『ダーウィン・ヤング 悪の起源』感想

演出家が自分の推し、その他脚本家、振付、演者みんなフォロワーの推しのタイムラインオールスター演目ことダーウィン・ヤング☺

両方のダーウィンみたので感想です~。まだあと一回入るからそのあと追記するかも。

なんか開幕前の考えてたよりも相当楽しくてすごい。スタッフさんはほぼ知ってる名前だし、役者さんも好きな人が多いし、曲も好きだし、ストーリーもいい感じ。

演目的に物凄くのめり込むほどではないのだけど、ほぼほぼ好きな要素のみで構成されている作品なので何回かみたいな~というような感じでまんまとチケットが増えた。口コミで集客が伸びてる評判が結構聞こえてくるのが嬉しいね。

それから、今作で初めて日比谷系の演目とか生オケの演目に行くっていうフォロワーさんもそれなりの数いて、演出家がその動機になるのがいいなあと思います。私は末満さんの作品もグラミュも両方観るから、普段末満さんの作品観てるフォロワーさんたちに好きな役者さんを観てもらえるのも普段グラミュ観てるフォロワーさんたちに末満さんの演出に触れてもらえるのもとっても嬉しい。

演出

終始末満さんの演出全開で大変楽しかったです👍

初日は末満演出ビンゴに物凄い勢いで穴があいていくことにやや面白くなってしまい、話に集中しきれなかったまである。なんなら劇場に入った瞬間から末満演出の足音が聞こえる。開幕直後の青照明をバックに真ん中から主人公が登場し、全寮制の学校の説明をしはじめたので早速マスクのなかで口角上がった😸

以前から壱劇屋さんを観てるフォロワーさんは大熊演出味も感じたとおっしゃっていた。なるほど。私は壱劇屋東京支部(=竹村演出)しか観ておらず、そこまで壱劇屋さんぽさを感じたところはないけれど、当然片割れなので、振り付けが肌に馴染むのはわかった。

セットをうまく活用してるな~クリエのキャパに合わせてつくってあるな~て思ったので、兵庫だと印象変わりそう。でも今回も照明綺麗だったから2階から観れるのは羨ましいかも。

演出の良し悪しとかはもう私はフラットに判断できないので言及しないけども、あたりまえに超好みでした。

 

特にめっちゃ好きだったのは一幕ラストとダーウィンの犯行シーン。

一幕ラストの、赤いフードを被ったニースが黒いフーディーたちに取り込まれて起き上がったときにはフーディーたちの中心にいるのはダーウィンに変わっているところ。一瞬でニースが上から黒フード被ってフーディーに混ざり、父子がスイッチする演出! 最高で鳥肌立つ。その後ニースが段上げに移動して赤フードに戻りダーウィンを見下ろすところも、「構図」がすっごくよくて、好きだ~。

 

ダーウィンの犯行シーンはさ、シンメトラー本領発揮してて、大好きだよ。 あそこのブチあがり具合、最高。ダーウィンとレオの時間と、ニースとジェイの時間が再生されてしまったカセットテープを切欠に交錯するのめ~っちゃいい。し、四人がまわりながら赤い紐でがんじがらめになっていくところ、ほんとうに、最高

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写真でもほれぼれする。最高だ……。

 

あとは日常シーンのやり取りの温度というか、間のとり方というか、そういうところも好きなんだなって思った。ダーウィンとレオがハグするところとか。レオの人生を踊り明かせみたいなシーン(「自由」ですね)もすごい好き。問題児で周りから疎まれているのにそれでも周りを巻き込めるような強い力を持った子だったんだなって思う。曲終わりは切ないのだけど、あのいっときの煌めきが好きなシーン。あとバズにレオがカメラを教えるところの雰囲気もとっても好きだった。あそこは台詞がやたらと聞き覚えのある感じなのが更に好きに拍車をかけている気がするよ。書き出したらほぼレオ関連のシーンでしたね……。

観てて胸が詰まる。大好きな場面。

レオのシーンでいうと、ラストの方ダーウィンが第七地区に赤いフードを被ってきたときの動画を撮影している描写があるところに、ニースとダーウィンの悪の因果だけでなくバズとレオの悪を暴き出してしまう光の因果を感じたりする。

ダーウィンとレオのナンバー(友達)のチャリ2ケツと猫のパペット、可愛くて好きなんだけど、韓国版には影も形もないらしく韓国から来日して観劇されていた作品ファンの人が不思議がっていてウケた。猫柱*1ですからね(?)。

図書館のところの額縁を使った演出もいい。検索台にもなるし、扉にもなる。あのシーン照明も好き。

あと、ウィンザーノットのあとでラナーがひとり鏡の前に立って、ネクタイを締めていない自分の姿をみつめるところ。生まれながら第一地区育ちのニース、ダーウィンとラナーの断絶がみえて好き。ヤング夫妻はラナーにネクタイの締め方を教えなかったんだね……? この辺は原作よんだらわかったりするかな。

ラナーが第一地区に来る前の、大隊長を殺害したあと仲間の情報を売って第一地区へ逃げ込んだ描写はいってるところにラナーの貪欲さとか「悪の起源」の説得力とかが出ていて(あとはシンプルに最悪度が増すので)かなり好きだったのだけど、パンフ読んだら末満さんが原作から引っ張ってきたシーンで韓国版にはないとのことでした。末満さんの潤色箇所が刺さっている。悔しい。

ラナーを3世代通して同じ役者が演じる形にしたのは、集客的な意味でもすごくいい方向に働いていたと思う。みんなみたいでしょ禅さんのアンジョルラス(ではない)。韓国と同じく若ラナーを別の方が演じる方式だったら禅さんの「世の中を変えよう」は聴けなかったということなので、それは、もったいなさすぎる。歌最高すぎて初日禅さんが歌い出した瞬間にワー!!!ってなったもん。

 

逆にウーンってなったのは一部映像。具体的には二幕頭、ロイドがフーディーたちを検挙しているところ。後ろに銃で処刑されているフーディーの映像が流れるのが好きでなかった。韓国PVを確認すると該当箇所はロイドと捜査官たちが行進する傍らフーディーたちが検挙されていく様子も別のアンサンブルさんが平行して演じている。カンパニーの人数の違いでそれはできないから、その補完の意図なのかもしれない。ところでこの映像、初日は上手と下手に分かれてロイドを応援している少年ニース、ジェイ、バズがかわいくてそこばっかみていたので2回目でやっと気づいた。

雪とか駅とか第九地区の背景とかのマッピングはそんなに苦手には感じなかったというか良くも悪くも気にならなかったというか。必然性はないような。

末満さんのオリジナル作品だと普段は映像使わないし(2.5ではめっちゃ使う)、外部脚本だからわかりやすさを重視したのかな。個人的にはない方が好み。

 

音響

オケの音でかすぎ全体的に大味すぎ。もっと演者を信用していいしもうちょい繊細さがほしい。

初日がマジでオケの音バカでかくて歌が聞き取りにくく、ここほんとにクリエ!?ってなった。禅さんとぴろしの声量でどうにかなってたけど演者の声量でどうにかするんじゃないよ。2回目はマシにはなってたもののまだデカい。生オケなんだし、2.5みたいな大味の爆音音響は要らないよ~という気持ちになりました。アンケにも書いた。

 

照明

今回も素敵~!! ステンドグラス風の色が床にうつるところと、どこだか正確には忘れてしまったけどアンサンブルさんたちが持ち上げたプライムスクールの椅子に日光のような色の照明があたってるところが特にすき! 冒頭でも書いたけど2階からみてみたかったな。

 

脚本

ああ~これは末満さんの演出と相性がいいだろうなと思うのと同時に末満さんからは出てこない本だな(そらそう)とも思い、不思議でした。この作品を末満さんに持ってきてくださった制作さんの慧眼に感謝です。

一幕で「謎解き」的なパートにはほぼ決着がついて、二幕で予定調和の悲劇に向かって進んでいくのが私にはすごくハマった。だいだいどういうオチになるかが予想がつき、その通りに進んでいくので楽しい。

親世代が、好きだよ〜(でしょうね!)。あのニースが超鈍感だからギリギリ保たれているような危うい友情が、好きだ。

ラストあの状況から親友ではなくて父親を選ぶのがあまりすんなり飲み込めないところではある。レオのことほんとに殺さないといけませんでしたか……?

世界観とか国立図書館のセキュリティガバすぎんかとか絶対その犯行はバレるだろとか警察はまともに仕事せえとか、まあ、そういうところを突っ込もうとするとすごい突っ込めてしまうのだけども楽曲と芝居が良いから、いいかな……。この細かい所気にしないで話を強引に進めるかんじフランケン*2とかJTR*3のときの感覚に近いかも知れない。かなり壮大な話を2時間半にギュッと纏めてあるだろうからこの辺も原作読んだらわかるのかな。

 

楽曲

良かったな~。好きだ。

ほしい所でほしいリプライズが来るのがすごい気持ちいいしカッコいいビックナンバーがあって盛り上がれるところが好き。悪の起源と青い目の目撃者が特に好きです。自由とかウィンザーノットは一回目と二回目でかなり受け取る印象が変わるので、そこも面白かった。作品のラストは結構凄惨なのだけどラストのナンバー(誰も覚えていない)の曲調が結構明るめなので気持ちよく劇場をあとにできてよいですね。誰も覚えていないの最後のほうの高音のAh~いれてるの、はどなただろう。音が綺麗で好き。

あとダーウィンの犯行後に「怪物」のメロディが鳴るのがめちゃめちゃ良い。

「自由」の最後の方のダーウィンソロのメロディ及びレオがプライムスクールを出ていくときのメロディがダーウィンが犯行前に歌うメロディと同じなのが最悪最悪リプライズで大大大好きです。初日ここでニコニコニコニコしてた。

 

私は末満さんが「ミュージカル」と銘打ってつくっている作品*4が演目としては好きでもミュージカルとしてはそんなに好きでなくて。歌に入るのがかなり唐突だったり*5芝居歌として成立しにくい曲が多い点などが特に。楽曲とストーリーのそれぞれはいいのだけど、ミュージカルというよりは挿入歌のある演劇だなあ……と思うことが多い(和田さん作曲の楽曲自体は好きなので、「ミュージカル」を名乗っていない演劇女子部シリーズや黑世界、キメステとかは普通にめっちゃ好き)。

今回は演目自体は輸入だったからこの辺のことを気にせず作品にのめりこむことができてほんと~に楽しかった。今回の演出で末満さんが今後制作するオリジナルミュージカルに影響が出るかな~という点もちょっと楽しみにしていたりする。

 

演者

ダーウィン・ヤング

大東立樹さん

前半はかなり受け身な演技で、レオとかルミに流されるまま過ごしているような感じだったのだけど、一幕のラストで真実に気がついてしまってから顔は蒼白になるし目が溢れてしまいそうなほど大きく目をみひらき、ぶるぶる震えている姿がとても可哀想だった。でもラストは笑ってるんだよね……。「悪の起源」の継承……。前半がとても可愛らしいダーウィンで、お父さんにもおじいちゃんにも無邪気にぎゅっとハグしにいくような子だったから、余計に後半のギャップにやられた。

 

渡邉蒼さん

普段からプライムスクールの生活に窮屈なものを感じていそうな子だったので、太陽のようなレオに惹かれていっているのが丁寧に伝わってきて、それがすごく好きだった。感情の傾き方を客席に伝えるのが全体的にうまい。だから、あれだけレオを大切に思っていても最後父親を選ぶ所にすごく説得力があった。悪の起源、「許したい」の叫びが詰まっていて、ほんと~によかったな……。あと、「ねえレオわかったよ。理由はいらない」でダーウィンに『怪物』が降りてくるのがはっきり分かって鳥肌が立ちました。

作品からはずれるのだけどTwitterの投稿の言葉選びが丁寧で好き。

 

全体的に大東くんは後半、蒼くんは前半の演技が印象に残った。事前情報の通り印象ががらりと変わるめっちゃいいWキャストでした!

 

ニース・ヤング/矢崎広さん

や~…………。ぴろしの演技をみるためにチケットを増やしたようなもの。すごい美味しいけど複雑な役を見事に演じきっていた。ニース、表面上は理想の父親でみんなから尊敬される教育長官で、でもなかみはすごく危うくて16歳のまま時間が止まっている複雑な役で、その表現が素晴らしくて……。息子に向かって微笑む優しい父親の姿と、ジェイの影に怯える姿がしっかり地続きなのがいい。クリスマスの夜酒に溺れて「僕が死ねばよかったんだ」で16歳の声に戻るところの芝居のつくりが良すぎてあそこ大好きです。16歳のどちらかといえばかわいい印象を受ける芝居と46歳のときの印象がガラリと変わるので、殺人というイニシエーションですっかり変わってしまったのだなとわかるところが辛い。ほんとうによかったし、まわりがみんなボコボコニースに落ちていくのも、やむなしですな(あんたもだよ) 。

 

ラナー・ヤング/石川禅さん

前の方でも書いたけど禅さんが三世代分の役を演じる演出にしてくれてありがとうございます。禅さんのソロ増えててありがたいよ。禅さんが作品に一本柱を通しているなと思うところが多々あります。ニースとのクリスマスのやりとりのところのすれ違いが辛いし、あそこ、ニースへの愛が滲んでいる芝居がよけいに辛さを増幅させる。最後の誰も覚えていないで禅さんが入ってくる所は全体の声量が突然2段階くらいブチあがるので声デカ!になった。2回目以降、ずっと前髪をおろしたほうがいいよ、という気持ちでみている。前髪をおろしてネクタイをしよう。ラナーについてはちょっとわかんないところが多いから、早く原作よみたい。

 

レオ・マーシャル/内海啓貴さん

君が太陽だよ~~~~!!! さっき好きなシーン書き出してて気づいたけど私はあきよしの芝居がかなり好きらしい。レオは何も悪くなくてほんとうにひたすらにとばっちりなので、前半まっすぐダーウィンに向き合っていれば向き合っているほどつらくなってしまう。あきよしのオタクだったら毎回心がぼろぼろになって劇場をあとにしていると思うよ。話全然違うけどあきよしここ数年の出演作の傾向良すぎて追ってる人羨ましいな~とおもいます。早くディミよしで幸せになっているあきよしをみたい。

 

ルミ・ハンター/鈴木梨央さん

可愛くて可愛くて…………歌声、綺麗で綺麗で………………。「さよなら 私はひとりでいくわ」の高音が、ほんとうに、すきで。今後もいろんなミュージカルで鈴木さんのお芝居みたいしお歌を聴きたい。ただパンフを読んだ上で彼女の周りの人間関係をみると味方がいなさすぎて可哀想になる。ルミがジェイに執着してしまうところにハンター家って………という感情を覚えます。

 

バズ・マーシャル/植原卓也さん

ラインダンスで一番足が上がっているところが好きです。バズの明るさもレオと同様に作品の中で光っている。学校のシーンで学校から脱走している話をしてるときにああレオの父親だな~って思う。ジェイとギスってるところは、ワッとなるけども、あれも10代らしくて好きだよ。バズも可哀想でつらい……。友人に誕生日プレゼントに贈ったものが回り回って息子を殺してしまうのつらいよ……。

 

ジョーイ・ハンター/染谷洸太さん

思い出そうとすると9歳の染谷さんがかわいかったという感情に支配されてしまう。いや、普通に39歳のジョーイも好き。パンフ読んでから芝居観ると追悼式のところどういう感情?になるし、その目は節穴の「闇は闇のまま」も、嗚呼、そうだね……となる。共犯。

 

ジェイ・ハンター/石井一彰さん

39歳は嘘だよ。全然学生にみえるよ。天使*6のときしょうごくんと同じくらいだと思っていました。今回初めて年齢を知って、ひっくり返りました。全然16歳だよ? 16歳か39歳かでいえば、16歳(フォロワー談)。その通り。ビジュアル勝ってて最高だ~。幻覚のジェイ、目がバキバキで超不気味であの表情つくれるのすごい。2幕のジェイ、冒頭でかわいいなって思ってたらデスノート始まって怖くなっちゃった。バズに「わざと間違えるのって難しいんじゃないのか(ニュアンス)」って問い詰めるところの芝居、最高。大隊長も石井さんが兼役することで因果関係が生まれていていいなあとおもう。

 

もとこさん(もとこさんとお読みする。教えてもらった)教授からMrs.ヤングまで(その他にも兼役たくさん!)転身が見事でした。試験の曲の高音が素敵だしその後の生徒たちのユニゾンが不気味で良い。

奥山さんも同じく大活躍でした。サブプリン・アンサンブルの方たちの実力がしっかり効いている作品だなと思う。社家あや乃ちゃんがかわいくて、好き。

あと初日え?可知さんいる???おらんよね????になって(?????)ってなってたら、そっくりの高橋莉湖さんでした。

に、似てる。

 

原作

原作を、読んだ。

なんかコレだけつまりにつまった内容をうまいこと2時間半にまとめてあるな〜っておもった。脚本力凄い。

原作バレあるから読んでない人は飛ばしてね。


ラストというか読後感が全然違ってビックリ。結構印象がちがう。これ元々小説の原作ファンだった人はミュージカルみてどう思ったんだろう。ギャツビー*7観た時原作ファンの人がバチバチに文句言ってたのを思い出すなどした。

末満さん脚本のequalが韓国でミュージカルになった時も話が結構変わっててなんかequalというよりは「equalを観て受け取った解釈のひとつをミュージカルにした」というような印象を受けてビックリだったことも思い出しました。

もちろん原作とこれは別モノ!って作品はたくさんあるし、うまいこと脚本に仕上げてあるなあと思いました。


視点が変わりながら話が進んでいくので、各キャラクターが考えていること、それぞれの認識にどれほど乖離があるかがどんどん明らかになっていって面白い。読者は全てを知っているのでみんな的外れなことを考えているのがわかるのだけど彼らの中ではどんどんズレが大きくなっていって読み応えがあった。

その中でジェイの一人称視点は出てこないから最期まで彼が何を考えていたのかわからないのが辛いしもどかしかった。

作品ラストが、一番「何も知らない」状態のルミの口から語られて綴じられるのが後味の悪さを増長させているんだろうな………。


一番印象が変わったのはジョーイでした。てかハンター家3人とも思想強すぎて怖い。

ジョーイ・ハンター兄のことをそこまで憎んでたのか……ニースが犯人だってことを知ってるしその前提で演じているのはパンフを読んで分かったんだけど、ニースもジョーイに犯人を知られていることを知ってるんですね。もうほんとに追悼式のシーンどういう顔して見てたらいいかわかんないよ。最初ニースのこと当然のように「兄さん」って呼んでてめっちゃ怖くなってしまったのだけど友人に多分それヒョンだよって教えてもらい、あーなるほどねとなりました。それはそうと兄のように思っていることは変わりないらしい。それに対して「私も本当の弟のように思っている」と返すニースもニースだけれど、ニースの場合対外的に口に出す言葉が本心でないことが多すぎるのでわからないですね。ニースが一番心の内側を晒しているのは他人視点の場面だと泥酔しているか激昂しているかのどちらかのところだけだし……。

ルミちゃんは間違いなく賢いし観察眼に優れているのだけど、プライドの高さや家に対するコンプレックスが視野を狭めてしまっていて読んでいて苦々しくなる。ジョーイの「自分以外はみんなバカだと思ってるのか?」ってセリフが正にその通りだった。手持ちの情報で犯人に迫れるところまではきているのに、ニースが自分に対して理由はわからないけれどおかしな態度をとるところまで気づいているのに、踏み込みきらないのはニースが30年積み上げてきた外面の完璧さを示してて嗚呼………となりました。


ミュージカルの方のマーシャル父子のシーン好きだったのにバズがレオにカメラの使い方教えるシーン舞台オリジナルで泣いてしまった。

バズが一番しっかりと昔を懐かしめていて、ジェイとの間にあったことも10代の頃の幼さとして自認できているところが好きだった。でもこれってバズだけはまともに大人になれたからなんだなって思いました。

息子には向き合ってあげて欲しい。レオの形見おじいちゃんのところにあるの辛すぎる。

 

上記の通り別モノなので、まあバックグラウンドを理解する一助的な位置に原作を置きつつもう一度観劇しました。


原作で凄く印象的なだった描写が「父親から絶え間なく愛が注がれていたために、『神』という存在について考えたことがなかった」「父が神だった」ってところです。それを踏まえると、「神は死んだ」とか「ダーウィン赦しを乞うのだダーウィン跪け」のところ解像度があがるというか、見え方が少し違って見えて面白かった。

あと、「まるでここからいなくなるみたいな言い方だな」のところのダーウィンが何を考えているのかよく分かってなかったのだけど、原作を読むと彼の内心への理解が及び、そんなこと考えてたんかい………と驚きました。

最後、「誰も覚えてはいない」で耳を塞いで泣きながら膝をついている蒼くんダーウィンをみてダーウィンにも父親と同じ「お前は人を殺したんだ」が聞こえて来るようになってしまったんだなー………と思い………つらかった。


先に舞台版を観ているからというのもあると思うけど、舞台版のラストの方が好き。

あとシンプルに翻訳がかなり独特というか、言ってしまうと読みにくいので、読み終わるのがちょっと大変でした。ミュージカル知らずに本屋さんでちょっと気になって手に取ってみたって人はかなり読むの大変だと思う……。

 

お気に入り写真とツイート

後から自分が見返して楽しい記録用。

9歳の染谷さん。

チークついててかわいい。

ジェイだけ寝てなくて、好き。

そんなことしとらんで今すぐにそのカセットを壊せ。

2ショットらしい。そうかな?

大好きマーシャル父子

かわいい三銃士 ずっとこうであれよ

父の日。

ディスプレイ、正気?

 

 

おわり。

 

 

*1:たしか2019年の最後のほうから1年ちょっとの間、末満さんのbioに書いてあったワード

*2:ミュージカル『フランケンシュタイン

*3:ミュージカル『ジャック・ザ・リッパー

*4:マリーゴールド』と『ヴェラキッカ』のこと

*5:『口外無用』(マリゴ)とか『裏腹の水掛け論』(ヴェ)とかが顕著

*6:ミュージカル『天使について 堕落天使編』

*7:ミュージカル『グレート・ギャツビー』 井上芳雄さんが主演の2017年公演版