『怪盗クイーンはサーカスがお好き』という夢の映画
劇場版『怪盗クイーンはサーカスがお好き』の感想だよ!!
普段滅多に映画の感想は書かないんだけどこれは……これは、あまりにも最高で天才でクイーンの話がしたくなってしまったので文章を残します。
はやみね作品で育って現在加藤和樹さんが好きなオタクが映画館で怪盗クイーンのアニメを浴びて情緒えらいことになった話。
最高だった。観たいもの全部観れて夢かと思った。
クイーン動いてる~~ジョーカーくんも動いてる~~~!! ほんとにジョーカーくんが和樹さんの声で喋ってるよ~~~~え!? これ優雅な休暇じゃん!? 魔窟王じゃん……!?ヴォルフと仙太郎とルイーゼじゃん!?!? 亜衣ちゃんたちだ!!!! 「東洋の神秘ですね」だ!!! あ、RD!!!!
58分の情報量ではない。
あの量の原作をきれいにまとめてくださっていて、シリーズのファンが思わず喜ぶカットやカメオ出演、サービスがたくさんあって、原作から削らざるを得なかったところも細かい箇所でしっかりキャッチしてあって、本当によかった……。
そもそも。
同年代の学校の図書館に通ってたタイプの人間がだいたいそうだったように私も例にもれず青い鳥文庫を端から読んでいる小学生だった。そのなかでも特段好きだったのがはやみね先生の作品で、はやみね先生の作品のなかでもいっとう好きなのが怪盗クイーンシリーズ。一番夢中になって読んでいた。だから今回はまさに「子供の頃大好きだった本」の映像化なわけです。私は原作は「アナミナティの祝祭」編で止まっているし(そこまで読んでるならそこそこ最近まで追ってるじゃんというのはさておき)最初の方の作品の記憶はちょっと曖昧。なにせ読んだのは小学校の頃だ。全体の流れの記憶はあるけど細かいところは覚えてないといった感じ。でもクイーンのことは大好きだったからLINEスタンプが出たときには喜んで購入して友人と遊んでいたしアニメ化してほしいアニメ化して欲しいってずっと言ってたし待望のOVA化がきまった時はそれはもう大騒ぎした。
一番びっくりしたのはジョーカーの声優発表時。なんか加藤和樹って書いてあるんだけど……? 加藤和樹って加藤和樹? そんなの……そんなの私に都合がよすぎる……。
棚の端から本を借りていた女は立派な舞台おたくに成長していた。それで、(最近は全然出演舞台に行けていなくてファンと名乗るのも烏滸がましいけど)加藤和樹さんのことは大好きだ。観劇の動機になるし、地方に住んでいた頃は遠征の動機になる役者さんだった。一時期この世の終わりのような顔でもう舞台いかないって言ってた私を観劇に連れ戻してくれたのも和樹さんだ。和樹さんが出ているから行こうってなる役者さんで、つまりかなり好き。で、声優発表当日。ジョーカー役:加藤和樹 マジでいってる?
アニメ化よりなによりこの情報が一番信じられなくて宇宙猫だったしなんなら劇場で実際に声をきくまで信じてなかった。だってまさかクイーンが令和にアニメになって、ジョーカーくんの声が和樹さんになるなんて思わないじゃん(ちなみに好きな声優さんは森川智之さんと諏訪部順一さんである。本当にこの映画私に都合が良すぎる)。
いざ劇場いったら、ほんとにジョーカーくんが和樹さんの声で喋ってた……。というかジョーカーくんだった……。
和樹さん、声優さんのお仕事がどんどん上手になっていきますね……。表現の幅が年々広がっている。今回の役はオファーだったようだけど、「ミュージカルも声の演技も出来る方」という条件で名前を挙げていただける(【インタビュー】「青い鳥文庫」の名作『怪盗クイーンはサーカスがお好き』が劇場アニメ化!愛読していたスタッフの夢が現実になった軌跡!! | PONYCANYON NEWS)のが、和樹さんがこれまで声優として活躍して、培ってきたものがかえってきているのだと感じて嬉しい。
みるまで、私は和樹さんの声をどうしても「和樹さんの声」として認識してしまうのでジョーカーくんのことをキャラクターとしてフラットにみれなくなってしまうかな~という贅沢な悩みをしていたのだけど全然、ぜんっぜん平気だった。スクリーンのなかにいたの、ちゃんと「ジョーカーくん」だった。特に上越警部に「きみはクイーンかね。それともジョーカーかね」(傍点が打てない……)って聞かれた後の「ジョーカーです」がどちゃどちゃにかっこよくて爆湧きしてしまった。「敵を欺くにはまず味方から」のくだりの「ケチ」はえぐいかわいかった……「ケチ」て……。なんかもう大好きな人の声して大好きな本のキャラクターが動いて喋ってんのほんとになんなんだろう。奇跡? 好き×好きで爆発するかとおもった。奇跡だよ。
これからクイーンシリーズを読む時にジョーカーくんのセリフが和樹さんの声で再生されるようになるんだと思うと本当に嬉しくって、しかも、それが私だけじゃなくてこの映画を楽しんだ読者のみなさん、そしてはやみね先生までがそうなんだと思うとこんなに幸せなことがあるんだなと思った。
アフレコで3人の声を聞かせていただいてから、原稿を書くときはあの3人の声でセリフが脳内再生されるようになりました。
誕生から20年・累計120万部『怪盗クイーン』アニメ映画化に原作者もうっとり - コクリコ[cocreco]
あとはやみね先生が「アフターⅤ」を楽しんでいただいていたみたいでそれも嬉しいです。和樹さんが手広くお仕事をされているので、こうしていろんなところで知っていただいているのを実感する場面があると嬉しくなる……。
ストーリーもほんとうに……ほんとうにここまでまとめていただいてありがとうの言葉しか出ない……。はじめ内容が58分ときいたときにえっ……あの話の量を58分で……? とびびったけど、なんか、なんか凄かった……。きちんとみたいところ、大切なところは全部まとまっていたし、ファンがなにをみたいのかがすごくわかられていた。たくさんの愛を感じた。一瞬倉木博士や夢水清志郎が映るところも、今回登場しないキャラクターが映り込むのも、次回作や次々回作のシーンの映像を挟んでくれるのも、原作の「サーカス」の頃にはまだ存在しなかったRDの人間態を出してくれるのも、本当に全部素晴らしかった。それとなんかTwitterの解像度が異常に高くて笑ってしまった。みたことあるようなツイートなんこもあったよ。ヤケ酒するホワイトフェイスさんとクイーンに海外公演つれてってあげるよって言われてワイングラスの適量をガン無視してワイン注ぐホワイトフェイスさんも大好きポイントでした。
セブンリングサーカスと政府とのつながりを入れている尺がない、でもそれを抜くと「どうして海外公演に行けないのか」の説明ができない問題を「渡航禁止の国」ってセリフできちんと回収していたのとかはシンプルに上手いなと思った。
あと、「サーカス」のときのクイーンとジョーカーを「いまの二人」の温度感で描き直してあったのも新鮮で面白くて楽しかった。今回みるにあたって「サーカス」と「怪盗クイーンからの予告状」収録作品を読み返したのですが、「サーカス」のクイーンとジョーカーにちょっとあれ?って思ったんです。クイーンが今よりもクールな感じがして(あくまでも「今よりも」)。二人の関係も今よりも少しだけビジネスライクな雰囲気というか、この二人ってこんな感じだったっけ?って思った。気のせいかもしれんけど。それが映画だと今の二人の温度感で描き直されているような気がして、それがよかった。クイーンがほんとにアニメになってるのが嬉しくて冒頭から泣き始める限界オタク仕草をしてしまいました。
映画館の雰囲気も印象的だった。普段そんなに映画館にいかないけど、それでもあれだけ同年代の女性ばっかりの映画館はなんだか不思議だったし、上映後に皆が口々に作品の話をしているのも楽しかった。この映画館にいるひと皆がクイーンを読んで育ったんだなと思うと胸が暑くなる。
それから、原作読み返したときも思ったけど私は小学2年生のときの担任の先生の名前も出席番号も全部覚えてるのであの検問をされたら黒田さんの前にしょっぴかれてしまうな……。成人してから読み返して気付いた感想ですね。
私と同じくクイーンシリーズを争うようにして読んでたひとみんなみてほしい。予約カードに怪盗クイーンって書いたことある人みんな。中学卒業と同時に青い鳥文庫から遠ざかっちゃった人みんな。みんなだよ……。
これ残りの作品も全部全部映像にして欲しすぎるよ~~~!!!!! ICPOのみなさんが動いて喋ってるとこもホテルベルリンのみなさまもヤウズくんもみせてくれよお……。
あとこれはずっと言ってるんだけどミュージカルにしてくれませんか……? 可能であれば宝塚歌劇団で……別箱とかでどうですか……。優雅な休暇とかいいと思うんだよ男2とヒロイン1でトップスター、トップ娘役、2番手まで埋まるし愉快な初楼のなかまたちがいるから役付きも多いし……月組さんとかでみたいな……なぜなら彩みちるちゃんのズユ様がみたいから……。もちろんオリジナル脚本でもいいです!!!!! ていうか「休暇」だとトップコンビの絡みが減っちゃってそれは悲しいから寧ろオリジナル脚本がいいよ~~~!!! バウとKAATでやってよ~~~~!!!! クイーンの声優さんが大和悠河さんになったし……本公演も……みてえよ……。ミュージカル「怪盗クイーン」みてからじゃないと死にたくない……。
以上事実無根の話でした。おしまい。