ピカルーンの日記

ピカルーン2023がおわってしまった。

公演期間ずっとずーっと楽しくて自分が入れない日もレポとか感想とかアップされるお写真漁って過ごすのが楽しかったなっていう、感想というか日記です。

 

今回公演前のモチベがありえんあったのだけど事は配役発表の時にさかのぼります。

公演前に客演さんの配役予想クイズが公式で開催されていて、その時に発表済の役ビジュアルのなかで一番好きだった西分さんの役の紙研さんが河合さんだったら嬉しくなっちゃうなっていう私利私欲で河合さんをそこの予想にいれた。ら、あたっちゃった。えらいこっちゃです。

この時点で初演再演鑑賞済の友人らから「これやばいよ」「絶対助からない」「終演後めちゃめちゃになったポンさんとお酒飲むの楽しみにしてます!」と続々連絡がきて、配役発表だけでこんなに言われることあるんだなあと思いました。

あとこの配役予想クイズ1ペアひっくり返せば全問正解で、しかもその1ペアが最後に迷って嵌めたところだったので、未だにガチで悔しがっている。全当したかった。


そんなわけで日々解禁されるビジュアルや稽古動画をみるたびに鳴き声がめろめろの生物に成り果てたりしつつ初日を迎えました。因みに私は初演再演時はまだ地方在住だったから今回が初ピカルーンです。

内容なんも知らんのに幕開く前からめろめろ言ってたの?そうですけど。

初日はBだけの予定で、自分がどうなるかわからなかったのでエーステ好きな友人二人についてきてもらった。二人とも壱劇屋さんどころか小劇場自体初めての友人です。

Bがソワレだったので折角ならということで浅草とスカイツリーでちょっと遊んでから劇場に向かいました。たのしかった。

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友人の推したち(摂津万里さんと有栖川誉さん)とわたしのエースリーの好きなキャラ(神木坂レニちゃま/演:河合龍之介さん)


ところで、パラデュールのときのブログでも触れたけれど、劇場が遠すぎる。どの駅からでも10分以上歩く。4月はまだよかったんだけど、今回6月特有の湿気と異常な熱さで死にそうだった。マチネの日は劇場に着くまでに全身から汗が吹き出してふつうに命の危機を感じた。あとこれは私が悪いのだけど日によって出発駅が違ったので一向に道を覚えられず、日々、熱い、遠い、たばこと塩の博物館ってなんだよなどと考えながら劇場に向かっていた。

これは終演後錦糸町方面に向かっていたらみつけたでかいいぬ。

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何?(専門学校らしい)

8月にシアター倉に行く予定の友人に熱中症対策のアドバイスをめっちゃしました。あとお手洗い済ませてから行けってアドバイスもした。

 

 

そんなわけで迎えた初日!パラデュールのガストンさんに対してはまだ「助かりたい」というスタンスでいたのだけれど、紙研さんは情禁時からめろめろ暴風警報🚨が吹き荒れていたので、ビジュ動画を延々再生したり稽古場動画をみたりしてめろめろ準備体操第二まで踊ってから挑んだのに、全然バキメロになった。おわりだ。

最期がさ、狡すぎるよね、ほんとに。伊武さんの「走れ」あたりからぽろぽろ涙がではじめて、紙研さんの「綺麗だ」で全部だめになってしまい、以降ずっと泣いていた。初日のこのシーンの光景と台詞が目と耳から離れなくて、劇場でてからも暫く涙が止まらず、駅に行こうかってなったとき友人に「ごめん(涙が)止まるまでちょっと待って」って言う羽目になり、駅前でご飯食べてるときも思い出しては涙が止まらず「あ~~~ごめん」って言いながら突然泣き始める情緒がお終いの人になってしまって結構恥ずかしかった。紙研さんが産まれてはじめてみた人生で最初で最後の青空が、自分が産み出した紙で空を飛ぶ御姫ちゃんの姿なんだって思ったら、大泣き。

最期が特段やばいのはそれはそうだし、他のとこも全部素敵でずっと好きだった。かっこよくて美しくて時々お茶目で、惚れ惚れする。盗賊稼業の傍ら〜のとこの虎ちゃま伊武さんと踊ってるところはお茶目ポイント、顔見せのとき御姫ちゃんに皆んなで手を差し伸べて「虎ちゃんがいるから大丈夫!」って言われた後の「わかったよ」のちょっと拗ねたようなお声はキュートポイントでした。

みんな大好きな髪の毛を漉いてあげるシーンの前、少し御姫ちゃんとの距離を測りかねているような芝居が好きだし、公演期間後半の回で御姫ちゃんに「すまなかった」という所のお芝居の間が深くなっていて余計にじーんときちゃった。この場面のところのB紙研さん、足を片側に寄せて座っているのが、大変麗しくいらっしゃって、めろ。あと「ヒミツだ」の言い方と仕草とか、「まともだろう」とか、「私がみんなを見守ろう!」「おう!」の遣り取りのところとか、台詞の温度が好きなところが多すぎて、ここはめろめろが沢山詰まっている。

あと御姫ちゃんをエスコートするときの手の差し出し方とか凄いかっこいい。好きだ。殺陣のところは当たり前に最高ですね。伊武さんが怪我をしてしまったとき、佐久間さまの方を向くのではなくて伊武さんに寄り添っているのも好きポイントでした。

ふつうに、初日終わったあと御姫ちゃんになりたすぎた。

紙研さま、私も空、飛びたいです。

河合さんなんか以前拝見した時よりも輪郭のラインがシャープになっていて、横顔の美しさに磨きがかかっててみればみるほどめろめろになってしまい、ほんとうにおしまい。私は河合さんの、左の口の端をニイと吊り上げて笑う時のお顔がほんと~に大好きで、今回は役柄上そんなに回数がみられるわけではないのだけど七賊乱闘殺陣の前相手を挑発しているところだったり、「一家団欒中だ!」の前の「ここだな」らへんだったり、ここぞという時にみられてめっちゃよかった。

紙研さんのおおきな魅力のひとつのお衣装の話をします。コルセットも、動きに合わせてひらひら舞うお袖や裾も大好きで最高で、それから手袋も好き。B紙研さまの少しお肌が透けるけれどAに比べるとガード固めな手袋大好きポイントなのだけど、月曜夜の公演後半だけAの紙研さまとおなじ総レースの手袋をつけてらした日があって、そちらも大変お似合いで麗しさが天元突破していて最高だった。

たしか初日だったのだと思うのだけど、傘が破損してしまっていて、調整しながら動かれていてそれもかっこいいなって思うなどしました。

紙が尽きてしまって布被ってるところもおおきい体に布を被ってるところが、申し訳ないのだけど、かわいくて、好きでした。それまで紙研さまがリーダー然としていたのに一気に弱々しくなっているところに人は惹かれてしまうのですね……(主語をデカくするな)。


他のキャラクターも個性爆発していてみんな大好きになっちゃったな。

大野さんの力石くん、よく通るお声が素敵でした。なんだろう、全体的に大人の余裕というか色気があってとってもかっこよかった……。「いつも若さに溢れてるから」の時のポーズを毎度楽しみにしていました。最期の民衆に襲われて笑顔をみせるところも、諦観がありつつも御姫に真っすぐな視線を送っているお芝居が好きだったな。私は所謂戦隊のレッドが刺さるタイプではないので、正直力石くんはノーマークだったのだけど、ほんとにかっこよくて終演後友人に「力石くん、かっこよかったねえ~……」としきりに話していた。大人気義賊力石さんのとこのアドリブが好きすぎて由良ぴょんの話が全然入ってこない。個人的に月夜のBAR力石がすきでした。終演後力石くんがいれてくれたビールだから🎶ていって延々ビール飲んでた(?)。

ぴょんさんの由良ぴょん。なんだろ、由良ぴょんって語呂がよくて由良ぴょんとお呼びしたくなるような可愛らしさがあります。最初の盗賊稼業の傍ら~のシーンラストのみんなにどうぞどうぞってされて爆破起こすところが好きです。目がぎょろ〜って動くお芝居も好き。あとラスト自爆なの爆弾魔として潔よすぎるでしょ。由良ぴょんが弱っちゃって布被ってる紙研さまの肩叩いてダッセェなぁ!っていうとこもだーいすきなんだよね。由良ぴょんと紙研さまの間にある独特の信頼関係が好き。

角兄。初演済みの友人に「さいあくお兄ちゃん」とだけ聞いており、ほぉん性格終わっとるとかかなって思ってたんですけど……ですけど……最悪の方向性よ。ほんとに最悪だな!!!! 渡辺さんの角兄はなんだか変態野郎というよりどっかイカレた人っぽかった。殺人を自分が考えた「型」に嵌める作業を楽しむタイプの殺人鬼というか。角兄最悪は最悪なんだけど、最期の言葉が「飛……」なのグェってなっちゃうね。本性表した後の戦闘で飛ちゃまとカチンって武器ぶつけ合うところも大好き。

飛ちゃま!!!!! 可愛くて可愛くて。可愛かった。にこにこ笑顔がほんとに可愛かった。ほんで角兄が本性現したあとの「かあぁぁぁぁくぅぅぅぅ!!!!」が少年漫画フォントで飛んで来るので最悪シーンだけど毎度最高になってた。初日後可愛すぎたから妹にしちゃお~💕などとTwitterではいっていたけれどほんとうはおねえちゃんになってほしいのだ。ややネタバレな気がしなくもなくて言ってなかった。角兄が倒れそうになった時に手を伸ばすのは、長年「妹」でいた証なんだなって思います。あとですね、私は心踏音がこれまでの人生でみた芝居のなかでも指折りで好きなのだけど、ラスト、フラッシュバックによりバフがかかって余計に大泣きした。ただでさえ泣く箇所なのに。

角兄と飛ちゃまの関係、御姫ちゃんインタビューのあと、あーほんとは飛ちゃまは恋愛的な形で角兄のことが好きだけど角兄は「妹」として扱ってしかくれないって感じなのかなって思ったりしたんだけどもう、ナメたこと考えててすみませんでしたって感じ。

栗田さんの伊武さん。アクション、異次元? マジで早すぎてびびった。凄いの一言に尽きるよ……。あと日に日にお遊びが増えて行って面白かった。お芝居でいうと最後の「描いたものを具現化できる筆」を使うかどうか迷って、カバンの中にしまう所が好きだな。御姫ちゃんを最後まで守ってくれる友人を描こう、って決意して御姫ちゃんを逃がすお芝居毎回泣いてしまった。栗田さんの殺陣いつか観たいなという気持はあれど、スタッフワークの方でお忙しいから難しいかなってずっと思っていたので二ツ巴に続いて栗田さんを堪能する機会を作ってくださった壱劇屋さんにも最高の演技を魅せてくださった栗田さんにも感謝だ。

わぎさんの虎ちゃま最高が過ぎたな。あのちんまりしたかわいいフォルムから繰り出される怒涛の殺陣、ほんとにブチ上がりです。虎ちゃま………。かっこいいの一言に尽きる。御姫ちゃんに最初に名前呼ばれた時にバッて立ち上がって両手あげるとこも、すごい好き。可愛すぎて連れて帰りたかった🐯

あまのちゃんの御姫ちゃん可愛すぎてどうしようかと思った。彼らの愛をたっぷり注ぎ込まれてしっかりした大人に育ったなって感じがして、回を重ねるごとに大好きになっていった。大成しそうな、大物になりそうな雰囲気があってすごい良いなあ。ほんとにかわいいんだ。

おかむさんの佐久間様がどっしりと後ろに構えているから作品が締まるなって思える地に足のついたお芝居が好きだった。王道の悪役というか。飛ちゃまと御姫ちゃんを追いつめて高笑いしているのに、虎ちゃまがあらわれてどんどんお顔が強張っていくとこのお芝居が凄く好きです。あと自分が刺した癖に「勝又くん」と呼んでしまうところも、ある意味潔のよい散り際も、大好き。

勝又くんもいいお芝居してたな〜!!!! 佐久間さまにやいのやいの言いつつもこの人に着いてくのが最適かなあ〜みたいな感じです着いてってたら取り返しのつかないことになってしまったなあみたいな……。勝又くん優秀すぎる故に………。最後伊武さんが勝又くんに変容するところ流石にテンション上がりますね。 

あとはもうストーリーが王道に面白くて、お香のくだりとか「話を聞く時用」の顔とか、男虎の日記に書いてある国家権力チームとのシーンとか伏線回収が気持ち良すぎてストレートに最高舞台だった。小劇場事体初めて! って友人たちもとっても楽しんでくれて、更にそのうちの1人はその場でAのチケット取ってくれて嬉しかった~。

 


翌日公演2日目のソワレでAチーム初見でした!! 質感も作品の温度もキャラクターからする味も全然違くてプリンシパルフルチェンジのWキャストってサイコ〜! って思いました。

おーみくんの力石くん、お顔つやつやでぺかぺかで、大輪の笑顔が可愛い! 声のトーンも耳心地が良くて素敵!! 故に!!! 折れるときにいい音がするタイプの演者*1ですねあなたは!!!! 投獄シーンが好きです(正直)!!! アスビーくんが刺さったのもそういうところかもしれません。でもやっぱり最後は屈託のない笑顔で散っていくところが好きだ〜。

由良さん! 志村さんの由良さんは由良「さん」という感じ!! 少々セリフにアイロニカルなニュアンスが乗り、一歩引いたところでチャチャをいれる様子が「裏でコソコソやってドカン」を示しているようで良かったです。でも3馬鹿でワイワイやる時は纏まってるんだよな〜。Aチームの3馬鹿の方がトリオとしてかっちり纏まっているような印象を受けた。

こばさんの角兄、キモい!!!!!!! (褒めとるつもりです)なんでだろう、なんか、渡辺さんと比較しても、よりキモくて。変態みが強くて。なのにいつも通り殺陣はバチバチにかっこいいから困るんだなあ。それにしてもキモかったな。

みたまおちゃんの飛ちゃまどの瞬間を切り取っても、お顔もお声もお芝居も、もう、すべてが可愛くて可愛くてたまらなかった。キレた後もかわいいんだ……。ずっと燃えている炎のような飛ちゃま。大好きだった。飛ちゃまAもBも可愛くて両方チェキ買って二人並べて飾ってます。角兄は出禁。

日置伊武さん帽子の下からのぞくスマイルが愛らしかったな。確かにシャイ「ボーイ」の雰囲気があるというか。日置さんのお声がかなり好きなので全然きけなかったのがやや残念です。伊武さんに「女子会に参加したい」「とにかくふざけたい」という気分があるの、かわいいよね。

ぶんちゃんさんの紙研さまもね、大好きでした……。河合さんの紙研さまよりもどこか男らしい印象を受けるのはなぜだろうか。河合さんの方でも言及した髪の毛を漉くところぶんちゃんさんはどかっと男らしく足を開いて座ってたり、あと顔見せ散開前の「わかったよ」の言い方はかなり余裕がある感じだったり、そういうところかなあ。伊武が負傷した時はキッと佐久間様を睨んでいるので格好いいなあと思ってみていた。

虎ちゃんの羽田くん! 垂れたきゅるきゅるの瞳がキュートで、骨格は間違いなく成人男性なのに、どこかマスコットみがあり、「虎ちゃんは虎ちゃんか」に説得力があった。てか初舞台だったの!?!?びっくり。

しおちゃんさんのおひめちゃん、幼女みが強く、こちらも大変可愛らしかった。七賊にデロデロに溺愛されて育ったのだなというのがひしひしと感じられるおひめちゃんだった。

佐久間様!!! 高田さん!!!! Aの狂い枠はあなたです!!!!! なんですか勝又くん刺す前のアレは!!!!! ずるい!!!! 「これが私の意図だから、汲んでね」のとこ、手の“甲”で勝又くんの頭を撫でてから刺しててマジでなに? ズルいよお。その後刀を袖で拭っているのもズルいよ。高田さんもなんだか終始謎の色気があって、なんですか? X-QUESTさん所属の方ってそういう感じなんですか(言いがかり)??? こちらの佐久間様の散り際も最高だったなあ。

藤島さんの勝又くん、なんかすっごい良かった。刺さったポイントが言語化し難いのだけど、なんだろうな、上司部下だから勿論完全にフラットではないのだけど、男女ペアなのにそこには力関係を感じさせないところとかかなあ………。好きだった勝又くん。

あとゲストで乗り込んできたガストン・ファンボさん、またこんなにすぐお会いできると思ってなくて嬉しかった。めっちゃあっさり武力介入するじゃんって思った。ジョスとお顔がそっくりの伊武さんとvsでニコニコでした。皆さんに名前を連呼されていた。

 


当初の予定は各チーム1回ずつだったのだけど、増やしたくなってしまい、追加に追加を重ねました。28のお昼は当日券で駆け込んだ。

私の本能と体は正直だ😺

ところで、追加によりスケジュールが終わりになってしまった。

6/24 ピカルーン

6/25 ダーウィン・ヤング@シアタークリエ/ピカルーン

6/26 ピカルーン

6/27 ムーラン・ルージュ!@帝国劇場

6/28 ピカルーン

6/29 ジーザス・クライスト=スーパースター[ジャポネスク・バージョン]@自由劇場

6/30 ピカルーン

7/1 ノートルダムの鐘@四季劇場[秋]

(7/2 星組公演 1789 配信視聴)

日比谷と錦糸町と浜松町を三角飛びする人?

大バカスケジュール。


当日券で駆け込んだ28昼、ほんとに神回で最高でした。ゲストの熊倉さんが大暴れして帰っていった。

お衣装(というほどの布も纏っていなかったのだけど)が上裸に濡れ髪で、出てきた瞬間客席がドッてわいててウケたし口々に「どこからどうみても不審者‼️」って叫ばれててほんとに面白かった。

次々みんなの武器をぶんどって戦っていくのも面白かったです。短剣取られた力石くんが長剣渡されて「ながーーい!?!?」って叫んでるのかわいかったな。鉤爪を「相棒」って呼んでる由良ぴょんも可愛かった。vs栗田さんはなんか、えらいもんみたなあという気持ちになりました。あの足技どーなってんの?凄すぎて客席から歓声がわいてた。

アフイベの紙風船チャンバラもメチャメチャで楽しかった。とんでもない音出して紙風船大破してた栗田さんにはシンプルに恐怖を覚えた。ぴょんさん大健闘でした。熊倉さんvsおーみくんこばさん日置くんも楽しかった🎶カテコではきちんと本衣装で登場した熊倉さんのオールバックがチャンバラやってるうちに少しずつ乱れていくのがよかった。ラストの方紙風船膨らませておひめちゃんになげてあげる飛ちゃまとそれで戯れるおひめちゃんが可愛すぎでした。

わたしは飛ちゃま応援ボードをコッソリカバンに忍ばせていたけどもそもそもこの対戦カードがなかったです。

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撮影用に持ってったやつで劇場内では出してないし角兄vs飛ちゃまがあっても出すつもりはなかったのであしからず🙋‍♀️

 


壱回の日!ラストピカルーンの日でした🥲

そもそもこの回みたいなっておもったのが、パラデュールの千秋楽の小林コトスvs淡海ガストン・日置ジョスのレポ読んだのがきっかけでした。やっぱり劇団員同士でしか出ない味というものがあるのだな〜と思って、チケットを取った。

演者が同じでも組んでる相手が変わることによって演技の温度が全然違ったり、殺陣が容赦無くなったりしていて、とても楽しかった。佐久間様vs角兄のとこ、「顧客が求めていたもの」すぎてぶち上がってしまいました。

日替わりの竹村さんも荒らしに荒らしていって楽しかった。

アフイベのタイツ、笑い死ぬかとおもった。全部の瞬間が面白くてしんでたんだけど、淡々と要所要所が「タイツ」に変わっているセリフを読み上げるあまのおひめちゃんにこの子は大物になるぞ……という気持ちになりました。

 

 

番外編!

Twitterで初演紙研様たちねえだったんだよね〜ガチ恋になっちゃうじゃんそんなの。などと宣っていたら優しいフォロワーさんがなんと円盤*2を貸してくださりました。嬉しい😹早速みた!


今回のくろちゃんの枠がわぎさんだったんですね!? エモい😭「話を聞くとき用」の顔の伏線は初演では存在しなかったことにびっくり。そして「とにかくふざけたい用」の顔が日置くんでニコニコ。わかる。

というか、公演を重ねるごとにコメディ要素や伏線が練り上げられているのを感じました。「盗賊稼業の傍ら〜」のとこの謎ダンスは追加シーンなの知ってたんだけど、ほかにも結構好きだったシーンが増えてるところだった。名前考える前のわちゃわちゃとか力石が赤子くっつけたまま義賊仕事に出るところとか。

日替わりは赤星さんの回だったのだけどしぬほどやりたい放題しててしんだ。半裸じゃないだけ熊さんよりマシってくらいかな😹初代武器奪いやりたい放題枠だったんですね。

それであの、たちねえの紙研さまさ。現地でみたかったなこれ😭好きにならないの無理じゃん………。元々たちねえのお声が好きなので喋るたびにすき〜ていってた。映像だと細かな表情まではわからないのだけどそれでも、超かっこいい。やや片側に重心が寄るような立ち姿も美しくって………は〜……いいなあ〜………。全部好き、全部好きなんだけど、1番は「男虎よ、お前は敵か?」の「敵か?」の声の音の抜き方がとってもよくてめろめろだった。小説だったら前後に空白行が来るんだろうなみたいな、そういうのがみえる芝居。エーン2019年7月何してたんだろ……留学準備でした………はい………懺悔しても時は戻せない*3 …………。いいんだ2023に間に合ったから。

西分さんが飛ちゃんだったの今回の公演期間中にフォロワーさんにおしえてもらって、「エーーッ‼️」て言っちゃった。紙研さまのイメージだったから。でも実際みたらすごいしっくりしました。ぶんちゃんさんとこばさんの角飛すごいテンポ良くて好きだった。演目全体のテンポも全体的に早めな気がした。

初演力石くんの竹下くんマジで王道ストレートな戦隊レッドで、おーみくんとも大野さんとも全然印象が違ってびっくりした。2023年の力石くんからは見た目に反して「戦隊レッド」の味はしなかったのだけど竹下くんはモロ戦隊のレッドで、こんなに変わるんだなって思いました。

伊武さんは初演は役者さんではない方がされていたとのことで、今回とは全く表現が違った。面白かった。

あと竹村さんの男虎エグくて。これ直近でみていた上で今回の男虎を作り上げた柏木さんにますます尊敬の念が湧きました。

初演時点でももちろん皆様とても素敵だったのだけど、続投組は芝居の迫力や役の造形が再演を重ねるたびにさらに洗練されていったんだなっていうのがわかってよかった。

円盤貸していただけて大感謝でした。

 

 


壱劇屋さんのことを緩めに追っている身で恐縮だけれど、今回開幕後の券売の伸びが凄まじくて我が事のように嬉しくなっちゃったな。初日に連れていった友人が自分で別チームのチケ追加してくれたり、私が毎日大騒ぎしているところをみて気になった友人が入ってくれたりして、嬉しかった。他人に演劇を勧める時、その人に合わなかったらどうしようというドキドキがあるのだけど、壱劇屋さんは自信を持ってオススメできる、作品力に信頼のある劇団さんだなって思います。

 


以下お気に入りのツイートたち。後から自分がみかえして楽しくなる用のメモ。

好きシーン

紙研さまお茶目ポイント

みたかったやつ

本編みたあとだとしぬ

高田さん、自撮りセンスがピカイチ

みたまおさんの天才イラスト再現

虫取り網

何事?

連れて帰りたいかわいさ

ずっとめろめろでした

 

おわり。

*1:しんどいシーンが似合う役者の意(©︎フォロワー)

*2:クラファンの返礼品なので非売品

*3:ミュージカル『フランケンシュタイン』の「後悔」 汎用性高い

『ダーウィン・ヤング 悪の起源』感想

演出家が自分の推し、その他脚本家、振付、演者みんなフォロワーの推しのタイムラインオールスター演目ことダーウィン・ヤング☺

両方のダーウィンみたので感想です~。まだあと一回入るからそのあと追記するかも。

なんか開幕前の考えてたよりも相当楽しくてすごい。スタッフさんはほぼ知ってる名前だし、役者さんも好きな人が多いし、曲も好きだし、ストーリーもいい感じ。

演目的に物凄くのめり込むほどではないのだけど、ほぼほぼ好きな要素のみで構成されている作品なので何回かみたいな~というような感じでまんまとチケットが増えた。口コミで集客が伸びてる評判が結構聞こえてくるのが嬉しいね。

それから、今作で初めて日比谷系の演目とか生オケの演目に行くっていうフォロワーさんもそれなりの数いて、演出家がその動機になるのがいいなあと思います。私は末満さんの作品もグラミュも両方観るから、普段末満さんの作品観てるフォロワーさんたちに好きな役者さんを観てもらえるのも普段グラミュ観てるフォロワーさんたちに末満さんの演出に触れてもらえるのもとっても嬉しい。

演出

終始末満さんの演出全開で大変楽しかったです👍

初日は末満演出ビンゴに物凄い勢いで穴があいていくことにやや面白くなってしまい、話に集中しきれなかったまである。なんなら劇場に入った瞬間から末満演出の足音が聞こえる。開幕直後の青照明をバックに真ん中から主人公が登場し、全寮制の学校の説明をしはじめたので早速マスクのなかで口角上がった😸

以前から壱劇屋さんを観てるフォロワーさんは大熊演出味も感じたとおっしゃっていた。なるほど。私は壱劇屋東京支部(=竹村演出)しか観ておらず、そこまで壱劇屋さんぽさを感じたところはないけれど、当然片割れなので、振り付けが肌に馴染むのはわかった。

セットをうまく活用してるな~クリエのキャパに合わせてつくってあるな~て思ったので、兵庫だと印象変わりそう。でも今回も照明綺麗だったから2階から観れるのは羨ましいかも。

演出の良し悪しとかはもう私はフラットに判断できないので言及しないけども、あたりまえに超好みでした。

 

特にめっちゃ好きだったのは一幕ラストとダーウィンの犯行シーン。

一幕ラストの、赤いフードを被ったニースが黒いフーディーたちに取り込まれて起き上がったときにはフーディーたちの中心にいるのはダーウィンに変わっているところ。一瞬でニースが上から黒フード被ってフーディーに混ざり、父子がスイッチする演出! 最高で鳥肌立つ。その後ニースが段上げに移動して赤フードに戻りダーウィンを見下ろすところも、「構図」がすっごくよくて、好きだ~。

 

ダーウィンの犯行シーンはさ、シンメトラー本領発揮してて、大好きだよ。 あそこのブチあがり具合、最高。ダーウィンとレオの時間と、ニースとジェイの時間が再生されてしまったカセットテープを切欠に交錯するのめ~っちゃいい。し、四人がまわりながら赤い紐でがんじがらめになっていくところ、ほんとうに、最高

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写真でもほれぼれする。最高だ……。

 

あとは日常シーンのやり取りの温度というか、間のとり方というか、そういうところも好きなんだなって思った。ダーウィンとレオがハグするところとか。レオの人生を踊り明かせみたいなシーン(「自由」ですね)もすごい好き。問題児で周りから疎まれているのにそれでも周りを巻き込めるような強い力を持った子だったんだなって思う。曲終わりは切ないのだけど、あのいっときの煌めきが好きなシーン。あとバズにレオがカメラを教えるところの雰囲気もとっても好きだった。あそこは台詞がやたらと聞き覚えのある感じなのが更に好きに拍車をかけている気がするよ。書き出したらほぼレオ関連のシーンでしたね……。

観てて胸が詰まる。大好きな場面。

レオのシーンでいうと、ラストの方ダーウィンが第七地区に赤いフードを被ってきたときの動画を撮影している描写があるところに、ニースとダーウィンの悪の因果だけでなくバズとレオの悪を暴き出してしまう光の因果を感じたりする。

ダーウィンとレオのナンバー(友達)のチャリ2ケツと猫のパペット、可愛くて好きなんだけど、韓国版には影も形もないらしく韓国から来日して観劇されていた作品ファンの人が不思議がっていてウケた。猫柱*1ですからね(?)。

図書館のところの額縁を使った演出もいい。検索台にもなるし、扉にもなる。あのシーン照明も好き。

あと、ウィンザーノットのあとでラナーがひとり鏡の前に立って、ネクタイを締めていない自分の姿をみつめるところ。生まれながら第一地区育ちのニース、ダーウィンとラナーの断絶がみえて好き。ヤング夫妻はラナーにネクタイの締め方を教えなかったんだね……? この辺は原作よんだらわかったりするかな。

ラナーが第一地区に来る前の、大隊長を殺害したあと仲間の情報を売って第一地区へ逃げ込んだ描写はいってるところにラナーの貪欲さとか「悪の起源」の説得力とかが出ていて(あとはシンプルに最悪度が増すので)かなり好きだったのだけど、パンフ読んだら末満さんが原作から引っ張ってきたシーンで韓国版にはないとのことでした。末満さんの潤色箇所が刺さっている。悔しい。

ラナーを3世代通して同じ役者が演じる形にしたのは、集客的な意味でもすごくいい方向に働いていたと思う。みんなみたいでしょ禅さんのアンジョルラス(ではない)。韓国と同じく若ラナーを別の方が演じる方式だったら禅さんの「世の中を変えよう」は聴けなかったということなので、それは、もったいなさすぎる。歌最高すぎて初日禅さんが歌い出した瞬間にワー!!!ってなったもん。

 

逆にウーンってなったのは一部映像。具体的には二幕頭、ロイドがフーディーたちを検挙しているところ。後ろに銃で処刑されているフーディーの映像が流れるのが好きでなかった。韓国PVを確認すると該当箇所はロイドと捜査官たちが行進する傍らフーディーたちが検挙されていく様子も別のアンサンブルさんが平行して演じている。カンパニーの人数の違いでそれはできないから、その補完の意図なのかもしれない。ところでこの映像、初日は上手と下手に分かれてロイドを応援している少年ニース、ジェイ、バズがかわいくてそこばっかみていたので2回目でやっと気づいた。

雪とか駅とか第九地区の背景とかのマッピングはそんなに苦手には感じなかったというか良くも悪くも気にならなかったというか。必然性はないような。

末満さんのオリジナル作品だと普段は映像使わないし(2.5ではめっちゃ使う)、外部脚本だからわかりやすさを重視したのかな。個人的にはない方が好み。

 

音響

オケの音でかすぎ全体的に大味すぎ。もっと演者を信用していいしもうちょい繊細さがほしい。

初日がマジでオケの音バカでかくて歌が聞き取りにくく、ここほんとにクリエ!?ってなった。禅さんとぴろしの声量でどうにかなってたけど演者の声量でどうにかするんじゃないよ。2回目はマシにはなってたもののまだデカい。生オケなんだし、2.5みたいな大味の爆音音響は要らないよ~という気持ちになりました。アンケにも書いた。

 

照明

今回も素敵~!! ステンドグラス風の色が床にうつるところと、どこだか正確には忘れてしまったけどアンサンブルさんたちが持ち上げたプライムスクールの椅子に日光のような色の照明があたってるところが特にすき! 冒頭でも書いたけど2階からみてみたかったな。

 

脚本

ああ~これは末満さんの演出と相性がいいだろうなと思うのと同時に末満さんからは出てこない本だな(そらそう)とも思い、不思議でした。この作品を末満さんに持ってきてくださった制作さんの慧眼に感謝です。

一幕で「謎解き」的なパートにはほぼ決着がついて、二幕で予定調和の悲劇に向かって進んでいくのが私にはすごくハマった。だいだいどういうオチになるかが予想がつき、その通りに進んでいくので楽しい。

親世代が、好きだよ〜(でしょうね!)。あのニースが超鈍感だからギリギリ保たれているような危うい友情が、好きだ。

ラストあの状況から親友ではなくて父親を選ぶのがあまりすんなり飲み込めないところではある。レオのことほんとに殺さないといけませんでしたか……?

世界観とか国立図書館のセキュリティガバすぎんかとか絶対その犯行はバレるだろとか警察はまともに仕事せえとか、まあ、そういうところを突っ込もうとするとすごい突っ込めてしまうのだけども楽曲と芝居が良いから、いいかな……。この細かい所気にしないで話を強引に進めるかんじフランケン*2とかJTR*3のときの感覚に近いかも知れない。かなり壮大な話を2時間半にギュッと纏めてあるだろうからこの辺も原作読んだらわかるのかな。

 

楽曲

良かったな~。好きだ。

ほしい所でほしいリプライズが来るのがすごい気持ちいいしカッコいいビックナンバーがあって盛り上がれるところが好き。悪の起源と青い目の目撃者が特に好きです。自由とかウィンザーノットは一回目と二回目でかなり受け取る印象が変わるので、そこも面白かった。作品のラストは結構凄惨なのだけどラストのナンバー(誰も覚えていない)の曲調が結構明るめなので気持ちよく劇場をあとにできてよいですね。誰も覚えていないの最後のほうの高音のAh~いれてるの、はどなただろう。音が綺麗で好き。

あとダーウィンの犯行後に「怪物」のメロディが鳴るのがめちゃめちゃ良い。

「自由」の最後の方のダーウィンソロのメロディ及びレオがプライムスクールを出ていくときのメロディがダーウィンが犯行前に歌うメロディと同じなのが最悪最悪リプライズで大大大好きです。初日ここでニコニコニコニコしてた。

 

私は末満さんが「ミュージカル」と銘打ってつくっている作品*4が演目としては好きでもミュージカルとしてはそんなに好きでなくて。歌に入るのがかなり唐突だったり*5芝居歌として成立しにくい曲が多い点などが特に。楽曲とストーリーのそれぞれはいいのだけど、ミュージカルというよりは挿入歌のある演劇だなあ……と思うことが多い(和田さん作曲の楽曲自体は好きなので、「ミュージカル」を名乗っていない演劇女子部シリーズや黑世界、キメステとかは普通にめっちゃ好き)。

今回は演目自体は輸入だったからこの辺のことを気にせず作品にのめりこむことができてほんと~に楽しかった。今回の演出で末満さんが今後制作するオリジナルミュージカルに影響が出るかな~という点もちょっと楽しみにしていたりする。

 

演者

ダーウィン・ヤング

大東立樹さん

前半はかなり受け身な演技で、レオとかルミに流されるまま過ごしているような感じだったのだけど、一幕のラストで真実に気がついてしまってから顔は蒼白になるし目が溢れてしまいそうなほど大きく目をみひらき、ぶるぶる震えている姿がとても可哀想だった。でもラストは笑ってるんだよね……。「悪の起源」の継承……。前半がとても可愛らしいダーウィンで、お父さんにもおじいちゃんにも無邪気にぎゅっとハグしにいくような子だったから、余計に後半のギャップにやられた。

 

渡邉蒼さん

普段からプライムスクールの生活に窮屈なものを感じていそうな子だったので、太陽のようなレオに惹かれていっているのが丁寧に伝わってきて、それがすごく好きだった。感情の傾き方を客席に伝えるのが全体的にうまい。だから、あれだけレオを大切に思っていても最後父親を選ぶ所にすごく説得力があった。悪の起源、「許したい」の叫びが詰まっていて、ほんと~によかったな……。あと、「ねえレオわかったよ。理由はいらない」でダーウィンに『怪物』が降りてくるのがはっきり分かって鳥肌が立ちました。

作品からはずれるのだけどTwitterの投稿の言葉選びが丁寧で好き。

 

全体的に大東くんは後半、蒼くんは前半の演技が印象に残った。事前情報の通り印象ががらりと変わるめっちゃいいWキャストでした!

 

ニース・ヤング/矢崎広さん

や~…………。ぴろしの演技をみるためにチケットを増やしたようなもの。すごい美味しいけど複雑な役を見事に演じきっていた。ニース、表面上は理想の父親でみんなから尊敬される教育長官で、でもなかみはすごく危うくて16歳のまま時間が止まっている複雑な役で、その表現が素晴らしくて……。息子に向かって微笑む優しい父親の姿と、ジェイの影に怯える姿がしっかり地続きなのがいい。クリスマスの夜酒に溺れて「僕が死ねばよかったんだ」で16歳の声に戻るところの芝居のつくりが良すぎてあそこ大好きです。16歳のどちらかといえばかわいい印象を受ける芝居と46歳のときの印象がガラリと変わるので、殺人というイニシエーションですっかり変わってしまったのだなとわかるところが辛い。ほんとうによかったし、まわりがみんなボコボコニースに落ちていくのも、やむなしですな(あんたもだよ) 。

 

ラナー・ヤング/石川禅さん

前の方でも書いたけど禅さんが三世代分の役を演じる演出にしてくれてありがとうございます。禅さんのソロ増えててありがたいよ。禅さんが作品に一本柱を通しているなと思うところが多々あります。ニースとのクリスマスのやりとりのところのすれ違いが辛いし、あそこ、ニースへの愛が滲んでいる芝居がよけいに辛さを増幅させる。最後の誰も覚えていないで禅さんが入ってくる所は全体の声量が突然2段階くらいブチあがるので声デカ!になった。2回目以降、ずっと前髪をおろしたほうがいいよ、という気持ちでみている。前髪をおろしてネクタイをしよう。ラナーについてはちょっとわかんないところが多いから、早く原作よみたい。

 

レオ・マーシャル/内海啓貴さん

君が太陽だよ~~~~!!! さっき好きなシーン書き出してて気づいたけど私はあきよしの芝居がかなり好きらしい。レオは何も悪くなくてほんとうにひたすらにとばっちりなので、前半まっすぐダーウィンに向き合っていれば向き合っているほどつらくなってしまう。あきよしのオタクだったら毎回心がぼろぼろになって劇場をあとにしていると思うよ。話全然違うけどあきよしここ数年の出演作の傾向良すぎて追ってる人羨ましいな~とおもいます。早くディミよしで幸せになっているあきよしをみたい。

 

ルミ・ハンター/鈴木梨央さん

可愛くて可愛くて…………歌声、綺麗で綺麗で………………。「さよなら 私はひとりでいくわ」の高音が、ほんとうに、すきで。今後もいろんなミュージカルで鈴木さんのお芝居みたいしお歌を聴きたい。ただパンフを読んだ上で彼女の周りの人間関係をみると味方がいなさすぎて可哀想になる。ルミがジェイに執着してしまうところにハンター家って………という感情を覚えます。

 

バズ・マーシャル/植原卓也さん

ラインダンスで一番足が上がっているところが好きです。バズの明るさもレオと同様に作品の中で光っている。学校のシーンで学校から脱走している話をしてるときにああレオの父親だな~って思う。ジェイとギスってるところは、ワッとなるけども、あれも10代らしくて好きだよ。バズも可哀想でつらい……。友人に誕生日プレゼントに贈ったものが回り回って息子を殺してしまうのつらいよ……。

 

ジョーイ・ハンター/染谷洸太さん

思い出そうとすると9歳の染谷さんがかわいかったという感情に支配されてしまう。いや、普通に39歳のジョーイも好き。パンフ読んでから芝居観ると追悼式のところどういう感情?になるし、その目は節穴の「闇は闇のまま」も、嗚呼、そうだね……となる。共犯。

 

ジェイ・ハンター/石井一彰さん

39歳は嘘だよ。全然学生にみえるよ。天使*6のときしょうごくんと同じくらいだと思っていました。今回初めて年齢を知って、ひっくり返りました。全然16歳だよ? 16歳か39歳かでいえば、16歳(フォロワー談)。その通り。ビジュアル勝ってて最高だ~。幻覚のジェイ、目がバキバキで超不気味であの表情つくれるのすごい。2幕のジェイ、冒頭でかわいいなって思ってたらデスノート始まって怖くなっちゃった。バズに「わざと間違えるのって難しいんじゃないのか(ニュアンス)」って問い詰めるところの芝居、最高。大隊長も石井さんが兼役することで因果関係が生まれていていいなあとおもう。

 

もとこさん(もとこさんとお読みする。教えてもらった)教授からMrs.ヤングまで(その他にも兼役たくさん!)転身が見事でした。試験の曲の高音が素敵だしその後の生徒たちのユニゾンが不気味で良い。

奥山さんも同じく大活躍でした。サブプリン・アンサンブルの方たちの実力がしっかり効いている作品だなと思う。社家あや乃ちゃんがかわいくて、好き。

あと初日え?可知さんいる???おらんよね????になって(?????)ってなってたら、そっくりの高橋莉湖さんでした。

に、似てる。

 

原作

原作を、読んだ。

なんかコレだけつまりにつまった内容をうまいこと2時間半にまとめてあるな〜っておもった。脚本力凄い。

原作バレあるから読んでない人は飛ばしてね。


ラストというか読後感が全然違ってビックリ。結構印象がちがう。これ元々小説の原作ファンだった人はミュージカルみてどう思ったんだろう。ギャツビー*7観た時原作ファンの人がバチバチに文句言ってたのを思い出すなどした。

末満さん脚本のequalが韓国でミュージカルになった時も話が結構変わっててなんかequalというよりは「equalを観て受け取った解釈のひとつをミュージカルにした」というような印象を受けてビックリだったことも思い出しました。

もちろん原作とこれは別モノ!って作品はたくさんあるし、うまいこと脚本に仕上げてあるなあと思いました。


視点が変わりながら話が進んでいくので、各キャラクターが考えていること、それぞれの認識にどれほど乖離があるかがどんどん明らかになっていって面白い。読者は全てを知っているのでみんな的外れなことを考えているのがわかるのだけど彼らの中ではどんどんズレが大きくなっていって読み応えがあった。

その中でジェイの一人称視点は出てこないから最期まで彼が何を考えていたのかわからないのが辛いしもどかしかった。

作品ラストが、一番「何も知らない」状態のルミの口から語られて綴じられるのが後味の悪さを増長させているんだろうな………。


一番印象が変わったのはジョーイでした。てかハンター家3人とも思想強すぎて怖い。

ジョーイ・ハンター兄のことをそこまで憎んでたのか……ニースが犯人だってことを知ってるしその前提で演じているのはパンフを読んで分かったんだけど、ニースもジョーイに犯人を知られていることを知ってるんですね。もうほんとに追悼式のシーンどういう顔して見てたらいいかわかんないよ。最初ニースのこと当然のように「兄さん」って呼んでてめっちゃ怖くなってしまったのだけど友人に多分それヒョンだよって教えてもらい、あーなるほどねとなりました。それはそうと兄のように思っていることは変わりないらしい。それに対して「私も本当の弟のように思っている」と返すニースもニースだけれど、ニースの場合対外的に口に出す言葉が本心でないことが多すぎるのでわからないですね。ニースが一番心の内側を晒しているのは他人視点の場面だと泥酔しているか激昂しているかのどちらかのところだけだし……。

ルミちゃんは間違いなく賢いし観察眼に優れているのだけど、プライドの高さや家に対するコンプレックスが視野を狭めてしまっていて読んでいて苦々しくなる。ジョーイの「自分以外はみんなバカだと思ってるのか?」ってセリフが正にその通りだった。手持ちの情報で犯人に迫れるところまではきているのに、ニースが自分に対して理由はわからないけれどおかしな態度をとるところまで気づいているのに、踏み込みきらないのはニースが30年積み上げてきた外面の完璧さを示してて嗚呼………となりました。


ミュージカルの方のマーシャル父子のシーン好きだったのにバズがレオにカメラの使い方教えるシーン舞台オリジナルで泣いてしまった。

バズが一番しっかりと昔を懐かしめていて、ジェイとの間にあったことも10代の頃の幼さとして自認できているところが好きだった。でもこれってバズだけはまともに大人になれたからなんだなって思いました。

息子には向き合ってあげて欲しい。レオの形見おじいちゃんのところにあるの辛すぎる。

 

上記の通り別モノなので、まあバックグラウンドを理解する一助的な位置に原作を置きつつもう一度観劇しました。


原作で凄く印象的なだった描写が「父親から絶え間なく愛が注がれていたために、『神』という存在について考えたことがなかった」「父が神だった」ってところです。それを踏まえると、「神は死んだ」とか「ダーウィン赦しを乞うのだダーウィン跪け」のところ解像度があがるというか、見え方が少し違って見えて面白かった。

あと、「まるでここからいなくなるみたいな言い方だな」のところのダーウィンが何を考えているのかよく分かってなかったのだけど、原作を読むと彼の内心への理解が及び、そんなこと考えてたんかい………と驚きました。

最後、「誰も覚えてはいない」で耳を塞いで泣きながら膝をついている蒼くんダーウィンをみてダーウィンにも父親と同じ「お前は人を殺したんだ」が聞こえて来るようになってしまったんだなー………と思い………つらかった。


先に舞台版を観ているからというのもあると思うけど、舞台版のラストの方が好き。

あとシンプルに翻訳がかなり独特というか、言ってしまうと読みにくいので、読み終わるのがちょっと大変でした。ミュージカル知らずに本屋さんでちょっと気になって手に取ってみたって人はかなり読むの大変だと思う……。

 

お気に入り写真とツイート

後から自分が見返して楽しい記録用。

9歳の染谷さん。

チークついててかわいい。

ジェイだけ寝てなくて、好き。

そんなことしとらんで今すぐにそのカセットを壊せ。

2ショットらしい。そうかな?

大好きマーシャル父子

かわいい三銃士 ずっとこうであれよ

父の日。

ディスプレイ、正気?

 

 

おわり。

 

 

*1:たしか2019年の最後のほうから1年ちょっとの間、末満さんのbioに書いてあったワード

*2:ミュージカル『フランケンシュタイン

*3:ミュージカル『ジャック・ザ・リッパー

*4:マリーゴールド』と『ヴェラキッカ』のこと

*5:『口外無用』(マリゴ)とか『裏腹の水掛け論』(ヴェ)とかが顕著

*6:ミュージカル『天使について 堕落天使編』

*7:ミュージカル『グレート・ギャツビー』 井上芳雄さんが主演の2017年公演版

パラデュールを目指した

 

👇Aチーム観劇後

👇Bチーム観劇後

 

はい。

シンプルに負け試合。

というわけで壱劇屋さん東京支部最新作パラデュールをみてきた。

感想記事というか日記です。

 

今回の会場のすみだパークシアター倉はスカイツリー付近の浅草方面にある、行ったことのない未知の劇場だった。この劇場は全ての最寄駅からほんのり遠い。銀劇に行くときは品川から歩く女なので歩行距離については別にいいのだけど、問題は私が最悪の方向音痴なことだ。さすがに道を覚えている品川銀劇間とは違って初見の劇場だと大迷いする。

1回目の観劇のとき押上から行ったら案の定大迷いして開演ギリギリになり半泣きだった。帰りはもっと迷った。なんでだよ。※観劇後で正常な思考能力が失われているからです

作中のキャラクターは皆パラデュールを目指し、私は必死にすみだパークシアター倉を目指した。作品の追体験だ。

 

今回公演期間が別現場と重なっていたこともありスケジュール組みが難しく、もともとBチームしかみられない予定だった。んだけどどう考えても絶対に両方みたほうがいいタイプのWキャストだし、なにより先に入った友人たちからの評判がよすぎたので無理矢理休日に仕事をいれて別日の時間休をぶん取りAチームに駆け込むことができた。大大大正解行為だ。

思った通り天才のWキャストで両方入って正解だったし、作品の掘り下げ的にも2回観られてよかったし、あと、なにより当初の予定通りBチーム一回のみ観劇だと確実に作品のまともな記憶が飛んでいたので本当にAを捩じ込んでよかった。

 

前提の話をします。

壱劇屋さん、大好き劇団なので一演目一回は基本みるようにしている。森田晋平さん、お顔とお声大好き俳優さん。キャスト発表で声出た。大好きと大好きの共演嬉しい。大喜び。

でもあんな好き要素全部盛りめろめろセットみたいな役とは思わん。

 

そもそもビジュアルの時点で大好きだったんだけど作品終盤普通にずるすぎてずる~~~!!!!て声出るかと思った。

役の立ち位置的にもしかしたら殺陣ないのかな~とまで思ってたりもしたんです……。武力介入は~てなんかいもいってたし……でも殺陣しないとかある……??壱劇屋さんで…………???

ない(日本刀)

敬語インテリメガネスーツ日本刀。大盛りハンバーグオムカツカレー。

ふつうにAチームの淡海くんガストンさんにもめろっていたのでジャケット脱いで日本刀構えたときた、助けて~~~~~~ってなったしBチームのときはあたりまえに助からなかった。マジでこれいきなり森田さんで浴びてたら作品の感想が全部飛ぶところだった。チケット増やして本当によかった。Bガストンさん日本刀振り回す姿ももちろん蹴りを放った後の軌跡?蹴り筋?みたいなのもすごく綺麗で最高でした。今回Aを28ソワレBを29ソワレに観ていて、間の29マチネに脳内クラッシュ演劇「DRAMAtical Murder」フラッシュバックを挟んでいるのでもうめちゃめちゃだった。こっちは一回脳内クラッシュされてるんだ。めちゃめちゃです(知らんがな)。

Aガストンさんはひたすらに神経質な感じがして素敵だったしBガストンさんはちょっとおちゃめなところもありそうで素敵だった。

それはそうと考察の悪魔ってなに?とはずっと思っている。考察の悪魔って、なに?

パートナーのジョスは飛び道具的な動きができるからこっちはこっちで別の意味でずるい。軽薄なチャラ男の土屋ジョスとおおきいいぬの日置ジョス両方可愛かった。

 

作品も当たり前に最高で面白くて定期的に最高エンタメを提供してくれる壱劇屋さん、信頼だな……となった。壱劇屋さんの芝居を観にいけば最高エンタメがみられるっていう信頼。

ほんとうに毎度、王道少年漫画のようなアツくて血が沸騰するような展開を板の上に起こすのがうますぎて唸る。150分とは思えないボリュームの展開、あれだけ個性的な大量のキャラクターを全員魅力的に描きながら全部に見せ場を作って捌き切る手腕、胸を打つセリフ、マンパワーで魅せる殺陣、全部全部最高。開幕前の板付芝居からして最高だった。私は開演前板付芝居が大好き!2回みるとより胸に迫る開幕シーン。

あとWキャストが本当に面白かったです。全部の陣営のパワーバランスが見事に塗り替わるのが楽しくて仕方なかった。そのなかで柱のように一本筋を通すぶんちゃんさんフィルがいるのが尚いい。

個人的に一番印象が違ったのは四賢人。

全員を焦がしてあそこまでさせてしまう説得力にあふれるAフェチリタ。光が強すぎるんだけど、あの光を追わざるを得ない、追ってしまう、そんなAフェチリタがすごく好きだった。あとどういう形であれ背中を追わせる役のたけむさんが好きすぎる。そんなフェチリタなので他の三人も泥臭く大暴れしながら必死にフェチリタを追っている感じがよかった。Aセグメトとヨネネス、好きだな……。御本人たちいわく動物園の方のセグメトとヨネネス。戦闘の指揮権を渡すのところでハイタッチしてたの超好きだった。

Bの四賢人はフェチリタ含めてAよりも理性的にみえたので、もうちょっとどうにかならんかったのか、と思わなくもないのだけどだからこそそれぞれあの道に至ったのかなと思った。ノワールもこばーんさんのノワールに比べると諦観ややるせなさが強く出ていたように思った。こちらは皆を焦がす程強い光という印象は受けず、隣でやさしく光るあかりのような感じだった。消して強い光ではないけれどそこにないといけないというような。だから「失われてはいけないものが消えた」って感じがした。

あとAB共通してヨネネス様のお口が悪いところキャラ造形として好きになる。

セグメトへの「あなたのように人間を捨てていない」も見事な伏線だったなあ。応援でセグメト様が駆けつけたときテンションブチ上がってしまったもの。互いの動向を把握していたからこその立ち回りと連携。15年のアドバンテージ。虚構のアカデミーまで作ってすっかり時間が止まってしまっているノワールに対する15年のアドバンテージ。好きだな。

 

ブランちゃんはBチームをみてより解像度があがった。Bブランちゃんくるくる変わる表情のお芝居や声色の使い分けがとってもうまく、少女であり母である境の演技がすごくよかった。Aブランちゃんのお人形のような前半の演技からパラデュール到着後にどんどん崩れていく不安定さもよかったな……。前半の彼女はまさに着せ替え人形で、記憶には「歩く」と「ノワール」だけがあって、ノワールの「ありがとう」だけは本当だから、といって剣を手に取るのも、フィルにフェチリタの言葉を託して「おかえり」と言って事切れるのもよかった……。

 

オールフィメールのAセグメト軍、あんなん好きにならんほうが無理や。最高の上司のセグメト様、苦労人あすぴ、猫耳娘スクープ。かわいい。造形が天才。将軍やってるセグメト様がかっこよすぎるし、親友で相棒でお互いを尊敬してお互いに寄り添い合っているAあすぴとスクープが大好き。

Bセグメト軍はなんか……なんか、ここにも発生していましたね……狂いの核が……。主にあすぴ周りに……。なんなんだろうあの、Aアスピよりもやっぱり神経質というか、上司がAに比べてめっちゃ怖いので(Bセグメト将軍様はマジでこわい)より苦労人気質が高まるのに加えてスクープとの関係が兄妹のようにみえるからか……。ガストンさんについてはもうめろめろになるのわかってたから腹くくってたけどあすぴにもだいぶめちゃめちゃになったよ。構えてない相手が一番めちゃめちゃになりやすい。

あすぴ好きです。軍属で指揮官の立ち位置なのに優しすぎるところが。スクープ自身がいくら自分の心が弱いことを織り込み済みでもそれを捨て置けないところとか、セグメト様に成り代わって戦闘被害を抑えようとしてるけど余裕がどんどんなくなって口調が崩れていくところとか、パラデュールまで軍を導いた後お酒におぼれて「気持ち悪い……」と潰れてしまうところとか、一見「弱さ」にみえる部分があすぴの美徳で好きだなと思います。夢に出てきたセグメト様の「自分の地位の仕事をしろ」で再び賢人たちに向かっていくのもいい。スクープにサプライズを仕掛け返すあたりは彼女/彼がセグメト軍たる所以なんだなとおもいました。

ところでセグメト様に成り変わるところシーンとして大好きなのはもちろんBのときたけむさん淡海くんの芝居の模倣うますぎて最高になった。

 

コトス⇔ノワールのおかむさん⇔こばーんさんトゥルリバはさ~そーゆーことするんだ!!!ふーん!!!!!という気持ちでいっぱいです。劇団員内の意図的な入れ替わり配役からしか出ない味がある。

 

みなさん本当に本当にそれぞれ魅力的で特に刺さったのがAはセグメト様とヨネネス様、Bはガストンさんとあすぴだったな。

 

千穐楽おめでとうございます。観られてほんとうによかった。

超楽しかったしピカルーンもどっちかというとみたいキャストが片方のチームに寄ってるけどこれみて絶対両方みよ!!!!と思いました。初演再演時はまだ地方在住だったので実は初見のピカルーン。楽しみ。

そして無事に日記を書き終わったので今から人生初のミュージカル刀剣乱舞に行ってきます。どうしてこんなに生き急いでいるのか。

2022年下半期観劇まとめ

Twitterがしぬかもしれないらしい。

22年の下半期は序盤はそこそこ感想を残していたのだけど終盤になるにつれて一切追いつかなくなってきた。結果感想をTwitterのツリーにしか残していない演目が結構あるので消えると困る。

なのでひたすらコピペしておいた。後半は完全にツイートのコピペなので量はない。記録用の記事です。

 

 

7月

7/1

テニプリソニック2022

下半期一発目。これで思いっきりテニス返りを起こし以降ずっとテニプリで頭がいっぱいだし以降の観劇傾向にも盛大な影響を与えているので結構でかかった現場。

シンプルに楽しすぎた。楽しすぎて、この先人生でテニソニより楽しいことあるかなって真剣に心配になる。いまだになる。あるのかな……。

全部全部楽しかったけどやっぱりなんといってもテニミュパートがダントツで楽しかった。今牧くんのリョーマが舞台上に現れた瞬間リョーマが「そこにいる」と思った。今牧くんと一緒に踊ってまったく見劣りしないダンスをみせる先生はいったい何だったんだろうかといまだに思う。今牧くんとらいまくんの50/50からずっと頭の中がどうかしていたと思う。杉本さんとらいまくんが一緒に歌っているとことなんてなんかわからないけど涙が止まらくなったし、りょやくんのチャムポもあんまりにも楽しすぎた。セットに座っただけで悲鳴が起きるのは跡部景吾として出来すぎている。りょやくんの氷のエンペラーで「U-17日本代表としての跡部景吾」ではなくて「氷帝学園部長としての跡部景吾」の姿がみえて泣いたし2番で和樹さんが出てきたときは心臓が止まるかと思った。比喩ではなく。今回お席が信じられないほど良くて、暗転していてもだれが舞台上にいるかわかる場所だった。だからエンペラーのイントロ時点で和樹さんくるかな~と密かに思っていたけど舞台上にいたのがりょやくんだけだったのでだいぶ油断してたところに2番で急に出てきたから手が震えてペンラ持ってられなくなりました。キャスト発表時点で一騎打ちと永遠ももしかしたら聞けるかもしれないとおもってたけど両方叶ったの奇跡だった……。前述の通り私の席からは暗転状態でもシルエットがみえたので、城田くんと和樹さんが板の上にいるのは登場時から既にわかっており、後ろの席の「やるの!? ほんとにやるの!?」という悲鳴じみた声を聞きながらただ死を待つどうぶつになってしまった。あと、テニプリパラダイスで登場した三井くんの観月がまだルド吹公演の幕すらあいていないのに仕上がりがよく仕草、動きがとっても観月だったので私はすごく嬉しかった。観月のこと大好きだから……。

あとこれは終わった後各メディアのお写真をみて気付いたのだけど和樹さん、テニミュパートのところ「だけ」お右目の下にほくろを描いており恐れ入った。

りょやくんの跡部様、最後の挨拶のあと捌ける瞬間までしっかり跡部様で感動したし、そのあと和樹さんと拳を向き合わせている光景があまりに「絵」として良すぎた。

はじめから終わりまでずっとずっと楽しくて、テニプリ一生続いてほしいしテニソニ毎年やってほしい……。

これ以降ほんとにずっとテニスであたまがいっぱいなんだけど、テニスって一回里帰り起こすとミュは4th公演とレボライあるしアニプリの放送もあるし本誌も楽しいしソシャゲもラジオもあって普通に生活の全娯楽をテニスに預けてしまえて怖い。出れない。

 

7/9、9/2、12/7、12/23

アナと雪の女王 

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7月は半年以上前にとっていたチケットでどちらかというと初見の友人を劇場に引っ張っていくのが目的だった。キャストはプリンシパルに関してはきたむー意外はほぼ同じだったので、やっぱり素晴らしいなと思ったけれど大きく印象が変わったわけでもなく。演出変更がはいっていたらしいけど変更に気が付けるほど旧演出をみていないので気になる気にならない以前の話だった。

やっぱり何回みてもアナがハンスに「姉妹だもの!」(だからエルサが私を傷つけるはずがない)って言い切るシーンはしんどいな~……と。ずっと「兄」たちに虐げられていたハンスに対して姉であることを理由にエルサに全幅の信頼を置くアナの存在は理解しがたいしうらやましいし憎らしいんだろうなと思う。この時点でハンスはアナに対して情があったんじゃないのかと思っているんだけど(FHみたいに「結婚してください」が思わず出た言葉であるのなら)アナのこの言葉をきいて完全に自分とは分かり合えない人だと断じたのかなって……思ったりします……。

 

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9月の回はパンフ載ったときからず~~~っとデビュー待ってた志音ちゃんエルサをみに!!!!!前週の前半デビューだったので油断してたら週の後半にも続々新キャストがデビューして結局デビューキャストさんをたくさんみることになった回でした。期待通り、いや、期待以上に素晴らしいエルサで、幕間で大泣きすることになった。芯のある強い歌声とは裏腹に精神的には3人のなかでもっとも不安定なエルサに思えた。力を恐れる表情の合間、アナに向ける優しく柔らかく愛しさがあふれる視線をみていると泣きそうになる。

大家くんのハンスはとても新鮮。「見た目が王子らしい」を地で行くハンスで、とっても背が高く、かっこいいのだけどちょこちょこよくわからない男だななどと思い。アルプを読み、彼のハンスがよりわからなくなった。MVPはYアナの柴原紗良ちゃん。

 

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12月7日。母がはるばるALDをみに来る日。以前キャッツで遠征したときに遠征先についてから当日中止を食らっている母なのでリスクヘッジでアナ雪をとっていた。無事にALDの幕があいたので自分で入った。

三井エルサでひたすらになき、アンサンブルにいる阿久津さんのわかりやすさに笑った。お芝居の情感でいうと、三井ちゃんのエルサが一番好みだ。あと「少しも寒く」の振りで三つ編みを横に流して不敵に笑う姿がとてもとても美しく素敵だった。終演後アグラバーから帰った母(キャッツの初演パンフをもっていたり野村さんの小夜子の話をしきりにする古の四季好きだけれど最近はさっぱり)が「ジーニーの人は日比谷フェスの動画で歌っていた人だった」と言ってて「そんなわけがないだろ」と返した。

花音ちゃんYエルサのお芝居で泣いちゃったよ〜……。2人から少しずつの後の事故のところのお顔が、すごい痛ましくて。
三井さんのエルサ、細かく細かくエルサの考えてることを伝えてくれるからすごく寄り添って見れる。危険な夢の後、ちょっと勇気を出してアナに話しかけに行くところの表情好きだった。アレンデールを凍らせてしまった後とアナを凍らせてしまった後のエルサの表情がしんどい。すごくこちらの胸が詰まる顔をしていて泣く。映画版と違ってエルサも本当はアナと一緒にいたいって思ってるのがはっきり示されているのがミュ版の素敵なところだなって思う。「あったかいハグが好き」なのは2人ともだもんね、、、だからあなたを失いたくないのラストでアナがエルサにハグをするのが凄く好き。泣く。

大家くんデビュー当時よりもよりはっきりと「豹変」するハンスを演じるようになっているように思う。ハンスとアナの「なぜ彼女を信頼できるんだ」「私の姉だから!」ってやりとりが結構キーかなと(勝手に)思ってて。裏切るシーンでハンスは「嘘なんだ」っていうけどアナへの告白、別に全くの嘘ってわけではないんだよね大家くん的には………それを思うとあそこでアナが「私が間違ってた」っていうことで彼女の言葉が欺瞞だとわかるのがある種のトリガーになるのかな。アルプ読んで余計クエスチョンが増えた大家くんハンス………彼の中ではどのタイミングで裏切ることを決めたんだろう。あとハイトーンが以前より声が出るようになってた 扉開けてのダンスはもう少し安定が欲しいかも、、、。しかし本当に「見た目が王子らしい」を地でいくよね……笑った顔がおっきいわんちゃんみたいで可愛くてかっこいい。後背がおっきい。隣のお客さんも「かっこいい」「もっと近くでお顔見たい」って言っててニコニコした。

阿久津さんのアグナルも初見なんだけど厳格で結構怖い感じなんだね。アンサンブルに混ざって以降はなんかもう目立つどころじゃなくて出てきたら一瞬でわかるから面白くなっちゃった ヒュッゲ阿久津さんしか見れんかった笑笑夏がきたらで一緒に踊っちゃうクリストフとフラダンスするアナかわいすぎた。

 

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12月23日。どうしても年内にプリンシパルを制覇したくて観れてなかった塚田さんハンスとみよちゃんのアナをみに。

ヤング姉妹が両方好きな子でとてもうれしかった。岩瀬花音ちゃんなんやかんや今年3回見てるんだけど高い音が綺麗なのとあとアナに魔法を当てちゃった後の表情と演技が大好き。胸が詰まるし涙出てくる。19年リトコゼだったって友人に教えてもらった。柴原紗良ちゃんのYアナやっぱり飛び抜けてうまい。セリフ運びが自然すぎるし雪だ!雪だ!の後にイェーイ!って入ってて、そのあとみよちゃんになってからも戴冠式だ!!イェーイ!!って「そのまま大きくなったアナ」だってわかるのが良い。みよちゃんのアナ声が高くてちっちゃくてかわいい!!!大家くんのハンスと並んだら身長差凄そう。妹‼️て感じ。お芝居はりほちゃんエルサが1番好き。危険な夢のゆめ〜手伸ばすところ期待と諦めと悲しさが混ざった音がすごく素敵。あとやっぱり「少しも寒く」の表情は最高。 

ハンスは塚田さんが一番好き!!扉開けてのところのアナを前にしてだいぶ固まってるところとかよかったし「共に行こう」のハイトーンもしっかり出てたし。ノースマウンテンに行く男たちを率いていくところだとしっかりしてるのにアナの前だとおどおどしてるところも裏切った時にアナの頬に手を当てたまま「ああアナ」っていうのも目がギラギラするのも最後のどうしようもなさも……なんか全体的にどうしようもないハンスでよかった……。大好き……。

 

7/13

眠れない羊 

今年二度目のDisGOONiesレストラン公演。今回はほさかさん演出。

前回から一ヶ月開けてまた来ることになるとは思ってませんでした。てか前回チルモラチームDの初日終わって店でたら解禁されてたんだよな。公演時間中に情報解禁すな。でもちゃんと一ヶ月以上前に告知できて偉いです。外部の演出家さんだからでしょうか。

お弁当は今回が一番アタリでした。デザートがマカロンで嬉しかった。

執事たちがかつての主人の一周忌に集まって、生前の主人を振り返るという話。ぶっちぎりで演技が良かったのが前田隆太朗くん。芝居の組み立てがうまく、最初嫌なヤツとしか思わなかったのに最後にはしっかり視線を持っていかれていた。銀河くんもよかった。「無視されるよりまし」のシーンは胸が詰まった。最後は  さんがもっていっていた印象……。

話の内容的に、故人の生をどうこう解釈するのはあまり好かなかったんだけど、ほさかさんがその受け取り方でいい、といったことをおっしゃっていたので安心しました。

銀河くん以外お衣装が全員執事服だったのはとても眼福でよかった。

コンセプト的にもレストラン公演でやるのは正解だったと思うんだけど、いつものレストラン公演よりもかなり見えないところが多く、やっぱり自分の箱の使い方はある程度心得てるよな西田大輔氏……とあたりまえのことを思いました。15000円払って視界を諦めるのは辛い。

 

7/17

ハリー・ポッターと呪いの子 

 

7/31

ETERNAL Ⅱ-荒野に燃ゆる正義- 

 

8月

8/6

漆黒天 

久しぶりの末満さん演目。とはいえ今年末満さんのオリジナル新作演目は既に三本目なので例年に比べたら観れてる方ですね。

脚本についていえば、正直めちゃめちゃ読みやすくわかりやすい脚本だったというのが感想。映画の方は全体の半分をみたあたりでラストまで全部予想がついてしまう内容であり、そのまますっかりその通りに進んだので末満さん!!!!となりました。おそらく舞台の方でひっくり返してくるのかな~と思ってたけど結構ストレートに予想通りでした。わたしは結構この手の末満さんの舞台で「裏切ってほしい」って思ってしまうようで、その点に限定すると少し残念だった。触れ込みもなんかそんな感じだったしね。ただもうかなり長いこと末満さんの作品に触れてきているからはじめてTRUMPやequalを観たときのような頭をがぁんと殴られるような衝撃にあうことは少ないのかもしれない。それよりも最近は末満さんの描く人間模様とかストーリーに深くずぶずぶとのめりこむことが多いし、それもまた楽しいよな……と思います。今回もそうで、観終わったあと「かだくらちかの欺瞞~~!!!!!!」と叫ぶ羽目になった。お前はいつもそうだ。自分が「陽之助」だと断じて自分の信じたいものを信じたまま事切れたので最終的には彼は幸せだったのではないかと思います。

あと音響、照明、アンサンブルの使い方その他いろんなポイントで繭月を思い出す演出が非常に多く、サンシャイン劇場でこれをみたことにより与ダメが増える現象が起きました。しかも主演荒木さんだし。

この演目についてはこの日行くかどうかかなりギリギリまで迷って行ったのだけど行っておいてよかった……自分のスケジュール的にこの日に行けていなかったら以降チャンスなかった。コロナ以降公演が綱渡りすぎるよ。

 

8/17

憫笑姫

 

8/18

人間になりたがった猫 

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懐かしのファミミュシリーズ。最後に観たのは小学生のときです。楽曲は「すてきな友達」は歌えるくらい覚えてたけど他の曲はあんまり、という感じで(これに限らずファミミュで歌った曲はどれだけ前に観た演目でも覚えてるからすごい)ストーリーの記憶は本当に朧げという状態。でも不思議なことに観てるとこのシーン知ってる!!!って感じで思い出していくのですごく不思議な感覚でした。これもファミミュみるたびに言ってる気がする。ライオネルが手品師のいかさまを見破るところとか観てるうちに記憶が戻ってきて面白かった。今見るとスワガードはだいぶ酷いことをやっていて、これファミミュじゃなかったら村のみんなにすんなり許されて終わりってことはないだろうなと思ったりしました。あとタドベリさんが人間としてできすぎている。ライオネルが人間になって最初に出会ったのがタドベリさんでよかったよ。タドベリさんは人ができすぎてて逆に怖い。人生二週目の人……?

森田くんのライオネルもめちゃめちゃみたかったんだけどタイミングあわなかった残念。森田君、ライオネルにキャスティングされたあとにマンゴデビューしてるのよね……縁……。あとやっぱりファミミュといえばみんなで歌うところだからはやく歌えるようになってほしいね……。

四季のミュージカルってやっぱり人生賛歌が軸にあるのでメッセージが強くてメンタル沈んでるときに聞くと結構逆効果だったりするんだけどそれが自分のメンタル指標になるよな……。ファミミュは特に「人生はすばらしい、生きるに値する」をまっすぐ歌うから……。出勤準備のときに気分ひとつでを流しながら泣いてることがあるけど気分ひとつで聴いて泣いてるなら休んだほうがいい。でもやっぱりとか歌詞が強くて大好きだな~~と思う。気分ひとつでとかあとユタの信じてみようとかふとしたときにちょっと背中を押してくれる歌詞をファミミュがくれてるんだな~~~って思う。対象年齢のときにファミミュいろいろみれてたのはありがたかったなほんとに。

 

9月

9/10

ミュージカル『Dear my パパ』

プリンシパルが全員知ってる人間かつテニミュ俳優ばかりで脚本演出もモロだったのでテニスで頭がぱっぱらぱーになっていた私はテニミュじゃん!と叫んで行った。テニミュじゃなかった(あたりまえ)。三ツ矢先生の才能で生まれる歌詞ってテニスと相性いいんだよなほんとにということを改めて感じる機会になった。

脚本とか展開は悪くなかったんだけど土台の法律とか親権とかその辺でひっかかってしまうところが多くてどうにものめりこめなかったな~……。いっそ舞台を現代日本じゃないところに設定してくれたほうが集中できたと思う……。展開のすべてが「感情」で進むので登場人物に寄り添えるかどうかがかなり肝。私は寄り添いきれなかった。楽曲は神永くんがトイレ我慢してる歌がめちゃめちゃ好きでした。あんなんずるい。

あとケンケンのお芝居が好きだったな。役柄としては柔らかい役だったけどすごく熱いな~って思った。たまたま大千秋楽をみたので、カテコをきいてああなるほどねとなりました。最年長ふたりがぼろぼろに泣いているカテコも珍しい。「パパ」には刺さるところがある本なんだろうね。

一緒に行った人がさなちゃんのおたくだったので「あそこ(さなちゃんとか神永くんがみる悪夢のシーン)ダンシングナマハゲボーイみたいでしたよね」という超ピンポイントのにしか伝わらない感想を共有できたのがよかった。

 

9/11

舞台「鬼滅の刃」其ノ参 無限夢列車

開幕二日目のソワレの回に入りました。キャスト発表の時点では大騒ぎしたもののスケジュールとお財布がやばかったのでいくつもりなかったんだけど気づいたらTDCにいた。前日に、キメステ今回が初めてでこれまでの作品はまだ触れてない内藤さんのファンに「絶対いいですよ! 多分他の出演者全員VS内藤さん、陣くんで歌バトルするとこありますよ!!」ってしゃべってたら自分もみたくなってしまい当日のお昼くらいにチケットを取って行った。布教とかじゃなくて完全に自爆なの間抜けすぎる。残酷謡の鬼舞辻パートが好きすぎて、あそこ内藤さんできけるんじゃない……? と思っちゃった時点で負けでした。なんでもともとチケット取ってなかったの?って思うくらいには行ってよかった。

内藤さん、「勝って」た。第一声で勝ちを確信した。オープニングの残酷謡、内藤さんのソロで始まるの良すぎる。ききたかったものをド頭でぶちこまれたので私はもうその時点で優勝してしまいました。チケ代そこでとれた。第一声で内藤さんの歌がばかみたいにうまいのがわかってとてもよい。しかもここのメロディがフェイク入ってて、それがもうほんとに最高だった。こことか「ねんねんころり」の曲とか、既存の曲のメロディをその通りに歌わないのが魘夢らしくて好き。キャスティングされた時点で魘夢に(というか内藤さんに)得意の気持ち悪いメロディの馬鹿難しい曲をふってくれ~~~!!!と思っていたのでたくさんきけて満足です。ありがとう和田さん。今回、魘夢が魘夢であるゆえに内藤さんの振られてた曲が完全に「説明」に全振りした曲ばかりで、内藤さんの真骨頂は芝居歌のほうなのでそこはちょっともったいないと思ったりしつつもまあ魘夢だしね。あとテニミュとか見てても思うけどこの手のバトルものって結局歌がうまければうまいほど強くみえるのでその点で内藤さんが懕夢なのとってもいいな~と思った。しっかり「無限列車編のボス」として描かれていて、その説得力があるのがいい。無限列車は映画だけみててアニメ版だとみてないんだけど映画はなんかちょっと前座みたいだったなと思っていて。それがちゃんとこの作品のボスは魘夢だよ~~ってしてくれてるのがよかった。魘夢の最期の大反省会のところの声はかわいくって好きだった……。私は内藤さんの出演作をそんなにたくさんみているわけじゃないんだけど、だいぶ内藤さんなのにちゃんと魘夢になってるのが凄いな~って思いました。

煉獄家も三人とも芝居がよくて……。ぴろしはも~~……流石だね……。ぴろしのお陰でミュオタの私はだいぶ満足させてもらいました。芝居歌がききたい!!!せっかくそれが上手い人がいるのに!!!!って方向で溜まってたフラストレーションを全部浄化してくれた。最期の歌がほんとによかった。煉獄さん……。細見さんはきちんと観客がよりそえるお芝居をしてくれているな~と思った。憎まれるところはしっかり憎まれ役をしているけれども煉獄パパなりに葛藤があるのを短い出番でしっかりみせてくれていて、出番のシーンでは自然と目がいった。きょんくんもお芝居が上手だな~としみじみ思いました。スペクターぶりだけどみられてとても嬉しかったキャストさんです。

ほかの楽曲だと炭治郎が夢の中で家族たちに向けて「ごめん、ごめん」って歌ってた曲がよかった。

あと、演目の組み立てとか演出でいいなと思ったところもたくさん。無限列車のなかで煉獄さん、善逸、伊之助がみている夢をメドレー仕立てにしてあるところとかうまいなっておもった。あそこたしかに歌との相性めっちゃいいよね。炭治郎の「光る小人」も綺麗だった。白い人形にピンポイントで白照明あててるんだよね。ほんとうに光ってるようにみえた。

あとはやっぱり猗窩座戦の演出が、みんな言ってるけれどあそこはもうあそこだけで無限列車編を演劇の形で観られてよかったと思えるくらいによかった。直前まであれだけ映像や音楽をこれでもかってくらいに使って描いたあとに無音で魅せるのがうますぎる。凄いものをみているって思った場面だった。役者の気迫で魅せるシーンにきれいに惹き込まれたし、それをやれるだけの力量がある陣くんとぴろしも凄いなあと思い……。煉獄さんが亡くなったあとに煉獄さんのほうにだけ照明があたらなくなるのも好きだ……。あと陣くんはとんでもない動きをするので「これは鬼だな……」と思ってみてた。動きが人間の動きじゃない。

壱のときの矢印鬼戦をみたときも思ったけどたくさん映像を使っている舞台のなかでこういう演出をみると演劇の矜持を感じて感動する……。

 

9/25

賊義賊

 

9/28

ミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター〜北斗の拳〜』 

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去年の私へ。最悪支払いはどうにかなるから1回でいいのでアタタミュを観に行け。

初演にいかなかったことを心底後悔しました。だって21年付で上川さんが四季を退団されて、退団後初舞台がアタタミュになるなんて夢にも思わないじゃん……。和樹さんと上川さんが同じ演目に出る未来が来るとは本当に思ってもみなかった。しかも再演は和樹さんいないし……。小西トキみてたら和樹トキ超みたくなったし。みとくべきだったよなあ。

というわけで上川ジュウザの回に行った。初演はみれていないので変更点等はわからないのですが開幕から楽しくて楽しくて。オープニング聴いてるとき頭からアドレナリンドバドバ出てるのを感じた。

心の叫びが好きすぎる……。ケンシロウのアングリーダンス(アングリーダンスではない)も観ていて鳥肌がたつほど素晴らしい演出で……。あと北斗の拳については前知識を全く淹れずに行ったので、結構「このセリフって北斗の拳のセリフだったんだ!?」ってところが何箇所もありました。

上川さんのジュウザはWが伊礼さんじゃなくて理生さんだったらまた違った作りになっていただろうなあと思ったりもした。アフト、みいしゃちゃんにヴィーナスのとき稽古始めは緊張して全然目を合わせてくれなかったって言われていて、あなたタガーだったじゃない!?!?と思いました。人間と猫だと勝手が違うんだろうか。

 

10月

10/6-10/9

ミュージカル『新テニスの王子様』Revolution Live 2022

おかしくなっちゃった。めちゃめちゃ楽しかったし、感想がすべて楽しかったに集約されるのでそれがすべてです。楽しすぎて当初の予定から大幅にチケットが増え、その熱を切らしたくなかったかのように財布の紐が緩みはじめる。第4四半期チケットも軽率に増えはじめる。どうして?

 

10/13

ジャージー・ボーイズ 

BLACKチーム観劇。とんちゃんのボブ・ゴーディオがみれてよかった。以前みたWHITEチームとはかなり印象が変わり、藤岡さんのトミーが小悪党ではっきり「嫌な奴」だった。がうちさんのトミーはなんだかかわいそうだったので。

相変わらずコミュニケーション最悪人間たちだなと思った。フランキーとボブはそれはみんなにいいなよってことを二人だけの話にしてそれは二人だけの話にしときなよってことをみんなに話すね。

 

10/15

キンキーブーツ 

みれてよかった。良すぎてびっくりするくらい、信じられないくらいに良い。しろたんのローラをみれてほんとうによかったし楽しかった。幕が開いた瞬間に感動で泣いたし、最後の方とかぼろぼろなけてきちゃった。

観劇を趣味にしてそれなりに経つけれど、結局人生讃歌の物語を愛しているとひしひし思います。

 

10/23

心踏音 

 

10/25

あんさんぶるスターズ!THE STAGE』-Witness of Miracle-

そもそも行く予定はなかったのだけど、京都公演に行けることに気がついてしまってからだめだった。そもそもこれの前編にあたる話はみているのに後編だけ観ないのはどうなんだろう、あんスタで一番好きなキャラは茨なのに?とかいろいろ考えていたら京都にいました。演出の七種茨観がきになる。

芝居全体としてはまあなんだか休演日あけだなという雰囲気がある舞台で何度か舞台上の空気がふんわりした時間があったのだけど京都まで飛んでよかったと思う舞台だった。あんステは演出が変わってからなかなかうまく馴染めないでいたのが今回はようやく腑に落ちたような感じがした。一幕の最後の終わり方がお気に入り。それから、こちらに頭を下げるスバルに向かって拍手ができたのは嬉しかった。

 

10/30

オポルトシュタット 

演目発表時から気になっていた作品。とにかく駆け込もうとなった決め手は脚本家でした。密度が高かった。最初公演時間と休憩なしにびびってたけどこれは休憩なしで腰をすえてみるのがいいのかもしれない。

作中何度もこれまで観たミュージカルが過るシーンがあった。最初のエジプト記のあたりはジョセフ(これはやや事故)、うつくしい「世紀末ウィーン 」の場面ではフランツが守った治世を感じながらも、それでもこの時代にもHass!があったのだと想起する。

田中亨くん、劇場で拝見するのはなんだかんだ繭月ぶりだった。あの壮大な話が最後は3人の会話で収束されていくのだけど、役としての情緒や感情が全く安定しない役を危なげなく安定して演じきっていたとおるちゃん凄い上手かった。
ラストシーンが好きだった。ラストシーンの絵としてのうつくしさと、隣で言葉で語られる彼らの最期 長い上演時間の最後があのシーンであること 幕引きが美しい反面あのシーンがストッパードの実体験に基づくものであると知ると台詞が更に胸に迫る。

 

11月

 11/5

まほろばかなた

1年に1度位はこれくらいものすごく濃く煮出しされた西田をグイっとやっておいたほうが良い。

正直、「音楽劇である意味」はあまり見いだせなかったのだけれど、間に音楽が挟まることでテンポがよくなっていたのは事実。あとそれなりに歌えるキャストが揃っていたので、なくてもいいけど、いらんやろ!とはならないいい塩梅だった。なんだかんだ西田さんのところの松田凌くんが一番好きだ。

 

11/10

宙組公演 『HiGH&LOW -THE PREQUEL-』/『Capricciosa!!』

話題作。完全にご縁を頂いての観劇。

ハイローはふんわりしか知らないけど5チーム揃った時めちゃめちゃぶち上がって楽しい。あと程よくトンチキだったのでテニモンは楽しかったです。クラブヘヴンがだいぶロミジュリでハイローの世界に突然ティボルト邸生えたの大分面白くてウケてしまった。ステオリの孔雀が死ぬほど統率取れてないし作戦が杜撰もいいとこでポンコツ悪役大好きなので愛した。あと美少年くん(名前教えてもらってめっちゃ笑った)最初に侍ってた時以降全然絡まないから最初のアレは、なに???となってました。

カプリチョーザのカーニバルみたいなシーンがすごく凄く好きで……あそこの演出舞台を観てるときの私だ……!と思ったから………あれって本当に潤花さんの役の子が舞台上に躍り出てゆりかさんの役と踊っている訳ではないと思っていて、舞台に魅せられてゆりかさんの役に惹かれて恋をしたのをああして表現しているのかな〜って思って、隣で潤花ちゃんの役がゆりかさんの役に恋をしたのをキキさんの役の人もわかったからああいうダンスになるのかな〜と思った。最後ゆりかさんの方を振り返りながらキキさんと腕を組んではけていく潤花さんは劇場を後にするときの自分だ〜ってなって、、、
舞台を観ているとき観客の魂は役者と一緒に物語を辿っているから……劇場は夢を創り出し人生を映し出す大きな鏡だから………(夢醒めへのBIG感情)。

 

 11/15

The Party in PARCO

和樹さんがいる回でどっかいかなきゃと思っていたので和樹さん、理生くん、松下さんの三人の回を観にいきました。本当は禅さんと和樹さんが揃ってる回もいきたかった……。でもこの回に行って大正解だった。理生さんと和樹さんが二人で1789からパレロワイヤルを歌ってくれて涙がでてきた。私の魂をバスティーユ・デイの博多座に帰してくれた理生さんには感謝しかない。りおくんの口から「ロナン」って単語が出て、和樹さんがそれに「ダントン」って返したので、心臓が止まるかと思いました。パート分けの関係で和樹シャルロットが爆誕していて可愛かったです。

ポン on Twitter: "これをやりました これだった 死んだ バスティーユデイだった今日" / Twitter

ゆうみちゃんは芝居歌うっっまいね 知ってたけどほんとにうまい。東京漂流、私のままじゃだめですか?で泣いてしまった 凄く良かった。
あとトークコーナーでは和樹さんがただのオタクと化していました。早口でドラゴンボールについて語り始めたのでめっちゃ笑ってしまった。ほんとに笑った。ゆうみちゃんの「ドラゴンボールって……なんですか?」にざわつく会場もよかった。

 

 

11/19

エリザベート

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1シーズンで1度は観ておきたい演目。

花總さんのシシィにシシィと共に歩いてきた人生を感じる。私だけにの間奏の、せりあがってくる双頭の鷲に縋り付くような芝居が好き。

ルキーニに注目して観たのがはじめてだった。改めてエリザベートは結局のところルキーニが語る物語なのかもしれないなどと思った。

 

11/23

戰御使 

 

11/26

アラジン

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ジニアルジャス全員初見だったから実質初見。

がんちゃんもかどたちゃんも芝居がうまい。がんちゃんアル「自由になれる」って言いながらそれをだいぶ諦めている感じがあってウァーてなる、、、ジーニーに「無理だよね」って言った後の乾いた笑いもしんどかった。FLMの勝手にタップダンスさせられてる時のアラジンの顔が大好きだし、終わった後「おかえり僕の足」って動きしてるアルかわいかった~。がんちゃんアル、沼なんだろうなという雰囲気をセリフの端々から感じて危なかったです。いちわさんの顔が好きすぎるので無事だけどこのアルが初見だったら危なかった。今日のアラジャスの芝居のバランスが好きなアラジャスでした。AMMAの前のやりとりも良かったしAHNW前のそこの繰り返しも好きで………。がんちゃんの「僕を信じて」が良すぎる。

門田ジャスミンかなりお転婆で元気いっぱいでかわいい〜〜〜〜〜〜〜!!!声がハキハキした強さで新鮮。ちっちゃい頃城の中走り回って大冒険してサルタンの寿命縮めてたタイプとみました。はぎーさん前回カシームでみてるからジーニーやってるの2倍面白くなっちゃう。まさかラップ聞けるとは思ってなかった。

オマールがとーってもかわいい〜🥺みたいな顔してる。一和さんの時はアルが末っ子なのかなって思うけど今日のバランスだとオマールが末っ子。

ジャファーは自分の杖と会話しているのが可愛かったです。

 

12月

12/22、26

荒人神

 

12/27

禁猟区

観劇納めでした!相変わらずとんでもない物量。あんなにぶっ飛んでるのにエモの瞬間が絶対訪れるのが不思議。最後の方怪異VS怪異になったとき最悪のテンションの上がり方をして最高だった。ご縁あって最前で浴びることができたのだけどあの言葉のシャワーと照明の数々をすっかり「浴びたな……」という気持ちになりました。

板の上で聴く牧田さんのお声が相変わらず大好きだな〜と思い あてがき風味を感じたので牧田さんの配役を噛み締め。あと齋藤明里ちゃんほんとにかわいくて今回もめろだったな。あのお衣装とハーフツインめちゃ似合ってるし、あとあの声質保ちながらバリバリ声張れるの超かっこいい。一升瓶ラッパしてたのわろたしラスト付近の乾杯のシーンの瓶の持ち方がコンカフェ嬢の解像度高くてウケた。話進むごとにみとちゃん結構歳いってるんだろうなと思って聴いてたらまさかの……お前のようなババアがいるか。永田紗茅さんあの小さな身体から物凄いパワフルなお芝居が飛び出してとんでもないしセンターに立つ貫禄が凄まじかった。獣のような女、、、。今回もまた加藤ひろたかさんの所作にうっとり チャラいのに指先に至るまで体の使い方が美しくて目を惹かれる。
あと新人の劇団員さんたち‼︎しっかり喰らい付いてて素晴らしかった。壱劇屋さんで追っかけ続けた4ヶ月台詞喋ってない浦ちゃんのことが勝手に心配になった。ほんとに勝手に。余計なお世話ですね。

中屋敷さんがカバーで入っている回で、書いた本人とはいえあの物量のセリフを叩き込んで板の上に立っているのは凄まじい。

 

〜その他(配信)〜

・ミュージカルテニスの王子様4thシーズン 青学 vs 聖ルドルフ・山吹

・舞台『呪術廻戦』

・ミュージカル『ダディ・ロング・レッグス』

 

〜中止公演を供養するコーナー〜

・「Dr.STONE」THE STAGE~SCIENCE WORLD~

・CATS

・人間になりたがった猫

・ミュージカルテニスの王子様4thシーズン 青学 vs 聖ルドルフ・山吹

 

というわけで、以上34公演27演目でした(除配信)。

上半期と合わせると通年で53公演43演目。
思ったより少なかった。4〜6月死んでたのと下半期にそこそこ中止くらったのが理由かな……。

2021年は63公演32演目だったから「いろんな公演をちょっとずつ観る」っていう2022年の観劇方針はブレずにいけました!後半やや複ステしたけどまあヨシ!

今年(2023年)は4月現在で20本ちょいみていてペースがおかしいなと思う今日この頃です。

五彩の神楽2022感想まとめ

壱劇屋さんの五カ月連続上演、五彩の神楽の感想を纏めていくための記事です。

東京で五彩再演があるってきまったときに大阪で既に五彩を観ているフォロワーさんたちが口々に「四ヶ月観た後の五ヶ月目がやばい」という話をするので五ヶ月通ってみようと思います。

そして観劇当時の新鮮な感想を失いたくないのでここに記録していこうかと思い……なにせ五ヶ月もある。最後に一気に読み返したいから同じ記事にどんどん文章足していくスタイルでいきます!

どんな観劇体験になるのかいまから楽しみ~~~!!!

 

 

8月 憫笑姫

※上演台本は一旦読まずに自分の感想を書いてるので的外れなこと言ってるかもしれませんがご容赦ください

 

情報解禁のときに牧田さんがいらして嬉しくて嬉しくて大騒ぎしました。まっきーさん、そのうち壱劇屋さんに出演してくださらないかしらと思っていたのでほんとに嬉しかった~!!! 観たいと思っていた劇団さんに好きな役者さんが出演してくださる幸せ。

 

今回、結構話がつらくて全体を通して結構ずっと泣いてた。

故郷で穏やかに暮らしていた少女が突然城に連れてこられて剣を持たされて、初めは戦場に立つのにも怯えて当然人を斬ることなんてできなかったのに、だんだん進んで進軍するようになり人斬りも躊躇わなくなっていく様子がみていて苦しかった。あとなによりもそんな少女たちが「消費されている」のだという事実が一番しんどかったのかもしれない。

最初、国王がミラを連れてきたのはジャンヌ・ダルク的存在を作るためだと思った。軍の士気や戦力向上の為に、少女が率いる隊をつくって戦場の象徴・偶像として扱おうとしているのだと思ってた。あくまで国益のために生贄にしようとしてるのかな……と思ってたんだけど、もっと酷かった。単純に自分たちが楽しむために少女達を戦場に送り出して勝って帰ってこられたら戯れに褒美を与えて、貴族たちはその様子を娯楽として消費する。最悪だよ……。娯楽のための人形と考えるなら、彼女たちを「偶像」だと感じたのはひとつ正解なのかもしれない。エラとミラだけじゃなくて女官三人もどこかの田舎から何も知らないまま連れてこられた平民の子なのかな……。彼女たち三人だけのシーンでもアクションモブの人たちのなかに鼻つまんでた人いたし……。

次第に戦場に出る覚悟もついて、ただのお飾りで終わらない為に強くなっていく少女たちは美しかったしかっこよかったけど、その選択肢を取らなくてはならない状況は決して認められて良いものではないよ……。はじめ人を斬れずに首を左右に振っていたミラが、はじめてエラのために人を刺した瞬間のエラや女官三人の顔が忘れられない。その時は信じがたいものを見る目をしていた彼女たちもまた力をつけて躊躇いなく戦場を駆けるようになっていくのが、なかなかの地獄の連鎖のようにみえた。彼女たちの部隊が強くなることは結局貴族たちの娯楽性を高めているだけなんじゃないかとか思ってしまって……。彼女達が強さを得て戦場で通用するようになって以降、興醒めしたような反応を見せる貴族達への嫌悪が酷い。彼女たちが活躍をはじめたから、側近を使ってミラの顔に酷い傷を負わせたところも許しがたい。結局惨めにボロボロになって帰ってくるところを嘲笑いたかっただけなんだろう。

 

完全に「寄せ集め」だった女官たちとの関係が出来上がっていく様子とか、あと姉妹の不健全な関係が不健全なりに戦のなかで再び組みあがっていく様子とかは、言葉がないのに凄く胸に響いてきた。戦が終わった後の報告の場にエラを連れて行かないところとか。隊全体から一番末の子として守られているんだなというのを感じたし、エラを守っていたことが最後の反乱の切欠になるのも面白い。エラが、ミラが顔を斬られた後に初めて王の間に立ち入って、そこで自分たちがどういう扱いを受けていたのか知って、王を殴ってみせる流れがよかった。

最後のクーデターのパートでようやく少し辛さが軽減されたように思う。ミラが一時的にPTSDに陥っているシーンは結局彼女たちが望んで剣を握っているわけではないことを再認識させられて物凄く苦しさがぶり返したけど、ミラの周りにはエラも女官たちも騎士団長もいたし、彼女たちを利用していた人間に一矢報いていたのに胸が熱くなった。そのミラが「英雄」になって新しい「王」になっている姿にはやはりどうしても複雑な気持ちにならざるを得ないのだけど。なんだろう、まっすぐなハッピーエンドではないよね。結局彼女たちは前王を殺して新しく王座に就いた統治者だし、民衆からの過度の英雄視にも危ういものを感じた。

 

とまあストーリーは全体的にかなりしんどさを感じるものではあったんだけど、それ以上に圧倒的マンパワーの熱量、殺陣、演出で殴られるので観劇後の感情としては最高に楽しかったし、超元気が出たになるから本当に不思議。ストーリー以上に公演事体の持つ熱量に圧倒されるんだろうな。絶対に壱劇屋さん観てる時からしか得られないアドレナリンがある。

殺陣が今回ももう見応え抜群で、主演の西分さんは最初の方のただ振り回しているだけの殺陣からどんどん覚醒していく様が見事だったし、最後に王に引導を渡す場面のスライディング殺陣なんかテンションぶちあがってしまった。そうそう、これこれこれ!!!ってなった。

女官三人の殺陣の個性の出し方も素晴らしい。ビアンカの女性らしさあるちょっとセクシーな殺陣、プッコの男勝りで力強い殺陣、アメリアの少女らしさ、怯えが残っているからこそ迫力のある殺陣と全部違うからあれだけ殺陣が詰め込まれているのに観ていて全く飽きない。凄い。ちなみに推しはビアンカお姉さまです。お顔もお衣装の雰囲気も表情のお芝居も全部好き。チェキ買った。

あと今回はなんといってもたけむさん。もうね、一騎当千の騎士団長で超かっこよかった。登場するたびにヒーローが来た!!!って感じでテンションがあがる。それから戦闘用の殺陣と少女たちに稽古をつけるときの殺陣の使い分けもよかった。西分さんもTwitterでおっしゃっていたけど、これまでみたたけむさんのなかで一番のびのび殺陣をされているように思えた。ミラとのあいだに言葉で表現しがたい絆が育まれている様子が好きだった。

 

まっきーさん演じる国王は、狭量だな……と思うところが多々。勝手につれてきて勝手に戦場に放りだした少女が強くなりすぎたなと思ったら顔に傷をつけさせるし、殴られたら速攻斬り捨てにかかるし。終始この野郎……と思っていた。というかあの騎士団長が苦戦するくらい強いんだったらテメーで戦場に出ろやという気持ち。それなのにガワがまっきーさんなので全く嫌いになりきれずかっこいい……という感情が湧いてしまうのが悔しい。だってガワがまっきーさんなんだもん。悔しい……。序盤の無表情で何を考えてるのかわからない王の姿から終盤になるにつれて徐々に狂気が滲んでくるのがおそろしかった。

それであの……側近の熊倉さんなんですけどあの……優勝…………。そもそもビジュアル好きすぎて出てきた瞬間頭抱えてた(もちろん心の中でね)。そんでさ、殺陣が、強すぎるよ~~~。速いよ~~~。VSたけむさんのとことか目が追い付かないくらい無双してて最高だった。熊倉さんの殺陣シーンが来るたびに爆沸きしてた。

あと一か所絶対笑うとこじゃないのに超笑いそうになったとこがあって。覆面をした謎の男がミラの顔を切り捨てるところなんですけど。謎の男。謎の男……いや絶対熊倉さんじゃん。もうね、一太刀目でわかった。わかりやすすぎる。展開的に従者だろうなとか、体型が熊倉さんだなとか、そういうのじゃなくてもう殺陣がどうみても熊倉さんなんだもん。覆面なんの意味もなくてめちゃめちゃウケてしまった。笑うところではない。

結局熊倉さんのチェキも買っちゃった。幸せ。

 

あとお衣装も壱劇屋さんの見どころの一つ。今回も素敵だった。ミラの最初の村娘衣装から戦装束への切り替わりも美しかったし、女官三人のお衣装も三人それぞれに魅力があって素晴らしい。国王と側近のふたりの布の厚さも好きだし、なんといっても各人の衣装が戦闘時に翻った時のシルエットが美しい。

殺陣といいお衣装といい、言葉がないぶん視覚的に楽しめて、観劇後は浴びたな……という気持ちになります。壱劇屋さん。

 

最近チケット持ってた公演がじゃんじゃん中止になっちゃったこととか、あと仕事が忙しすぎることとかで気が滅入っていたから沢山パワーを貰えた公演だった。壱劇屋さん観るとほんとに元気になれる。

 

9月 賊義賊

五彩二作品目!!!

不殺の少女義賊の物語。全編通してしんど……ってなってた前作とは打って変わって楽しい痛快時代劇。ほんとに楽しかった。まっすぐわかりやすくてひたすらに楽しくて、こういうお芝居い~よな~って思った。いい意味で作品の少年漫画っぽさと壱劇屋さん及び客演さんの人間離れした殺陣やマンパワーの演出、ワードレスなところが凄くマッチしてた。

主役のコウちゃんのお衣装をふくめたシルエットの二次元感がとってもよい。とてもとてもかわいい。なおかつ演じる小玉百夏さんのアクションが素敵! 軽やかな動き、それにあわせてひらひら舞う衣装、くるくる変わる表情。得物がクナイなのもいいな。まさに爛漫な主人公で最高だった。小さいからだを目いっぱいつかってバリバリ動いてくれるのでみていて楽しくて仕方ないです。あの小さいからだで細長いクロとかおっきい頭領とかをなぎ倒していくのがす~っごくいい……。頭領の今人さんとの体格差とかもほんと漫画みたいでよかった。

 

役だと同心と瓦版屋の二人が特に好きだった。いい味を出している。同心とか、もう出てきた瞬間に好き。造形がいい。かっこい~って思ってたらばかでか十手に振り回されてたりカラクリ十手で飛んでっちゃったりめちゃめちゃコメディ担当で面白かった。そして展開がアツい……。コウを信じてくれるところ、ぐっときて泣きそうになったよ……。最初のほうからコウの変装見破っていたりして、視野が広いというか、ちゃんと見えている人だったんだよね。タイトル回収でブチあがっちゃった。「賊」「義」「賊」!!! そういうことね!!! サイコ~~~~じゃん。

瓦版屋の浦ちゃんさん。柿の新人さんなことは存じ上げていたけど舞台でみるのは今回が初でした。いい表情をする……。出てくるたびに面白いことしてるから出てくるたびに喜んでた。セットの上のとこに頭ぶつけるやつ天丼してたけど結局毎回笑ってた。キャラクターとしてもとてもおいしいですね瓦版屋。コウちゃんに手振ってはしゃいでるのかわいかった。

 

あと演出も好きだったところがたくさんある。血を赤い紙吹雪で表現するやつ、あの技法自体は初見ではないんだけど、それにしたってタイミングがうますぎない??? 早いうえとんでもない手数がある殺陣のなかでピッタリのタイミングでバッと赤いのが舞うからあれが血飛沫だとわかっていても美しいと思わずにはいられなかった。あれを全編通してやる技術の巧みさが凄い。職人技。

師匠との過去回想が同じシーンを繰り返しながら少しづつ長くなっていってだんだん情報が明らかになっていくのも面白かった。あ~ あ~~!! あ~~~……(涙) みたいな……(日本語下手?)。こうなのかな、こうなんだろうな……みたいなののピースがはまっていく感覚というか。最後師匠の首を落とされるところほんとにつらい。前回に引き続きたけむさんは師匠ポジだったわけだけどあの役回りのたけむさんの魅力が凄いのはなんなのだろうね……。作品を支える頼もしさというか安心感というか心強さというか。最後にコウとクロの戦闘を助けに入っていた幻影の師匠のシーンでそれを一番感じた。あの演出とっても好きでこのあたりから涙がぼろぼろでてきた。

クロの最期が一番ないた。あのシーンがあることで作品がきれいに纏まるなって思います。ただ大団円で終わるのではなくて、クロがこれまでしてきたことの報いを受けてコウに看取られるでもなく人知れず命を落として終わるのがいい……。師匠が迎えに来てぽかって殴って連れていくのもすごく好きだった。師匠が助けに入ってくれるシーンとかクロの最期とか、セリフがある劇でやったらちょっとくどかったりクサすぎたりしてしまうと思う。ワードレスだからすんなり入ってくるなって思った。

アクションコメディ活劇のつもりですっかり油断していったら最後にボロボロ泣いてハンカチを持ってこなかったの後悔することになった。いいものをみたな……。

 

という余韻を吹き飛ばすタイ義賊。

壱劇屋さんの劇団正装らしい全身タイツを着用して賊義賊の一部をやってくれる恒例企画。毎公演やってるのは知ってたんだけどタイツ回にあたったのは今回が初。死ぬほど笑った。客演も全員参加でオールキャストのタイ義賊でした。主演女優が全身タイツで登場してあんだけボルテージあがる会場もわけがわからんしというか全部わけがわからん。浦ちゃんさんはのっけからいて笑った。なんなら劇団員さんより出てくるの早かったしスマホ構えてんのも笑った。柿食う客って全身タイツOKなんだ……と思うなどした。

たまたまこれまで観たすべての壱劇屋さん公演がタイツ回にあたってしまっている友人が「あれで作品自体がどれだけしんどくても明るくなって帰れる」的なことを言っていて「つまり宝塚のレビューとかパレードってコト!?」って言ってしまった。多分違う。

公演の記憶を取り戻そうとすると一回カラフルタイツ集団が挟まるのなに???

 

はい。

ぶんちゃんさんが「今月は不殺の主人公だったけど来月はめっちゃ殺します!!!」と言っていたので(?)心踏音も楽しみだね。毎月楽しみがあっていいな。

 

10月 心踏音

五彩の感想は観劇したその月中に書いちゃいたいのに気付いたらもう11月も半ばに差し掛かってた。時の流れが早すぎてどうにかなりそう。せめて次の神楽を観る前に書くぞ、と思い。
10月後半も11月前半もなんか知らんうちにいろんなチケットが増殖してなんやかんや忙しかったね……。


というわけで、3神楽目。心踏音。しんとうおん。心を踏む音と書いて、しんとうおん。観客の心も容赦なくメキメキメキ……という感じで……。とっても、とても、しんどかった……。これまでの2作がかなりすっきりというか、後味の良い感じで終わっているので五彩の神楽全体でそんな雰囲気かと思っていたのに3作品目にして重ためのブローがきた。大阪組や先に観劇していたフォロワーさんたちからしんどいしんどいというのは聞いててある程度覚悟はしていったのになんかもう外でこんなに泣くことあるか?ってくらい泣いた。  

 

壱劇屋さんをみると、毎回こんなことができるんだ、演劇にこんな力があるんだって驚きと感動をもらえるし、今回は一段とそれを感じた。最初に涙が出てきたのはタップダンスのシーンだった。盲人とのコミュニケーション手段として利用されるタップダンスの表現がすごく好きだった。ダンスって、そもそも感情を身体で表現しはじめたものだから、それを言葉がない舞台の上で感情を伝えるための「音」とし使ってあったのがほんとうにすきだった。
盲人の視界を表す照明も凄かった。「わけのわからないままいつの間にかフミが死んでいた」盲人とおなじ感情を観客に共有させる手法が巧みで凄い。下手にいたからフミの後ろにだれかがいたのはわかったんだけどほんとうに急に倒れるので観客も今何が起きたの!?ってなるし、そのあとの展開も惹きこまれる。言葉がなくても叙述トリックって成り立つし観客はそれを受け取ることができるんだなあと驚きました。
たけむさんとトクナガヒデカツさん、見間違うことは絶対にないんだけど、なんとなく体格とか雰囲気が似ているなと思ってみていたから、入れ替わるところはああ、あ~~~~……ああ………ってなりました(語彙)。
逆再生の演出はもういっそ変態的だよね……。岳人の後ろから笑人が出てきて、え、って思った瞬間からの逆再生。凄まじい。し、役者さんの負担がとんでもない。頭こんがらがりそう。あれマチソワ日とかあったんですよね。皆さん凄すぎる。
ここ最近、私は不自由の中で沢山の表現ができる、それが目の前で繰り広げらる「舞台」というコンテンツを愛しているんだって感じることが多いからたくさんの表現や可能性をみせてくれる壱劇屋さんが大好きだなと思う。

 

もちろんストーリーでもマスクがベチョベチョになるくらい泣いた。最後の方とか狡いと思う本当に……。1回目の、客席視点では岳人と盲人の戦いに見えている場面、盲人の弱いところを容赦なく突いていて、えっ……!?って思ってたんだけど、あそこは笑人は盲人とずっと一緒だったから盲人との戦い方を心得てたんだよね。だからこそうまく攪乱して戦えた皮肉。しんっっっっどい。岳人が笑人に鈴を託すシーンもなんて酷いことをするんだって涙が止まらなかったし、「盲人のために」鈴を引き受ける笑人にも泣いた。最期はどうかどうか盲人は真実に気付かないで、自分は復讐を果たしたのだと思ったままそのまま逝ってほしいと必死に祈りながらみていた。ほんとにつらかった。
これまでの3演目とも結局たけむさんに泣かされているなーって思ってる。いまのところ生存率が0%のたけむさん。今後どうなるんだろうか。
あと結構みなさんの感想を見ていても言及されていた「盲人視点では戦っている相手は岳人に見えているのか鈴人にみえているのか」は私もかなり疑問に思ったところ。板の上の事象をそのまま受け取るなら(そして戯曲を読む限りでも)盲人は岳人が復讐対象だと思って追っている、って解釈が合っているっぽいんだけどストーリー上鈴人を復習対象だと思っているって解釈した方がしっくりくる。この辺は前説で「戯曲は売ってるけど皆さんが受け取ったものが全て」といったニュアンスのことを言っていただけているので、私の好きなように受け取らせていただくのだけど。
こういったことの公言があるのは結構嬉しいポイントだなと思います。

 

頭が痛くなるほど泣いて、カーテンコールの間中もずっと泣いていたのに、アフターイベントでその涙が全て引っ込みましたね。またかい。前回の反省を生かしてタイツ回じゃないとこに行ったんだけどタイツ回とほぼ同じ結果に終わりました。今回のアフイベ、ハロウィン大会(予算1名500円)。余韻、死。なんか半分くらいタイツだったし。皆さんだいぶ面白かったんだけど個人的には日置さんが一番ツボで、紙皿で作ったカオナシのカオめくったら下にまだカオがあったからしぬかとおもった。愉快すぎる。


でもアフイベの後のご挨拶で盲人役の吉田さんが「最後の笑人の行動はお客さんからすればもっと他に道がなかったのかと思ってしまうかもしれないけれど、盲人からすればあれで正解なんです(鳴り終わらない鈴の音が苦しくて復讐をもうやめたいと思っているから)」といったようなことを仰っていてそれでまた泣きました。情緒がめちゃめちゃ。


この芝居をあの小さい箱でかぶりつきになって観れるのってすっごく贅沢だし最高の観劇体験ができていると思う。次ももうすぐだけどとっても楽しみです。

 

11月 戰御史

気付いたらもう五彩の神楽の五分の四までみてる!!!! 時の流れ!!!!! あと一作品しか残ってないんですか? イヤ~~~~十彩の神楽くらいやってよ~~~(無茶を言うな)。
四神楽目の戰御史。今回は初日に行きました。
これまでの3作品とはだいぶテイストが違うなと感じた。これまでの作品もたしかにジャンルはバラバラだったんだけど、今回はジャンルだけじゃなくて作品の雰囲気というか、なんていうんだろ。掲載誌変わった?みたいな。観劇後わ~~!!!すっげ!!ってなる演劇と、スルメタイプの演劇に分けるとしたら、これまで観た壱劇屋さんは全部前者だったけど今回は後者。墨絵が落ちてくるシーンも、ここです!!はい!!!ってところじゃなくって、あ、ここなんだ!?って思った。はっきり物語があって結構わかりやすい作品ばっかりだったのに今回は概念的な話になったから今までで一番難しかった気がする。ホラーテイストだった。公式ツイートの「世にも奇妙な殺陣芝居」って言葉がまさにその通り。壱劇屋さん好きな友人たち曰くかなり大熊作品節が効いているそう。なるほど? そもそもが初演の主演二人にがっつり標準を合わせたお話だったらしい。
おそらく大枠は捉えられているんだけど後半になるにつれやばいわからん!と思って会場出てすぐ脚本買いました。もう一度咀嚼したくて仕方がないのにスケジュールも残高もおしまいすぎる。今月と先月劇場に行き過ぎた。
以下は正解を読まずに自分の解釈ベースで感想書いてるので外れたこと言ってるかも。私が思った戰御史の話と感想が混ざってるから読みやすくはないです。
大外しはしてないと思うけどな~。

おかむさんとこばーんさんが最初に向かい合ったときにえ、そっくりじゃん!!!ってなった。からすぐあ~こばーんさんが別人格なんだな~ってすぐわかった。衣装も綺麗にお揃いだったし。この赤と青のおそろいも技巧が光っているなって思う。青照明あたってるときとかブル転してるときとかこばーんさんの着物が紫にみえてどっちだ……?ってなる瞬間が時々あった。でもおかこばのお二人、カテコでみたらふたりとも全然似てなくてあれ???って思いました。板の上の力かなあ……。

ろうそく男こと「もう一人の自分」と対峙して、彼の持つ武器を介してこれまで失っていた自分の記憶を追体験していく。屋敷のなかに転がる武器は「ろうそく男の戦利品」かな。ろうそく男の人格で手にかけた相手の武器を、ろうそく男のままこの屋敷に運んでいるから表助はそれを知らない。表助がこの屋敷に来たのは、雨で露頭に迷ったとき身体のどこかでここを覚えていたから、とか。
突然襲いかかってきたろうそく男に対抗すべく現れた剣に触れて、過去に身体が戻る。ここ序盤だったからまだ良くわかってないまま観てて、未だに引っかかってるポイントのひとつ。この時点では表助は表助のまま顔無しの剣の記憶に触れていたんだよね……。持ち主の記憶を辿らせるかどうかってろうそく男が任意に操れるのかな。
とにかくこの屋敷にある武器に触れると「なにか」が起きることはわかった。でも襲いかかってくるろうそく男に対抗するためには触れなくてはならない。

そんなこんなで入る野武士編。はじめ、ザックリ相関図だけみたときは完全に「武器」の記憶が自我をもって現れるのだとばかり思っていたんだけどそうでなくて表助がその武器の持ち主の記憶のなかに入り込んでしまうのね。なるほど。世にも奇妙な物語だわ。
ここの演出面白かった。表助が顔をべたべたと触っているあたりであ~顔が変わってるんだってのはわかる。そこから役者が入れ替わる。台詞がある芝居ならいきなり役者ごと入れ替えてもいいと思うんだけどこれを言葉なしで伝えようとするとこういう構成になるんだな……。そして言葉がなくても何が起きてるか全然わかるんだよな……。表現って凄い(毎度言ってる)。
冒頭で飛ばした「記憶がなくなっている」シーンをこうして追走して補完する構成が面白いなと思った。表助が倒れて人格が入れ替わるときにうしろからろうそく男が出てくるのは、そうくるだろうなって予想がついていてもアガった。

続いて何かが起きるってわかっていてもうっかり触れてしまったたけむさん演じる「剣」の記憶。さっきのシーンだ!ってなった。一回目にみたときに顔無しがすぐに表助を庇ったシーンの印象がかなり変わったのが面白い変化だった。一回目は普通に顔無しが隊長を庇ったんだって思ったけど、今回は「自分」だものね。ところでたけむさん、今回のお話だと出番控えめだけど今のところ五彩で死亡率100%。どうなる荒人神。
野武士編と同じように現れたろうそく男が最後には顔無しすらも手にかけてしまうんだけどそれを後助がみているところまで観客にみせるから、表助の狂行を知った上でまだ一緒にいる後助は一枚岩ではないってわかる。まあ、後助に関しては一目みたときからこいつは腹に一物あるな!って思ってたんですけど。私は詳しいんだ。

再び現代パートを挟んで、今度の武器は銃剣!この銃剣って一個前に表助撃った銃剣だよね……?記憶がはっきりしとらんけどたぶんそう。表助を撃ったのは銃剣ちゃんだったのかな。
銃剣ちゃん、かわいい~~~最高~~~~めろめろ~~~~~
こんなんみんな好きでしょ。お衣装も最高にかわいい。和テイストにスチパン風のゴーグル、網タイツ。衣装の造形が細かいのよね。スカートっぽくなってるところの四段フリルは二段目と四段目にだけよく見ると柄がはいってたりして作り込みが素晴らしかった。前瞬間可愛くって最高だったね。そんなオタクが全員好きな衣装きてオタクが全員好きな得物でバンバン戦っていく女頭領もとい表助。この頃だともう記憶の中で自分の軍の兵士と戦うのに一切躊躇がなくなってきている。これが「記憶」だってわかってるからか繰り返す記憶のなかで麻痺してしまったのか。
この回から後助が意図的にろうそく男を出してるってわかる。表助を昏倒させれば強い人格が出てくるから不利になるたびうまいこと使ってたんだな……。最後に撃ってた銃は弾はいってないやつだよね?じゃないと死んじゃうもんな……あの音がもう一度スイッチするトリガーなのかな。ウウン。

銃剣ちゃんがろうそく男に殺されたところで、再びろうそく男対表助のシーン。ここでこれまでと違って後助が完全に起きてくるんだけど、ここの演出もえぐかった。表助の主観視点と後助の客観視点が入れ替わり続けるところ。客席に対して目隠しをして、その後ろにかくれて現れたり消えたりする手法自体はヒーローショーとかでよく見るやり方ではあるんだけどあんな滑らかにやる!?!?凄すぎる……。完璧なタイミングで客席の視界から消えるこばーんさんも、相手が消えたり現れたりするのに殺陣とマイムを違和感なく交互に続けられるおかむさんも凄い。すげ~~~~って思っている間にろうそく男が勝って主人格の入れ替わりが起きて、再び冒頭へ。

ろうそく男と表助が入れ替わった後冒頭のカウントダウンを繰り返すのは、実際に同じことを繰り返しているわけではなくて今度は表助の記憶をろうそく男が追体験しているだけかなって思った。実際には屋敷から出ていなくて、ただ主人格を乗っ取った上で表助の記憶をなぞっている。で、記憶の中の屋敷にたどり着いたときに出てくるのは表助。本体にあたる身体は屋敷のなかにいる。その身体の中でさらに二人が対峙している、入れ子構造的な。

今度は表助が人格を取り戻そうと、屋敷のなかにあった短剣をろうそく男に。この時点で二人は記憶を完璧に共有し得てるのかな。それとも仕組みだけを理解した表助が人格を取り戻すためにろうそく男に短剣を渡したのかな。

狂人編。満を持してのひなちゃんさん。オタク全員殺す!!!!みたいなビジュしててウケた。腹筋きれいすぎ。そんであの手の殺陣似合いすぎ。動きがめちゃめちゃ俊敏で獣じみていてかっこよかった。こばーんさんとのろうそく男対ろうそく男のところの迫力も凄かった……。いくら中身が自分とはいえ、記憶の中で一度ろうそく男が倒している狂人だから結局は勝てないんだな~。

狂人編から再びろうそく男と表助の戦いへ。屋敷中の武器を二人揃ってひたすら持ち替えて、勢ぞろいで戦うオールスター戦。見応えありすぎ。実際戦っているのはろうそく男と表助だけれど人をどんどん移し替えて戦うから観てる側としては楽しくて仕方がない。ここは凄いものを観ているぞ……と思ってひたすら圧倒されてた。

ここからさらに斬りかかってきた後助の刀を握ったところで後助編に。今書いてて気付いたけどこの時点では後助は「ろうそく男が手にかけた人」ではないから「この屋敷の中で他人の武器に触れる」が記憶の追体験の条件だったりするのかしら。

後助の記憶を追体験することで後助の企てを知る表助。後助がなんで表助を殺そうとしていたのかはよくわからん。ろうそく男人格が手に負えなくなってきたからとか?とにかく部下に囲まれて、後助が人格を入れ替えるのに使ってた弾なしの銃を自分で自分に撃ち込んでろうそく男と入れ替わろうとする。でもろうそく男は入れ替わってくれないから、自決して無理やりろうそく男を前に出そうとした表助。この自決は、つまり主人格を完全に明け渡すということだと思ったんだけど、この後普通に表助も現れたのであれ?ってなった。でもその方がエモいし面白いからそんなに深く考え込みはしなかった。

後助との最終決戦。後助の発砲にあわせてトンデモスピードで入れ替わっていくろうそく男と表助。このあたりが一番混乱してたけど、目の前で凄いことが起きているので一旦考えるのやめ!!!やめ!!!!殺陣を浴びるわよ!!!!!楽しい!!!!!!!!!ってなってました。細かいことを考える余裕なんてなかった。目の前で濁流のような勢いで起きている殺陣を楽しむので精一杯だった。
ここの後助の芝居がさいこ~~~~に好きで……。撃っても撃っても自分が知ってる「表助」が出てこないからどんどん顔が焦っていくのがとても良かったです……。うまいこと表助を制御しているつもりだったときの悪い笑い方も好きだしここの表情が崩れていくところも超良かった。後助だいすきです(友人にでしょうねと言われた)。

今思い出しながら書いていると、後助を倒したあとで表助が消えてたようみえたからやっぱり表助は人格としてはほぼいなくなっていたのかな……ん~……もっかいみたい。

エピローグ。再度冒頭の記憶の繰り返しがおきるけどもう後助はそこにはいない。ここのろうそく男は意識的にあの屋敷に足を向けて表助に会いに行っているように思えた。最後に表助とろうそく男が対峙しておしまい。

順を追って思い起こしていくと表助が自決した以降からちょっとパニックになっていたっぽい。最後に表助とろうそく男が音に合わせて目まぐるしく入れ替わっているところは「後助を殺す」ってろうそく男の意思に塗られているから、表助が出てきているだけで表助の自我自体はないってことなのかな~戯曲読み込んだ上でもっかいみたいよやっぱり。

ココまで書いたから戯曲読んだ。なるほどね。麻酔銃ね。なるほど。全体的には~んとなったものの戯曲を読んでも全部がわかるようにはできてないんですね。余白があって楽しい。

壱劇屋さんといえば殺陣だけれど今回特に殺陣の見応えがあった。総力戦だった。こばーんさんの身体能力やばっておもった。どこだか忘れたけど両サイドから迫ってくる台に、上に飛んで乗っかるところは息を呑んだ。というか皆さんすごすぎる。オールスター戦も最後のどんどん入れ替わっていく殺陣もほんとに凄かった。なんかめっちゃ長くなったな。来月はいよいよたけむさん主演の荒人神。四作みた後の五作品目、どうなるんだろ……ドキドキ……。

 

12月 荒人神

本ブログ冒頭

>東京で五彩再演があるってきまったときに大阪で既に五彩を観ているフォロワーさんたちが口々に「四ヶ月観た後の五ヶ月目がやばい」という話をするので

 

そらそうなる

 

はい。

私もとうとう五彩"済”の人間になりましたよ!!!

五彩の神楽、四ヶ月観た後の五ヶ月目がやばい!!!!!!

 

これ感想書ける?難しくない???「凄い」で頭の中いっぱいだよ。

二ヶ月目の感想で憫笑姫とか賊義賊の団長や師匠のような誰かを教えて助けてくれる役回りのたけむさんが好きだなっていってたし、心踏音観た後に毎回たけむさんに泣かされてるっていってたなというのを思い出しました。それを踏まえて今回の演出さあ……。

えーーーーん😭

これまでの物語を「竹村晋太郎」という役者を媒介にしてもう一度巡るのか。使っている武器がこれまでのものと同じだから余計に重なる。元が背負っていた武器がモロそれだったから使うんだろうなとは思っていたけど、まさかその武器を使っていた物語に近い世界に行くとまでは思ってなかった。これまでの神楽から何かがずれた世界。これ、最初の憫笑姫の世界のときには初手で気が付けなくて。心踏音までは各主人公の性別が反転しているので最初に登場した手を繋いだ二人が兄妹ではなくてカップルにみえたんだよね。考えてみればシーンはそのままなんだけれどそれがすぐに憫笑姫の世界だとは結びつかなかった。でも却って荒、元、白の三人に注目できたからよかったのかも。荒が元と白を下がらせてから人を斬りはじめるところとか。元は(自分が気絶していたのもあるけれど)荒が盲目の少女を斬るまで荒が人を手に掛けるところをみていないんだな……。憫笑姫の世界のところ、元たちに合流した後、白は血がついている荒の剣をみるけれど元が荒の方をみる前に荒は剣についた血を拭うんですね……。徹底している。やり過ぎじゃないかとおもうけれど、荒にとって元はそうまでしても醜さから遠ざけたい存在だったし、だからこそ荒が悪感情に呑まれてしまった後もめげずに立ち向かえるんだな~……。

賊義賊はもうモロだったのですぐにわかって、あ、じゃあさっきのはそういうことか……ってなった。それぞれの神楽から少しずれた世界で荒は人の醜悪さを目の当たりにしていって最後にはとうとう悪感情に呑まれてしまう。これまでたけむさんの役が助けてきた世界や人が、ほんのちょっと違えば助からなかったというのをひたすら目の当たりにし続ける。とんだ演出だ……。心踏音の世界で絶望して悪感情に取り込まれてしまった盲目の少女を手にかけるシーンが本編と重なって辛かった。悪感情に飲み込まれてしまったあと、元に必死に手を伸ばしてるのもオエ~てなった。

あとさ~、掛け軸からみんなが出てくる演出のところはさ……声出るかと思ったよ。

アベンジャーズ・アッセンブルじゃん。

思わずコウと盲人の顔をまじまじとみてしまった。本物だった。ここからぼろぼろ涙でてきて止まらなくなっちゃって。だってこんなのずりいじゃん……。

ところで私はサプライズキャストに親を殺されたことがあるのでシークレットのキャスティングに色々と思うところがあるんだけど終演後確認したらアフイベにいる日があったからまあ、ヨシ……初演は初日に主人公座談会的なイベントをやってそっから全通した赤星さんのファンの方とかいらしたと聞いたのでそういうことはできたら初日に……と思わなくもないけれど。

や~でもほんとうに叫びだしそうになった。びっっっっくりした。あんなに劇場で叫びそうになることあるんですね……。たけむさんがこれまで助けてきた人たちが、こうして助けに来てくれるんだな~……。このシーン、思い出しては未だに泣きそうになる。数日前にみた芝居を思い出してまた泣けるのって幸せだなって思います。

でもここに現れた彼らはあくまで「絵の中から飛び出してきた主人公たち」だから本人ではないんだな~って盲人をみて思った。見えている人の動きをしていたから。長槍も笑人が使っていたものだってわかって触れていたようにみえた。

あとはもうみながらアドレナリンドバドバでてたよ~。アツい。とにかく。主人公たちの殺陣を見るたび、アイコニックなSEを聞くたび、4ヶ月ぶんの記憶がフラッシュバックしてきてすごかった。総力戦だ。あとたけむさんの殺陣も大放出だった。長槍がヌンチャクみたいになっちゃったのはずるって思った。たけむさんに扱えない武器はないんか? ろうそく男でてきたところとかもブチ上がりました。劇団員さんだし、アクションモブにこばーんさんいなかったし、でてくるだろこれは!って構えててもブチ上がる。「どうみても後ろにろうそく男がいる布」が上手から現れたときワ、ワァーってなったしろうそく男が後ろからでてきたときはもっとワーーーーーーー!!!!!ってなった。楽しいね。倒されたら絵の中に戻る演出はオタクが好きなやつじゃんね……。

あとは荒人神を通して改めて心踏音が好きだなって思った。前説の噺屋が心踏音の説明するところですらややうるっときた限界人間だからフミちゃん出てきた瞬間に大泣きしてしまった。だってあんなのさあ……最後のところ憫笑姫、賊義賊、戰御使は正しく「アフターエピソード」なんだけど心踏音はさ……心踏音だけは……あの世界ではできなかったことをやっていたから。これもひとつの「なにかが少し違った世界」の話なのかなって思う。これ書きながら思い出し泣きしてます。今。限界……。心踏音本編でもあり得ないくらいに泣いたけど今回も結婚式のシーンに入った瞬間嗚咽漏らさないように必死になった。はあ……。瓦版屋が二人のウェディングフォトを撮ったりしてたのもよかったな~。

掛け軸が降りた瞬間の光景の美しさも鮮烈。板の上の「絵」としてとても美しくて完成されていて好きだった。きっと荒が描かれるのだろう、荒の絵が収まるんだろうってみんな思ってたところにダンって落ちてくる元の絵。でもこれ以上なくしっくりくるというか、納得というか、ああ、そうだよねそこは元だよねって思った。大津夕陽くんも全編通して思わず応援したくなってしまうような演技で目が離せなかった……。ところで元くんって初演だと田中亨ちゃんだったんですね!? 友人に教えてもらった。絶対いいじゃん。入ります、観劇三昧。

この掛け軸降りるシーンの前に各主人公が掛け軸の前でポーズをとるところ、みんな元の方みてるのに戰御使の二人だけ二人でわちゃわちゃしててコラ!てなった。最後の大団円のところでも表助とろうそく男はず~っと二人で武器入れ替えて闘ってたから君たちはなんなの。あそこだけ連載誌違うんだよな……。ろうそく男は2回目みたときになんかゆるキャラみたいになってたから面白くなってしまった。ろうそくもったまま踊ってるの面白すぎる。ずっと笑ってるしゆるキャラなのかもしれない。

あとTDみたいなお姉さまたち(TDではない)も三者三様に美しくて素敵~~~。にわめぐさんの腹筋えぐくてびっくりした。霞は所作が綺麗であれはめろめろになってしまうわ……元ちゃんも誘惑されていて可愛かったです。死人を操るゴシックガールなんて全人類好きじゃん。あのかわいいビジュアルから出る雄叫びとともにアクションモブの皆さんが一斉に立ち上がるシーンは圧巻。あわさんも「そこにいる」存在感が素晴らしくて超かっこよかった。

白が想像していたよりもだいぶかわいいというかぶりっこな感じでこれまでの4作から受けた印象とは結構違ったのだけど、殺陣の芯というか軸がしっかりとしていて動きが綺麗だな~て思いました。

なんか、ワードレス殺陣舞台が刺さるところが結構ミュージカルが刺さるところと似ているような気がしている。感情の揺さぶられ方が似ているというかなんというか。ストプレが刺さるときとはまた違うんだよな~。歌声でダイレクトに感情をぶつけられるのと視覚情報でダイレクトに感情をぶつけられるのが同じように私に刺さるのかもしれない。

とにかく凄いものをみた。ほんとうに。

あと2回目に入ったとき、カテコが宴会芸の域に達していたのでウケた。

 

 

 

信じて五ヶ月ついてきてよかったな~っておもいます。五ヶ月通うのって思ってたより大変で、特に10月と11月とか予定が大パツりしててスケジュールがいい感じに死んでいたのでだいぶ無理矢理行ったのだけど、ひとつも取り零さなくてよかった。本当に。絶対に全部行けってけしかけてくれた大阪で五彩済だった友人たちや一緒に五ヶ月全部観た友人に感謝です。あと、やっぱり一作品目の憫笑姫を観たあとの衝撃が大きかったからこそここまで通い続けられたのはある、、、。憫笑姫についてはまっきーさんがいなくても多分行ってる気はするけど、でも観劇動機の大きな部分はまっきーさんだったので作品に出会うきっかけをくれたまっきーさんにも感謝!

壱劇屋さん、私が演劇にもとめているものをそのままくれるので観劇後に凄く元気が出る。私が劇場に行く理由は夢醒め*1の冒頭の夢の配達人のセリフがそのままで。

「人生を生きるには夢が必要だ。 苦しい時、かなしい時はここへいらっしゃい。 寂しい時、嬉しい時もぜひ。」

私は「人生は素晴らしい、生きるに値する」*2ってそんなに心からは思えないけれど、でも素晴らしい演目に出会えたときはこんなにいいものが観られるなら人生は捨てたものじゃないなって思う。まさにそんな演目で、特に心踏音を観終わった後に体に残った衝撃はそうそう忘れられない。あと何回こんな観劇体験ができるだろう。

あと、客席まで「演劇が好きで好きで堪らない」っていうのが伝わってくるところも、好きだって思います。

 

本当に五ヶ月駆け抜けられてよかったし、一公演もかけなくてよかった。来月からもう五彩の神楽がないなんて寂しい……。

五ヶ月間ありがとうございました!お疲れ様でした。

*1:ミュージカル『夢から醒めた夢』 来年10、11月再演決定!!!!! 突然別畑の話ですみません……私の金言なんです

*2:劇団四季が作品選定基準にしているメッセージ

LDH微塵も知らなくてもETERNALⅡは楽しいし最高

舞台ETERNALⅡ千秋楽おめでとうございます! このご時世に一公演も欠けず完走できたのほんとうにめでたい~!!
最近とにかく手持ちの公演が中止になってばっかりだった。行こうと思った公演がチケット取った次の日に中止になったり、4月からずっっっと楽しみにしてたキャッツが中止になっちゃって、代わりに人間になりたがった猫のチケット取ったら、それもまた中止になっちゃったり。そんな私のあまりの落ち込みようをみかねたRAMPAGEさん好きな友人がETERNALⅡに誘ってくれた。

優しい。

観劇した回が丁度人猫が流れた日だったので、キャッツと人猫がだめになってしまった日に有明四季劇場の真横でやってる公演に行くことになったの面白い縁だな~なんて思いました。発着音のCOLとハクナマタタ聞けて嬉しかった。
RAMPAGEさんのメンバーは天使についての配信で拝見していたRIKUさんしか存じ上げず、他のプリンだと福澤侑さんを唯一知っている状態での観劇でした。アンサンブルには何名か別演目で拝見したことがある方がいらした。2.5でここまで演者わからないの珍しいので結構新鮮。*1

以下一度しか観てない人間の感想なので諸々ご容赦ください。

 

事前知識があんまりなくても面白く纏まってたしかなり楽しかったのですごい。

演目自体は一作目を無料配信期間に拝見しているのだけど、色々時期が忙しかったので大慌てでみてあんまり仔細なところまで覚えてなかった。それでも特に問題なく楽しめたので助かりました。テーマが結構わかりやすくて、コレ多分Ⅱからみた人でもおいていかれずに楽しめたんじゃないかな。意図的に話のつくりをシンプルにわかりやすくしているのを感じた。シリーズものは続編ってだけで観劇のハードルがあがりがちだから、そこが気にならないのはめっちゃいいなって思いました。
舞台パートだけだと1時間30分くらい? かなり短いのにそれぞれ見せ場があって、歌もダンスも殺陣もあって、話もしっかり面白いの、作品としての仕上がりがすごい。本当にすごい。演者の強みであるダンスも歌もみれるし、脚本も面白いし。場転の仕方とかの演出がちょいちょい好みじゃないなって思うところはあったんだけど、個人的な好みの範疇に収まる部分だしなにより本当に本が良い。葛木せんせえ~~~~!!!(良脚本に出会うとすぐ脚本家にうちわを振るおたくの図)
今回は異種族であるオルドとどう共存していくか、そもそも共存は可能なのか、といったところが軸になっていた。登場するのがオルドと人間のミックス。彼らはミックスだけれど自分たちは「オルドである」としてオルド軍として戦っている……んだけど、これ、多分オルドと人間両方から快く思われていないパターンだろうなとおもったら案の定だったので悲しくなった。TRUMPシリーズで培った知識、生きなくていい。

 

ミックスであるニクラス隊と誓約団のあいだに戦闘を通してすこしずつ関係値が築かれていく様子がみていてとても好きだった。とくにジーンとコニーがよかった。前作からジーンがすきで彼に注目して観ていたのもあると思うんだけど、彼らが命のやり取りのなかでお互いをみて、考えているのが好きだったんだよね。コニーの眼の前でジーンが身を挺してクロエを庇った姿をみて、この優しさを持っている人になら自分の友達を任せても良いと思ったからコニーはジーンにねずみを預けたわけで。あの場面が本当に本当に好き。コニーがジーンのことを単に「敵」としてみないで、でジーンの為人をしっかりみて、こういう選択をしたんだろうなと思って。そのコニーの気持ちをジーンがきちんと受け取っているのも良い。
考える、考え始めるというのが今回の話の肝だったように思った。ジーンが「食べて眠れたら良い」と思っていたのが、それだけじゃだめだって思い始めたのもそうで。ただレンブラントを盲信するのではなくて彼なりに考えてリーフェンの方が王に相応しいと感じたときはそう言えるところに彼の成長を感じて良かった。

 

あとさあ……イムランはおたくの好きな要素集めすぎ。あんなん好きにならん方が無理。抗えない。ダンスもめちゃめちゃ素敵だしお衣装は優勝しているしまずもって傭兵だから誓約団ともニクラス隊とも別動できるのがおいしいし……。セリフが少ないのが得体が知れなくて良いし、いざ喋ったら言葉少なでも耳に残る発声をしていて好きだったし、やや猫背気味なのは立ち姿だけで腹に一物あるのがわかる。全要素好きで困る。彼自身の出自や人間性についてもはっきりスポットがあたって深く描かれるといったことはなかったのだけど、言葉の端々からどういうパーソナリティなのかがわかるような描かれ方をしていた。そもそも、作中で人間とオルド両方の血を引くニクラス隊の彼らに「ミックス」という言葉を使っているあたり脚本の信頼度が高いし、そのうえであえてイムランに「混血」ってセリフを言わせていたりするところとかうまいなって思う。レンブラントが闘技場でオルドと共存したいといったときに軽薄な笑みを浮かべるところも好き。銃の登場タイミングもずるかった(戦況的にみてもずるい)。あんな狙いやすいところからぶっ放すのさすがに戦況に対して有利すぎる。あとイムランの身のこなしの軽やかさに惹かれていたから、最期に力技で高所から引きずり下ろされて命を落としたのは興奮してしまった。構図がよかった。ひとり高いところから見下ろしているつもりだった人間が無理やり下に連れてこられてたのが……。
あとはなんといっても殺陣。他の陣営と違って「殺すこと」そのものが目的になっている動きをしていて最高だった。動きが軽い。他の演者さんの殺陣が全体的にかなりゆっくりめで個人的には少し物足りないなと思っていたので、イムランの殺陣が始まったときに自分でもびっくりするほどテンション上がってしまった。あとガッファーの殺陣もRAMPAGEさん所属の出演者のなかだと安定していて、「他教徒を殺せば殺すほど神に近づくことができる」っていうファルサリアの設定に説得力がでていてよかった。
ただ殺陣が遅くみえたのはどう考えても基準が西田舞台になっちゃってる私が悪い。今回のゆっくりめの殺陣をみて友人が「武器本来の重たさを感じられてよかった」と言ってて、なるほどね~~~!!!!と思った。目から鱗
イムランとガッファーについては、語られない関係がエモいなって思いつつもやっぱりもっとみたかったなって思ったり。多分次回作があればファルサリアの掘り下げはそこでやると思うんだけど、そこでイムランのことに少しでも触れられたら嬉しいな。
こんなにイムランのこと好きなのにグッズもなければプリンのなかで唯一死んだの、かなしい。なぜならLDHじゃないから……。えーん。諸般の事情とはいえ回復アイテムがあるのにLDH所属じゃない男は容赦なく命を落としていくのはちょっとおもしろい。

尺の問題でキャラクターひとりひとりに時間を割いての深掘りをするのが難しかったのだと思うけど、それでも各所で盛り込まれた会話や芝居でしっかりキャラクターの関係性や変化を描いてくれているのが脚本の巧みさを感じる。描くところと描かないところの塩梅がうまいというか。キャラクターのすべてを知ることはできなくてもその余白が楽しいというか。葛木せんせい、、、。

 

RAMPAGEさんのメンバーで唯一知っているのが天使に出演していたRIKUさんだったので自然と印象に残っている。相変わらず声量おばけ。主演で出ずっぱであれだけ殺陣もしているのに後半にいくにつれてむしろ声が大きくなっていくのはどうして。本業ミュージカル俳優の方ではないんですよね? もっといろんな演目に出てほしい。
天使のジャコモも今回のレンブラントも役が御本人の声質やお芝居の方向にかなりあっていて、役の魅力が増してるのが良いなと思って。ジャコモのときはジャコモが実は少女だったって言われても納得してしまう説得力があったし、レンブラントも彼の愚直さを美徳だと思わせる力があったのがよかった。レンブラントって過去の経験の割に物事を綺麗に捉えるな~と思っていて。今回だと、ミックスの彼らについては登場した時点で観客の私ですら出自が望まれたものではないのだろうと察しがついた。だからレンブラントが「オルドと人間も愛し合える。ミックスがいることがその証拠」って言ったとき随分安直だなって思ったの。少なくともオルドとして人間と闘っている彼らがそんなはずはないから。王になろうとしている人にしては世界が綺麗に見えすぎているなって。でも同時に彼の世界を良く見ようとするところは、愚かだけど、それが彼のいいところであるしレンブラントに人がついてくる所以だとも感じた。そう思わせるだけのお芝居だったと思う。天使にしろ今回にしろ、自分の事務所の舞台なのである程度はこの人ならこの役にあうだろうなと思って役を当てられているところがあると思うんだけど、それでも役に深みをもたせてくれるお芝居が好きです。

 

ちょっと劇場と音響の話。
東京ガーデンシアター今回はじめての箱でした。なんか、芝居をやる箱ではないね。客席の幅がひろすぎない? 左右に設置してあるモニターに公演中映像が映るの、最初は気が散って仕方がなかったんだけど客席の構造上見切れが出る席が多すぎるので仕方ないのかも。あと乱戦になることが多くて、私のような推しがいない人間はどこをみていいのか迷子になりそうなときに「ここだよ~!ここをみるんだよ~~!!」って教えてくれるのは意外と助かった。客層的に舞台見慣れてる人以外も来るだろうし。……いやでも、芝居観に来てるのにモニター眺めるのはわりと虚無では。銀劇とかでみたかったな。
あとね~……音響……本当にもったいない……。せっかく作品がいいのに舞台パートの音響が結構な頻度で死ぬのはほんとうにほんとうにもったいない。天使のときのブログでも散々音響に文句いってしまったので申し訳なさはあるんだけどでももったいないよ~……。今回はネルケ入ってるからまた別問題なんだよね。でもLDHの舞台2回中2回音響死んでたのであまり良い印象を持てない。自由劇場の音響殺されたのずっと引きずってしまう……。音響頑張ってほしい……。
作品としてはめちゃめちゃ楽しかったから色々、もったいないと思ってしまう。

 

舞台パートの話しかしてないけどライブパートも楽しかったです! 普段マジで全然アーティストのライブとかにいかない人間だから空気感が新鮮だったし舞台みたあと演者さんの本業もみれるのお得だなって思った! 願わくは福澤侑さんも出てほしかった!!!(無茶を言うな)
中止ラッシュでへこんでいるなかでこんなに楽しい舞台を観られたことが幸せで嬉しかったし、誘ってくれた友人にとっても感謝です。

*1:無論テニスは例外である

「理由があるはずなんだ、僕たちが友達になったのには……君が僕を見つけたのには」──『ハリーポッターと呪いの子』日本版を観た記録とあれそれ

ハリー・ポッターと呪いの子」日本公演をみてきました!!!楽しかった!!!!ロンドンのyear4時代に魂置いてきてるおたくでもめっちゃ楽しかった。日本公演が決まった時はどうなるんだろうどうなるんだろうと思っていたけど無事楽しめたのでよかった……。

劇場入った時にロンドンでみたセットがそのまま置いてあってすごいテンションあがったし、三年ぶりにワンドダンスやVマーチみれたのがうれしくて泣きそうになった。

フォロワーさんの豪運で魂が吸われる席こと2階の最前列にはいらせてもらったので、すごい観やすくて大感謝でした。

前置き

日本版呪いの子についての感想、というよりは8割「このバージョンの編集の意図とは一体」みたいなことについて個人的な意見をつらつらと書いています。つまり8割方アルバスとスコーピウスの話ですご了承ください。

やっぱり観ながら脚本ガバガバだな~ってのは思った。思ったんだけど、板の上にのるとそのガバ具合が役者の芝居とか演出とかの演劇力でねじ伏せられていくのがおもしれ~し楽しいんだよな呪いの子って。そうそうコレコレ!!!!となる。どんどんロンドンで初めてこの芝居みたときの記憶とか感動が戻ってくる心地がした。

 

以下じゃんじゃんネタバレするのでご注意ください。

当日のキャストは以下の通り。

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日本版(編集版)をみて

演出は想像以上にオリジナルをそのままもってきてくれててすごい感動した。もう次にいつみれるかわからないと思っていた「魔法」の演出やダンス、モーションをもう一度観ることができて本当に嬉しかった……。

実のところ一幕ラストのディメンターが降ってくるところは舞台上だけかもしれないとか、二幕途中(スクリプトでいう三幕ラスト)のブラックライトで文字が浮かぶところとかは一階席だけになっちゃうんじゃないかとか、いろいろ勝手に気をもんでいたのだけど完全に杞憂でした。失礼いたしました。ACT大改修しただけはあるね……。ディメンターが降ってくるところも、予言に劇場全体が呑まれてしまうところも、迫っている危機が視覚的に感じられて圧倒される。フルバージョンだと予言がばっと劇場全体に浮かんだあとに幕間に入るのであのシーンを初めてみたときの衝撃がすごく印象に残っています。ただ予言だけカタカナになってたのは、どうして……と思ったり……ほかのところ英語だったから予言だけカタカナにしたのは浮かない……? 英語じゃあかんかったか……?

 

編集について。今回一番不安だったポイントです。フルバージョンではなくてBWで編集された版を上演するって聞いた時はひとしきり大暴れしたし、自分でみるまでずいぶんと鬱々としていたのだけども、思っていたよりもかなりよかった。舞台版が初見のひとが違和感を覚えない程度にシーンやセリフが巻いてあり、このバージョンしか見てない人はついていけないんじゃないかなという不安はなかった。もちろん私はオリジナル版が好きな人間なのでここないんか……という落胆はあるものの戯曲を読んでいて感じた冗長さなどは取り除かれていて、これはこれでひとつの「呪いの子」としてまとまっていたと思う。

 

編集版がとことんアルバスとスコーピウスの話だということ

でもね、やっぱりなんでここがないの!?って思っちゃうわけよ。オタクだもの。仕方ないね。だから、切られたところと残ったところについてなんでその取捨選択がされたのかを考えてみたんだけど、このバージョンはとにかくアルバスとスコーピウスの関係を描いてるんだなと思うに至りました。

 

呪いの子はそもそも「アルバスとスコーピウスの話」のほかに、「ハリーとアルバスの話」「ドラコとスコーピウスの話」「(エイモスやデルフィーを含む)父と子の話」「ポッター親子とマルフォイ親子の対比」「父としてのハリーとドラコ」、そこからさらに「ハリーとドラコの関係構築のやり直し」などなど、たくさんのストーリーラインが平行して描いてある。でも全部やってたら到底時間が足りない。じゃあこの中から一個選ぶってなったときに「アルバスとスコーピウスの話」を選ぶのは大解釈一致ですね!!!そりゃそうなのよ!!!(誰?)

結構「えっここ削るの?」って思ったシーンやセリフはあったんだけど、とりだして考えてみるとそれって「親子」のシーンだったり「ハリーとドラコ」のシーンのセリフだったりする。例えばハリーの幼少期の場面であったり、三幕の闇の世界でのドラコとスコーピウスの会話であったり、ドラコがハリーに「(ハリー、ロン、ハーマイオニーの関係が)羨ましかった」というセリフであったり。

 

アルバスとスコーピウス関連でカットされたところをみてもそう思う。

“there’s a reason – we’re friends, Albus – a reason we found each other, you know?”(英語版スクリプト88ページ、ハーマイオニー武装本棚を発見する直前のセリフ)

このセリフ今回のブログのタイトルにするくらい好きなんだけど、編集版にはなかった。ここの自分と親友の関係に必然性を見つけようとするスコーピウスくんが好きで……。最初は何で削ったの~~!!!って思ってたけど、この「理由」って要は父親関係のことなんだよね。二人が出会って、友達になって、それから「試練」を乗り越えることが、ここで言われている理由にあたる。

二人のはじまりもそうだった。

ホグワーツ特急でアルバスがスコーピウスのところに残るって決めたのは、スコーピウスに対して「何か通じ合うもの」を感じたからだ。

スコーピウスとアルバスは顔を見合せ、何か通じ合うものを感じる。(日本語版スクリプト21ページ、ホグワーツ特急内でのト書き)

このシンパシーは、直前にスコーピウスが言った「父と息子の問題」に対するものだと思う。生まれに起因するシンパシーはこのちょっと前のスコーピウスの自己紹介のところからはじまっている。

「君はアルバス・ポッターで、彼女はローズ・グレンジャー‐ウィーズリー。僕は、スコーピウス・マルフォイ」(日本語版スクリプト21ページ)

スコーピウスが全員の名前をわざわざフルネームで言ってるのには、君たちはどうせここには残ってくれないよねという諦めがみえる。あるいは、君たちは僕と仲良くなるべきじゃないよという忠告にも思える(ちなみに今回の斉藤くんは前者にみえた)。けれどこの言動がむしろアルバスの興味を引いた。「父と息子の問題」を抱えていて、「ヴォルデモートの息子」なんて噂を立てられて色眼鏡でみられている自分と同い年の少年に「なにか通じ合うもの」を感じたんだろう。

ここが「理由」に繋がるし二人の「試練」にも直結するのだけど、どちらかといえば「親子関係」の修復のセリフにあたるのでこれらのセリフはカットされている。

 

削られたセリフとは反対に、「Try my life!」以降の図書館でのスコーピウスの長台詞はたったの一言も落とさず全て残してあることも、このバージョンで描きたいものがよく表れている。スコーピウスが初めてアルバスに対して負の感情を爆発させるシーンで、私が1番好きなシーン!!! 正味ここのカットが一切なかったので他のカット全部許したところある………………。なんたってTry my lifeを聞きに劇場に通ってたんだから……今回斉藤くんによるこのシーンも目をうるませながら叫んでいて素晴らしかった……。

 

追加されたセリフをみても二人の結びつきが強くなっている印象を受ける。ラストシーンのハリーとのシーンでのアルバスのセリフ(「スコーピウスが人生で1番大切な人」的なニュアンスのやつ)はわかりやすくそうだし、スコーピウスがローズに友達になってと言った後のセリフもそう(その宮殿に二人で住むの……?みたいなやつ)。スコーピウスがローズに対して恋愛感情を持っているって設定がほぼ消えているし、アルバスがデルフィーに惹かれていたのも控えめに描かれているし、デルフィーがスコーピウスに話しかける場面もカットされているし、「二人の関係に対する介入」を削れるところまで削って観客の焦点をアルバスとスコーピウスに集中させたいって意図を感じた。今回のアルバスとスコーピウスのお二人の演技プランからもそれを感じました。

あとディメンターを追い払うところの微妙なセリフ変更とかもそうだよね……挙げているとキリがない気がしてきたな。

こうしてひとつひとつ切り取って考えるとほとんどの改変は私の中で納得がいくものだったので、これはこれでひとつの「呪いの子」として受け入れられるなと思うことができた。

 

ただ、一度目の改変世界でアルバスがグリフィンドールにならなかったのもこのへんのことが理由なんだろうか……。ここだけは変えた理由がわからない。組分け変更の意図が「アルバスがグリフィンドールにいても父親との関係改善はされてないので父子関係の不和の原因はスリザリンに寮分けされたことではない」のを示すことだから……?でも、「たとえ寮が違っても親友同士のアルバスとスコーピウス」って結構重要だと思ってたんだけどな……。変更点で1番のびっくりポイントでした。

 

翻訳について

丸々変更されてましたね! 版権の問題かな?

より自然な日本語になっていて全てにおいてこっちの翻訳の方が断然好きだった! 感謝!!! これがいい!!! 現代の子たちのセリフとしてよりしっくりくるようにしてくれた。アルバスがスコーピウスの前ではハリーのこと「親父」って呼んでるのに本当は「パパ」なところとか思春期を感じて最高でした……。スコーピオンキングがスコーピオンプリンスになってたのは突発で笑ってしまった。なんでなんだろ。BWで今回のバージョンが作られた時にキングがプリンスに変更されてたりしたんか???

というか既出の翻訳と同じワードを同じ箇所で使ったらいけない制約でもあったのだろうか。松岡訳だと「よけい者」って訳されてたところは舞台版だと「スペア」になっていた。これについてはそもそも原文が”the spare”なので特になにも思わないんだけど、この「よけい者」ってワード自体は舞台版の別シーンででてくるんだよね。列車から飛び降りた後のエイモスの前での”we’re not wanted.”(英語版スクリプト69ページ)が「よけい者」になっていた。そんなに普通に出てくる単語ではないと思うんだけど、既出訳に登場した単語をあえて使ったんだろうか。

それから、1箇所明らかにこちらに対して“目配せ”があったのでテンション上がってしまった。“Friends?”  “Always.” のところ、松岡訳だと「友達だよね?」「いつまでも」になっていたのが舞台版は「永遠に」になってて、この、“always”を「永遠に」って訳すのは……ファンサじゃん!!!!!って思ってテンション上がりました。今回の翻訳版のスクリプト(もちろん編集版の原語スクリプトも!)めちゃめちゃ売って欲しい。もしどこかで手に入るよって情報があったら教えてください。

 

それはそうとフルバージョンもみたい

それはそう。

闇の世界でのドラコとスコーピウスのやりとりも、ポリー・チャップマンにダンスパーティに誘われてびびるスコーピウスも、ハリーとドラコの対話も、全部全部みたいです。よろしくお願いします。ある程度このバージョンの上演が続いたあととかでいいので、フルバージョンのオリジナル版を上演してほしいよ……。闇の世界にはいってすぐアンブリッジ校長が「スネイプ先生」って名前を出した瞬間にあっこれ一気にスネイプのところまで飛ぶな……と察したときの哀しさたるや。あとこれはもうスコーピウスのおたくの戯言なんだけどデルフィーに「予言は破ることができる」と気付かせてしまったのがスコーピウスの賢さなところが好きだったから……命の危機に晒されている状態でもデルフィーに対して論理的に反論のできるスコーピウスくんをわたしにみせてください……。BWとちがって日本の観客にオリジナル版を観る機会を与えられなかったことへの不満は大きいので……。いつかで構わないからフルバージョンを日本でも上演してくれることを待っています。

 

 

役者さんたちいついて少々。

美山加恋ちゃん。何を差し置いても美山加恋ちゃんのマートル。大優勝だよあんなもん。かわいすぎるし声のトーンも表情のつくりかたもなにもかもがマートルそのままで天才すぎる。ブロマイドを売ってください絶対に買うので。

アルバスの福山康平君は、体格がLDNyear4のDominicくんに似ていて登場の瞬間はわわ……となってしまったし、アルバスの人付き合いにおける不器用さや思春期の鬱屈とした感じが台詞やお芝居の端々から滲んでいて素晴らしかった。

斉藤莉生くんのスコーピウスはあのギークな喋り方が私のスコーピウス像ピッタリでびっくりした!!!!そう、これ、これがみたかったの……と思って……。感謝しかない。初舞台なの信じられんが……。

ドラコの宮尾俊太郎さんは響いた瞬間はっきりとわかる低音のお声が素敵だったし、スコーピウスのことを「私の後継ぎ」から「家族」と言い直したシーンの情の滲み方が好きだった。

ローズの橋本菜摘ちゃん、戯曲を読んだだけだときつい性格に見えがちなローズを可愛らしく溌剌に魅力的に仕上げてくれていて、これまでみたローズの中で一番すきでした!ちぎさんのハーマイオニーは革命家のハーマイオニーの時の発声がバリバリ男役発声でちぎさんだな……と思いました。

 

最後にひとつだけ……観劇時私とフォロワーさんを挟んだ両サイドの観劇マナーが終わってて……めっちゃ前のめりだったしちょこちょこペットボトル出して飲んでたし……。開演前と幕間のアナウンス、スマホのことだけじゃなくて前のめりにならないでね、っていうのとか、観劇中の飲食はやめてねっていうのとか、もっといろいろ言うべきだと思うのよね。普段観劇しない層がみにくるからこそ。また観に行きたいのでそれまでに状況が改善されていて欲しいです。

 

それはそうとこうして手の届きやすいところで呪いの子の上演が始まったのは本当に素晴らしくて喜ばしいことだと思うので、日本に持ってきてくれてありがとうございます。2年前推しのHPCC卒業公演がコロナで飛んだ私の魂も少しは救われた気がした。改めて大感謝!!!!

 

ちなみにロンドン版の感想はこちらです↓