刀ステの真田十勇士が好きだ②(※无伝ネタバレ感想)

无伝大千秋楽おめでとうございます!
前回のブログ書いてからまた少しだけ書きたいことが増えたのでまとめました。「ここがしんどい」みたいなことしか言ってないです。十勇士のオタクがなんか言ってるなという気持ちでお読みください。

前回のはこれ

観劇中、もう完全に気持ちが十勇士に寄っているので、冒頭の大阪城下から町のひとたちと一緒に「押しも押したりザマアミロ徳川よ」って歌ってる気持ち。ここで、「真田十勇士が連戦連勝~!」って言われてるのが嬉しいのに、でもこの後負けちゃう……とおもって若干泣いてたりしていました。涙が出てくるのがはやい。

これまで十勇士たちって怪我してたらどうしていたんだろう。刀剣男士と同じ原理で顕現している存在だったら自然治癒はしないし手入部屋に入らないといけないけど現在十勇士に傷を治療している存在である審神者はいない……。本当に「連戦連勝」で温泉にはいっちゃえば治る程度の怪我しか負ってなかったのかもしれないですね。相手の徳川方は人間だし。三日月と鶴丸に切られた時の鎌之介の動揺具合からも、やっぱり十勇士は負ける事や傷を負うことに慣れていないのかなと思った。

大阪の町をまもるかっこよくて強い十勇士……。

 

それとずっと疑問なのが、冒頭の秀頼様に問い詰められている大千鳥くんのシーン。あそこわりと大千鳥くんの返答は模範解答だと思うのですがどこで秀頼様は偽物だと確信を得たんだろうか。十勇士にとって「真田丸」はなくてはならない存在だったりするのかもしれないと考えたりしました。真田丸で代償を得て顕現した十勇士だから、真田丸に対する帰属意識が強く信繁様であれば絶対に真田丸を再度築城するだろうという確信があったとか……。

ただ、无伝で十勇士が「本丸」としている真田丸は天伝で信繁様が戦った真田丸とはまったくの別物であるところが少し切ない。

けれど无伝の真田丸は十勇士がいちから築城したもので、十勇士の象徴であるところが好きです。だから「真田丸真田十勇士によって守護されている」ってセリフにも胸が熱くなる。最後には戦火に巻き込まれてそれごと失われてしまうことを思うと余計に悲しくなりますが……。

 

あと今回十勇士のリーダーを小助がやってるのって信繁様がいないからなんだなと思ったりした。私はしっかり「真田十勇士」に触れたのは今回が初めてだけど、これまで歴史作品などで真田十勇士をみてきた先輩方から全員そろっているパターンで小助がリーダー役なのは珍しいという話をちょくちょく聞いてた。真田幸村が不在だからだろうというのは前から思っていたところではあったけど、それがはっきりわかったというか理解した瞬間があり……真田丸で佐助が高台院様に抗議するシーンでの「控えろ佐助!」の言い方がかなり鋭く、仲間に対してではなくて家臣に対して言う言い方ように聞こえて、十勇士のなかで「真田信繁様の役」を負っているのが小助だからリーダーの立場を任されているのだろうなと思いました。

 

一度上手サイドシートで観劇した際、終盤の「切られた!」「引くぞ!!」以降、刀剣男士に敗走する十勇士たちの表情がみえてしんどくなりました。全員上手にはけていくので皆の顔がよくみえる。歯を食いしばりながら駆けて行ったりぐっと眉を寄せていたり。つらい。

三日月に負けたのち、「おでたちの本丸だって強いんだ!」「張り合うんじゃねえよ……」で十蔵と鎌之介が互いに手を伸ばし合いながら倒れていくのに気が付いて涙が止まらなくなりました。そんなあ……。せめて隣に倒れて……。十蔵は真田丸の大千鳥VS佐助のときも三日月鶴丸と戦闘後に鎌之介が切られた!といった後も切磋に鎌之介をかばっているので、このシーンが余計に涙腺にくる。

最期のセリフも、佐助の「あ~あ、もっと戦いたかったぜ!」が公演序盤に比べてかなり悔しさが滲んでいて、つらい~~!!はじめのころはもう少しからっとした言い方をしていたと思うのですが、すこし涙交じりのように聞こえて、本当にここで散るのが惜しいんだなというのが伝わります。小助の「我ら真田十勇士の物語もここで終わりか……」は感慨深さが増しているような気がしました。「无伝という物語のなかの真田十勇士の終わり」と「三カ月づついた公演の終わり」が重なるようで。やっぱり寂しい。

現地に足を運ぶたびに、配信で公演をみるたび、今日こそは十勇士が勝つ!と思って応援していたけど終ぞ勝利が訪れず悔しくて哀しいです。

 

けれど舞台の上で散るからこんなに好きなんだろうなとも思いました。きっと生き残ったりしていたらこんなに好きになってない。

舞台のオタクをしていると好きな役、キャラクターに出会ってから弔うまでだいたい3時間ということはままあるというか日常茶飯事だけど、その三時間で彼等の物語のすべてを生ききってくれるからこそ強く惹かれます。生まれるところから散るところまで十勇士のすべてをあの三時間二十分にぶつけて、板の上だけで「死ぬまで生きる」ところをみせてくれる。短い時間に込められた濃い魅力が大好きです。

この物語のあと、彼等はたしかにこの時間軸では存在した十勇士は再び実在しなかった架空の勇士たちに戻るので、そういった刹那性も十勇士にひきつけられる所以のひとつなのかもしれない。……でも風間さんが思い出してくれたら无なる逸話でなくなるっていってたから……絶対忘れないです。

 

それはそうと負けないでほしかったけど……。

フォロワーさんが付喪神にあの世はないから(長谷部と日本号の回想参照)信繁様に会えないんじゃないかみたいなことを言っておりそんなひどいことある?と思いました。

はじめて観たとき、一幕終了時点で十勇士の最期について、天伝で弥助が顕現した刀のように「物語の形を保っていられなくなって一人づつボロボロ崩れていく」とか「燃え盛る大阪城をみて集団自害」とか「十蔵の暴走状態みたいな形になって同士討ちをはじめる」とか考えていたので、負けたあとも信繁様に会いに行こうといって散る十勇士の最期についてはかなり潔いなと思っていたのですが……。十勇士が信繁様に会えないならとんだ悲劇では……。

 

まだ終わってしまった実感が全然ないのですがロスがどっときたりするんだろうか。

最初に无伝をみてから三カ月、本当に毎日十勇士のことを考えてたのでもう十勇士に会えないし十勇士がどこにもいないのが信じがたいです……。この三カ月本当にたくさん十勇士に元気をもらえて、ほんとうに楽しかった……。

でもやっぱり寂しい……。円盤販売が遠いです。