刀ステの真田十勇士が好きだ(※无伝ネタバレ感想)

またまたタイトルの通りです。无伝で急に刀ステにこけたオタクが十勇士の好きなところ書いてるだけの文章だよ。

これまでの刀ステの作品は一応全部ライビュ/配信でみており、末満さんがステアラで作品をつくるのは多分これきりだぞ!!と思って天伝・无伝は一回づつ劇場でみよう~と軽い気持ちで現地のチケットとったんですよね。気付いたらこんなことに。人生何が起こるかわからないものですね。天伝同様一回みて楽しかった!って言って終わる予定だったのに気づいたら配信全部みてるしチケットが増えてました。因みに原作ゲームは一応してます。初期刀は蜂須賀虎徹、近侍で最推しは山姥切長義くん(アンジェリコ様のおたくはだいたい長義くんが好き)。

嵌った原因(原因というと語弊がありますが)といえばまがうかたなく真田十勇士です。繭期が急に刀ステの話始めたなと思われるかもしれませんが、患部おさえながら「また末満さんにやられました!!!」って言ってるだけなので至っていつも通りです。こんなに嵌る予定ではなかったのになあ……(去年のKの時も言ってた)。

 

無駄に長いので暇な時に読んでください。ネタバレへの配慮はゼロ。

あと小助贔屓だから小助の項はやたら長いです。セリフは全部だいたいのニュアンス。

 

・猿飛佐助

お前が主人公!!!

一挙一動が主人公パワーを発していて好きです。はじめの大千鳥戦で佐助が「真田十勇士だ!」といった瞬間に照明が10人にバッとあたって舞台上に我ら十勇士ここにありと十人が現れる瞬間が大好きで……。

真田丸に帰城する前の「秀頼様も~大阪の街も全部俺たちが守るんだ!」の圧倒的主人公感。その後、才蔵と二人で天伝での信繁様のセリフを引き継いでいるのがまたいい。信繁様が「私の物語」と呼んでいた真田丸を十勇士たちが「俺たちの本丸」と称するの、構図が美しいなと思います。十勇士もまた真田信繁の物語のひとつなので、信繁様が私の物語と呼んだ真田丸に十勇士がそろって闘うのは熱い。

「煮るなり焼くなり好きにしろ」は自分たちがモノであるという自覚があるが故の発言なのかな。戦のための道具であれば、戦わなくていいなら無用の長物になってしまうもんな……。このシーンの後、高台院様が刀剣男士と仲良くしろと指示を出してからも一人刀を抜いたまま構えてるのも好きです。だから大千鳥が暴れだした時にすぐ応戦できるようになってる。納得のいかないことにはとことん反発するけど、それでもそのあと信繁様のお墓から帰るときに泛塵の肩に腕を回したり、一幕のラストでも「お前たちに恨みはねえ!」と言ったり、二幕の大千鳥・泛塵戦でも「術だのなんだの小細工はいらねえ!」と言ったり一度踏ん切りがついたら後は恨みっこなし。ひたすらに真っすぐなところが佐助の魅力。

18日の配信で去っていく三日月の後ろで上に向かって手を伸ばしているのに気が付いて情緒がめちゃくちゃになりました。最期の瞬間も笑って破壊されるのが……つらい……。

 

霧隠才蔵

熱血漢の佐助に対してクールな色男……かと思ったら意外とそうでもない!一度目だと気が付かなかったんですが、大阪城下町で刀剣男士と遭遇した時のやりとりをしっかりみていると、才蔵が煽る→佐助が乗っかる→三好兄弟が加わるの流れで刀剣男士との戦闘に入っている。才蔵も結構戦好きというか佐助と一緒で行け行けな感じなんだなあ。もしここで才蔵が止めていたら刀剣男士との戦闘にはならなかったかもしれない。忍者コンビ仲良しでいい。真田丸で佐助が切られそうになったときとか、高台院様に食って掛かってるときとか、佐助の方をみてすごく心配そうな顔しててなかよしだな~になります。

才蔵のセリフは最期の瞬間の言葉がいちばん好きです。

「お前たちとともに戦えたこと、誇りに思うぞ!」

皆信繁様に会いに行こうと言葉をかけあっている中で、仲間に向かってこのセリフを言って散るのかっこよすぎる。あの場面のセリフは十人それぞれ大好きでどんどん涙が出てくる場面ではあれど才蔵のセリフがとにかくいっとう好きです。

ところで、刀剣男士に対する一人称が「私」で十勇士の仲間といるときは「俺」なのは、もともとは俺で割と粗雑な話し方だったけど真田に仕える時に言葉遣いを改めたとかだったりするんでしょうか。

 

穴山小助

最初に書いた通りここはやたら長いです。

好きなところが多すぎて困る。まず得意としている得物が信繁様と同じ槍なのがいい。大千鳥の影武者を最初に見破ったのが小助なのも、真田信繁第一の影武者としての矜持を感じて好き。高台院様の指示に一番忠実に従いつつも、信繁様の名前を騙られたことに対して最後の最後までわだかまりを持っているので*1忠義に厚い男だなと思います。だからこそ、亡き信繁様の意志を継ごうと真っ先に高台院様についたのだと思うのですが、「信繁様が豊臣のために戦ったなら僕たちは豊臣を守る為の刀だ」というセリフは自分に言い聞かせているようにもきこえて切ない。

それから戦場での優先順位がはっきりしているところも好き。冒頭の大千鳥の正体を暴くところだとまず最初に根津と一緒に秀頼様を安全な場所へ誘導してから戦闘に加わってたり、真田丸で大千鳥が暴れた時は真っ先に高台院様の前に立ったり。ここは多分直前に高台院様が長谷部に刃を向けられるという失態があったから何があっても直ぐに動ける位置についていたのかな。信繁様がいたときもいざと言う時いつでも入れ替われるようにそうしていたんでしょう……忠義者ですね……。

上記の通り冒頭ではあまり積極的に戦闘に参加していないし一幕の対刀剣男士の真田丸戦にはそもそも参戦していないので、小助がガッツリ殺陣をするのは二幕からになるわけですが……満を持してのラッセイで真田丸で槍を振り回す穴山小助真田信繁の影武者の逸話をもつものとして満点すぎる演出。最高。その愛槍を仲間を助けるために投げうてるところも好きです。

フォロワーさんとの会話の中で小助に致命傷負わせたのは大千鳥説が有力になりつつありテンションあがってます。最後の大千鳥戦のときに重そうな一撃を腹に食らってるなとずっと思っていたところ、その後三日月戦では数人纏めて2,3度斬られている程度だったと教えて頂き……。正体を看破した相手に致命傷を負わされる展開はアツい。

小助の名乗りが他の勇士たちと毛色が違うなと感じる所以は、彼だけ戦の事でなく亡き主のことを言ってるからかな。「あるじ」でも「君」でもなく「友」を思わばなんだな。穴山小助の逸話ってその殆どが「真田信繁の影武者」としてのもので構成されており、信繁様がもういないのは根幹となる逸話のアイデンティティ喪失もいいところ。どうやって気を取り直したのか気になる。小助の中にあるのって「豊臣を守る」という信繁様の残滓だけだから、「その心だけは朧ではない!」と叫ぶのはめちゃくちゃかっこいいとともにめちゃくちゃ辛いな〜。

もしもの話、信繁様が無事薩摩に逃げ延びたとして、歴史書に「真田信繁の死」が記されるためには影武者である穴山小助の首が必要なのも辛いところ*2。十勇士が顕現するためには真田信繁という代償が必要で、信繁様が薩摩に逃げ延びるためには穴山小助の首が必要なこの拗れが好きです。

 

・三好兄弟

纏めてごめんね。みていると心が小劇場に飛んでゆく二人です。

佐助よりも真っ直ぐで、難しいことはわからないけれどとにかく真田の、ひいては豊臣のためにと動いているので一番わかりやすく共感しやすいなと思いました。ラッセイでも二人ともめちゃくちゃ楽しそうでみていてこちらも楽しくなります。

刀剣男士に切られても構わないとなったときの「真田丸に集まった猛者たちよ、後の豊臣は任せたぞ」と言う清海のセリフが好きです。腹を括る男らしさもさながら、周囲の町人たちからあがる「そんなこと言うなよ!」という声が涙を誘います。真田丸に帰城したシーンとかVS刀剣男士ダンスで真ん中に集まる所とか、町人から慕われてるのが伝わってくる場面が好きです。

温泉のシーンで長谷部達と交わす会話も印象に残ります。

「お前たちは歴史を守る為の刀だ 守るものは違えど拙僧らは同じではないか」

「ああ、どちらが良いも悪いもない」

これが全てだよ……。どちらがいいもわるいもない。けれど歴史のために倒されなくてはならない運命がせつないなあ~~~。十勇士贔屓でみていると放棄するならいいじゃないかほっといてくれよという歴史修正主義者人格が湧いて出てきます。

 

筧十蔵

良いセリフがめっちゃ多い。特に後半にかけてのセリフ全部好きくらいある。

最期の「何もないところから生まれた俺たちにしちゃあ上出来だ」とかね……。三日月の十勇士たちが存在する意義を問うセリフを受けての「だったらたらふく味わわせてやるよ!」も大好き。真田十勇士って自分たちが器物であり、歴史上本来は存在しないものだという自覚があるところがミソ。(この話二回目くらいかもしれない。許して。)

だから闘うな=不要だし居酒屋のシーンでは自分の中にある矛盾が溢れたのだろうなと……。

「このままじゃ俺たちは真田十勇士じゃいられなくなる。じゃあ俺たちはなんだ……なんのためにここにいる?なんのためにこの身を得た!このままじゃ俺は…俺たちは……」

つらい。俺たちは真田十勇士じゃいられなくなるって言葉が重たい。十蔵のセリフではあるけれど、十勇士みんなの声にならなかった叫びだと思って聞いています。

それはそうとして、TRUMPシリーズみたことある人にしか伝わらないけどここ急にCOCOON始まるからちょっと面白くなったりもします。すごい知ってる。繭期の暴走。見覚えしかない。あと秀頼様は秀頼様だし高台院様は高台院様だけど秀吉は秀吉なんだなって思います。直接仕えたかどうかの違いだろうか。この十勇士は秀吉に会っていないから「自分たちの逸話の中のみの存在」だものなあ。*3

 

由利鎌之助

あんなん好きにならない人おらん。毎秒かわいい。「ねえねえ、お腹すいた!」のあたりは新喜劇みたいでみんなかわいい。そのあと「はらぺこ」っていうのもめちゃめちゃかわいい。

素直で思ったままを喋るから、みんなが言えないことを言ってくれる鎌ちゃん。それが存分に発揮されるのがやっぱり最後の三日月戦の「おでたちの本丸だってすごいんだ!」だと思います。そうだよ〜十勇士だって凄いんだよ………………。返す十蔵の「張り合うんじゃねえよ」に余計敗走の悲壮さが増すけれどこの台詞のおかげで毎度凄く救われている。

居酒屋のシーンでは他のお客さんにお酒とか食べ物をいっぱいもらってて、十勇士だけじゃなくてみんなに可愛がられてるのがわかって良い。鶴丸と一緒に十蔵を担ぐ前、十蔵の頭をぽんぽんしてるのもかわいい。いつもしてるもらってることを返してあげてるのかなと思い微笑ましくなります。

 

海野六郎

暫くの間「偽夢野源太郎」と呼んでいたことを白状します。ごめん。「ま、嘘なんだけどね」には何か元ネタがあるのかと思い調べてみたところ、大阪の陣で徳川方に嘘情報を流して撹乱させたという逸話があるらしい。まさに名乗りの通り、「嘘八百、攪乱せしは海野六郎」なんですね。海野のウソ、セルフで嘘なんだけどね〜が入る時以外は大概仲間が拾ってあげてる。みんな優しいですね。

刀剣男士に対しては比較的穏やかに構えてるほう? 仲良くしろのあとは爆速で態度が軟化しているの、海野の本来の気質っぽい。海野は原典の方でもゆったり構えているタイプの性格だったらしい。

映像演出の仲間を鼓舞するために哀しい嘘を吐くところは例によって泣いてます。いつもは「わかりやすい嘘を吐くな」とか「嘘ばかりつくな」と言っている仲間たちも今度ばかりは「その嘘は本当にしなくちゃいけないね」と言ってて余計泣く。毎度「今日は十勇士が勝つかもしれない!」と思ってみているから映像演出に入るとまた十勇士が負けちゃうと思って毎度ぼろぼろ涙が出てきます。

 

望月六郎

あんなにがっしりしているのに小助と一緒に頭脳労働班なのが面白いです。でも小助とちがって泛塵くんの扱いには過激派だったり真田丸での刀剣男士戦には参加しているところをみるに戦好きは戦好きなんでしょうね。釣りのところでは「甚八くんに数珠丸くんに海野くん!」って言ってたのに小助は小助なのが個人的に気になる。気が立っていたんだろうか。因みに一人称は吾輩(♪そんなひとほんとにいるのね~)

結構なんで笑ってるの?ってところで笑っているのでなにわろてんねんポイントがどんどんたまっていく。

今回シルクハットとかてんぷらとか時代考証ガン無視のものが続々と登場するけどそれらがぜんぶどうでもよくなる二輪駆動馬車の存在は偉大。だいたいぜんぶ「望月の発明品」で説明が付く。

 

根津甚八

ご本人も言っていたように見た目のワイルドさとは裏腹にすごく畏まった話しかたをする根津さん。「是非に及ばん」ってはじめてきいた。海賊から信繁様に仕える事になったときに言葉遣い矯正したら反対にむちゃくちゃ堅苦しい言葉になったとかかなと勝手に思っている。でも望月おなじく戦ジャンキーっぽさもありつつ与えられているセリフから頭もちゃんと回しながら戦っているのが感じられるところが好きです。一幕の真田丸前で佐助らと合流した際に任務の進退を尋ねられていたり、映像演出の部分では戦況を分析して「時間がない」と言っていたり、小助不在時には意外とブレーン役を担っていたりしたんでしょうか。

秀忠誘拐のときに成人男性ひとりを軽々抱えられるのすごい。扱い難しそうなトンファーくるくる回してるのもすごい。

刀剣男士から撤退するところで言っている「戦うばかりが戦ではない」ってセリフでは真田の戦いかた*4の話をしているのかと勝手に思考を飛躍させ泣いています……。(二幕泣いてばかりでは? そうです)。十勇士は皆それぞれ信繁様の意志をちゃんと引き継いでいるのが伝わります。

 

 

ここ一カ月半冗談抜きで毎日十勇士のことを考えている。无伝の公演が終わってしまったらこの真田十勇士にはもう会えないのが悲しすぎます。散らないで十勇士……いなくならないで……失いたくない……。

多分また観たら感想変わるし増えると思うのでまた書きます。

 

※追記

書きました

刀ステの真田十勇士が好きだ②(※无伝ネタバレ感想) - 自由研究帳

*1:最後の大千鳥戦の「やはり君からは物語を感じない」のあたり

*2:小助は首だけになっても影武者だとバレなかったって話がある

*3:それは信繁様もだけどね!

*4:上田合戦とか真田丸の戦いの話です