2021下半期観劇まとめ

2021年下半期のまとめ!ちょこちょこ個別記事も書いてたし複ステしたのが多いからから書く量はそんなに多くないかなっておもったけどそうでもなかった。12月のスケジュールがバカ。

配信に関して、劇場でみて配信も買ったやつと今までにみたことあるやつを再度配信でみたやつはノーカンにしてます。

 

上半期はこっち

 

7月

響宴 『ONLY SILVER FISH』 7/24

下半期観劇はじめの予定はキャッツだったのがいきなり狂った本作。初日の一週間前に情報解禁があってひっくり返った。行くか行くまいか散々迷った挙句結局行きました。日帰りで。福岡から。

結果的にかなり行ってよかった~~!!って感じの演目だったので良かったんですが。西田大輔さん演出の響宴シリーズは、西田さんのレストランDisGOONieSで公演される半イマーシブ形式の演目。開演一時間前までに会場のみんなでお食事をして、そのまま公演に入る。

このレストラン全体を使った公演なところが結構面白かった。中央に空席の円卓があり、主だった演技はそこでするのですが、ほかにもレストラン全体をぐるぐる歩き回ります。自分の座っている座席の真後ろとかで役者さんがお芝居をするので楽しくて。すごい近い。好きな役者さんがすぐそこで頭のうしろに銃を突きつけられていたりして心臓に悪かった。私の座っている席からはみえない部分もあったから複数回行ったら楽しいんだろうな~~と思いつつ、なかなかそれが難しい。多分カウンター席が一番全体がみわたせるお席……だけど今回3席しか用意されてなかった。激戦区。

ストーリーは大好きなクリスティの『そして誰もいなくなった』をモチーフにしたものでした。数年前の公演時に気になりはしたのでタイトルは知ってたものの深い内容は予習無しで行ったので開幕後すぐに好きなやつじゃん!となった。ストーリーラインはよくあるクローズドサークルものである夫婦の婚約パーティに集められた人たちが天候の不良によって屋敷のなかに閉じ込められてしまうというもの。実際自分たちがいるレストランが屋敷のメインホールという体で演技が進むので臨場感があってどきどきしました。タイトルの「Only Silver Fish」というのは屋敷の水槽に一匹だけ泳いでいる魚のことで、この魚のほんとうの名前を知ることができれば過去を振り返り、そしてその時にした選択をもう一度やりなおすことができるという伝説を持つ魚のこと。正直トリックは『そして誰も~』をよんだことがあれば序盤で気が付くやつでしたが動機のところで読ませる脚本だなと思いました。

一度最後まで観た後だと、マシューだけでなくてロイも相当腹の読めない言動をしている。エミリーとの件がある上でリリィを婚約パーティーに呼ぶの相当性格悪いな。魂胆が読めない。そりゃあエミリーもどうして呼んだのって言うよな……。最後の「ロイよ!!」って叫ぶところのエミリーのお芝居が好きで未だ耳に張り付いています。オンリーシルバーフィッシュの使い方もお洒落というか、ああ、なるほどここで……となった。マシューの僕が死んだあと君が振り返ってくれさえしたらそれだけでよかったってセリフが刺さった。一番感情移入してみていたのはマシューだったかも。それから「アガサ」の使い方もうまい。一月に「デュマが登場する三銃士の物語」であるゴーストライターをみていたため同じような立ち位置かと思いきや、名前を使ったミスリード。それもマシューが用意した完全に外部の人間なんですね。この屋敷の中の殺人事件を描いた人物に擁立された「作者」であり「創造神」。マシューが退場したあとの「語り部」になるので、そのあたりが面白かった。でもやっぱりもう一度はじめからみたいな……という気持ちが先立つ作品。一度全員の立場を理解したうえでもう一度ストーリーを咀嚼したい。前回の公演DVD買おうかな……松田凌さんのマシューはみたいし。

あと本当に直前の情報解禁は勘弁してほしい。オタクにだって人生があるんですよ。それから今客降りという概念が死に絶えつつある時代にレストランで食事をさせたあとに全編客降りのようなイマーシブ公演やるのはかなりチャレンジングだなって思ったりもした。テーブルの上にパテーションあったけどさ。没入感は圧倒的だったしコンセプトはとっても面白かったので早くこれをなんのわだかまりもなく観れる時代になって欲しいと思うばかりです。

 

ACTORS LEAGUE 2021  7/20

劇ではないけど記録として。思った以上に盛り上がったしみんなでTwitterでわいわいいいながら観戦するの楽しかったし元気でたし城田優とまつやの国家斉唱で爆笑したので毎年催してほしい。

 

劇団四季 キャッツ 7/27、8/24、9/2、9/29、10/19、11/9

 

8月

ミュージカル レ・ミゼラブル 8/9、8/12、8/20、8/24

 

スポンジ・ボブ ミュージカル:ライブ・オン・ステージ(配信)  8/19

突如として表れてあっという間にTLを席捲していったスポンジボブミュ!!配信の最終日になんとかみました!(そのあとリアルタイム配信以外でも配信開始しててよかった)

スポンジボブのミュージカル(しかもBWのやつ)ってどうやるの!?って思ってましたがキャラクターのデフォルメ具合が本当に丁度良くってみんなかわいくて好きだった。衣装のデザインが天才過ぎる。底抜けに明るいスポンジボブの世界観のまま、同時に自然災害が訪れたときの社会が描かれていて作劇が見事だと感じました。「クラゲの群れに~」のところとか胸が詰まる表現もあって。メディアと政府の責任の押し付け合いとか「外から来た生き物」への差別とか。スポンジボブのミュージカルを作るときに楽しい要素だけを詰め込むこともできるはずなのに今の私たちが観てリアルな質感のこうした要素がそれでも重たくなりすぎないバランスで差し込まれている。観ていてはっとする場面が多い。

あと楽曲が一曲一曲粒ぞろいというか、全部インパクトのある耳に残る曲ばかりで最高でした。あとね、プランクトン……あんなん嫌いなオタクおらん……。眼帯にポニテはずるいでしょ……。そしてソロナンバーがまさかのラップ……圧巻だった。ありがとうございました。

 

劇団四季 はじまりの樹の神話 こそあど森の物語(配信) 8/28

配信日に突如予定が空いたのでバタバタ配信でみました!開幕直後の群唱に圧倒されたのも束の間、ホタルに全部を持っていかれた。あのビジュアルもなかなかにずるいけれどなにより関西弁はずるい。ずるい〜〜。スキッパーとホタルのデュエット(曲名把握しておらず申し訳ない)で「ごっつええやん」て歌ってるのかわいくてたまらなかった。子供の頃ホタルにぶつかっていたら絶対に今の自分の趣味とかそういうのに影響を及ぼしていたと思う。そうでなくともそもそもキツネが好きなんですけれど……。WICしかりアナ雪しかり夢醒めしかり、私は別離のシーンに頗る弱いのでスキッパーとホタルが離れ離れになるところで泣いてた。スキッパーの涙に誘われて泣いた。スキッパーがまた一人に戻ってしまうと思って。もうスキッパーには街の人たちがいるけれど、スキッパーの初めての親友とは離れ離れになってしまうのが辛い。でも、ホタル「光の神の役やるわ」って超軽いノリで神様役を引き受けていたので「帰ってきたで〜神様もかなわんわ〜」みたいにまた軽いノリでスキッパーに会いにきてくれないかな。いずれ戻ってくるみたいな別れ方だったからはやくかえってきてねって思いました。

歌はカラスとハシバミのデュエットの迫力がすごくて。画面越しにも伝わる圧巻の歌唱だった。あと全体的になんですが街の人らはスキッパーとかハシバミの話をきいたれよと思いました。

この演目タイミングが悪くて劇場に行けてないのですがどこかで観たいな〜〜ウーーン………。

 

9月

舞台『鬼滅の刃』其ノ弐 絆(配信) 9/4

ディレイ配信でみました!末満さんの作品枠。

一作目は円盤で視聴済み。曲も演出も結構ハマったので二作目は劇場に行きたかったのですが8月はちょっとレミゼで忙しかった……。おそらく来年に新作があるような気がするので次は劇場に行ってみたい。

ゲネを観た時からとんでもない八百屋坂だなと思ったのですが映像でみたらもっととんでもなかった。立川対策なんだろうか。ステアラステアラ立川ブリリアとひたすら劇場と対決させられている気がする近年の末満さん。

第一作に続いて演出音響その他諸々に馴染みがありすぎて一周回って面白くなる現象が発生。冒頭の操られている鬼の殺陣がうますぎるとおもったら丹下さんでした。

一作目はアニメ序盤がうまくまとまっていたように思うのですが、二作目は二幕の蝶屋敷での修行が冗長に感じてしまって二幕はあまり入りきれなかった……。原作に忠実にすると一幕がアクション、二幕が柱会議や修行のシーンとなので仕方がない部分はあるのですが……。でもなんか全部最後の女装ヒデ無惨様に持っていかれたな。美しいし歌がうめえ。残酷謡の無惨様ソロが好きすぎる。アレがみれたので全部オッケーになる。

 

劇団四季 アナと雪の女王  9/17

 

劇団四季 アラジン  9/18

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や~~~っとみれたやつ!!!とはいえ、観劇自体は二回目(観たのだいぶまえだけど)。なにがやっとかというと、やっと、やっと一和さんのアラジンを観れたやっとです。長かった……。一和さんデビュー後、幾度か東京に行く機会はあったのですが、東京に行く一週間前とか二週間前に抜けられてしまうことが多くてなかなかみられなかった。この時にようやっと自分の滞在期間と一和さんのご登板が重なり拝見することができました~~~!!うれしい。しかもあずさちゃんのジャスミンと一緒!!

一和さん×あずちゃんのアラジャスといえばソンダン65。ソンダン65でこの二人のAMMAを聴いた時に、一和さんにアラジンを絶対に絶対に絶対にやって欲しいと思った。お二人が一緒にパンフにお名前が載ったときいたときは信じられなかったけど、実際にパンフに名前があるのをみて嬉しくってちょっと涙がでてきて。それからようやっと、ようやっと劇場に足を運べました。なのでこの二人のペアで観られたことが幸せでたまらない。

劇中でAMMAを聴いたときにはこのお二人のAMMAを今度は劇中で聴けたことに感動して大泣きしていました笑 ソンダン65の時は一和洋輔と平田愛咲として歌っていたけれど、今度はアラジンとジャスミンとして、キャラクターとして歌われていたのが凄く胸にきて……。歌い始める前に「良いこと思いついた!」って顔をして歌い始める一和アルがすきです。一和アルはどこまでも無邪気で真っすぐでかわいいよ……。

あとあのまさか萩原さんのカシームが観れるとは思わず。BOAKはぎーむさんと白瀬さんバブカックにより声量がえらいことになってて笑った。二幕のハイアドがかっっっこよくて……観られてとってもラッキーでした。

 

ミュージカル ジャック・ザ・リッパー  9/20

 

リョーマ!The Prince of Tennis 新生劇場版テニスの王子様

映画だけど最高だったしメンタリティとしては劇場に通う感覚で映画館に通っていたので。12月まで応援上映に行き続けている。圧倒的帰省です。テニスサイコーセイヤーの気持ちを思い出させてくれる。あと映画館で声は出せなくともオタクと一緒になって踊り狂うの楽しいな~という気持ちになります。今すぐ円盤が手元に欲しい。

 

10月

宝塚歌劇 月組『川霧の橋』『Dream Chaser―新たな夢へ―』 10/14

宝塚デビューでした。博多座公演!今回だけなのかどうかわからないのですが、博多座だと銀橋がないんですね。そこがちょっと残念だった。宝塚、博多座に毎年来てくれていたのだけれどなんとなく観に行ってなかったんですよね……我ながら勿体ないことをしている。変に敷居をあげないで軽率に行っておけばよかった。

冒頭が不穏なはじまりだったのでてっきり死別or両方死んでしまうエンドかと思いきやどっちも生き残ったのでびっくりしちゃった。って話を友人にしたら、それは雪組に毒されすぎだよって言われて笑った(だいきほ好きな友人にだいきほ時代の雪組の映像に残ってるものはだいたい全部見せてもらっているので私の宝塚知識はだいきほの雪組で形成されている)。雪組なら二人とも死んでいた(コラ!)。

期せずして、これもスポンジボブミュに引き続き「災害と社会」を描いた作品だなと。江戸時代が舞台にも拘らず貧困、ヤングケアラー、セックスワーカーなど今の私たちがみてもはっとするシーンが多かった。

役者さんだと天紫珠李さん演じるおくみちゃんが好きでした。とっても可愛らしくて印象に残ったので、あとから元男役の方だと知ってびっくり。でも言われてみれば後半の凛としたお芝居にその部分を感じたような。

二幕のショーは、ただひたすらに生でみる宝塚のショーってこんなに煌びやかで素敵なんだ!!!!!と感動。映像でみるよりもずっとキラキラしていた。劇場空間がそうさせてくれているのかなって思ったらヅカオタ友人が宝塚の衣装のキラキラは映像に乗らないレベルでキラキラしているって教えてくれた。気の所為じゃなかった。実際にみる大羽根って映像で想像しているものの数倍おおきいですね。宝塚たのしかった……!

 

11月

ミュージカル ユタと不思議な仲間たち  11/2

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回数でいうと三回目か四回目~のはずなんだけど小学校の時の記憶です。子どもの頃にみたのとは全然ちがう観劇体験になった。

とりあえず最初に来た衝撃はセリフとか曲とか結構覚えてる!!人間の脳ってすごい!!!でした。信じてみようとか、前奏をきいたときにあれこの曲しってる……?ってなって歌い始めたら歌詞も覚えていて。クルミ先生が「春の野原に咲く花は?」って歌ったあとも、みんなと一緒に「れんげたんぽぽひなぎくすみれ」って(勿論頭の中で)歌えたし、その後の3メートルの下りも覚えていた。夢醒めのときもこんな感じだった。こうして座席で自分ですら覚えていなかった観劇体験がフラッシュバックするのって不思議な感じです。

反対に覚えていなくて新鮮にびっくりしたポイントは、こんなにがっつりダンス演目だったんだ!ということ。ユタ役の横井くんはキャッツで拝見していたので二幕のダンスシーンはマジカルターンだっ!!!って思ってテンション上がりました。

ペドロ親分が登場するシーンがかっこよくて好きです。グリーンのスモークは綺麗だし、レーザーの照明を割って屋根から降りてくるの超かっこいい。それからヒノデロ美しすぎて心を奪われていた。子どもの頃にヒノデロを浴びているせいで絶対に私はなにかに目覚めていると思う。ペドロのことをお兄さんって呼ぶのが好きだし、モンゼと並んでるところ超かわいい……。なにより、一番若いのにぺどろ一家のお姉ちゃんしてるのが好きすぎる。わじゃわじゃを歌うときも生きているってすばらしいを歌うときも目を大きく見開いて一心にユタをみて一音一音を発しているのが苦しくなるほどやさしくて、剥き出しのことばが痛々しくて涙が込み上げてくる。作品としては行ってしまえば田舎に同化してしまう話で、大作たちのしていることはいじめだし田舎の悪いところが詰まっていて嫌なのだけど、それでも座敷童たちが伝えてくる真っすぐ真っすぐなメッセージが強くて涙が出る。この作品は、メッセージがあまりに強すぎて少し苦しくなってしまうこともあるのだけれど、それでも懸命に生きるユタや座敷童たちの姿が好きだなと思います。

やっぱりお別れのシーンに弱いので友達はいいもんだのリプライズが一番泣いた。ユタが大人になったとき、もしかしたら座敷童のことは自分がみた夢だったのかもって思うようになるかもしれないけれど、それでもユタの心に座敷童たちは残っていて欲しいと思って。私がこの作品を覚えていたみたいに、ユタの心の深いところにいて欲しいし、もうユタが座敷童たちを見ることができなくなっていてもたまにユタの様子を見に来て欲しいです。

泣きすぎたのか翌日起きるとふたえ線が消え去っていました。

 

宝塚歌劇 雪組CITY HUNTER』-盗まれたXYZ- 『Fire Fever! 』 11/3

初めての東京宝塚劇場!!!初めての雪組公演!!!!初めて生であーさをみれる!!!ってことでルンルンで観に行った演目です!!うれしかった!!前述の通り雪組さんの映像はたくさんみせてもらっていて、例にもれずあーさのあまりにお美しいお顔にノックアウトされたクチだったので映像じゃなく直接拝見できるのは本当にうれしかった。チケットを手配してくれた友人には頭が上がらない。

公演内容については、『CITY HUNTER』の舞台化としての完成度もさることながら、なにより驚いたのはこのテーマでトップコンビ就任公演として完璧な物語だったこと。獠と香が改めて「パートナー」として歩き始める話でありながら、新しい雪組が前に進む話。「シティーハンター」をしっかり描きつつトップコンビ誕生の物語として最高打点を出してくるのが上手い。はじめて友人に見せてもらった公演がひかりふる路だったので余計に衝撃を受けました。もちろん、ひかりふる路も大好きです。あと冴子さんが良すぎて彩みちるちゃん~~~ってなった。失いたくない。雪から(どにわか)。

二幕のショーも、もともと楽しみだったのですがもう楽しすぎて。宝塚のショーって舞台の「楽しさ」が全部詰まっていてみていると凄い元気が出てくる。ただ一か所あの、ドン・ジョヴァンニのあーさは あれは一体。なに?その直後のジャズダンスのところのあーさ死ぬほどかっこいいのにさっきの愛の狩人さんがちらついてしまって集中を乱された。グレーのキラキラの衣装の周りにこれでもかと娘役さんを侍らせるあーさはなんかもう凄かったですね(語彙力の敗北)。娘役をわんさか侍らせているあーさからしか得られない栄養があるのだ。四場の咲奈ちゃんとあーさが向かい合って踊るところはなんか絵が美しすぎて動揺してしまった。咲奈ちゃん以外全員達磨の迫力には圧倒された。唯一の男、彩風咲奈!!!!という圧を感じた。ラストのデュエダンは、新しい雪組の門出なんだ~って思ってじわじわ涙が出てきました。なんも知らんのに。なんかもう、全てがず~~っとたのしくてたのしくて、たのしかった。

 

ミュージカル ナイツ・テイル 11/15

 

 

12月

舞台 MOTHER LAND  12/3、12/5、12/7、12/8、12/10、12/11(+12/18 配信)

12月頭はひたすら明治座に幽閉されていた。この演目なんとデフォルトで約4時間あった。腰が死ぬのでマチソワができず、せっせと明治座に通っていました。

舞台は春秋戦国時代。困ったことに中国史がよわよわなので一度目はとにかく理解するのに必死でした。国の名前とだれがどの陣営にいるのかと役名と覚えるのが大変……パンフに相関図とかのっけてほしかった。それから二重三重の入れ子構造になっているのが面白いところでもあり、話を複雑にしているところでもあるなと。冒頭の嬴政の「語り」から物語がはじまるわけですが、あの時点での嬴政は既にもう一人。「語れば、お前に会えるんだ」の言葉が日に日に柔らかくなっていって、嬴政にとって昌平君という存在がいかに「心許せる人」であったか、稀有な存在であったかを示していると思ってみていた。

作品としては凄く面白く、日を重ねるごとに演者さんの芝居が凄いスピードでよくなっていったので、最後の方にいけばいくほど涙のでてくるところが増えていく舞台でした。特に7日の松田凌さんのお芝居が凄く心に残っている。嬴政が昌平君を追い出すところの少し前、春申君の回想に入る前から涙を流していた日があって。嬴政にとって昌平君との別れは予期していたことだったから函谷関の門を開けろと言った時から今ここで昌平君を送り出す覚悟を決めていたのだろうと。嬴政は人前で涙を見せないひとなので、この日の芝居はおそらくイレギュラーなものだったのですが、それでも嬴政の「人」の部分を見せつけられたようだった。その顔のまま昌平君に「でていけ」というものだから。この人はどこまでも王なのだなって思いました。その顔で追い出される昌平君よ……昌平君はいつもここで(というか楚の民に跪かれたあとから)大泣きし始めるのでこちらも一緒に涙が出る。あとは凰稀かなめさんが圧倒的に優勝ですね。客席全員を恋に落として帰っていった。

この作品はまだ言葉に出来ないところが多くてもう少し噛みしめていたい。またしっかり言葉にできたら単体で記事を書きたいです。

 

舞台 あいつが上手で下手が僕で(配信)  12/13

フォロワーさんのオススメで!ドラマ放映中から凄くカミシモに嵌っているフォロワーさんがいらして、一緒にドラマをみていて面白かったので舞台も鑑賞しました~!!アーカイブ放送を観たので初日のものを観劇しています。私は普段お笑い番組とか一切みないで、家族がM-1とかつけててもあんまり笑えずにみているタチなのですがアマゲンのフル尺漫才がめちゃくちゃ面白くって楽しかった。ひとりでみていたのに凄い声出して笑ってました。底抜けに笑えて元気の出る作品で、オススメして貰えてよかったです!客席で笑いが起きているのに配信で映ってないとこがちょこちょこあってそこはちょっと残念だった。余裕があれば劇場まで行きたかったのですが、12月が既に観劇予定詰まっておりくやしい。現地に行ってみたかった。兎角、舞台発表当初は鑑賞予定のなかった作品なので、こうしてオススメして貰えて出会える作品があるのが嬉しいです。ナイツ・テイルしかり、舞台はひたすらにご縁だなと思います。

 

柿喰う客 仙台遠征公演2021 恋人としては無理  12/18

 

ミュージカル ストーリー・オブ・マイ・ライフ  12/21

フォロワーさんのオススメシリーズ!ここ二年周囲に嵌っている人が多いという印象の作品でした。それだけの人が嵌っているならきっと素敵な作品なんだ~と思って兄ペア→弟ペアの順にマチソワ。グリブラとか万里生さんコンサートとかで雪の中の天使とバタフライはめっちゃきいてたのでそれを報告したところ「それどっちも歌うの逆だよ(水色ペア版だったから)」って言われてそんなことある!?ってなった。あるよ。

たまになんで初演観てないのという質問をいただくのですが初演時私は日本にいなかった……。

まだ来たぞトムがなんたるかを知らない観劇前の私

観劇後第一声「来たぞトム、来ないじゃん……」

いや、「来たぞトムが来ない」のは知っていたんですけど思ってたのと違った。トムが来ないんじゃなくってその日が来ないんだ……。「来たぞトムが来ない」のを中途半端に知っていたせいで該当曲を聴いた瞬間にこの流れで来ないの!?!??イヤだ……と思いました。

歌というか歌詞は1876年が一番好き。そうだよなあって思って聞いていた。何年も前に書かれた本が私たちの手の中に今あるんですよね。ただあの、他の作家の引用で弔辞を語ってしまった後にこの曲のリプライズがくるの結構酷いですね。

バタフライのときのまりアル、すごい顔していたのを覚えている。目をかっと見開いて絶望しているような顔。「蝶」みたいにトムが外にいってしまうって気が付いてそんな顔をしていたのかな。対してもルヴィンはあ、これ自分の曲だって気づいたタイミングで表情が変わる。自分の語ったことをトムが無自覚に物語してること自体にはそんなにショックを受けていないようにみえたのだけど、それに気付いていないことについてあんな顔をしていたのかな。自分が話したことを「覚えていない」のが一番ショックだったんだろうか。たったひとこと、どのタイミングでもいいから「ありがとう」っていえばアルヴィンはそれでよかっただろうになと思います。アルヴィンのおこしたほんのちょっとの一押しがトムを遠くに遠くに運んで行ってしまってたんだって思って、アルヴィンの気持ちを思うと苦しくなる。君は蝶……。

両ペアみるとアルヴィンよりもトムが全然違ったなって印象。弟ペアはなんかもうちょいどうにかならなかったんですか?と思う。あんなに仲良しだったのに……というかひらトムが頑なすぎるんだろうな子供の頃から………。「プラモデルがいいんだけど」と「プラモデルでもいいんだけど」って結構ニュアンス違うよね。ひらトムのところには「天使が舞い降りて」まきトムのところには「親友が話しに来てくれた」のかな。ひらトムずいぶん生きづらそうだったからアルヴィンが眩しかったろうなと……。ひらトムはあったかいお風呂に入っておいしいものをお腹いっぱい食べて欲しい。とりあえず一回帰省したらスランプあけるとおもうよ。

でも一番最初の出会った時はトムが天使だったんですよね。「ママはクラレンスに出会って僕はあったんだ君に」ってところが凄く好きです。言葉のはこびとか。二人の出会いって決して運命的ではなくってただ担任の先生が二人を引き合わせてくれたってだけなんだけど、でもアルヴィンにとっては天使がきてくれたんだな~って思って、素敵な歌詞だなって思います。

引用のくだりは、もルヴィンは哀でまりアルは怒なんですね。まりアルやや怖いと感じるところがちょくちょくあった。もルヴィンなんか「ああいうキャラクター」ぽかったような。あざとさを感じた。まりアルはなんか……でっかいやせいどうぶつ………。

兄ペアのクリスマスカードの一枚目が机の上に乗っかってトムが届いたクリスマスカードに一瞬目をやってすぐに見ないようにしていたの、イレギュラーなやつだったと後からしりました。届いた方が苦しさが増す気もする。

アルヴィンを「芸術」と呼んでしまうあたり理解からは遠いなと思ったりなどもした。でも、アルヴィンから得た発想を美しい言葉で紡げるのは間違いなくトムの才能なんだけどなって思ってずっとみていた。しかも何本もベストセラーを生めるような、万人に愛される言葉で。

冒頭のアルヴィンの台詞が後から過去の物語に登場するもので、トムの記憶の再生だとわかる構成が好きです。死んだ後ひとがどうなるかなんてわからないから全部トムのみる夢。けれど夢の中であれ幻想であれ死んでしまった人を想ったりそこにいた人に夢をみることができるのは残された人だけですからね。

どうしても、アルヴィンはどうして死んでしまったんだろうと考えてしまうけれど、それを考えること自体が野暮なんだなって観劇後に思った。「そこにない物語を探さないで」という言葉が優しくて好き。大きな事件が起きるわけでなく、ただ、二人の物語を振り返るだけのお話だけれど優しく包んでくれるようなこの作品が好きです。

 

 

劇団四季のアンドリュー・ロイド=ウェバー コンサート~アンマスクド~  12/22

全員歌がうめえ~~~~!!!(当たり前)全てが盤石すぎる最高のコンサート。歌唱力が保証されている四季の演目なかでも特に歌の上手い人は目を引くけど、その「特にうまい人」10人引っ張ってきているとんでもないミュージカルコンサートです……。

さいころは四季がどれだけすごいことをしているかわかってなかったけど、このクオリティでこれだけの数の公演を同時に上演し続けていることのすごさみたいなものを改めて感じました。冗談抜きで劇団四季のある日本に生まれてよかったと思える公演だった。涙が出る→卿のコメントで涙引っ込む→また泣くをひたすら繰り返していた。最初に卿から劇場注意を食らう公演ってなに?

演出や衣装からして最高だった公演。冒頭のインストゥルメンタルをスポットで追いかける演出に鳥肌が立ちました。女性陣ひとりひとりの魅力を際立たせるスタイリングも天才。あずちゃんにクロップドTシャツをあててくださった衣装さん本当にありがとうございます。あと真瀬さんがパンツスタイルなのも素晴らしかった。

しょっぱな白瀬さんのパワフルボイスでぶちあがるの楽しすぎます。ところで直前に恋無理みてたせいでJCSに謎のバフがかかりました。ジーザスクライスト 誰だあなたは誰だ。

ひたすらずっと楽しかったのですが、一幕はなんといってもキャッツパート。まずキャッツのオーバチュアを生演奏で聴けたことに感動しすぎて放心しつつ泣いてた(直後モヒートくんで引っ込んだ涙)。山下さんのタガナン、アレンジが結構好きでした!表のときはう↑らがわさ♪そして唐突に腕立て伏せを始めるタガー。あずちゃんがタガーにめろめろになっていて可愛かった~~!あずちゃんランペちゃんの幻覚がみえました。そして厄介ボーイズもとい厄介ボーイ担当の洋輔お兄ちゃん。洋輔さんの一幕ソロまさかのここだけで笑ってしまった。使い方が贅沢すぎる。スキナンは編曲されてんのに客席の手拍子があまりに揃ってたのが一番面白かったです。あと私は一人で歌って踊るタイプのミストナンを観てはいるんだけど物心つく前で全然覚えていないから旧バージョンを感じる事が出来て嬉しかった。そしてマキャナン……個人的に今回これを聴けただけで最高に満足だったナンバー……。真瀬さんディミと志音さまのボン様、キャスティングが神すぎる。真瀬さんのディミさまお声も視線もかっこよすぎて未だに目に焼き付いているし志音さま、色気が凄まじい。あんなんずるいわ~……🦊江畑さんのメモリーはもう流石の一言に尽きます。一気にキャナルシティ劇場が恋しくなってしまった……。

二幕!バッドシンデレラあずちゃんがポテンシャルを見せつけてくれたという印象。裏に切り替えず高音をスコーンと響かせて、ラストのくたばれのスマイルも最高……。サンセットのノーマを江畑さんで聴けたのは本当に感動した。サンセット大通りは今年英国のカーブシアターであった配信を観ていてその時ノーマがグリザベラと重なる部分を感じたんです。だから本役グリザベラの江畑さんの歌唱は自分のなかですとんと腑に落ちました。舞台上で映画のワンシーンを再現するところはそのまま映画のシーンが浮かんだし、ノーマがそこにいて鳥肌が立った。洋輔さんのTill I〜も神キャスティング曲。聞いてる途中で動悸激しくなるし聴き終わってからもしばらく息が落ち着かなくて……現役ファントムによるTill Iの破壊力……音源が欲しい……。一幕で力を溜めていたぶん二幕洋輔さん大活躍でしたね!オペラ座パート、アンマスクドなのにマスクしてでてきた洋輔さんにそれはもうただのファントムなんよと思った。飯田兄弟に取り合われる真瀬さん。

 

劇団壱劇屋 二ツ巴-Futatsudomoe- 12/23

こちらもいつか観たいって思ってた劇団さんの作品。ようやっと現地に足を運ぶことができてハッピーでした。作品自体は8月に上演予定だったもの。その時は感染拡大の影響で全公演中止になってしまっていたのですが、8月公演だと私はどうしてもみれなかったので御縁を感じた作品です。

とにかくこんなことできるんだ!?の連続だった。ノンバーバルなので、(周りに散々大丈夫だよ!と言われてはいたものの)本当にわかるかな?大丈夫かな?って不安があったのだけど開幕30秒で払拭された。わかりたくないほどにわかる。ビニールを使った水の表現がかっこいいしビニールで幕を張られたなかにタイトルがぼんやりと浮かび上がるのはアガる。水がひくとその中に人が立っていたり剣があったりといった表現もめちゃくちゃかっこよかった。ビニールひとつであんなに多彩な表現ができるんですね……。

心が幼児なのででけえ武器がでてくるとテンションがあがる。弓矢の表現もすごかったな……。舞台空間の使い方が上手いんですね。あのハコであの密度で矢が縦横無尽に動くのは迫力があった。あとまたしても直前にみた演目の影響でファントムとクリスティーヌを幻視するなどの事故がおきました。

あとはあの……栗田さんの殺陣が凄すぎる。素人目にもとんでもなくうまいことがわかる。日南田さんVS栗田さんのところとんでもなかった。栗田さんの殺陣を前方列で浴びられたのは人生の財産になるなと思いました……。と同時にこの役の龍ちゃんかっこよかっただろうな~~~という気持ちも湧いてきてしまい、、、、えーん。

役だとともえちゃんが好きです。あんなん嫌いなオタクおらん。水剣を振りかざす目がかっこよすぎた。

 

劇団四季 ロボット・イン・ザ・ガーデン  12/25

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東京再々演。今年5月に福岡公演をみていたので演目としては二回目ですがかなり変更されていました。まさか曲が一曲まるまるカットされるとは思わずびっくり&残念。皆言ってるけど、全国公演向けにストーリーをわかりやすくブラッシュアップした感じなのかな。

今回新しく拝見したキャストさんのなかだと唯くんのカトウが~~すごくかわいくて好きです。萩原さんのカトウはかっこよかったけど唯くんのカトウはかわいくてお茶目。雨の中のタップダンスもなんかキラキラしていた。流石夜行列車のアイドル。

タングで作品の印象がだいぶ変わるなということも思った。福岡でみたのはかわいいかわいい千紘ちゃんタングだったけどうぶちゃんのタングは溌剌としていてかなり印象が変わった。最初感情表現がたどたどしかったタングがどんどん明るく活発になっていくのが凄かったし、最後銃渡されたところの唸り声は怖かった。

ベンとエイミーは福岡で拝見したお二人でしたが、やっぱりこのお二人のお芝居が好きだと感じました。二人とも感情をわーって爆発させるタイプではなくてぼろぼろと零すお芝居をされる二人なのでこの物語にこんなに寄り添えるんだと思います。

タングの口が出っ張っているところが照明の加減で横から光があたると涙のマークにみえて、「タング捨てる?」のところとかタングが泣いているように見えるので胸がぎゅっとなりました。照明の魔法。

それからやっぱり最初ベンがソロで歌っていたロボ庭をタングと一緒に歌って、最後はタングがひとりで歌い始めるのはベンとの旅のなかでタングがタングになったのを感じて大好きなシーンです。今年一番であえてよかった作品。けれどキャストさんを変えてもう一度観たいな~年明けどうしようかな……。

 

シン る・ひま オリジナ・るミュージカ・る『明治座で逆風に帆を張・る!!』(配信) 12/28

気になりつつ円盤発売を待とうかな~って思っていたやつだけどフォロワーさんのご厚意でみせてもらいました。うれしい。

想像の数倍めちゃめちゃちゃんとしたミュージカルだったし後味悪い作品が多いときいていたから構えていたら割とスッキリ終わったので楽しかった。衣装がちょいちょいおかしいけど。頼朝はだいぶルドルフだしマリーアントワネットみたいな衣装きたサカケンさんが登場したときは大笑いしてしまった。似合いますね。歌唱力バケモノ集団に放り込まれる櫻井圭人くんかわいそう。サカケンさん最後格付けチェックで間違えまくったひとみたくなってたのが面白かった。冒頭のなんかマント被った乞食ぽいひとたちは8月にいっぱいみたね。fonsのラオウダービーに参戦していたSpiさんがラオウっぽい恰好ででてきちゃったのがツボでした。しかも30日から本当に世紀末にいた人が現れてしまう。役は辻本さんと伊藤さんの役が好きでした!君主は二度違えない(ニュアンス)かっこいい!すき!

二幕は……二幕は、あれは、なんだったんだあれは。一時期わりとしっかりDオタをしていたのでいろんなところで心がざわざわしたよ。幕あいて直ぐジャングルのキャストさんのような恰好をした平野さんが登場してだめだった。し、そのあとBBB始まってポカーーンとしました。往年のジャズの名曲の音を外しながら歌うの難しくない???逆に凄い。そして突如ドラムソロを披露する粟根ミッキー(ミッキーではない)。アリエナイ人魚さんたちはビジュアルインパクトがよ……そしてバカみたいに歌が上手い。あとツンデレラの下りは、伊藤さんあなたは本当にだめだよ。ほんとうにだめ。GPSはわりと元ネタまんますぎて怒られないのこれ?となった。でも一緒にみていたフォロワーさん曰くこれは例年比大人しい方だったらしいのでるひまってすごいところだなって思いました。

 

 

そんなわけで現地観劇は32演目63公演。今年はちょっと思い立ってジャンルごとの演目数、公演数もまとめてみました。

 

ミュージカル   11演目18公演 配信5公演

劇団四季     10演目17公演 配信1公演

宝塚歌劇団      2演目2公演  配信2公演

ストレートプレイ   7演目15公演 配信1公演

2.5次元舞台    4演目11公演 配信1公演

 

配信に関しては現地でみてその後配信でもみたやつ(无伝とか配信のたびにみてた)をカウントしてないのでちゃんとカウントしたらもうちょいあると思うのですがこんな感じでした。おそらく去年までより演目のジャンルの偏りは減っているとは思う。まあ去年はあまり比較対象にならないのだけど。今年は四季が増えた。演目数と公演数のひらきが一番大きいのは2.5でした。天伝以外は全部2回以上いってるからな……。あとストプレは15公演みているとはいえ11/15が西田さんの舞台なんですよね。今年は末満さんのストプレがなかったから余計に偏った気がする。

円グラフにしてみたのでそれものっけておきます。

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一番ダメージを負ったのは1月のパレード、一番面白かったのはロボット・イン・ザ・ガーデン、一番の想定外の嵌り方をしたのは无伝でした。

結構いろいろ観れたんじゃないかなっと思います。来年は少し落ちつくのか、或いは増えるのか自分でもまだわからない。……といいつつこれ今日の韓国ミュ版equal配信前に書いているのですが、equalは2022メインなので来年の方にカウントする。