唯一知っている状態での観劇でした。アンサンブルには何名か別演目で拝見したことがある方がいらした。2.5でここまで演者わからないの珍しいので結構新鮮。*1

以下一度しか観てない人間の感想なので諸々ご容赦ください。

 

事前知識があんまりなくても面白く纏まってたしかなり楽しかったのですごい。

演目自体は一作目を無料配信期間に拝見しているのだけど、色々時期が忙しかったので大慌てでみてあんまり仔細なところまで覚えてなかった。それでも特に問題なく楽しめたので助かりました。テーマが結構わかりやすくて、コレ多分Ⅱからみた人でもおいていかれずに楽しめたんじゃないかな。意図的に話のつくりをシンプルにわかりやすくしているのを感じた。シリーズものは続編ってだけで観劇のハードルがあがりがちだから、そこが気にならないのはめっちゃいいなって思いました。
舞台パートだけだと1時間30分くらい? かなり短いのにそれぞれ見せ場があって、歌もダンスも殺陣もあって、話もしっかり面白いの、作品としての仕上がりがすごい。本当にすごい。演者の強みであるダンスも歌もみれるし、脚本も面白いし。場転の仕方とかの演出がちょいちょい好みじゃないなって思うところはあったんだけど、個人的な好みの範疇に収まる部分だしなにより本当に本が良い。葛木せんせえ~~~~!!!(良脚本に出会うとすぐ脚本家にうちわを振るおたくの図)
今回は異種族であるオルドとどう共存していくか、そもそも共存は可能なのか、といったところが軸になっていた。登場するのがオルドと人間のミックス。彼らはミックスだけれど自分たちは「オルドである」としてオルド軍として戦っている……んだけど、これ、多分オルドと人間両方から快く思われていないパターンだろうなとおもったら案の定だったので悲しくなった。TRUMPシリーズで培った知識、生きなくていい。

 

ミックスであるニクラス隊と誓約団のあいだに戦闘を通してすこしずつ関係値が築かれていく様子がみていてとても好きだった。とくにジーンとコニーがよかった。前作からジーンがすきで彼に注目して観ていたのもあると思うんだけど、彼らが命のやり取りのなかでお互いをみて、考えているのが好きだったんだよね。コニーの眼の前でジーンが身を挺してクロエを庇った姿をみて、この優しさを持っている人になら自分の友達を任せても良いと思ったからコニーはジーンにねずみを預けたわけで。あの場面が本当に本当に好き。コニーがジーンのことを単に「敵」としてみないで、でジーンの為人をしっかりみて、こういう選択をしたんだろうなと思って。そのコニーの気持ちをジーンがきちんと受け取っているのも良い。
考える、考え始めるというのが今回の話の肝だったように思った。ジーンが「食べて眠れたら良い」と思っていたのが、それだけじゃだめだって思い始めたのもそうで。ただレンブラントを盲信するのではなくて彼なりに考えてリーフェンの方が王に相応しいと感じたときはそう言えるところに彼の成長を感じて良かった。

 

あとさあ……イムランはおたくの好きな要素集めすぎ。あんなん好きにならん方が無理。抗えない。ダンスもめちゃめちゃ素敵だしお衣装は優勝しているしまずもって傭兵だから誓約団ともニクラス隊とも別動できるのがおいしいし……。セリフが少ないのが得体が知れなくて良いし、いざ喋ったら言葉少なでも耳に残る発声をしていて好きだったし、やや猫背気味なのは立ち姿だけで腹に一物あるのがわかる。全要素好きで困る。彼自身の出自や人間性についてもはっきりスポットがあたって深く描かれるといったことはなかったのだけど、言葉の端々からどういうパーソナリティなのかがわかるような描かれ方をしていた。そもそも、作中で人間とオルド両方の血を引くニクラス隊の彼らに「ミックス」という言葉を使っているあたり脚本の信頼度が高いし、そのうえであえてイムランに「混血」ってセリフを言わせていたりするところとかうまいなって思う。レンブラントが闘技場でオルドと共存したいといったときに軽薄な笑みを浮かべるところも好き。銃の登場タイミングもずるかった(戦況的にみてもずるい)。あんな狙いやすいところからぶっ放すのさすがに戦況に対して有利すぎる。あとイムランの身のこなしの軽やかさに惹かれていたから、最期に力技で高所から引きずり下ろされて命を落としたのは興奮してしまった。構図がよかった。ひとり高いところから見下ろしているつもりだった人間が無理やり下に連れてこられてたのが……。
あとはなんといっても殺陣。他の陣営と違って「殺すこと」そのものが目的になっている動きをしていて最高だった。動きが軽い。他の演者さんの殺陣が全体的にかなりゆっくりめで個人的には少し物足りないなと思っていたので、イムランの殺陣が始まったときに自分でもびっくりするほどテンション上がってしまった。あとガッファーの殺陣もRAMPAGEさん所属の出演者のなかだと安定していて、「他教徒を殺せば殺すほど神に近づくことができる」っていうファルサリアの設定に説得力がでていてよかった。
ただ殺陣が遅くみえたのはどう考えても基準が西田舞台になっちゃってる私が悪い。今回のゆっくりめの殺陣をみて友人が「武器本来の重たさを感じられてよかった」と言ってて、なるほどね~~~!!!!と思った。目から鱗
イムランとガッファーについては、語られない関係がエモいなって思いつつもやっぱりもっとみたかったなって思ったり。多分次回作があればファルサリアの掘り下げはそこでやると思うんだけど、そこでイムランのことに少しでも触れられたら嬉しいな。
こんなにイムランのこと好きなのにグッズもなければプリンのなかで唯一死んだの、かなしい。なぜならLDHじゃないから……。えーん。諸般の事情とはいえ回復アイテムがあるのにLDH所属じゃない男は容赦なく命を落としていくのはちょっとおもしろい。

尺の問題でキャラクターひとりひとりに時間を割いての深掘りをするのが難しかったのだと思うけど、それでも各所で盛り込まれた会話や芝居でしっかりキャラクターの関係性や変化を描いてくれているのが脚本の巧みさを感じる。描くところと描かないところの塩梅がうまいというか。キャラクターのすべてを知ることはできなくてもその余白が楽しいというか。葛木せんせい、、、。

 

RAMPAGEさんのメンバーで唯一知っているのが天使に出演していたRIKUさんだったので自然と印象に残っている。相変わらず声量おばけ。主演で出ずっぱであれだけ殺陣もしているのに後半にいくにつれてむしろ声が大きくなっていくのはどうして。本業ミュージカル俳優の方ではないんですよね? もっといろんな演目に出てほしい。
天使のジャコモも今回のレンブラントも役が御本人の声質やお芝居の方向にかなりあっていて、役の魅力が増してるのが良いなと思って。ジャコモのときはジャコモが実は少女だったって言われても納得してしまう説得力があったし、レンブラントも彼の愚直さを美徳だと思わせる力があったのがよかった。レンブラントって過去の経験の割に物事を綺麗に捉えるな~と思っていて。今回だと、ミックスの彼らについては登場した時点で観客の私ですら出自が望まれたものではないのだろうと察しがついた。だからレンブラントが「オルドと人間も愛し合える。ミックスがいることがその証拠」って言ったとき随分安直だなって思ったの。少なくともオルドとして人間と闘っている彼らがそんなはずはないから。王になろうとしている人にしては世界が綺麗に見えすぎているなって。でも同時に彼の世界を良く見ようとするところは、愚かだけど、それが彼のいいところであるしレンブラントに人がついてくる所以だとも感じた。そう思わせるだけのお芝居だったと思う。天使にしろ今回にしろ、自分の事務所の舞台なのである程度はこの人ならこの役にあうだろうなと思って役を当てられているところがあると思うんだけど、それでも役に深みをもたせてくれるお芝居が好きです。

 

ちょっと劇場と音響の話。
東京ガーデンシアター今回はじめての箱でした。なんか、芝居をやる箱ではないね。客席の幅がひろすぎない? 左右に設置してあるモニターに公演中映像が映るの、最初は気が散って仕方がなかったんだけど客席の構造上見切れが出る席が多すぎるので仕方ないのかも。あと乱戦になることが多くて、私のような推しがいない人間はどこをみていいのか迷子になりそうなときに「ここだよ~!ここをみるんだよ~~!!」って教えてくれるのは意外と助かった。客層的に舞台見慣れてる人以外も来るだろうし。……いやでも、芝居観に来てるのにモニター眺めるのはわりと虚無では。銀劇とかでみたかったな。
あとね~……音響……本当にもったいない……。せっかく作品がいいのに舞台パートの音響が結構な頻度で死ぬのはほんとうにほんとうにもったいない。天使のときのブログでも散々音響に文句いってしまったので申し訳なさはあるんだけどでももったいないよ~……。今回はネルケ入ってるからまた別問題なんだよね。でもLDHの舞台2回中2回音響死んでたのであまり良い印象を持てない。自由劇場の音響殺されたのずっと引きずってしまう……。音響頑張ってほしい……。
作品としてはめちゃめちゃ楽しかったから色々、もったいないと思ってしまう。

 

舞台パートの話しかしてないけどライブパートも楽しかったです! 普段マジで全然アーティストのライブとかにいかない人間だから空気感が新鮮だったし舞台みたあと演者さんの本業もみれるのお得だなって思った! 願わくは福澤侑さんも出てほしかった!!!(無茶を言うな)
中止ラッシュでへこんでいるなかでこんなに楽しい舞台を観られたことが幸せで嬉しかったし、誘ってくれた友人にとっても感謝です。

*1:無論テニスは例外である

「理由があるはずなんだ、僕たちが友達になったのには……君が僕を見つけたのには」──『ハリーポッターと呪いの子』日本版を観た記録とあれそれ

ハリー・ポッターと呪いの子」日本公演をみてきました!!!楽しかった!!!!ロンドンのyear4時代に魂置いてきてるおたくでもめっちゃ楽しかった。日本公演が決まった時はどうなるんだろうどうなるんだろうと思っていたけど無事楽しめたのでよかった……。

劇場入った時にロンドンでみたセットがそのまま置いてあってすごいテンションあがったし、三年ぶりにワンドダンスやVマーチみれたのがうれしくて泣きそうになった。

フォロワーさんの豪運で魂が吸われる席こと2階の最前列にはいらせてもらったので、すごい観やすくて大感謝でした。

前置き

日本版呪いの子についての感想、というよりは8割「このバージョンの編集の意図とは一体」みたいなことについて個人的な意見をつらつらと書いています。つまり8割方アルバスとスコーピウスの話ですご了承ください。

やっぱり観ながら脚本ガバガバだな~ってのは思った。思ったんだけど、板の上にのるとそのガバ具合が役者の芝居とか演出とかの演劇力でねじ伏せられていくのがおもしれ~し楽しいんだよな呪いの子って。そうそうコレコレ!!!!となる。どんどんロンドンで初めてこの芝居みたときの記憶とか感動が戻ってくる心地がした。

 

以下じゃんじゃんネタバレするのでご注意ください。

 

日本版(編集版)をみて

演出は想像以上にオリジナルをそのままもってきてくれててすごい感動した。もう次にいつみれるかわからないと思っていた「魔法」の演出やダンス、モーションをもう一度観ることができて本当に嬉しかった……。

実のところ一幕ラストのディメンターが降ってくるところは舞台上だけかもしれないとか、二幕途中(スクリプトでいう三幕ラスト)のブラックライトで文字が浮かぶところとかは一階席だけになっちゃうんじゃないかとか、いろいろ勝手に気をもんでいたのだけど完全に杞憂でした。失礼いたしました。ACT大改修しただけはあるね……。ディメンターが降ってくるところも、予言に劇場全体が呑まれてしまうところも、迫っている危機が視覚的に感じられて圧倒される。フルバージョンだと予言がばっと劇場全体に浮かんだあとに幕間に入るのであのシーンを初めてみたときの衝撃がすごく印象に残っています。ただ予言だけカタカナになってたのは、どうして……と思ったり……ほかのところ英語だったから予言だけカタカナにしたのは浮かない……? 英語じゃあかんかったか……?

 

編集について。今回一番不安だったポイントです。フルバージョンではなくてBWで編集された版を上演するって聞いた時はひとしきり大暴れしたし、自分でみるまでずいぶんと鬱々としていたのだけども、思っていたよりもかなりよかった。舞台版が初見のひとが違和感を覚えない程度にシーンやセリフが巻いてあり、このバージョンしか見てない人はついていけないんじゃないかなという不安はなかった。もちろん私はオリジナル版が好きな人間なのでここないんか……という落胆はあるものの戯曲を読んでいて感じた冗長さなどは取り除かれていて、これはこれでひとつの「呪いの子」としてまとまっていたと思う。

 

編集版がとことんアルバスとスコーピウスの話だということ

でもね、やっぱりなんでここがないの!?って思っちゃうわけよ。オタクだもの。仕方ないね。だから、切られたところと残ったところについてなんでその取捨選択がされたのかを考えてみたんだけど、このバージョンはとにかくアルバスとスコーピウスの関係を描いてるんだなと思うに至りました。

 

呪いの子はそもそも「アルバスとスコーピウスの話」のほかに、「ハリーとアルバスの話」「ドラコとスコーピウスの話」「(エイモスやデルフィーを含む)父と子の話」「ポッター親子とマルフォイ親子の対比」「父としてのハリーとドラコ」、そこからさらに「ハリーとドラコの関係構築のやり直し」などなど、たくさんのストーリーラインが平行して描いてある。でも全部やってたら到底時間が足りない。じゃあこの中から一個選ぶってなったときに「アルバスとスコーピウスの話」を選ぶのは大解釈一致ですね!!!そりゃそうなのよ!!!(誰?)

結構「えっここ削るの?」って思ったシーンやセリフはあったんだけど、とりだして考えてみるとそれって「親子」のシーンだったり「ハリーとドラコ」のシーンのセリフだったりする。例えばハリーの幼少期の場面であったり、三幕の闇の世界でのドラコとスコーピウスの会話であったり、ドラコがハリーに「(ハリー、ロン、ハーマイオニーの関係が)羨ましかった」というセリフであったり。

 

アルバスとスコーピウス関連でカットされたところをみてもそう思う。

“there’s a reason – we’re friends, Albus – a reason we found each other, you know?”(英語版スクリプト88ページ、ハーマイオニー武装本棚を発見する直前のセリフ)

このセリフ今回のブログのタイトルにするくらい好きなんだけど、編集版にはなかった。ここの自分と親友の関係に必然性を見つけようとするスコーピウスくんが好きで……。最初は何で削ったの~~!!!って思ってたけど、この「理由」って要は父親関係のことなんだよね。二人が出会って、友達になって、それから「試練」を乗り越えることが、ここで言われている理由にあたる。

二人のはじまりもそうだった。

ホグワーツ特急でアルバスがスコーピウスのところに残るって決めたのは、スコーピウスに対して「何か通じ合うもの」を感じたからだ。

スコーピウスとアルバスは顔を見合せ、何か通じ合うものを感じる。(日本語版スクリプト21ページ、ホグワーツ特急内でのト書き)

このシンパシーは、直前にスコーピウスが言った「父と息子の問題」に対するものだと思う。生まれに起因するシンパシーはこのちょっと前のスコーピウスの自己紹介のところからはじまっている。

「君はアルバス・ポッターで、彼女はローズ・グレンジャー‐ウィーズリー。僕は、スコーピウス・マルフォイ」(日本語版スクリプト21ページ)

スコーピウスが全員の名前をわざわざフルネームで言ってるのには、君たちはどうせここには残ってくれないよねという諦めがみえる。あるいは、君たちは僕と仲良くなるべきじゃないよという忠告にも思える(ちなみに今回の斉藤くんは前者にみえた)。けれどこの言動がむしろアルバスの興味を引いた。「父と息子の問題」を抱えていて、「ヴォルデモートの息子」なんて噂を立てられて色眼鏡でみられている自分と同い年の少年に「なにか通じ合うもの」を感じたんだろう。

ここが「理由」に繋がるし二人の「試練」にも直結するのだけど、どちらかといえば「親子関係」の修復のセリフにあたるのでこれらのセリフはカットされている。

 

削られたセリフとは反対に、「Try my life!」以降の図書館でのスコーピウスの長台詞はたったの一言も落とさず全て残してあることも、このバージョンで描きたいものがよく表れている。スコーピウスが初めてアルバスに対して負の感情を爆発させるシーンで、私が1番好きなシーン!!! 正味ここのカットが一切なかったので他のカット全部許したところある………………。なんたってTry my lifeを聞きに劇場に通ってたんだから……今回斉藤くんによるこのシーンも目をうるませながら叫んでいて素晴らしかった……。

 

追加されたセリフをみても二人の結びつきが強くなっている印象を受ける。ラストシーンのハリーとのシーンでのアルバスのセリフ(「スコーピウスが人生で1番大切な人」的なニュアンスのやつ)はわかりやすくそうだし、スコーピウスがローズに友達になってと言った後のセリフもそう(その宮殿に二人で住むの……?みたいなやつ)。スコーピウスがローズに対して恋愛感情を持っているって設定がほぼ消えているし、アルバスがデルフィーに惹かれていたのも控えめに描かれているし、デルフィーがスコーピウスに話しかける場面もカットされているし、「二人の関係に対する介入」を削れるところまで削って観客の焦点をアルバスとスコーピウスに集中させたいって意図を感じた。今回のアルバスとスコーピウスのお二人の演技プランからもそれを感じました。

あとディメンターを追い払うところの微妙なセリフ変更とかもそうだよね……挙げているとキリがない気がしてきたな。

こうしてひとつひとつ切り取って考えるとほとんどの改変は私の中で納得がいくものだったので、これはこれでひとつの「呪いの子」として受け入れられるなと思うことができた。

 

ただ、一度目の改変世界でアルバスがグリフィンドールにならなかったのもこのへんのことが理由なんだろうか……。ここだけは変えた理由がわからない。組分け変更の意図が「アルバスがグリフィンドールにいても父親との関係改善はされてないので父子関係の不和の原因はスリザリンに寮分けされたことではない」のを示すことだから……?でも、「たとえ寮が違っても親友同士のアルバスとスコーピウス」って結構重要だと思ってたんだけどな……。変更点で1番のびっくりポイントでした。

 

翻訳について

丸々変更されてましたね! 版権の問題かな?

より自然な日本語になっていて全てにおいてこっちの翻訳の方が断然好きだった! 感謝!!! これがいい!!! 現代の子たちのセリフとしてよりしっくりくるようにしてくれた。アルバスがスコーピウスの前ではハリーのこと「親父」って呼んでるのに本当は「パパ」なところとか思春期を感じて最高でした……。スコーピオンキングがスコーピオンプリンスになってたのは突発で笑ってしまった。なんでなんだろ。BWで今回のバージョンが作られた時にキングがプリンスに変更されてたりしたんか???

というか既出の翻訳と同じワードを同じ箇所で使ったらいけない制約でもあったのだろうか。松岡訳だと「よけい者」って訳されてたところは舞台版だと「スペア」になっていた。これについてはそもそも原文が”the spare”なので特になにも思わないんだけど、この「よけい者」ってワード自体は舞台版の別シーンででてくるんだよね。列車から飛び降りた後のエイモスの前での”we’re not wanted.”(英語版スクリプト69ページ)が「よけい者」になっていた。そんなに普通に出てくる単語ではないと思うんだけど、既出訳に登場した単語をあえて使ったんだろうか。

それから、1箇所明らかにこちらに対して“目配せ”があったのでテンション上がってしまった。“Friends?”  “Always.” のところ、松岡訳だと「友達だよね?」「いつまでも」になっていたのが舞台版は「永遠に」になってて、この、“always”を「永遠に」って訳すのは……ファンサじゃん!!!!!って思ってテンション上がりました。今回の翻訳版のスクリプト(もちろん編集版の原語スクリプトも!)めちゃめちゃ売って欲しい。もしどこかで手に入るよって情報があったら教えてください。

 

それはそうとフルバージョンもみたい

それはそう。

闇の世界でのドラコとスコーピウスのやりとりも、ポリー・チャップマンにダンスパーティに誘われてびびるスコーピウスも、ハリーとドラコの対話も、全部全部みたいです。よろしくお願いします。ある程度このバージョンの上演が続いたあととかでいいので、フルバージョンのオリジナル版を上演してほしいよ……。闇の世界にはいってすぐアンブリッジ校長が「スネイプ先生」って名前を出した瞬間にあっこれ一気にスネイプのところまで飛ぶな……と察したときの哀しさたるや。あとこれはもうスコーピウスのおたくの戯言なんだけどデルフィーに「予言は破ることができる」と気付かせてしまったのがスコーピウスの賢さなところが好きだったから……命の危機に晒されている状態でもデルフィーに対して論理的に反論のできるスコーピウスくんをわたしにみせてください……。BWとちがって日本の観客にオリジナル版を観る機会を与えられなかったことへの不満は大きいので……。いつかで構わないからフルバージョンを日本でも上演してくれることを待っています。

 

 

役者さんたちいついて少々。

美山加恋ちゃん。何を差し置いても美山加恋ちゃんのマートル。大優勝だよあんなもん。かわいすぎるし声のトーンも表情のつくりかたもなにもかもがマートルそのままで天才すぎる。ブロマイドを売ってください絶対に買うので。

アルバスの福山康平君は、体格がLDNyear4のDominicくんに似ていて登場の瞬間はわわ……となってしまったし、アルバスの人付き合いにおける不器用さや思春期の鬱屈とした感じが台詞やお芝居の端々から滲んでいて素晴らしかった。

斉藤莉生くんのスコーピウスはあのギークな喋り方が私のスコーピウス像ピッタリでびっくりした!!!!そう、これ、これがみたかったの……と思って……。感謝しかない。初舞台なの信じられんが……。

ドラコの宮尾俊太郎さんは響いた瞬間はっきりとわかる低音のお声が素敵だったし、スコーピウスのことを「私の後継ぎ」から「家族」と言い直したシーンの情の滲み方が好きだった。

ローズの橋本菜摘ちゃん、戯曲を読んだだけだときつい性格に見えがちなローズを可愛らしく溌剌に魅力的に仕上げてくれていて、これまでみたローズの中で一番すきでした!ちぎさんのハーマイオニーは革命家のハーマイオニーの時の発声がバリバリ男役発声でちぎさんだな……と思いました。

 

最後にひとつだけ……観劇時私とフォロワーさんを挟んだ両サイドの観劇マナーが終わってて……めっちゃ前のめりだったしちょこちょこペットボトル出して飲んでたし……。開演前と幕間のアナウンス、スマホのことだけじゃなくて前のめりにならないでね、っていうのとか、観劇中の飲食はやめてねっていうのとか、もっといろいろ言うべきだと思うのよね。普段観劇しない層がみにくるからこそ。また観に行きたいのでそれまでに状況が改善されていて欲しいです。

 

それはそうとこうして手の届きやすいところで呪いの子の上演が始まったのは本当に素晴らしくて喜ばしいことだと思うので、日本に持ってきてくれてありがとうございます。2年前推しのHPCC卒業公演がコロナで飛んだ私の魂も少しは救われた気がした。改めて大感謝!!!!

2022上半期観劇まとめ

2022年上半期のまとめ! こまめに単記事をあげていたつもりだったけど本数が多かった。リアルタイムの配信以外に円盤で初見で楽しかったやつとか舞台の劇場公開とかも感想書いてます。

ちなみに去年の記事はこれ。

 

1月
韓国版ミュージカルEqual 12/31,1/2(配信)

 

ヴェラキッカ 1/15,19,22(+配信 1/18,22,2/22~28)

 

女性版『Equal』 1/21
めいめいとめがねさんバージョンのequal。今月equalこれで三回目だよ!
女性版ということでどんな風になるのかなと思っていたけど思ったより潤色されていなかった印象。ミュージカル版が潤色されすぎといえばそれはそうなのである。
二人称もちょこちょこ「あなた」がはいるものの「君」が多くて、変更点といえばオデットとマリエッタがオットーとヨハンになってたくらい。台詞はかなりそのまんまだった。ミュージカル版もあれはあれですきだったけど、正統派なequalが恋しくなっていたところだったので観たかったものが観れたなと思いました。
一か所、「君はよくできた奴だな」が「貴方はよくできた“ニンゲン”ね」になっていた変更意図がいまいちピンときていないのだけど、相手が自分をちゃんと人間だと思い込んでいるかどうかカマをかけていたってことかな。
セットが結構好きでした。二人が「屋根裏部屋」に住んでいる設定だからではけ口が真ん中にあって、そこからひょっこり顔をのぞかせるお二人がかわいい。ラストシーンでゆっくりと階段を下っていく様子はなんだか奈落に落ちていくようで、ぞくぞくした。
めいめいちゃんはギークな女の子って感じでかわいかったのだけどそのままのテンションでラストまで駆け抜けていくのでうわあ……となった。めがねさんの芝居はなんだかとっても真っすぐというか、普通に話しているトーンでお芝居をしてフラットな状態でめいめいと向かい合っているのが凄く好きで、よかったです。二人に共通していたところだと、いつも通りの話をしているトーンそのままに、キーになるセリフをサラッと言うのがどきどきしました。次にどの台詞がくるのかわかっているからこそ心臓に悪いというか。それとなんだか水曜から金曜のあたりですごい泣きそうになってしまった。なんか、二人の剥き出しな互いへの感情や、祈りのようなものにわーーーってなったのかな……。equalの実験自体もともとが親友の命を繋ぐための実験だったから、二人のやりとりそのものが「祈り」に感じたのかもしれない。

 

だからビリーは東京で 1/28
連日誰かが行っていたので毎日TLで名前を見かけていた作品。U25で2500円で観劇できると知ってパッとチケットを取って行ってきた。小劇場劇団の中で展開される人間模様やら、所謂“新規ハイ”の凛太郎と他の劇団員との温度差やら、それらに苦しくなってしまってずっと胸が痛かったのだけど、最後の劇作家の納見の「演劇をどんなものか知って欲しい」みたいなセリフからひたすら涙が止まらなくなってしまった。 
簡単にいえば「演劇に人生をめちゃくちゃにされた青年」の話。良くも悪くも演劇に人生を揺さぶられている人ほど刺さるよなあと思った作品。なろうとしていた何かになれないまま終わってしまったけれど、それでもそれに出会えたことに救われる話。厳しさを描くことが優しさなのだという当日のパンフレットに書いてあった言葉そのものにとても救われた気になった。舞台に出会わなかったら全然違う人生になっていたと思うけれど、演劇に出会えてよかったと思える作品だった。 
あと、想像していた以上にビリー・エリオットの要素が盛り込まれていて驚く。最初のオーディションのシーンもそうだし、カラオケのところの照明、音響はangry danceだし、凛太郎が経験した演劇体験のElectricityもだし。それから凛太郎と父親の話についてもそう。ビリー・エリオットを劇場でみたことがあれば凛太郎の言葉の一つ一つに凄く共感してしまって、余計に台詞が刺さる。
役者さんたちのお芝居も素晴らしくって、特に劇団創設の切欠の「まみのり」のお二人の声やお芝居のバランスが良かった。幼いころから続く二人の間の「ズレ」がお二人のお芝居にとんでもない解像度で投影されていた。柔らかくてのんびりとしたのりみの声と、はきはきとした快活なまみこの声。この二人が感情をがぁんとぶつけ合う場面の熱量が凄くて。お二人とも客演だというから驚く。あまりにピッタリなキャスティングすぎる。この演目自体が作中最後に演じられた演目と同じなら、この作品を通して二人は幼いころからのわだかまりをぶつけることものできたのかな。 
結局作劇がうめえ~~~に終始してしまう。笑い所と泣き所のバランス、芝居の間の取り方、背景の使い方、「台本」という概念の使い方、全部うまい。最後のこの作品自体が作中で演じられるものだとわかる瞬間なんか、やられた!!と思う。
なんだか書けば書くほど劇場で感じたものから遠ざかっていきそうな気がして嫌だ。 
たしか開幕したばかりのときは全然チケットがあったと思うのだけど最後には完売してキャンセル待ちになり(結局列ができてしまうからそのキャンセル待ち当日券すら中止になったのだけど)。なんて理想的な演劇のチケットの券売だろうと思った。そういったところも含めて凄い作品だった。

 


2月
笑う男 2/12
キャストさん皆知ってるし皆好きな人だし原作ユゴーだしワイルドホーンだし今月観劇予定少なくて寂しいし~! と思ってふらふらチケットを取って行ってきました。キャストさんが皆さん最高だった!!デアはいろはちゃんの回をみました。
特に大塚千弘さんがもう、流石の一言で。すっごいよかった……。色気の出し方とかお歌の迫力はもちろんのこと、「醜いものをみにいって惹かれたひとに本当に醜いものをみせられる」という構図と「貴族社会の醜さに気付いた」お芝居が最高に良くて……好き……。みるたびに目を惹かれる方だな~。吉野さんとちーちゃんのデュエット聞いただけでチケ代の価値はあったよ。
それから祐さま! まさか祐さまにこんなに泣かされるとは思ってなかった。一幕の「今日も無事に幕があきました~!!」ってところは、初日から公演中止になってたところでようやっと公演再開できて、今劇場でこの演目を観られてよかったと思って涙がでてきた。もちろんそれだけじゃなくて、デアのために「幕が上がらない芝居」をしながら辛そうにへたへたと座り込んでしまうところとかもたまらなくなってしまった。あのデアのための優しい優しい茶番が凄く辛くて。一座のみんなのことが大好きなデアだから、野次を飛ばす客の声がみんなの声なことにデアはすぐに気が付くと思うんです。あのシーンは優しさで溢れているのに辛くて仕方がなかった。「他人を蹴落とすしかない」なんて歌いながらも心の底から優しそうなところが凄く好きだった。
禅さんも相変わらず最高だったんだけどあの使い方はもったいないな~とも思い。出尺が少ない割に存在感は抜群なところとかやっぱり流石なんだけど……。
ストーリー全体は、なんかこう、なんか、ズーンってなってしまった。全然予習していなかったんだけど、大学の時一時期講義でひたすらフランスの貴族社会の文学(階級の高い物凄く妹想いで妹のために心を砕く女性が娯楽で首吊りをみて楽しんでいる矛盾を描いた話みたいなの)をひたすら読まされて落ち込んでた頃の気持ちになった。ただちょこちょこ引っ掛かる所があるんだよな~~。そこいる? みたいな要素とか、あとなんで? みたいなところとかがあって。議会でのギャグ要素とか。ジョシアナが最後に言っていた「貴方の裏切りに私が気づいてないと思ってるの?」みたいなセリフも裏切りってどれのことだ?と思っちゃって。こっちは私の理解力の問題かもしれないけれども。
全体を通すとそんなに嫌いではないんだけど、やや引っ掛かる所があるみたいな感じ。
衣装とセットは素晴らしかったです。貴族階級の衣装は一着一着細かい意匠が凝ってあって目に楽しいし、一幕ラストの「俺はグウィンプレン」に合わせてうしろから貴族たちがせりあがってくるところは帝劇のなせるわざで超テンションあがった。演出は二幕の「笑う男」のナンバーの照明演出が印象に残った。幕に3人のグウィンプレンをうつしてジョシアナとディビットの前で道化の様に躍らせる演出。あそこ凄いよかった。
全体的にキャストさんに底上げされている作品だな~という印象。

 

MIYA RURIKA Fan Meeting ヴェラキッカ Ver.(配信) 2/12
会員じゃないわたしたちにも参加の機会をいただけて本当に嬉しかったし美弥さん終始素敵で公演期間中ファンの方が美弥さんご自身についても「愛さずにいられない」つておっしゃってた意味が身に染みた配信だった……。キャストさんのお話も作品のお話もたくさん聞けて、美弥さんの魅力もとっても伝わってきて、素敵なお時間をありがとうございましたの気持ちでいっぱい。まだまだヴェラキッカに浸れて最高だった。

 

BLUE LAIN(配信)  2/13
「フォロワーさんが好きな奴」という認識だった本作。1月にあった公演の配信をみました。染谷さんサイラス君の回。
カラマーゾフの兄弟」モチーフというのと、周辺のフォロワーさんのお話を聞いていたので誰が犯人かというのはほぼわかってみていたのですが、割と演出で隠す気がなくてわらってしまった。めちゃめちゃ意味深に立ってるサイラス君。いいのか。
初演のDVD超みたくなったのでそのうちみたい。

 

ザ・ジェントル・ライアー~英国的、紳士と淑女のゲーム~(配信) 2/23

 

あんさんぶるスターズ!THE STAGE』-Track to Miracle-  2/19
あんステ!MLぶりだったので、ほぼ一年ぶりとかになるのか……?めちゃめちゃ楽しくて最高だった。やっぱりペンラ振る系の舞台は現地でみるに限るな~と思いました。
原作ゲームだと茨くんが好きなのでEdenの初登場の今回現地で観られてよかったです……!もうとにかくEdenの四人が四人とも最高で。宮城くんは台詞の端々で感情が昂って声を震わせるお芝居が凄く良くて、トリスタの子たちに心から惹かれている、でも利用しなくちゃいけない、っていうジレンマが痛いほど伝わってきて好きでした。岸本くんはファンサ力高くて怖いな~と思った。相変わらず歌は超うまいし。元々岸本くんの歌声を知っていたので、歌うと「漣ジュン」から「岸本勇太」になるなあとは思ったけれどジュンくんの歌と声の相性がいいからストレスなく声がはいってくるし。松田岳はもう流石の一言に尽きる。声の出し方、間の取り方、手足の使い方全部「乱凪砂」がそこにいるようでやっぱり松田岳って死ぬほど芝居うめえなあ……と思いました。とてもじゃないけど年末に鳩だった人とは思えない。あと脚長すぎてびびる。そしてしんちの茨がね……心からしんちが茨やってくれてよかったと思った。七種茨の「繕った」状態のすらすら言葉をまくしたてる芝居もさながら、凪砂に頭を撫でられて動揺したときのお芝居やトリックスターにしてやられた時のお芝居がそれぞれ一瞬ながらも凄く感情が滲んでいてよかった。今回のオータムライブの脚本だと茨は悪役でどうしようもなく嫌われ役だけど、しんちのお陰でキャラクターが愛される造形になっていたなって思った。これは多分に贔屓目が含まれてるけど。冒頭Edenがユニット衣装で登場したからユニット曲あるんだ!!!って思ったのになかったのがかなしかった。次は四人で歌ってるところがみたいです。
過去fineのところ、とてもつらくてとてもよかった……。日和と凪砂が一緒に逃げるところでたまらなくなってしまった。あと松田岳過去凪砂の髪型超似合ってて良い………。
それからなんだか主人公と対峙する物語の残酷さみたいなものを改めて感じてしまった。オータムライブに関してはずっとずっと思うところがあって。オータムライブはトリスタにとっては「リベンジマッチ」だけどAdamにとっては「初戦」だってこと。でも、「主人公たちのリベンジ」だから物語の構造上Adamははじめから負けることが決まっている戦いでそれのやるせなさみたいなのをずっと感じていた。茨は基本使う手が汚いのでまあ少なくともオータムライブで悪役であることに異論はないんだけど、初めから負けが確定している試合に挑んでいる辛さみたいなものを舞台上で動く姿をみて改めて感じたりした。なんかこうこれは舞台がどうとかではなく物語の構造の話。今回サマーとオータムを一本でまとめてみたから余計感じたのかも。
あと私はドラマティカ公演はいっていないのでほさかさん演出になってから今回が初でした。アンサンブルさん(あんステで言うとややこしいな)がいるのが新鮮だったり映像の使い方が面白かったりしたし、ほさかさんの演出好きなとこ多かったけどやっぱりまだ宇田川さんの演出が恋しかった、、、。

 


3月
天使について~堕落天使編~ 3/5(+配信石井RIKU回・中村古谷回)
原作韓国作品のLDH主催公演! 韓国ミュージカル好きの友人に激押しされて行きました。現地でみたのは鍵本輝さんと鈴木勝吾さんの回。その後配信で他の4人もみました!
みおわったあと「要はヴァレンティノが惚れっぽいのが悪いって話よね?」となった。合ってるらしい。ヴァレンティノは神を愛していたけどそれ以上に「愛を注ぐこと」自体が好きなんだな〜と思ったので罪状は愛は理不尽だよね……最初に見たのが感情豊かな鈴木ヴァレンだったから余計そう思ったのかも。
友人からペアによって全然違うよ〜って聞いてたけど本当にひとりひとり全然違くてびっくりした!!石井さんのルカとかクールを装うとしてるすっごいプライド高いルカで先に鍵本ルカみてたからほんとにびっくりした。1幕と2幕で同じ話を別の視点でやる構成も面白いな〜と思うし繰り返しみてると曲がめっちゃいいな〜ってなった。特に「あの木陰に」と2幕のヴァレンティノのソロの「神の涙」と「胸が躍る」が好き。あの木陰には石井さんRIKUさんペアのハーモニーが綺麗すぎたから何回でも聴きたい。ちょこちょこ歌詞の字余りとか日本語が不自然なところとかがあるのが気になっていたんだけど原語版わかってる友人にそのへんききながらみれたのも助かった。贅沢な鑑賞の仕方をしたな~と思う。近くに詳しい人がいるとありがたい。
石井さんはお歌の安定感がとにかく抜群でめちゃめちゃ声綺麗で好きだった……「ヴァレンティノ」で高音が綺麗に出るのが気持ちいい。単純に好みの話だけど石井ルカの役作りが一番好き!あんなに優雅に登場してお仕事もできます〜!!って雰囲気を醸し出しているのに少なくとも1500年一回も成功したことないの、面白い。それでなんであのクソデカプライド保ってられるんだ。あの高慢そうなところがすっごく好きです。だから自分の仕事の邪魔してくるヴァレンティノのことは本気で嫌いで仕方ないんだろうなと思う。
RIKUさん、登場した瞬間にびっくりしてしまった。こんなに可愛いことあるか?ジャコモめちゃめちゃ可愛くて……女の子ってわかった時も納得の可愛さ……声の弾ませ方や仕草の一つひとつが子供っぽくって可愛い〜。あと配信でわかるレベルで声量がとんでもない。
中村古谷ペアはとにかく演じ分け凄!!になった。やっぱ普段からもともと役(キャラ)に型・理想系があってそれに寄せていく演技の作り方をしているからかな。ルカ/ダヴィンチ・ヴァレンティノ/ジャコモという役の型が元々あってそれを演じているイメージなので役が変わるとパッと芝居も変わるのが凄い。ダヴィンチとジャコモの年齢差を一番はっきり感じたのがこのペアだった。中村ダヴィンチの偏屈で頑固な天才感が良いし古谷ジャコモは完全に少女だし……お芝居で魅せてくれるお二人だなと思った。最初にみた鍵本鈴木ペアは髪色が金髪なのも手伝ってかダヴィンチはだいぶ若くみえたし(あと鍵本ダヴィンチ比鈴木ジャコモがしっかりしてるように見えたのもあって)「ジャコミナ」を聴くまでこの2人にそんなに年齢差があるって思ってなかった。
勝吾さんはもうお芝居もお歌も一番好きで最高だった……。歌の表現の幅が広くて凄い。「ジャコモお前夢見たか〜」のところのたったの1フレーズづつしかないのに3変化が素晴らしいし、兎に角鈴木ヴァレンティノが好きすぎる……。鈴木ヴァレンティノの「神の涙」と「胸が躍る」をずっと噛み締めてます。歌に感情乗せるのがあまりにもうまくて……「悲しい笑わなきゃ苦しい笑わなきゃ」の憤りも「心臓がない僕の胸なぜこんな躍る」の心の高鳴りもびっくりするくらいこちらに伝わってきて本当に好きだった。「胸が躍る」が本当に良いから「言った通りだろう」の「幸せに死ぬんだ」が切ないし素晴らしい……「言った通りだろう」に「胸が躍る」のメロディ使われてる曲構成がそもそも天才なんだけどその威力を最大限に発揮されていると思う……。
鍵本さんはダンスが本当に綺麗で目で追っていて楽しかったし、鍵本ルカのどこか憎めない可愛らしさはご本人の気質によるものなのかなって思いました!たださすがに一公演のなかでミスが多すぎて、フルプライス払って演目を観に来ている人にちょっと失礼じゃないかとも思った。全員が全員役者のファンではないんだからさ。
あと音響が……自由劇場なのに全然歌詞が聞き取れなくてびっくりした。楽曲の音量が大きすぎるのかな。絶対に音響で不自由を感じることがない劇場だと思っていたので、ここ自由劇場だぞ!?!?となった。普段この劇場で観てる四季、浅利作品に出てる人たちは滑舌・聞き取りやすさでいえばSSSの人たちばかりなのを差し引いてもさすがにここまで聞き取れんことはないだろうってレベルで聞き取りにくかった。勝吾さんの歌も死んでたから音響の問題だと思う。使い方次第では自由劇場でも音響殺せるんだなといういらん発見をしました。なぜかLDH自由劇場を使いたいらしいので今後改善されることを願う。

 

ミュージカル新テニスの王子様 2ndステージ(配信)3/6
本当は劇場に行きたかったけどタイミングがあわず配信をみました!
最高の演目過ぎた。新テニ読んだの結構前だから細かいところは結構忘れていたけど新テニキャラも新テニ好きなのも思い出したし、曲も全部「テニミュの曲だ!!」となってとにかく楽しかった。あと、直前にリョーマ!を何回も観ていたおかげで「越前兄弟」及び「越前親子」への思いれが深くなっているから南次郎とリョーマ、リョーガのシーンも明らかにリョーマ!をみるまえよりも楽しくなっていてメディアミックス同士が重なることの凄さみたいなものを感じました。
演目をみるまえから「手塚は我慢した」とか「ワンマンパワー」とかのワードが流れてきていて相変わらずテニミュはキラーソングがおおいんだな~程度に思っていたのですがいざ演目をみたら「ワンマンパワー」で大泣きしてしまって……。まずイントロが血肉に染み付いた「氷帝曲」のメロディだったから聞いた瞬間体温がわっと上がるような心地がして。「俺は跡部だ」「俺はキングだ」って歌い上げる姿にまた泣いてしまった。あらためて誇り高い跡部様、大好きだ……になった。
高校生も全員よかったし、とにかくとってもとっても楽しかったです。無条件に元気を貰える最高の演目でした。楽しかった。 

 

BADDY -悪党は月からやって来る- (レンタル配信) 3/13
結構前から色んな人におすすめされていたもののタイミングを見失っていたレビュー。ヴェラキッカきっかけで美弥るりかさんのファンのかたに改めておすすめしてもらってみました!はやくみればよかったとも思うし、ある程度「宝塚のレビューの型」みたいなものを理解した後でみてよかったとも思う。ロケットやデュエダンにこんな魅せ方があるんだ!って感動があったし、あとレビューで死人が出ることがあるんだ……って衝撃があった。TLで「怒りのロケット」とか「怒りのデュエダン」ってワードをちょくちょくみかけていて「何……?」って思ってたけどみたら一発で理解できました。ロケットのちゃぴちゃんほんっとにかっこよかった……。トップスターの口上のタイミングも最高にぶち上がるタイミングだし、「冗談じゃねえ!」といって宇宙服を脱ぎ捨てなかからギラギラの衣装で現れるバッディと同時に流れ出すイントロ、もうそれだけでめちゃめちゃテンションあがる。あとキャラクターが全員魅力的なのも素晴らしかった。ちゃぴちゃんはすべての瞬間てかわいいし、みやるりさんは超美しいし、れいこちゃんもかわいいし。舞台の設定も面白いなって思いました。不健全なまでに健全な「ピースフルプラネット チキュウ」に悪党がやってきて「怒り」を覚えるグッディという構成であったり、「男」「女」、「善」「悪」で定義できないスイートハート様であったり。これもみているだけで元気を貰える演目で、レンタル期間の一週間ずっと流していた記憶がある。 人生にはBADDYが必要!

 

ミュージカル『憂国のモリアーティ』 (円盤) 3/20
「天使について」の影響で鈴木勝吾さん出演のミュージカルをどうしてもみたくなり、円盤所持の友人に頭を下げてみせてもらいました。原作をしらない点で不安だったのですが、知らなくても十分楽しめました! 特に「2」の二本目の列車の演目が楽しかった。平野良さんと鈴木勝吾さんが掛け合いをしながら事件を解決していくナンバーが楽しい。「天使について」で改めて勝吾さんは芝居歌がめちゃめちゃうまいなあって思ったけれど、特に3の「孤独な心に吹く風」で本領が発揮されていたように思う。2本目と3本目に共通してI will/I hopeが使われているのも新鮮に思った。作品をまたいで効果的にリプライズを使えるのは2.5の強みだなあと思ったり。
原作の展開的に次か次の次で完結してしまいそうらしいので、来年2月に予定されている次回公演は絶対現地に行きたいなあと思いました。

 

HEADS UP! (配信) 3/21
これも何度もタイムラインで演目名をみていた作品です。今月からの配信開始をとっても楽しみにしていました。
演劇に限らず、何ヶ月もさきのチケットをとって、その日を楽しみにお仕事を頑張ったり勉強をしたりしたことがある人なら刺さる。あと、公演当時と今とでは「幕が上がる」ことの重みが大きく代わってしまったので、そういった意味でもいま見られてよかった。公演当日になって、開演のブザーを聞いて、無事最後まで作品が上演されて、最後に幕が下りてようやっと「幕が上がった」といえる昨今の状況を思うと、必死に客席に演目を届けようとしてくれる舞台上の人達をみながら大泣きしてしまった。
あとあいばっちがめっちゃかわいかった。ばっちといけじゅんがヒーローの(しかも戦隊の)話で盛り上がってるところは普通にテンションあがるよね……。
ドルガンチェは普通にみたいです。

 

メリー・ポピンズ 3/25
ロンドンぶり二度目の演目!改めて楽しかった。ロンドンの時よりも丁寧にお話を追うことができて、改めて映画との変更ポイントにうなずいたりしていた。映画よりもバンクス一家に寄り添って話を追えるつくりになっているところが好きだなって改めて思った。
新キャスト組の初日にみにいったんだけど小野田全然初日じゃなくてあまりにも安定し過ぎでしょってなった。一幕から歌唱も役もとんでもなく安定してたし、二幕のステッピンも好きだった。内藤さんは大変かわいらしかったし「お砂糖一匙」は突然バカデカボイスだすから面白くなっちゃうな……。
あとロンドンで見たときも思ったけどやっぱり舞台美術がめっちゃすき~。ドールハウスみたいでかわいい。三階席の下手側のチケットを確保していたところ本当に目の前をメリーが飛んでいって幸せだった。

 

宝塚歌劇 月組今夜、ロマンス劇場で』『FULL SWING!』(配信) 3/27
月組さんのお披露目を配信で観劇いたしました~。れいこうみのお二人はプレお披露目を博多座で拝見しているのでちょっと感慨深かったりもした。
なんか、こんなにお披露目にピッタリな演目があるんだなって驚いてしまった。「見つけてくれてありがとう」とか「ずっと一緒にいてください」とか、トップコンビとしての二人に刺さるセリフがたくさんあって、ぼろぼろ涙がでてきてしまった。あとモノクロの映像から紗幕があがって舞台の人達が動き出す「絵の力」があまりに綺麗で……。しかもラストシーンの二人のお衣装の色が「黄色」なのもずるい~~ってなった。お披露目公演として最高of最高で……。そして最高のお披露目公演をみて宝塚への解像度が少しづつ上がるたびに「ひかりふる路」って一体……になる。いや、ひかりふる路、大好きなんですけれどもね。
ハンサムガイと大蛇丸様はもう好きしかない。なんであんなに面白いの~~~大好き……。 

 

Japan Musical Festival 2022(放送) 3/28
当日は「だからビリーは東京で」をみていたので、放送を録画したものを鑑賞しました! ありがとう日テレプラスありがとう快くみせてくれた友人。
いろんな歌をいろんな人が歌っていて純粋に楽しかったのだけど、なにより和樹さんが登場のたびにお色直しをされているのが面白かった。他の方は一部と二部でお色直しがある程度(+ジャージーチームの専用衣装)だったのに……自前衣装なんだろうか……。曲に合わせて自前で衣装用意してたってこと……?和樹さんならやりかねないところがあれだな。というか普通にサイラ歌ってた時のゴールドとブラウンのお衣装は去年のライブかなんかでみた記憶があるので自前の可能性大だなあ……。それはそうと1789への感情がでかすぎてサイラ聞いた時普通にぼろぼろ泣いてしまった。平野さん勝吾さんとんちゃんと一緒なのもすごい良かった。1789再演してくれ~~~!!できればキャストはフルチェンジくらいの勢いでしてほしい。和樹さんは次出るならペイロール様がいいです。スライドする感じで……。直前にモリミュみていたのでモリミュパートも大変楽しかったです。あと扮装してない状態で2.5の曲を聴くの自体新鮮だな~って思ったりした。もっと色んなところで2.5の曲きけるようになってほしい。
まりおさんのCOLとかは「世界の夜明け」という感じがしてよかった。景気が良い。
あっきーさんの一人POTOはあれは笑っていいやつですか?最初一人で歌うって聞いて、え?クリスは?っておもってたら最初オケに任せてSing once again with meから入って来たからびっくりしたしそのあとクリスティーヌに変身したから笑っちゃったじゃん。まりおさんにも「ファントムなのかクリスティーヌなのか~」って突っ込まれてたし。面白かった。

 

舞台『刀剣乱舞』綺伝 いくさ世徒花 3/29
刀ステの最新作。あまり多くは語れないけれど「完全降伏ですこれからもついていきます」に尽きる。科白劇で大筋は知ってるものなあって思っていたけれど変更点で「聞いてないです!!」って暴れる羽目になった。
綺伝の隊編成が好きな刀剣男士ばかりなのでそもそも科白劇のときから好きな演目だった。明治座の舞台機構をフル活用しているところもとってもよかった。花道もせりも全部素敵!! 楽しい!!! 前回明治座でみたマザーランドは花道使用なしだったのでなおのことテンションあがった。
長義くんと青江が特に好きだった。青江は私がゲームを始めた当初からながらく部隊長を務めてくれていた子なのでおそらく全刀剣男士のなかで一番ゲームセリフに馴染みがあり、ゲームのセリフが登場するたびにテンションあがってた。真剣必殺の時の乱れた前髪から覗く眼光が理想的で自本丸の青江を思い出しました……。長義くんは高慢だけれども慈伝のときから精神的にも実力的にも成長しているところが随所にみられて良かった……し、追加シーンがさ…………。歌仙の真剣必殺衣装もとてもとても綺麗だったし、舞台美術が良いなあと思うポイントがいくつもあったのではやくステージブロマイドが手元にほしい。
ほんの少し惜しいところがあるとすれば、天正少年使節の4人はもう少しみたかったなあというところ。ただでさえかなり長いのであそこでさらに尺をとると四時間くらいになりそうだけど……。もう少し踏み込んだ話がみたかった……。そう考えると前作の十勇士の濃さは異常だったよな……。
最後の方にみた寄り添うガラシャ細川忠興を地べたに這いつくばってみる歌仙と駆け寄ろうとする地蔵とそれを抱きとめる古今伝授の太刀の図が最高の最高でした。

 

宝塚歌劇 宙組シャーロック・ホームズ-The Game Is Afoot!-』『Délicieux(デリシュー)!-甘美なる巴里-』(円盤) 3/30
天使についてみる→ミュージカルやってる鈴木勝吾さんがみたくなる→モリミュみる→宙シャーロックめっちゃみたくなる→円盤持ってる友人になきつくの観劇連鎖です。何が面白いって、このシャーロックの円盤見せてくれた友人が天使についてを私に勧めた張本人(宙シャーロックが初宝塚でキキアーティ様に嵌り以降宙組公演は最低一度づつ観劇している 鈴木勝吾さん演じるモリアーティは未見)なところだよ。めちゃめちゃ繋がるじゃん。
もう「絶対宝塚にしかいないホームズ」で面白かった。こんな恋愛脳のホームズは宝塚歌劇団でしかみられないでしょ。こんなこと言わんやろホームズポイントが多くて絶対笑うところじゃないところで何度も笑ってしまって友人に突っ込まれてました。アイリーンとモリアーティの関係を勘ぐるところとか、どう考えてもあのモリアーティは恋愛できんだろって感じなのに「恋人同士だった!!!」ってキレてるのめっちゃ面白くて。めちゃめちゃ楽しかった。モリアーティは、ああこの人に人生狂わされた人がたくさんいるんだなあ……って納得してしまうような魅力が溢れていて凄い良かった……。あの幼さがゆえに周囲を振り回せてしまう役造形もすきだった……。それからポーロック!!!もえこちゃんのポーロックビジュアル大優勝してるし役も美味しくて超好きだった。最高。
デリシューは突然のSMクラブや男役2番手によるマリーアントワネットなどとにかく全部が面白かった……宝塚のショー、人生をブチ上げるのにめちゃめちゃ有効。

 


4月
Kazuki Kato 15th Anniversary Special Live ~fun-filled day~ 4/2
和樹さんの15周年ライブ!人生初の野音でした。行ってよかった。
本当に和樹さんの「集大成」を体現したようなライブで、ずっと楽しくって、終わるまであっという間だった。
今回のライブ、実は行くかどうか結構ギリギリまで迷っていて。行こう!って決めたのはBプロの健十くんの「LOVE GAME」がセトリに入るって知ったからでした。B-PROJECTは曲がすごく好きでプロジェクトスタートの時からCDを買って何度も何度も曲を聴いていた思いれのあるコンテンツで、いまはコンテンツから離れてしまっているのだけど健十くんの歌が聴けるなら行きたいと思ってチケットを取りました。
実際にラブゲだとイントロが流れはじめたときからぼろぼろに泣いてしまった。Bプロに一番ハマっていた高校時代に健十くんの曲をたくさん聴いてどうにか勉強頑張ってた時のことを思い出したりして、Bの曲大好きだな〜って改めて思いました。その後の曲がJTRからジャックちゃんの「こんな夜が俺は好きさ」だったからジャックちゃんにペンラ振ってる状況がやや面白くて笑ってしまったんだけども。
他のパートも終始楽しくて楽しくて仕方なかった。JOKERについては私はもちろんリアタイできてなかったら実際にみる機会をもらえたのが凄く嬉しかった。メドレーでフレミンきた時は声を出さないようにするのにとにかく必死だった。フレミン生で聴ける日が来るとは思ってなくってめちゃくちゃに嬉しかったし全力で氷帝カラーのペンラ振りました。Vampireとか灼熱フィンガーでFEVER!とか、一度はライブで聴いておきたかった曲もたくさん聴くことができて楽しかった。あと私は後ろの方の席だったんだけど銀テが前の方から「一枚どうぞ〜」って回ってきて福利厚生に感動したりしていた。ほんとうにほんとうに行ってよかった。

 

天球儀(配信) 4/3
ソウル公演の配信をみました。韓国でやるって決まった時から気になっていたから配信してくれるのありがたかったし、私は日本公演を観れていないのでこうして末満さんが書いた本のストーリーを知る機会を得られたのが嬉しかった。
下敷きにあるテーマはこれまで末満さんが書いてきた作品で書かれているものとだいたいおんなじだなって思った。equalとかモロそうだし。真っ先に浮かんだのはヴェラキッカの「幻想幻愛メランコリック」の最初の歌詞だった。記憶のなかで生き続けることができるのか、誰に覚えていてもらえたらそれは生きながらえていることになるのか、みたいな話。末満さんの作品にあたっていると末満さんは死ぬのが怖いのかなと思うことが多々ある。あまりそういうことを推察するものではないと思うけど、あまりにもこのテーマが繰り返し出てくるから……。
それ故に(だいぶ「いつもの味」なせいで)ミステリ仕立ての作品にも関わらずミステリの種はかなり序盤で気付けてしまった。末満さんの作品を追ってたらわりとわかりやすいような。でも末満さんの書く脚本が好きだから結局好きだな……で落ち着いた。末満さんの書くSFとミステリの間みたいな作品の雰囲気が好き。クローズドサークルモノ好きだから状況としては面白かったし楽しかったね。
ところどころセリフしかないのに演出が目に浮かぶような場面があったのも良かった。けれどやっぱり朗読劇じゃなくって演出付きの舞台でみたいな〜。いつかそんな機会があったらいいな。

 

ジョセフ・アンド・アメージング・テクニカラー・ドリームコート 4/16
友人にお誘いいただいて!ALWだし、知ってる人の出演予定多かったし、2年前のときからなんとな〜く気にはなっていたけど現地に行ったのは完全にノリと勢いですね。というか8割友人の後押し。アンマスクドで曲は聞いて気になる度は上がってたしね。
「宝塚のトンチキショー」って聞いてたのでそのつもりで行ったら想像以上にその通りでおそらく笑うところじゃない場所で何度も笑いそうになった。主演の登場シーンは完全にトップスターが出てくるやつで拍手起こらないのが不思議なくらいだった。ここまで「ジャニーズさんを主演に据えて大正解」と思える演目があるとは思わなかった。
全体的に「なんだ今の?」ポイントが多すぎていちいちつっこんでいられない。突如スクーターでステージを横切るジョセフとか。突然のパリとか。パイナップルのサングラスに関しては何だったんだよあれ以外に感想が出てこない。何だったんだよあれ。状況とのミスマッチがありすぎる。それはそうと、ベンジャミンはまじでいいやつ〜のくだりは兄弟たちが改心したとかそういうわけじゃなくて「ベンジャミンだから」ああいうふうに言ったんだろうな……と思った。疎外されていた「ジョセフ以外の兄弟」という強い結びつきがあるから……。ジョセフがああなったら自分の命と引き換えにジョセフを助けてとはならなかっだろうな〜とか考えてしまった。実際みんなで結託して奴隷に売っているわけだしね。でもジョセフの態度も鼻持ちならない感じだったし、私はどちらかというとお兄ちゃんたちに肩入れしてみていたなあ。もちろん奴隷に売るのはだめなんだけどね。ジョセフがいなくなったところで兄弟たちじゃなくて女性陣も一緒になって喜んでいたので相当に鬱憤が溜まってたんだろうな。
一番悪いのは父親なんですけど。どう考えてもド贔屓してた父親が一番悪い。
冒頭の兄弟名前紹介曲思い出そうとするとWelcome to the Verachiccaに邪魔されるのはバグ。あーやでみたのが原因ですね。まずはみんなを〜そしてわたしはジョー・ヴェラキッカ‼︎くらいまではあった(ない)。それはそうと、あーやのナレーターあれだけガンガン歌い上げながら聴き取れないことが一切なかったので本当に素晴らしかった。この演目おそらく歌唱面ではナレーターさえ上手かったらどうにかなってしまう感じのやつで、反対にナレーターが崩れてしまうともともとあってないようなストーリーが完全にダメになっちゃうタイプの演目だと思う。
ファラオ様のことは好きになる以外の選択肢がないじゃんあんなの……。ファラオ様オンステージの1回目本当に何言ってるか全然わかんなくて(どうしようなんも聞こえない……)って思ってたけどあれ聞こえなくて正解のやつですね。ジョセフが「聞こえませんでした!」っていってくれて(助かった~~!!)と思った。あとからあえて聴こえづらい音響にしているっぽいと友人に教えてもらいました。2回目でちょこちょこ聞こえたけど英語と日本語ごちゃごちゃになりすぎてて聞こえてもわけわからん歌詞だった。
ファラオ様とにかく言動全てが面白くてちょいちょいセルフ4DXになってしまってた。声出さないのに必死だった。バンド従えて玉座に座ってるのがめちゃ良すぎる。し、ファラオの格好から突然エルヴィス・プレスリーになるの意味わからんけど面白い。
兄弟ひとりひとりに注目してみたり、いろんなところでバイト探したりしたらもっと面白いんだろうな〜って思いつつも一回しか観ないから大人しく全体をみてました。そういう意味ではレミゼの学生のオタクがどハマりしてるのはとっても納得がいく。
カテコも10分くらいあって実質フィナーレだし、ほんとに気軽に観に行けてはちゃめちゃに楽しい演目だったな。カテコはペンラを振らせてください。

 

CATS 4/17
福岡のキャッツ大千秋楽、なおかつ劇団四季拠点劇場としてのキャナルシティ劇場最後の日。お仕事があったので全然行く予定じゃなかったんだけどね……。ひょんなことで予定があいて、前日にチケットと飛行機を手配してバタバタキャナルシティ劇場に飛びました。福岡の劇場に戻るなら絶対に博多座が先だと思ってたんだけどな……まさかこんなにすぐキャナルシティ劇場に戻ってこれるとは思わなかった。行けてよかった。
突発で行った演目ではあれど、この月で一番行ってよかった演目も間違いなくこれなので、勢いで生きるのは大事。劇団四季キャナルシティ劇場が再契約をしたのが2017年。そこから5年間四季が福岡にいてくれたわけですが、この期間が私が福岡に住んでいた時期とぴったり重なっていて、この5年にキャナルシティ劇場で上演された演目は留学中に一瞬だけ上演された鐘を除いて全部観ていた。だからキャナルシティ劇場から四季が撤退してしまうこの日に劇場に赴けたことは本当に感慨深かったです。アンデルセンから始まって最後の演目だったキャッツまで、全ての演目にそれぞれ思い出がある。集客としてはディズニーの演目以外はかなり苦戦していた印象だったのに、それでも福岡に拠点をおいてくれたことでいろんな演目と出会うことができたので5年もいてくれて感謝しかないです。
キャッツ自体も11月ぶりで、改めてこの演目が好きだなって思った。人生の点滴……。特別カーテンコールで通路降りがあったのだけど、通路席だったので真横を大森くんタガー様が駆け抜けていって記憶が飛ぶなどしました。
この回初めましての方ちょこちょこいらしたのだけどなにより一番印象にのこったのが分部さんのリーダー。熱血な感じで新鮮だった。若いというか青いというか。リーダーになりたてというか(実際そうなんだけどね)。GRCのときもテンション高めで、喧嘩猫の話するの大好きなんだな~憧れてるんだな~みたいな感じがして可愛かった。だからマキャファイがしんどかったな。マキャファイ~ミスナンで泣いたのはこの日が初めてだった。分部さんのマンクが他のマンクよりも余裕なさ気にみえて、マキャファイみててつらかったんだよね。そこで沈んでしまったマンクをタガーとミストがぐっと奮い立たせているように見えてなんだか泣いてしまった。
ほかにも「光に満ちた素晴らしい朝さあ終着駅だ」でこの日の朝福岡に飛行機で着いたときのことを思い出してぽろぽろ泣いたし、「この夜を思い出に渡して」で福岡キャッツの思い出を思い返してまた泣いたし、特別カテコで大泣きした日でした。
キャッツは一回みたらどうしてもまた観たくなる(そしてチケットが取れてしまう)演目で、福岡から戻ってきたそのままに実はまだ未所持だった名古屋のチケットを取るなどしました。キャッツが日本のどこでもやっていないのがすごく寂しいので早くキャッツを上演している日本になって欲しいです。

 

Kamikazu LIVE 〜first~(配信) 4/22 
コットンクラブでのライブ、最後の回を配信で視聴しました。
改めて、上川さんはお歌だけでなくて表現力も優れた方なんだなというのを聞きながら考えていました。それから御本人からお言葉をきいて、ほんとうに劇団四季から退団されたんだなとじんわり実感した日でもありました。最後に歌われてた「愛した日々に悔いはない」が今の上川さんと重なって、外部のいろんな演目で上川さんを観られることが嬉しくあれどやはり寂しさが先立ち涙がでてきました。それでもまだふとした時に名古屋猫が開幕しても上川さんタガー様はみれないんだな~って思うとすごく寂しくなる。fons……行くか……。

 

李香蘭 4/29
何度も再演されている演目だけれど私がみるのはこの日が初めてでした。李香蘭という女性の人生を通して第二次世界大戦時の日本と中国を描いていく物語。
お話自体はもちろんだけれど、客席の雰囲気にも色々と考え込んでいた。お隣の席にいらしたのがかなり年配のおじいちゃんだったのだけど、ずっと、本当にずっと泣いていたのがなにより印象に残っている。きっと作品のみえかたが全然違うんだろうなと思った。
野村玲子さんの李香蘭、凄かったです。やはり高音が少々辛そうで、はじめはあまりのめりこめなかったのだけど、ブルーのワンピースで少女時代の山口淑子を演じているときに本当に少女が出てきたのかと思ったシーンがあってびっくりした。「2つの祖国」にも鳥肌が立ちました。
あと演目の趣旨とはややずれるところではあるものの「月月火水木金金」が歌われた後のセリフが「日本人の働きすぎはこのあたりからきてるのかな」みたいな感じで、現代でもこの台詞が成り立ってしまうところが嫌だな……と思った。「昔の日本人って働きすぎだったんだね」くらいであって欲しいよ。早くそうなれ。
楽曲は、マンチュリアの建国のときに歌われた歌が不思議な気味の悪さがあって耳に残っている。お手本のような明るいメロディなのに作中の状況も相まってどこか薄気味悪い。
正直みていて苦しい場面の方が多い作品ではあるものの、また再演があればきっとまた足を運ぶだろうと思います。

 


5月
はじまりの樹の神話~こそあどの森の物語~(配信)5/3

昨年のまとめ記事にも書いたので細かい感想は割愛するけれど、まりえちゃんのハシバミがかわいくてかわいくてどうにかなるかと思いました。セットも音楽もストーリーも大好き。アーカイブ配信、お安いし気軽にお勧めしやすいから今後も色んな作品でやってほしいです。

 

富美男と夕莉子 5/5    

 

独鬼(配信) 5/19
壱劇屋さんのワードレス殺陣舞台。2021にも公演があった作品ですが周囲の評判を聞き気になっていたのに行けなかったのを残念に思っていたので今回の無料配信はありがたかったです。家でこんなに泣くことあるか?ってくらい泣いた。「不老不死の鬼と一人の少女の物語」というだけで、なんとなく末満さんの作品のファンにの琴線にふれるものはあるんじゃないかと思う。
ひとつの役を四人の役者が演じることで時の流れを表現するのもうまいし、役者が変わっても同一人物であることを示すためのアイテムの使い方もうまい。そのなかでただひとりだけ姿が変わらない「鬼」の孤独が引き立つ演出、凄いなあと思う。
「女」が入れ替わるときに未来の自分が今の自分をぎゅっと抱きしめてから入れ替わるのもすごく好きだった。最後、女冬になってからずっと泣いてた。女冬が鬼に塩割れて出てきた時に冒頭のシーンじゃんってなってだめだった。最後、女の死を村の人が伝えてくれるところは、彼らの鬼への態度の変化が二人が過ごした時間とその中で変わったものがたくさんあるのを感じてまた泣いた。
二ツ巴のときにも思ったけど、物語はただ物語ってだけでこんなにも雄弁なんだなって思うし、言葉を使わずに物語をここまで伝えられる壱劇屋さんの作品が好きだなと思いました。8月の新作、すごく楽しみです!牧田さんもでるし!楽しみ!

 

饗宴「chill moratorium」 5/20
昨年7月のonly silver fish以来のレストランDisGOONieSの饗宴。レストラン全体を使用した二人芝居という色々贅沢な演劇。演目自体は4月の下旬からしており、演者を代えて公演が続いていた。私が観たのはラストの4ペア目でした。
元詐欺師の男が精神科医の女性に呼ばれて、ある犯罪に関わったとされる多重人格の人間から事件のことを聞き出して欲しい、と依頼されるところから始まるこの作品。途中、多重人格者に対抗するため自分も多重人格を「演じる」という場面で半観客参加型になるのが面白かった。観客が座っているテーブルの上には名前、身長、体重、性別などが書かれた「人格」のカードが配られていて必要に応じて観客が役者にカードを渡す。二人芝居だけどふたりともいろんな「人格」になるからいろんなお芝居がみられるのも楽しいポイント。
はじめは事件の詳細もわからないまま進んでいくが、複数の人格と対話していくうちにだんだんどんな事件だったかが掴めてくる構成も面白い。派手な伏線回収はないのだけど物語の全容が頭の中で徐々に組み上がっていく感覚。最後、ナンシーが「ポヤンちゃん」と言ったシーンでパズルの最後のパーツが嵌ったようだった。
時代背景としては、ベルリンの壁崩壊直後のドイツの話。なんだけどそれがわかるのも作品中盤になってから。「東側にいた」というセリフになるほどね……となる。
でも「全ての謎が明らかになる」のではなく「解釈の余白が残ったまま終わる」のがいいなって思いました。私は結局は自己対話の話だったのかなって思ったりもした。本当は初めから終わりまでたったひとりで話していたのかもしれない。
「一度観たらもう一度みたくなる」という触れ込みがされていたけれど、個人的にはもう一度みたくなるよいうよりは別のペアでみたかったな~と思った。くっすんが演じた役は可愛らしくて素敵で、同じ脚本を凰稀さんはどう演じたんだろうと気になった。全然違う話に仕上がっていそう。
前回行った時にカウンター席がみやすそう!と思ってカウンターにしたらやっぱりみやすかったものの、今回に限ってはテーブルがアタリだったかもと思ったり。
ただまあ、観客参加型の演出も含めて相変わらず時代に逆行しているな~とは思います。一応一年前に行った時にはまだパテーションがあったと思うんだけど今回なくなってたし。そして初日の公演中に次回公演の情報解禁がされてたから出てきたら次決まっててびっくりしたよ。また7月に行きます。

 

劇場版 舞台『刀剣乱舞』无伝 いっぱい
5月下旬は昨年の私に最も影響を及ぼしたといっても過言ではない舞台刀剣乱舞无伝の劇場版が公開されていたのでそれを何度もみにいっていた。刀ステのゲキシネです。もっとみたかったのに仕事に振り回されて想定よりも大して回数入れなかったのが心残り。
DVD用の映像とは違い、映像作品として残すために再編集されたカットでとても楽しかった。OPの十勇士のコマ割カットの時点ですでに最高。高台院様に刀を向けた長谷部に十勇士が武器を構えるところとか、小助が一番最後まで臨戦態勢を解かないのは映画の方がわかりやすいし、大阪城に阿形、吽形が現れた時の唖然としている表情や、最後の大千鳥戦で小助が大千鳥に腹を斬られているところは劇場版でないと映ってない。その他にも高台院様が「たわけらしいわ!」といったあと優しげな表情で笑う三日月宗近であったり、「刀剣男士と仲良うしいや」と言われたあとお腹を抱えて笑う望月六郎であったり。DVDには残ってなかったけど映像に残してほしかったところや、こんな顔してたんだ!とこの映像をみてあらためて気がつくところ等がたくさんあって非常に楽しかった。それから、再度ゆっくり作品に向き合う事ができたのもよかった。「真田十勇士」があの異説・大坂夏の陣に在る理由を誰よりも理解しているのが彼らを倒す三日月宗近なところが皮肉だなと思ったり、二幕で秀頼様は豊臣の滅亡について「腹は括れた」と言っているのに真田十勇士たちが戦ってくれているから、もう少し悪足掻きすることをお許しくださいと言ってくれるところが好きだと思ったりした。十勇士たちはなにかを守る事はできず、いわば持って生まれた使命を全うすることは叶わなかったけれど、秀頼様が「夕紅の士たちよ。この時をくれたことを感謝するぞ」と言ってくれるお陰で少し報われたような気持ちになります。見るたびあたらしい発見がありこんな形で新規映像が出てくるなんて恵まれているなとしみじみ思いました。でかいジャンルは凄い。

 

6月

スワンキング 6/11

 

ノートルダムの鐘 6/18
演目自体は2度目!ああ、演劇を観たなあ……と思ってしみじみとしてしまった。
前回観たのは名古屋公演なんだけど、実はその時はあんまりピンときてなかった。というかディズニー制作のアニメーションが好きでそっちの結末と違うのにびっくりしすぎて話を咀嚼するに至らなかったというほうが正確かもしれない。最後の方のシーン、「え~でもエスメラルダもカジモドも生きてるんでしょ?」と思ってみていて「白骨死体が~」の場面でえっ!?ってなって終わりました。その印象ばかりが勝ってしまってあまり中身にのめり込めてなかった。だから今回もチケ取りそこまで本気でしてなかったんだけどもう一度観てみようかな曲は好きだし上手い歌浴びたいし……と思いチケパト頑張って席を確保しました。一回目刺さらなかったのが嘘みたいにとっても泣きました。すごく演劇なところが好きだ、と思った。以前の鑑賞時よりも私の「演劇」に対する解像度や思いれが変化しているところはきっと大きい。アンサンブルが石像に、ジプシーに、民衆に、兵士にと次々転身していくのや物語を朗々と読み上げていくのがああ演劇をみているなあと感じてため息が漏れた。終盤のカジモドが街を駈けていく最中アンサンブルさんが次々と「街」へと成っていくところはなんだか涙がでました。はっきりと「街」の様子が目に浮かぶようで。それにカジモドの「ともだち」だった石像たちが今度はカジモドの道になっているのも好きだった。「ノートルダムの鐘」の物語をひとびとが演じるところから幕があき、演者が「カジモド役」になるところはぞくぞくした。カジモドから「役者」に戻るとき、二階席だったので背当てがあったところが汗で変色しているのがはっきりみえてぐっときたな……。
寺カジ、可愛らしいのだけどどこか底が見えない恐ろしさがあり、感情が大きく触れた時の激しさが目を引きました。あとやっぱり高く伸びる音が素敵で歌声にはほれぼれとした。神永フィーバス、すきだ……………。すごく泥臭くて、気取っているようにみえるけど驚くほど愚直で、戦争にまだ囚われていそうで、それなのにあんなことになってしまったのであのあと命を断ってしまわないか心配……。岡村美南さんのエスメラルダはさすがでした。Somedayは涙が止まらなかった。Somedayでフィーバスの声が重なった時に、ギリギリのところでこらえていたエスメラルダの緊張が少しだけとけたような気がして、あそこで一番泣いた。好きだった。あと、武藤フレデリックが「隊長」と呼びかけるときの声も、ほんとに好きで。未だフィーバスに残る尊敬とか、自分はフィーバスほどの勇気がないという自責とか、後悔とか、いろんなものがその一言に乗っていてあの言葉で涙が出てきてSomeday終わるまでずっと泣いてた。あとなにより震えたのは村さんのフロロー!!!アニメーション版に親しんできたからHell Fireをきいたときは鳥肌がたった。なんで最初からもっと本気でチケ取りしなかったのかと後悔するばかりです。

 

怪盗クイーンはサーカスがお好き(映画) 6/19

※舞台ではないんだけど沸き方がそれに近かったので


 

リーマン・トリロジー(NTL) 6/24

評判がどしどし流れてきてて気になっていた作品。日本橋での上映のときは行けなかったのですが池袋のリバイバル上映で行けるタイミングがあったので行ってきました! NTLは福岡に住んでいた時に何度かお世話になったことがあるけれどやっぱり東京の方がみれる演目が多くていいな。

リーマン一族がリーマン・ブラザーズを興して、成功して、2008年にリーマン・ショックが起きるまでの壮大な年月を描いた物語。3時間40分あるんだけど休憩が2回入るのと物語の密度が高いのでそんなに長くは感じない。あと普段から西田さんとか末満さんの舞台で慣らされてるので上映時間に臆さずに済んだところはある……。いらんアドバンテージ……。

この壮大な時間の物語をたった3人の役者がシームレスに役を入れ替わりながら演じていくのがとんでもない。3人は年齢も性別もバラバラの役に次々変化していく。演じているのはたった三人。それなのに三人とも演技力がとんでもなくて、女性にも子供にも見えるのだから凄い。本当に凄い。ピアノの力も大きかった。俳優陣の演技にあわせて3時間少し演奏し続けるのすごすぎる。セリフや動きが絵として繰り返されるのも心地よい。エマニュエル、フィリップ、ボビーそれぞれがみる悪夢のシーンとか、あるいは綱渡り師のソロモンとフィリップの「勝札」のシーンの絵的なリプライズ(ミュオタすぐリプライズっていう)。そもそもこの作品がもともと詩だったらしいので、こうしたリフレインが起こす効果や心地よさは納得。第三者視点のセリフが大量に登場してモノローグで物語が推し進められていくところも面白かった。

ストーリーとしては私が興味を持てる分野ではなかったので、話が「すごく面白かった!」というわけではない。ただたった三人しかいない舞台と、たった一台のピアノからの音楽と、ひどくシンプルな舞台セットだけで描かれる物語なのに壮大な物語が描かれていて、「演劇」ってここまでの力をもったものなんだと感じさせてくれるところが好きだった。自分の中で「舞台おたく」としての経験値が貯まった気分。

 

 

以上です!現地観劇が16演目19演目。配信・劇場公開・円盤系込みだと32演目。去年の上半期が17演目29公演(配信込22演目)なので、現地観劇の数、減ったな……。演目数はあんまり落ちてないんだけど公演数が減っている。あと去年より配信とか円盤とかをたくさん観ている印象。上半期、なんとヴェラキッカ以外複ステしてないんですよね。びっくり。手広くいろんな演目がみたいというのが今年の観劇指針なので観劇の仕方としてはあっているのだけど推し演目にわーってなって馬鹿みたいに通うみたいなのまたやりたいな~!! 時間もお金もない!かなしい!生活のすべてを舞台おたくするのに全振りしたいよ~~~!!!

『怪盗クイーンはサーカスがお好き』という夢の映画

劇場版『怪盗クイーンはサーカスがお好き』の感想だよ!!

普段滅多に映画の感想は書かないんだけどこれは……これは、あまりにも最高で天才でクイーンの話がしたくなってしまったので文章を残します。

はやみね作品で育って現在加藤和樹さんが好きなオタクが映画館で怪盗クイーンのアニメを浴びて情緒えらいことになった話。

 

最高だった。観たいもの全部観れて夢かと思った。

クイーン動いてる~~ジョーカーくんも動いてる~~~!! ほんとにジョーカーくんが和樹さんの声で喋ってるよ~~~~え!? これ優雅な休暇じゃん!? 魔窟王じゃん……!?ヴォルフと仙太郎とルイーゼじゃん!?!? 亜衣ちゃんたちだ!!!! 「東洋の神秘ですね」だ!!! あ、RD!!!!

58分の情報量ではない。

あの量の原作をきれいにまとめてくださっていて、シリーズのファンが思わず喜ぶカットやカメオ出演、サービスがたくさんあって、原作から削らざるを得なかったところも細かい箇所でしっかりキャッチしてあって、本当によかった……。

 

そもそも。

同年代の学校の図書館に通ってたタイプの人間がだいたいそうだったように私も例にもれず青い鳥文庫を端から読んでいる小学生だった。そのなかでも特段好きだったのがはやみね先生の作品で、はやみね先生の作品のなかでもいっとう好きなのが怪盗クイーンシリーズ。一番夢中になって読んでいた。だから今回はまさに「子供の頃大好きだった本」の映像化なわけです。私は原作は「アナミナティの祝祭」編で止まっているし(そこまで読んでるならそこそこ最近まで追ってるじゃんというのはさておき)最初の方の作品の記憶はちょっと曖昧。なにせ読んだのは小学校の頃だ。全体の流れの記憶はあるけど細かいところは覚えてないといった感じ。でもクイーンのことは大好きだったからLINEスタンプが出たときには喜んで購入して友人と遊んでいたしアニメ化してほしいアニメ化して欲しいってずっと言ってたし待望のOVA化がきまった時はそれはもう大騒ぎした。

一番びっくりしたのはジョーカーの声優発表時。なんか加藤和樹って書いてあるんだけど……? 加藤和樹って加藤和樹そんなの……そんなの私に都合がよすぎる……。

 

棚の端から本を借りていた女は立派な舞台おたくに成長していた。それで、(最近は全然出演舞台に行けていなくてファンと名乗るのも烏滸がましいけど)加藤和樹さんのことは大好きだ。観劇の動機になるし、地方に住んでいた頃は遠征の動機になる役者さんだった。一時期この世の終わりのような顔でもう舞台いかないって言ってた私を観劇に連れ戻してくれたのも和樹さんだ。和樹さんが出ているから行こうってなる役者さんで、つまりかなり好き。で、声優発表当日。ジョーカー役:加藤和樹 マジでいってる?

アニメ化よりなによりこの情報が一番信じられなくて宇宙猫だったしなんなら劇場で実際に声をきくまで信じてなかった。だってまさかクイーンが令和にアニメになって、ジョーカーくんの声が和樹さんになるなんて思わないじゃん(ちなみに好きな声優さんは森川智之さんと諏訪部順一さんである。本当にこの映画私に都合が良すぎる)。

いざ劇場いったら、ほんとにジョーカーくんが和樹さんの声で喋ってた……。というかジョーカーくんだった……。

和樹さん、声優さんのお仕事がどんどん上手になっていきますね……。表現の幅が年々広がっている。今回の役はオファーだったようだけど、「ミュージカルも声の演技も出来る方」という条件で名前を挙げていただける(【インタビュー】「青い鳥文庫」の名作『怪盗クイーンはサーカスがお好き』が劇場アニメ化!愛読していたスタッフの夢が現実になった軌跡!! | PONYCANYON NEWS)のが、和樹さんがこれまで声優として活躍して、培ってきたものがかえってきているのだと感じて嬉しい。

みるまで、私は和樹さんの声をどうしても「和樹さんの声」として認識してしまうのでジョーカーくんのことをキャラクターとしてフラットにみれなくなってしまうかな~という贅沢な悩みをしていたのだけど全然、ぜんっぜん平気だった。スクリーンのなかにいたの、ちゃんと「ジョーカーくん」だった。特に上越警部に「きみはクイーンかね。それともジョーカーかね」(傍点が打てない……)って聞かれた後の「ジョーカーです」がどちゃどちゃにかっこよくて爆湧きしてしまった。「敵を欺くにはまず味方から」のくだりの「ケチ」はえぐいかわいかった……「ケチ」て……。なんかもう大好きな人の声して大好きな本のキャラクターが動いて喋ってんのほんとになんなんだろう。奇跡? 好き×好きで爆発するかとおもった。奇跡だよ。

これからクイーンシリーズを読む時にジョーカーくんのセリフが和樹さんの声で再生されるようになるんだと思うと本当に嬉しくって、しかも、それが私だけじゃなくてこの映画を楽しんだ読者のみなさん、そしてはやみね先生までがそうなんだと思うとこんなに幸せなことがあるんだなと思った。

アフレコで3人の声を聞かせていただいてから、原稿を書くときはあの3人の声でセリフが脳内再生されるようになりました。

誕生から20年・累計120万部『怪盗クイーン』アニメ映画化に原作者もうっとり - コクリコ[cocreco]

あとはやみね先生が「アフターⅤ」を楽しんでいただいていたみたいでそれも嬉しいです。和樹さんが手広くお仕事をされているので、こうしていろんなところで知っていただいているのを実感する場面があると嬉しくなる……。

 

ストーリーもほんとうに……ほんとうにここまでまとめていただいてありがとうの言葉しか出ない……。はじめ内容が58分ときいたときにえっ……あの話の量を58分で……? とびびったけど、なんか、なんか凄かった……。きちんとみたいところ、大切なところは全部まとまっていたし、ファンがなにをみたいのかがすごくわかられていた。たくさんの愛を感じた。一瞬倉木博士や夢水清志郎が映るところも、今回登場しないキャラクターが映り込むのも、次回作や次々回作のシーンの映像を挟んでくれるのも、原作の「サーカス」の頃にはまだ存在しなかったRDの人間態を出してくれるのも、本当に全部素晴らしかった。それとなんかTwitterの解像度が異常に高くて笑ってしまった。みたことあるようなツイートなんこもあったよ。ヤケ酒するホワイトフェイスさんとクイーンに海外公演つれてってあげるよって言われてワイングラスの適量をガン無視してワイン注ぐホワイトフェイスさんも大好きポイントでした。

セブンリングサーカスと政府とのつながりを入れている尺がない、でもそれを抜くと「どうして海外公演に行けないのか」の説明ができない問題を「渡航禁止の国」ってセリフできちんと回収していたのとかはシンプルに上手いなと思った。

あと、「サーカス」のときのクイーンとジョーカーを「いまの二人」の温度感で描き直してあったのも新鮮で面白くて楽しかった。今回みるにあたって「サーカス」と「怪盗クイーンからの予告状」収録作品を読み返したのですが、「サーカス」のクイーンとジョーカーにちょっとあれ?って思ったんです。クイーンが今よりもクールな感じがして(あくまでも「今よりも」)。二人の関係も今よりも少しだけビジネスライクな雰囲気というか、この二人ってこんな感じだったっけ?って思った。気のせいかもしれんけど。それが映画だと今の二人の温度感で描き直されているような気がして、それがよかった。クイーンがほんとにアニメになってるのが嬉しくて冒頭から泣き始める限界オタク仕草をしてしまいました。

映画館の雰囲気も印象的だった。普段そんなに映画館にいかないけど、それでもあれだけ同年代の女性ばっかりの映画館はなんだか不思議だったし、上映後に皆が口々に作品の話をしているのも楽しかった。この映画館にいるひと皆がクイーンを読んで育ったんだなと思うと胸が暑くなる。

それから、原作読み返したときも思ったけど私は小学2年生のときの担任の先生の名前も出席番号も全部覚えてるのであの検問をされたら黒田さんの前にしょっぴかれてしまうな……。成人してから読み返して気付いた感想ですね。

私と同じくクイーンシリーズを争うようにして読んでたひとみんなみてほしい。予約カードに怪盗クイーンって書いたことある人みんな。中学卒業と同時に青い鳥文庫から遠ざかっちゃった人みんな。みんなだよ……。

 

これ残りの作品も全部全部映像にして欲しすぎるよ~~~!!!!! ICPOのみなさんが動いて喋ってるとこもホテルベルリンのみなさまもヤウズくんもみせてくれよお……。

あとこれはずっと言ってるんだけどミュージカルにしてくれませんか……? 可能であれば宝塚歌劇団で……別箱とかでどうですか……。優雅な休暇とかいいと思うんだよ男2とヒロイン1でトップスター、トップ娘役、2番手まで埋まるし愉快な初楼のなかまたちがいるから役付きも多いし……月組さんとかでみたいな……なぜなら彩みちるちゃんのズユ様がみたいから……。もちろんオリジナル脚本でもいいです!!!!! ていうか「休暇」だとトップコンビの絡みが減っちゃってそれは悲しいから寧ろオリジナル脚本がいいよ~~~!!!  バウとKAATでやってよ~~~~!!!! クイーンの声優さんが大和悠河さんになったし……本公演も……みてえよ……。ミュージカル「怪盗クイーン」みてからじゃないと死にたくない……。

以上事実無根の話でした。おしまい。

ミュージカル『スワンキング』感想

昨年12月、牧田さんがミュージカルにご出演されるときき大変びっくりしてから早半年。発表からずっとずっと観劇を楽しみにしていた作品でした。「日本オリジナルミュージカルの初演」ということで観劇前はどうなるのだろうと不安半分楽しみ半分だったのだけど想像以上にいい作品で、素敵なミュージカルをみたな~という感想。楽曲とアンサンブルのみなさんが大活躍している点が特に好きでした。

 

作品構成について

ストーリーというか作品構成について、簡単に。詳しくは下のキャラクター/役者の項に書きました。

バイエルン王国を舞台に、ルートヴィヒ2世が王位についてから死を迎えるまでの「夢追い」の物語を主軸に話が進む。このメインテーマがかなりわかりやすくできていて、作中いろんなことが次々におこるのだけどその割にストーリーがスッキリとまとまっているのがなかなか凄い。舞台となるバイエルンは「エリザベート」のファンにはなじみのある名前。彼女の生まれ故郷です(反対に言うと「シシィの故郷」であるという以上の認識はなかったのだけど)。

ざっとみるとルートヴィヒサイドの話とワーグナーサイドの話があって、二つが交錯しながら進んでいく。

一幕はとにかく怒濤の展開といった感じ。どん底にいたワーグナーがルートヴィヒというパトロンを得て創作に没頭し(あるいは、国庫を逼迫させるほどの贅沢、国民の反感を買うほどの好き放題をして)ルートヴィヒに見限られるまでを一気に描く。その間にもルートヴィヒとワーグナーを繋ぐ「音楽」に関する物語だけでなくビューロー、コージマ、ワーグナーの複雑な関係であったりワーグナーを追い落とそうとする官僚たちだったり戦争だったりルートヴィヒと婚約者ソフィや弟オットーとの関係だったりが登場してとにかく扱われる要素が多い。これらをほぼ全部一幕で駆け抜けるので展開としてはかなり目まぐるしいのだけど、そのなかでも一貫して「ルートヴィヒの夢とそれがもたらす顛末」が筋として描かれているので置いていかれることなく楽しむことができた。M7の「すれ違う心たち」とか、結構唐突にオットーとテレーゼが出てきて歌うから「急にどうしたの?」って思ったんだけど、すぐにルートヴィヒの孤独を際立たせる場面だとわかるのですんなり受け入れることができた。

反して二幕はかなり要素が減るなあと思った。ルートヴィヒの苦悩がメイン。ワーグナーサイドは資金繰りに苦労しつつもどうにか公演を成功させようと奔走する。……んだけど、一幕のテンポになれてしまった所為か少々冗長に感じてしまった。ルートヴィヒサイドの話は一幕ではあまり描かれなかった彼の内面に寄り添うことができて結構楽しめたのだけどワーグナーサイドの演奏旅行のくだりとか、ちょっと長くて……。もう少し「盛り上がり所」が欲しかったなというのが我儘な感想。それでもラストシーンの絵は綺麗だった。ワーグナーサイドをある意味最後まで書ききらず、ルートヴィヒの夢のなかだけで『ニーベルングの指環』が上演され、成功を収めるラストシーンが美しくて……。史実だともうワーグナーは死んでるから完全に「夢」なんだけど最期まで自分の愛した作品世界の中で息を引き取ることができるルートヴィヒは羨ましくすらある。事前のリリースで「悲劇」って単語がちょくちょく登場していたけど、これ凄いハッピーエンドだよ。「メルヘン王」とも呼ばれたルートヴィヒの「夢」の物語を、それこそ御伽噺の如く綺麗に綴じるラストでした。

 

楽曲について

全体的に楽曲、というか楽曲の使い方が好きだった。楽曲そのものも終演後思わず口ずさみたくなるようなキャッチーなものが多いし、なによりもそれぞれの曲のリプライズのされ方が良い。この演目は非常にリプライズが多いのだけど、そもそも、リプライズというのは観客が気付かないと意味がない。その点、この作品はリプライズされたところですぐに「あのシーンで使われていた曲だ!」と前のシーンとすぐに結びつくので楽しい。一番好きだったのが一幕の最後。M1の「夢の王国へ」が編曲されたものが「ルートヴィヒがワーグナーを見限る場面」で使われているのが本当に好きだった。前述の通りこの作品は「夢追い」の話。ルートヴィヒが深い夢へと沈んでいくこの物語のテーマ曲ともいえる「夢の王国へ」のメロディに乗せて同じ夢を追いかけている人間を切り離すのが、彼の怒りや失望を表しているようで凄くいい。だってあそこは彼にとって「夢の王国の崩壊」なのだ。彼の「夢」だったワーグナーの作品世界が汚された瞬間だ。「夢の王国へ」と同じメロディで怒りを歌うのがこんなに響くシーンもない。

それからやや飛び道具的な形で使われる三官僚の曲「大いなる誤算」。あの曲もとってもいい仕事をしている。メロディがかわいらしく、一幕のコメディリリーフとして動く三人のイメージにピッタリな曲だし、その曲にあわせちょこまかと動く官僚たちもまたかわいい。と、一度聴いた時点でかなりお気に入りの曲だっただけに一幕の後半の敗戦のシーンでリプライズされた時になるほどね……と唸ってしまった。あそこは明るい曲調がかえって物悲しく響いて空しい。

その直前、行軍の場面でマーチがだんだんと兵士たちの声とともに不協和音へと変わっていくシーンは鳥肌が立った。あそこは歌声とオーケストラの相乗効果で不穏さが増していって迫力がありました。

他にも層の厚いアンサンブルをフル活用するかの如く複数の声が重なり合う重厚な音楽が多く聴いていて耳に楽しい。今回本当にアンサンブルさんひとりひとりが強いので、重唱の聞きごたえが凄いんですよね。ナンバー数も多くて楽しかった。

詞がぴったりと嵌るのも国産ミュージカルの強み。それは今作も例外ではなく。私は翻訳ミュージカルの原詞と訳詞のひびきを二重に楽しめるところが好きだし、翻訳モノの魅力のひとつだと思っている。けれどそれはそうとして時折訳詞に首を傾げるミュージカルがあることも事実(直訳が過ぎて音節がうまく嵌ってなかったり日本語に違和感が残ってしまう演目の経験は今年の3月にしたばかりである)。加えて翻訳だとなかなか出てこない詞が登場するのも楽しい。例えば、「心すませ」という言葉は初めから日本語で書かないとなかなか出ない。他にも正確には覚えていないのが惜しいけれど、訳すならあえてこの言葉は選ばないだろうな、というような心地よい日本語が登場して面白かった。思いだせないのが残念なので全曲の歌詞が知りたい次第です。

ところどころM!やエリザが過ることも。作品の性質上仕方がないのだけど。ワーグナーを追い出せ!と民衆が訴える曲は、「HASS!」(エリザ)を思い出さない方が無理だろう。ある程度意識して曲をつけたりもしているのかな。

最後に、楽曲が好きというのを前提に、ちょっとだけ我儘を書くと、もう一曲キラーソングが欲しいなと思ったりもした。これは構成のところで書いた二幕に山場が欲しいという話と重なるのかも。ルートヴィヒに長めの「I want song」とかあったら楽しそうなんだけどな。今回一番印象に残った曲は「夢の王国へ」なんだけど、これはどちらかというと「影から逃れて」(M!)的な立ち位置だと思うんですね(趣旨は全然違うけどポジションの話)。もちろん彼が「ああしたい、こうしたい」というのは作中で散々語られるし歌われるので、必ずしも「I want song」である必要はないけれど、それはそうとして一曲ポーンと歌いあげる曲があったらいいな~って思いました。それこそエリザでいう「私だけに」とかM!でいう「僕こそ音楽」のような。

 

キャラクター/役者さんについて

全体でみると、登場人物にはだれ一人感情移入はできなかったが、その分フラットに作品を楽しめたので良かったな、と思う。キャラクターとしてはそれぞれ魅力的で好きだけれど共感できるかはまた別よね。

(※追記。ここの「だれ一人感情移入できなかった」って感想とか各キャラクターへの印象はいろんな方の感想をよんで結構変わっているのだけど劇場の客席で感じた感想はこの時だけのものなのでそのまま残してます。初演なこともあっていろんな感想を漁るのが楽しいしもっといろんな感想ききたいからもっといろんなひとに観て欲しいよ〜!)

 

好きだった役とか役者さんについて。

まずはルッツの牧田哲也さん。いきなりここ!?という感じだけど牧田さんがいなかったら今回劇場に来てないので……。この演目をみせてくれただけで感謝だし、予想以上にいい役、というか、おいしい役を貰っていて私は幸せだった。一幕はコメディリリーフとして、二幕は厳格な総理大臣として徐々に立場が変化していく姿が見ていて楽しかった。一幕の三官僚で動いているときは三人のなかでは一番下っ端で他二人にちょこちょこついて行っている感じでかわいい。プフォルテンとプフィスタマイスターの言ってることに時折異を唱えることもあって、他二人の悪巧みをあんまりわかってないんじゃないかなって思ったりしました。ルートヴィヒに「今後何かあるときはルッツを通すように」と言われたときに「ええ……」と不服そうに零していたのも面白い。ここでどうしてルートヴィヒにルッツが選ばれたのかがあまりピンとこなかったのだけど、ルッツの(三官僚のなかでは)どこか無邪気なところが純粋なルートヴィヒには魅力に映ったのかなと思います。対して二幕、すっかり権力者が板についてしまったルッツ。ワーグナーへの資金援助のことで国王と言い争う場面の「はぁ?」って顔も好きです!そら既に借金まみれなのに「お城も作るしワーグナーへの資金援助もする!」って言い出したらそんな顔にもなる。最後の国王を陥れてしまおうとルイトポルトに持ち掛ける場面もとってもよかった。ルイポルトを脅す声の響きが凄い好きでゾクゾクしました。この場面でルイトポルトが言う「変わってしまったのは我々の方だ」という台詞を受けるのがルッツなところが良いなあと思いました。だってルッツは誰より変わってしまった。出てくるたびにいつの間にか立場が変わっているので本人の感情の機微というものはほぼ描かれないのだけど、注視しているとルッツ自身王への感情も対応もどんどん変わっていってしまっているのがわかる。見た目すら変わってしまって、ルートヴィヒが選んだ「どこか無邪気なルッツ」はもういない。もちろん立場上そうならざるを得ないから、誰が悪いという話でもないけれど。だからこの台詞への説得力が深まるなと思いました。あと、最初眼鏡も髭もなかったからポスタービジュアルが好きだった私はなくなっちゃったのかと思い哀しかったですが、出世するたびにパーツも増えていったので安心した。

少々心配だったお歌も(そもそも歌割が少なかったのもあるけど)思ったより安定していてよかった。やっぱり声がいい。「大いなる誤算」の振り付けも可愛くて、あの曲をみられただけでかなり満足です。「大いなる誤算の先に」で三宰相が下手から登場するとき、前のプフォルテン(かな?)に勢い余ってぶつかってしまっているところも好きだった。改めて牧田さんのお声が好きなんだよなあ~~と感じた本作です。今後もまたミュージカルに出演してくださったら嬉しいなあ。

 

ビューローの渡辺大輔さん。一番好きだった!!!大ちゃんは一時期縁があり、1789、タイタニック、OYF!、ロミジュリと実はいろいろみている。直近はウェイトレスかな。これまでみた大ちゃんのなかで一番好きでした。ワーグナーの才能に取り憑かれてしまった人の一人。この演目はワーグナーの音楽の才能が故に人生がめちゃめちゃになっていく人たちがたくさん登場するが、その中でも一番不憫なのが彼だと思う。これ以上ワーグナーと妻をかかわらせれば取り返しがつかなくなるとどこかで悟っていながらもワーグナーの才能故に離れられないのが哀れで、それでも指揮を振るう姿が悲壮で、すごく良かった。はじめ、指揮を引き受けるのを躊躇っていたのに楽譜を見た途端それに引き込まれてしまうところが、まさに「取り憑かれたよう」でそのお芝居にこちらも引き込まれた。歌声からも、彼の内面が削られて、ギリギリのところでそれでも「芸術」を選ぶ葛藤が感じられて好き。感情が揺れながらもワーグナーの音楽を体現すべく指揮をふる姿がかっこよくて涙が出ました。二幕の最初がビューローの指揮を振る姿から始まるのも良い。それでも結局はワーグナーとコージマから離れるのが人間らしくて、彼の幕引きの場面まで含め全て好きです。二人から離れる時に、一瞬ワーグナーの作品の行く末を思わずといった形で口走ってから「もう当事者ではない」と言い捨てるところが一番つらかったかもしれない。あれだけ思い悩みながらもなかなかワーグナーのそばから離れられなかったのも、コージマとの離婚を受け入れたのも、結局はワーグナーの才能を愛してしまったからなんだろうな。「芸術家」としてのビューローと「人間」としてのビューローが常にグラグラと揺れているところが本当に良かったなと思います。

 

ワーグナーの才能はまるで災厄のようだと思った。かかわったひとが次々取り憑かれていろんなものを失ってまでワーグナーの音楽を愛そうとする。どこか恐ろしくすらあるけれど、その楽曲を生み出している本人は人間味あふれる人物だというのがまたアンバランスでこの作品の魅力のひとつになっている。ワーグナーの才能の部分も生々しい人間の部分も硬柔自在に演じてらした別所さんは見事の一言に尽きる。

ルートヴィヒは、ワーグナーに出会いさえしなければ「狂王」と呼ばれることもなくもしかすればもっと幸せになれたのかもしれないんだけど、ワーグナーに出会ったことが彼にとっての幸せなんだよなあって思いました。作品の底にあるのはもしかすると『だからビリーは東京で』とかと一緒なのかもしれない。あれも演劇にさえ出会わなければもっとまともな人生を歩けたけど演劇に出会えたことが人生の幸せだって話だから。19世紀後半のヨーロッパのミュージカルをみてコロナ禍の小劇場劇団をテーマにした芝居を思い起こすのも面白い。

演じる橋本良亮さんはとにかく立ち振る舞いが美しかったなという印象。流石、舞台の上での「魅せ方」がわかっている感じで、王としての気品ある立ち振る舞いが素敵だった。あとゆったりした袖のお衣装を綺麗に着こなしていらして、衣装捌きはねねちゃんとならび流石だなと思った。一幕の最後のワーグナーとコージマの不貞を知り激昂する場面の表情は、直前まで二人の関係を疑っていなかった純粋な表情から一変して怒りに染まるのが美しい。それからM1「夢の王国へ」で、橋本さんとねねちゃんがそれぞれ「互いの幻影」と踊るような演出がついているのがとても好きだった。もう「夢の中」に沈んでしまったルートヴィヒと未だ生きているエリザベートの間にはどうしようもない断絶があるけれどそれでも二人の繋がりを感じるし、なにより二人ともダンスが惚れ惚れするほど上手い!しっかり踊れる二人でないと成り立たないだろうから、お二人の強みであるダンスを活かした演出で素敵。ただこの曲、橋本さんのねねちゃんがやや複雑なメロディを交互に歌うところでお二人とも若干不安定なところがあったのは惜しかった。あそこはメロディが凄く好きなだけに勿体ない〜と思ってしまった。重唱になると一気にアンサンブルに呑まれてしまうのも惜しいな、と思う。

シシィについて、先に鏡の間のドレスが登場することは知っていたのだけれど一幕を観た時点でこれでどう出すんだ?と思っていたので、あの登場の仕方なら納得。ルートヴィヒの「夢の象徴」として出てくるのであればエリザベートといえば!というドレスで現れるのも納得だし、夢咲ねねさんが演じるのは大正解だと思った。絶世の美貌に対する説得力がありすぎる。実際鏡の間のドレスを着たねねちゃんは夢のように美しかった。シシィは出番としてはかなり少ないのだけど、要するにルートヴィヒの「夢の案内人」のような存在なので、ところどころで象徴的に存在するのがいいのかなあ……。鏡の間のドレス以外は全て衣装が黒一色なのも意味深だなと思ったりした。それと当然ながら『エリザベート』で描かれる姿とは随分違う。彼女を慕っていたルートヴィヒ目線なので好意的に描かれるのは当然なのかもしれない。

 

そしてそして今回本当に大活躍だったアンサンブルのみなさん。まさか、堤梨菜ちゃんのお歌がこんなに聴けるとは思ってなかった。大感謝。ソフィの透き通るような美しいソプラノはずっと聞いていたいほどだったし、「怒りの祝祭」の重唱でひとり哀し気な高音を響かせるところも最高でした。ほぼプリン並みに歌うので、こんなに歌多いならもっと宣伝して!!という気持ちになる。17年夢醒め好きなオタクが釣れそうだけどな……。ミンナの彩橋みゆさんも最期の切なげな声が胸を打ったし、安福さんのスコーンと聞こえる声も好き。ほんとうにアンサンブルさんの層が厚い、強い、素晴らしい。実際、本演目における歌唱力の部分はかなりの部分アンサンブルのみなさんに支えられていると思う。お一人お一人に見せ場があるので、アンサンブルさんのオタクは絶対に楽しい。12人とは思えないほどの声量なのでカーテンコールでアンサンブルさんが揃っているところをみて改めて人数の少なさに驚いた(あと折角だからカーテンコールは精霊衣装じゃなくてみなさん名前付きの役をされていた時の衣装がいいな……)。

 

もっとミュオタに観て欲しいな~となる。んだけど、やっぱり国産のオリジナルミュージカル初演は手を出しあぐねるのもわかる。私だって牧田さんが出ていなければ絶対にスルーしていた。

プリンシパルにあと一人か二人メインフィールドがミュージカルの役者が多ければ勧めやすいし、広まりやすいと思うんだけどな。口コミで集客しようにもそもそも観ているミュオタが少なくていつもミュージカルを観ている層まで感想が届いていないように思う。そして届く頃にはもう東京で土日の公演が残っていないという……。東京の公演期間がな~せめてあと二日……うぬん……。

東京公演残り4日と全国公演、この演目が少しでも多くの人の目に留まりますように!

「とみゆり」こと『富美男と夕莉子』の感想

公演二日目にみてきました。発表時からとても楽しみにしていて、事前のツイキャスやハブレンの同時再生会でさらに作品への期待度が高くなった演目。

作品に対して期待していた部分はしっかりみせてくれたし、さらに演出やアプローチの仕方が新鮮で面白く、すごく好きな作品でした。

 

まずシンプルに作品の構成が良かった。

ロミジュリをやる上で「二人が死んでいるところから描く」という逆再生的な演出自体はさして新しい試みというわけではないと思う。ただそこから「ページがバラバラになった交換日記」という媒体を使って時系列をぐちゃぐちゃに入れ替えながら二人がどんな運命を辿ったのかを明らかにしていく構成が面白かった。物語が組み上がったあと、最後に「出会い」のシーンに持っていって2人の運命の起点を描き直すのもうまい。作中ずーっと残された弁太郎や両家の両親が「あれさえなければ」「これさえなければ」と言っているなかで出会いのシーン、エモい。きっとラストの場面は出会いの場面になるのだろうなってわかっていても二人の運命を感じて描き方が上手いと唸ってしまう(とみゆり音頭には度肝を抜かれたけれど)。冒頭とラスト同じ口上がくるのもいい。

事前公開のインタビューで交換日記を使った構成と弁太郎が狂言回しになるって情報は開示されていたので、弁太郎がスペクターやグランギニョルにおける石舟や春林のような役割を果たすのかなと思っていた。でも予想以上に交換日記が時系列入れ替えの道具としてうまく使われていた。ただ単に逆再生をするのではなく「どうして逆再生的に物語が展開されるのか」という理由付けにもなっていたし、「途中でページがわからなくなってしまって一度読んだページをもう一度演じてしまう(しかもいいところで!)」みたいな笑いのフックにもなっているのがしみじみ面白い構成をしているなあと思いました。赤色をしたページが上から降ってくる演出も綺麗だった。全体的に舞台上の絵作りが美しくて素敵でした。ところで富美男と夕莉子の二人以外は白塗りなのは二人が書いた「日記の中の登場人物」だからとかなんかな。

シーンの組み換えと構成がほんとうにすごかったので、これは反対にロミジュリ全く知らない状態でみたかったなとも思った。ロミジュリを知っている観客は「これは〇〇の日の日記!」ってセリフを聞くだけで全体の流れのどこにその場面が差し込まれるのかすぐにわかるけど、知らないと全然違った観劇体験になりそう。ロミジュリの記憶を消してとみゆりをもう一回みたい。

 

翻案について。ハブレンを見終わった後の最初の感想がおもったよりハムレットじゃなかったなという感じだったのだけど、今回はしっかり「ロミジュリ」だったなという印象。かなり話を弄って人情モノに仕上げていたハブレンに対して、話の大筋はほとんどいじらずに、それでもしっかりコメディとして仕上がっているのが面白い。これはもともとも脚本がもつ性質によるところがあるのかな(ハムレットも結構コメディだなって思うとこあるけども。ポローニアス刺しちゃうくだりとか)。末満さんご本人も言っていたようにロミジュリって読みようによってはだいぶギャグなのでその要素がかなりうまく使ってあったと感じた。ロミオが死ぬところをあそこまでギャグに振り切るのはすごい。ロミオが毒を飲んでから死ぬまでの間にジュリエットが起きちゃって、ジュリエットの目の前でロミオが死ぬパターン自体は何度かみたことがあった。ただあそこまで笑いに変えてくるのは思い切りが良すぎる。その後普通にシリアスなシーンに戻るのが反対に面白い。

セリフに関しても一箇所期待していたセリフを期待通りに使ってくれたところがあってとっても喜んだ。「ロミオの追放はティボルトの死一万人分より悲しい!」です。このセリフは前々からジュリエットひでえ~と思っていたところで、今回コメディっぽいアプローチをするって聴いたときからそのまま使ってギャグにしてくれないかなって思っていたセリフでした。コメディに昇華してくれて大大大満足。ひばりが雀になってるところとかもふふふって思いました。末満さんが上手く訳せたんじゃないかといっていた牧やんの最期の台詞は、実のところあまりピンときてないのだけど「ヤクザは嫌い」であってるのかな。牧やんが堅気でやくざそのものに苦しめられてきた背景があるからこその台詞だなと思ったんだけど該当箇所が間違っていたら申し訳ない。わかる方教えて欲しい~。「両家ともくたばっちまえ」に対応する台詞だと思ってたんだけど違うんかな。

あとロザラインこと「おざわりん」は不意打ちだったのでめっちゃ笑っちゃって。周りで笑ってるのわたしだけだったので少し恥ずかしかった。よくここまで母音ぴったりおんなじの日本人名を思いつくなあ……。

コメディなシーンとシリアスなシーンの塩梅が、前半は笑いのシーンとシリアスなシーンが激しく行き来する感じでそれはそれで面白かったのだけど、後半になるにつれてその境がなくなっていって客席をどんどん泣き笑いの状態にしていったのが凄かった。

逆に原作から大きく変わっていたところで一番好きだったのがさとこちゃん。彼女のおかげでティボルトこと千代蔵が完全な悪役にならずに済んでいたように思う。ティボルトは原作だとほとんどバックグラウンドが描かれない。ミュージカル版だと心情を語るソロナンバーが与えられており、ジュリエット及び彼女の家との関係も深堀りされているのでかなり寄り添いやすいのだけど、実は原作だとそのあたりはだいぶあっさりしている。だからどの程度ティボルトに脚色を加えるかは完全に潤色する人の裁量次第。ティボルトがジュリエットに片想いをしている設定ってもともとないんですよね(今回原作を読み返すまで結構忘れていたんだけど)。だからティボルトこと千代蔵はどうとでも描きようがあるなと思っていて。千代蔵はかなり「どうしようもないやつ」という印象だった。生まれた家のせいでああなってしまったのだろうなと感じつつも家名への「誇り」があるわけではない。牧やんを刺してしまったあとは「俺は悪ない!」と言いながら逃げ続ける。どうしようもないやつなんだけどさとこちゃんが隣にいてくれるお陰で彼女と一緒に千代蔵という役に寄り添うことができるなと感じた。このあたりの絶妙な改変のバランスもいいなあと思う次第です。ちなみにハブレンの記事(コレ『ハムレット』と『羽生蓮太郎』、「復讐悲劇」と「人情喜劇」―ハブレンの感想 - 自由研究帳)のラストで(ハブレンだと結構キャラの生死が弄られてたから)「もしかしたらティボルトが生き残るかも!」ってそわそわしてたのに前説で死ぬって言われて望み絶たれるの早すぎて笑った。

 

役者さんのお芝居も皆さん素敵で、本当に2時間楽しくみることができた。つくづシェイクスピアを面白く描くなあと思う。ぜひとも別演目もみたい。悲劇だけじゃなくてもともと喜劇として書かれた台本もみたい。トンチキ「真夏の夜の夢」とか。あとこれはシェイクスピアではないのだけどれみぜやんをどこかで見ることは叶わないのだろうかと永遠に言い続けてしまう。脚本だけでもよみたい……。いつかどうにかならないだろうか。

『ハムレット』と『羽生蓮太郎』、「復讐悲劇」と「人情喜劇」―ハブレンの感想

ハブレンの感想! 円盤をどうにか買えた時に書いた文章です! 去年の一月とかかな。

配信があるとのことでひっぱりだしてきた。たいして長くないんだけど、まだ演目ひとつひとつに感想を書いてなかったころでその年の観劇まとめみたいな記事もなく、格納する場所がなかったやつ。

 

めっちゃ面白くて、現地でみれなかったのがとても残念で仕方ない。ブロマガにあがってた戯曲は読んだことあったけれど演出がついて板の上に乗ってこそだよ舞台はなんて当たり前のことを考えました。

ベースは「ハムレットの翻案」なんだけど「浪速版ハムレット」そのものだと思って挑むとちょこちょこ混乱するところがあるなあと思った。死んでるはずの人間が死んでなかったり。ポローニアスのところです。ポローニアス(宮春)、原作だと死んでるので出てきたときに「そういや生き延びたんだった」ってなった。

結末の大きな違いも原作と全然違って驚いたポイントのひとつ。私たちにとってより身近な物語に据え置かれて終わるなという印象を受けた。死ぬはずの人が生き残るので、そのぶん唯一死んでしまったオフィーリアこと親春の死が重たい。ハムレットだと人がバタバタ死んだ中で残ったフォーティンブラスが希望だけどもハブレンは一番死んだらきついひとだけ逝ってしまう。残された人たちはどれだけ大変でもどうにか日常を生きていくしかないのが、「遠い国、遠い昔の出来事」からより私たちの生活に近いところに物語が来る感じがしてズシっとくる。

ここについては蓮太郎がハムレットになりきらなかったところが大きいのかなと思いました。作中、蓮太郎を含めて一部のキャラクターたちは自分たちがハムレットの登場人物であることに自覚的。このメタ構造も面白い。『ハムレット』の中で旅役者が演じる劇中劇にあたる部分でストレートに『ハムレット』が演じられるところなんかは成程と思った。

このメタ構造について、「俺はハムレットなんかやない。あんなんと一緒にすんな」という台詞とかに現れるように蓮太郎は「自分がハムレットになってしまうのかどうか」という点で迷う。この迷いは(皮肉にも)原作の狂気と正気の間で葛藤するハムレットを思いださせた。原作のハムレットは「狂っているフリ」をしているうちに本当に狂気に取り憑かれてしまって、その狂気と正気の間で惑う。

ここのハムレットについて書かれた研究書で印象に残った箇所があったので引用します。

 

ここまで復讐のための劇を演じてきた主人公は、もう狂気を振り払うことなどできはしない。もう一人の彼自身が、異形の自分が、そこには現れている。(中略)自分自身でなくならねば、復讐は果たせませんでした。あるいはこのように「悪党」に変貌してでも、なんとか復讐することがこの主人公にはできました。(村上淑郎『To be とnot to beの間―ハムレットの仲間たち』東京:鳳書房、2011 29ページより)

 

 

 

このあたりが蓮太郎とハムレットの一番の違いなのかなとおもった。

ハムレットは最終的に自分が演じた狂気に完全に吞まれてしまったからこそ復讐を完遂できたんだろう。蓮太郎は完全に狂ってしまうことはできなかった。これが結末の違いにも繋がってるのかもしれない。最後まで復讐することもできなかったのは狂気に呑まれず、悪党になりきれなかったからなのかな、と。

復讐悲劇『ハムレット』のつもりでみていると、この結末には少々肩透かしを食らう。けれど、だからこそ、死ななくてもよい人が死んでしまうという物語の悲劇性が浮かび上がってくる。狂いきれなかった蓮太郎の人生は、どれだけ悲壮なことがあろうとまだ続いていく。この、どれだけ辛いことがあってもどうにか生きて行かないといけないって感覚は私にもすごく覚えがある。

シェイクスピアの書いたデンマーク王朝の悲劇」をこうして人情喜劇に纏められてしまうところが凄いなあと思う。私はシェイクスピア作品ってきくとなんとなく身構えてしまうというか背筋を正してみなくっちゃって思ってしまう部分があるのだけど、そのハードルのようなものを簡単に取り払えてしまうところというか……『ハムレット』の骨格は残しつつ、より観客が没入しやすく、物語と観客の距離をぐっと縮められているところというか……。ほんとうに凄い。し、私はこの『ハムレット』があたたかくて好き。

 

つまりとみゆり楽しみだねって話!!!! もしかしたらティボルトも生き残るかもしれない(ティボ推しの人)。早くみたいです!! 楽しみ!!!